JPH0445929B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は陰極線管のベースとステムのアウター
ピンとを保護するために輸送時に使用する陰極線
管用リードプロテクターの構造に関するものであ
る。

第１図は従来の陰極線管のベースとリードプロ
テクターの挿入部付近の縦断面図で、ステムのリ
ード線およびアウターピンのうち、説明に不要な
ものは図示を省略してある。第２図は第１図に示
すリードプロテクターの縦断面図である。第１図
に示すように、ベース１は、陰極線管２の排気管
３を内部に収容するための筒状の排気管収容部４
およびその開口端４ａと、ステム５のフオーカス
用アウターピン６を保護するバリヤー部７と、陰
極線管２のステム５から突出したアウターピン
６，８を挿通させるための複数個の透孔９を備え
たフランジ部１０とから構成され、かつこのベー
ス１は排気管収容部４内に接着剤１１を介在させ
ることにより、陰極線管２に固着されている。

リードプロテクター１２は、第２図に示すよう
に、ベース１を内部に収納するための筒状のベー
ス収納部１３と、このベース収納部１３の開口端
１３ａの周りに形成され、かつ陰極線管２のステ
ム５から突出したアウターピン８を挿通させるた
めの複数個の透孔１４を備えたフランジ部１５
と、フオーカス用アウターピン６を挿通させるた
めの透孔１６を備えた扇形状の凸起部１７と、ベ
ース１のバリヤー部７の先端に当接してこれを受
ける扇形底部１８とから構成されている。このリ
ードプロテクター１２は、そのベース収納部１３
内にベース１を挿入し、かつ透孔１４，１６にア
ウターピン６，８を挿通させることにより、ベー
ス１に固定されるようになつている。

このような構成よりなる従来のリードプロテク
ター１２は、その透孔１４，１６にアウターピン
６，８を挿入する際、特に扇形状の凸起部１７に
設けられた透孔１６にフオーカス用アウターピン
６を挿入する際に、これを曲げてしまう場合が多
いという欠点を有している。またこのような従来
のリードプロテクターを成形するための金型費用
および製品コスト費用は高価になるという欠点を
有している。

ところで、第１図に示す実例のように、フオー
カス用アウターピン６がベース１の扇形状のバリ
ヤー部７により保護されている場合、アウターピ
ン６を挿通させこれを保護するための透孔１６は
必ずしも必要でない。そこで、第３図に示すよう
に扇形状の凸起部１７を全く除去し、扇形底部１
８のみとした構造のリードプロテクター１９を用
いることも可能である。このようにすれば、成形
用の金型費用と製品コストをかなり低減できる。

しかし、この構造の場合、ベース１のバリヤー
部７がリードプロテクター１９に係合しないの
で、陰極線管球の輸送時や梱包作業を行なう場合
などに、ベース１およびリードプロテクター１９
が障害物に接触すると、アウターピン６，８を曲
げたり、アウターピン６，８を介してステム５に
応力が作用し、ステムクラツクを発生させたりし
易いという欠点を有している。またリードプロテ
クター１９をベース１に装着する際、第３図に２
点鎖線で示すアウターピン８の中心円周線Ａと透
孔１４の円周線がずれた状態で装着、すなわち相
対応しないアウターピン８と透孔１４が装着さ
れ、第４図に示すように排気管収納部４がベース
収納部１３内に完全には収納されない場合が生じ
るという欠点を有している。

本発明は上記従来技術の欠点に鑑みなされたも
ので、陰極線管のリード部への装着が容易かつ確
実であり、装着時にアウターピンを曲げたり、ス
テムクラツクを発生させたり、また装着ミスが生
じる恐れがない陰極線管用リードプロテクターを
提供することを目的とする。

