JPH0444486Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、水平軸回りに長円状の軌跡をなすよ
うにトレーを走行させるようにした縦型回転式収
納庫における回転軸に関する。

〔従来の技術〕

縦型回転式収納棚は、第５図に概略構成を示す
ように上下１対の水平軸ａ，ｂに、左右１組のス
プロケツトｃ，ｃを取付け、上下のスプロケツト
ｃ，ｃ間に、上下方向を向く無端チエーンｄ，ｄ
を巻回して構成されている。

トレーｅの両側面より外方に向けて突設された
アーム取付軸ｆ，ｆには、１対のリンクからなる
支持アームｇ，ｇの一端が枢着され、各支持アー
ムｇ，ｇの他端は、前記無端チエーンｄに、間隔
をおいて枢着されている。

ｈは、上下方向の長円状をなすガイドレール
で、互いに線対称形をなす左右１組を、前後に若
干位置をずらせて配設されている。

これらガイドレールｈに遊端部が案内され、か
つ互いに所定の開角度をなすようにして、前記ア
ーム取付軸ｆに、左右１組の短いガイドアームｉ
の基端部が、一体的に固着されている。

このような単一の回転棚を備える縦型回転式収
納棚は、例えば特公昭53−37792号公報に記載さ
れており、公知である。

また、本出願人は、特願昭62−78769号（特開
昭63−230409号）において、水平軸回りに互いに
独立して走回しうる回転棚を左右方向に多数並置
し、迅速なピツキング作業を小さな動力でできる
ようにした縦型回転収納庫について出願してい
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上述した前者は、回転軸は１本であるが、後者
のものでは、各棚ユニツト毎に、独立した回転軸
が配設されるとともに、棚ユニツトを仕切る仕切
り壁に回転軸の両端部がそれぞれ支承され、回転
軸は複数本使用される。

したがつて、チアンネル材を組合せたユニツト
毎の仕切り壁が、組立時に、前後あるいは左右に
わずかでもずれると、左右の回転軸の軸受の軸線
が一致しなくなる問題点がある。

また、仕切り壁が、これを挾む左方と右方の２
本の回転軸を同時に一体的に支承するため、その
一方を動かすと他方も動くこととなり、従来構造
の回転軸の取付装置では、取付位置の調整が困難
となる。

そこで、本考案は、回転軸を、両端部の短軸
と、中間軸とに分割し、予め仕切り壁等に取付け
た短軸間に中間軸を嵌合することによつて、組立
を容易とした縦型回転収納庫における回転軸を提
供しようとするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

平行をなす上下１対の回転軸に取付けたスプロ
ケツト間に無端チエーンを巻回し、かつ遊端部を
該無端チエーンに所定の間隔をへだてて枢着した
１対の支持アームの基端部を、トレーを側面に設
けたアーム軸に枢着し、上下方向の長円状をなす
ガイドレールに遊端部が案内されるガイドアーム
の基端部を、前記アーム軸に固着するとともに、
一方の前記回転軸を駆動手段で回転することによ
り、前記トレーを水平状態を保せながら、水平軸
回りに走行させるようにした縦型回転式収納庫に
おいて、前記回転軸の少なくとも一方を、前記ガ
イドレールを取付けた仕切壁あるいは移動板に基
端部が枢支される左右１組の短軸と、該短軸間に
嵌合されて両者を一体的に連結する中間軸とに分
割してなるものである。

〔作用〕

縦型回転収納庫の組立時には、予め仕切壁等に
取付けた左右１組の短軸を中間軸で連結して組立
てる。そのため、組立後の左右の軸受等の軸線が
一致するように調整できる。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を、第１図ないし第４
図に基いて説明する。

第２図において、１は、縦長立方体状の中空ケ
ースからなる５個のユニツト棚２を左右方向に連
結した縦型回転式収納庫で、その前面の下部寄り
には取出用の窓孔３があり、窓孔３の下縁には、
前方を向く水平な棚板４が突設されている。

５は、収納庫１の左側面に設けられた制御手段
で、操作盤５ａ、デイスプレイ装置５ｂ及び収納
庫の動作を制御するコンピユータ（図示略）を内
蔵している。

６は、上方の回転軸すなわち従動軸で、ユニツ
ト棚２の上部においてその左右端が、チヤンネル
材（図示略）からなる仕切り壁２ａに、回転自在
に支承されている。

７は、下方の回転軸すなわち駆動軸で、ユニツ
ト棚２の下部において、その左右端部が、中空板
状をなし、仕切り壁２ａの下部空所に設けられた
左右１対の垂直をなす移動板８，９に、それぞれ
回転自在に支承されている。

