JPH0446123Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、スプレーガン等において流体の流出
を外部より操作するため、その操作端が外部へ突
出したニードル弁棒の貫通孔からの流体洩れを防
止する装置に用いられるものである。特に、ニー
ドル弁棒が頻繁に往復摺動し、流体が塗料のよう
に固まる性質を有するものであるような場合に有
効である。

従来の技術 従来この種のパツキン装置は、第３図に示す如
く、皮製のパツキン１が３〜４枚挿入され、外側
よりパツキン押し２によつて適度に締め込まれて
ニードル弁３とのスキマから流体が洩れるのを防
止していた。この場合パツキン１は、パツキン押
しの締め込み具合によつて、その軸方向長さは一
定せず、また、使用が継続するとシール効果が低
下するためパツキン押し２で締め増しする必要が
あり、そのためパツキン１を挿入する孔には、長
めにネジ４が設けられている。

したがつて、パツキン１は、このネジ部に喰い
込む結果となつていた。このような問題をさけ、
かつコンパクトに形成して、パツキンの取付・取
外しをも容易になしうるように、パツキン押しと
パツキンを一体化した第４図の如きパツキン装置
が提案されている。第４図の構成によつて多くの
問題点が解決されたが、パツキンのスキマに塗料
が残り、十分な洗浄ができなかつたり、パツキン
の調整がむずかしい等の問題を生じている。

考案が解決しようとする問題点 本考案は上記の如き、従来のパツキン装置が有
していたパツキンのネジ部喰い込みによる問題点
がなく、かつ、コンパクトに一体化されたパツキ
ンとして、シートに対するパツキンの締付調整が
容易で、しかもパツキン部への塗料残りがなく、
色替え等においても十分な洗浄が可能であるパツ
キン装置を得ることが目的である。

すなわち、一体化された第４図のパツキン装置
においては、ニードル弁５とパツキン受け６との
空間が長く塗料が溜りやすく、またパツキン７を
保持するためパツキン受け６をパツキン押し８に
圧入しており、このため一度強く締め込むと、元
に戻りにくく、調整に難があつた。

問題点を解決するための手段 以上、述べた従来技術の問題点を解決するため
本考案は、樹脂製のパツキン受けの内部に円筒部
を形成し、この円筒部にパツキン材を挿入、さら
に、このパツキン材を保持するパツキン押しを挿
入し、パツキン装置として一体化をはかつた。パ
ツキン受けの先端は、シート面を形成して本体と
の間で気密を保持する。

また、パツキン受けの内径は、パツキン押しの
先端部が挿入された時緊密となり、両者が一体に
保持されるよう形成される。

作 用 パツキン押しに外装されたパツキン受けの先端
は、前述のように本体とのシール機能をもち、か
つ、円筒部は肉厚が比較的薄く、パツキン押しと
緊密でありながら、前後に容易に移動し、パツキ
ンの締め付け調整が十分可能となる。

したがつて、パツキン押しが本体にネジ込ま
れ、また、締め増しされる場合にはパツキン押し
の先端部が円筒部に入り込み、パツキンが締め増
しされる。

実施例 本考案は詳細を以下図面により説明する。

第１図は、本考案に係るパツキン装置をスプレ
ーガンに組み込んだ時のスプレーガンの断面を示
す。また、第２図は、パツキン装置部の拡大断面
図である。

ニードル弁９は、塗料通路１０より本体１１を
貫通、外部へ突出している。外部はニードル弁９
の操作のため引金１２が設けられ、これを引いて
先端のバブルシートを開放すると共に、引金を戻
した時にバネによつて戻る構造となつている。パ
ツキン１３は、パツキン受け１４に設けた円筒部
１５に挿入されており、さらに、パツキン押し１
６によつて押えられている。パツキン受け１４
は、樹脂で形成され、その外筒部１５には、パツ
キン押し１６の先端部を圧入されており、パツキ
ン受け１４の先端はシート面１７を形成し、本体
１１のパツキン挿入孔１８の奥部に当接し、ネジ
部１９への洩れを防いでいる。

本実施例では、パツキン１３として、薄板のパ
ツキン材１３Ａを２枚と、その中間に座金１３Ｂ
を組み合わせたものを使用している。また、パツ
キン受け１４は、先端シート面１７のシール効果
を得るため、および、パツキン押し１６と一体化
保持させるため樹脂材としたが、柔い樹脂を使用
すると先端シートのシ−ル効果は十分であるが、
パツキン１３の締め込み力が不足する。したがつ
て、好ましくは適当な強度（硬さ）をもつた工業
用合成樹脂類を使用すると良い。

更に、パツキン受け１４は、パツキン押し１６
の先端部を適度に圧入することによつて密着させ
ると共に、パツキン押し１６と一体化を保つてい
る。

効 果 以上により、パツキン１３は、パツキン受け１
４とパツキン押し１６との間に一体化装着され、
ネジ部へのはみ出しや喰い込みがなく、性能安定
性が向上し、かつ、装着・取外し等が容易とな
る。またパツキン受けをパツキン押しにかぶせる
ようにしたので外しやすく、パツキン押し調整に
よつて、その締付けによるシール効果を調整する
ことができる。更に、塗料溜りも少なく洗浄も容
易に行うことが可能になつた。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案のパツキン装置を用いたスプ
レーガンの断面図。第２図は、そのパツキン装置
部分の拡大断面図を示す。第３図、第４図は従来
のパツキン装置の例を示している。 ９……ニードル弁、１１……本体、１３……パ
ツキン、１４……パツキン受け、１５……円筒
部、１６……パツキン押し、１７……シート面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 摺動するニードル弁外周からの洩れを防止する
   ためのパツキン装置であつて、樹脂製のパツキン
   受けの内部に円筒部を形成し、該円筒部にパツキ
   ン材を挿入し、さらに、該パツキン材を保持する
   パツキン押しの先端部を挿入し、前記パツキン材
   は、前記パツキン受けとパツキン押しとの間に一
   体化装着される如く形成し、前記パツキン押しに
   は、外周には本体への取付用ねじを、前記パツキ
   ン受けの先端には、本体のパツキン挿入孔の奥部
   に当接するシート面をそれぞれ形成したことを特
   徴とするニードル弁のパツキン装置。