以下、本発明を図示の実施例により説明する。

第５図は本発明になる陰極線管用リードプロテ
クターの一実施例を示し、ａは縦断面図、ｂは底
面図、第６図は陰極線管のベース装着部に第５図
の陰極線管用リードプロテクターを装着した状態
の縦断面図である。なお、第１図、第２図と同じ
部分には同一符号を付しその説明を省略する。陰
極線管用リードプロテクター２０はバリヤー部７
に挿入可能に形成された扇形状の凸起部２１を有
し、この凸起部２１はバリヤー部７に挿入された
際、フオーカス用アウターピン６の先端と凸起部
２１の天頂面との間に数mmの間隙ができ、しかも
凸起部２１とバリヤー部７との係合部分の長さが
３〜５mm程度確保されるように形成されている。
また凸起部２１の中央部には肉盗み部２２が設け
られている。

このように、フオーカス用アウターピン６が扇
形状の凸起部２１に全く接触しないので、リード
プロテクター２０の陰極線管２への接着が極めて
容易となる。また凸起部２１が扇形状のバリヤー
部７に３〜５mm挿入されるので、ベース１に対し
確実に装着され、挿入違いも皆無となる一方、障
害物と接触してもアウターピン６，８を曲げた
り、アウターピン６，８を介してステム５に集中
応力が作用することもなく、ステムクラツクの発
生を皆無とすることができる。

第７図は本発明による陰極線管用リードプロテ
クターの他の実施例で、第５図に示すリードプロ
テクターに適用した例を示す。第５図に示す複数
個の透孔１４を金型で整形するには、リードプロ
テクター整形用金型に複数個のピンを取付け整形
を行なわなければならないので、金型が高価にな
り、また金型に設けたピン折れが生じて製品不良
を発生する場合がある。

そこで、第７図に示すように、透孔１４に代え
てアウターピン８の外径と同一幅の溝２３を凸起
部２１を除く部分に設けると、整形金型を安価に
できるだけでなく、溝２３部は円周上に一定の肉
厚を持つているので、整形不良は皆無となる。ま
たアウターピン８との固定装着は溝２３の内側お
よび外側で締付けるため、十分に機能を持たせる
ことができる。

以上の説明から明らかな如く、本発明になる陰
極線管用リードプロテクターによれば、リード部
への装着が極めて容易かつ確実であり、装着時お
よび障害物に接触した時にアウターピンを曲げた
り、ステムクラツクを発生させたり、また挿入違
いも皆無となるなどの効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は陰極線管のベース接着部に従来の陰極
線管用リードプロテクターを装着した状態の縦断
面図、第２図は第１図に示す陰極線管用リードプ
ロテクターの縦断面図、第３図は従来の陰極線管
用リードプロテクターの他の例を示し、ａは縦断
面図、ｂは底面図、第４図は第３図の陰極線管用
リードプロテクターの装着違いを示す縦断面図、
第５図は本発明になる陰極線管用リードプロテク
ターの一実施例を示し、ａは縦断面図、ｂは底面
図、第６図は陰極線管のベース接着部に第５図の
陰極線管用リードプロテクターを装着した状態の
縦断面図、第７図は本発明になる陰極線管用リー
ドプロテクターの他の実施例を示し、ａは縦断面
図、ｂは底面図である。 １……ベース、２……陰極線管、３……排気
管、５……ステム、６……フオーカス用アウター
ピン、７……バリヤー部、８……アウターピン、
１３……ベース収納部、１５……フランジ部、２
１……凸起部、２２……肉盗み部、２３……溝。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 陰極線管用ベースに形成された、陰極線管の
   排気管を収容する排気管収容部を収納するための
   ベース収納部と、陰極線管のステムのアウターピ
   ンを挿通するための挿通部を備えたフランジ部
   と、前記陰極線管用ベースにフオーカス用アウタ
   ーピンを覆うように形成されたバリヤー部に挿入
   可能に形成された凸起部とからなる陰極線管用リ
   ードプロテクターにおいて、前記凸起部は、前記
   バリヤー部に挿入された際フオーカス用アウター
   ピンの先端との間に間〓を保持するように形成さ
   れてなる陰極線管用リードプロテクター。 ２ 前記アウターピンを挿通する前記挿通部は溝
   よりなる特許請求の範囲第１項記載の陰極線管用
   リードプロテクター。