第４図に示すように、左方の移動板８の前後
は、前記仕切壁２ａにおける前後の脚部２ｂに取
付けられた内向きコ字形をなす前後のチヤンネル
材１０，１０に、上下方向に摺動自在に嵌合され
ている。

右方の移動板９前後端面も、同様に、前後のチ
ヤンネル材１０，１０に摺動自在に嵌合されてい
る。

前方の脚部２ｂに固着された取付板１１には、
駆動手段すなわちモータ１２、及びこれと連結さ
れた減速器１３が取付けられている。

減速器１３の出力軸１３ａに取付けられたスプ
ロケツト１４と、駆動軸７の左端に取付けられた
スプロケツト１５間には、無端チエーン１６が装
着されている。

互いに平行をなす水平の前記従動軸６、及び駆
動軸７は、分割可能であり、その取付構造は、後
に詳述する。これら従動軸６及び駆動軸７にそれ
ぞれ取付けられた左右１組のスプロケツト１７，
１７及び１８，１８には、上下方向を向く無端チ
エーン１９，１９が巻回されている。

２０はトレーで、上面及び前面が開口する矩形
箱状をなし、左右の側板２０ａ，２０ａには、ア
ーム軸２１，２１が外方に向けてそれぞれ突設さ
れている。

第３図に示すように、アーム軸２１には、１対
の支持アーム２２，２２の基端部が枢着されてい
る。

支持アーム２２の遊端部は、互いに所定の開角
度をなすように、前記無端チエーン１９に装着さ
れ、かつ各支持アーム２２の各遊端部に枢着され
たローラ２３は、無端チエーン１９が挿通され、
かつ仕切り壁２ａに固着された上下方向のガイド
レール２４によつて案内されるようになつてい
る。

２５は、互いに側面視90度の開角度をなすよう
に、基端部が前記アーム軸２１に固着された左右
１組のガイドアームで、各ガイドアーム２５の遊
端部には、それぞれローラ２６が枢着されてい
る。

これらローラ２６を案内する右側のガイドレー
ル２７は、第３図の想像線で示すように、上部前
隅及び下部後隅部を切欠した側面視長円状をなす
ように、４本の溝材２７ａ，２７ｂ，２７ｃ，２
７ｄを組み合わせてある。

すなわち、上下をなす前部上溝材２７ａと、倒
立前向きＪ字形をなす後部上溝材２７ｄとは、前
後に間隔をへだててフレーム２ａに止着され、こ
れらそれぞれの下端と間隔をへだてて、その上端
が対向するように後向きＪ字形をなす前部下溝材
２７ｂと、短い直線状の後部下溝材２７ｃとは、
前後に間隔をへだてて移動板９に止着してある。

また、左側のガイドレール２８は、第３図の実
線で示すように、上部後隅及び下部前隅を切欠し
た側面視長円状をなし、かつ前記ガイドレール２
７と、線対象形をなすとともに、ガイドレール２
７より所定の幅だけ後位に配設した４本の溝材２
８ａ，２８ｂ，２８ｃ，２８ｄからなつている。

移動板８，９は、ボルト及びナツトからなる移
動装置（図示略）によつて、前記仕切り壁２ａに
対して、下方に移動可能であり、無端チエーン１
９の緩みをなくし、緊張状態を守るようになつて
いるが、これらの構造は、本願考案とは直接には
関係はないので、その説明は省略する。

次に、第１図において、前記駆動軸７の取付構
造について説明する。

駆動軸７の基端部は、左右の移動板８，９の内
面に、互いに対向して固着された軸受２９，２９
に枢支され、かつ内方を向く遊端部の外周にフラ
ンジ７ｃ，７ｃを連設した左右１対の短軸７ａ，
７ａと、両端部外周にフランジ７ｃ，７ｃを連設
し、かつ前記短軸７ａ，７ａ間に嵌合された中間
軸７ｂとからなつている。

短軸７ａ，７ａと中間軸７ｂの各フランジ７ｃ
同士は、これらを貫通するボルト及びナツトから
なる連結具３０で一体的に連結されており、この
連結具３０をゆるめると、駆動軸７は、３つに分
割しうる。

前記スプロケツト１５は、移動板８の空所内に
突出する左方の短軸７ａの端部に、締め具３１を
もつて締着されている。

スプロケツト１８は、左右の短軸７ａ，７ａの
中間部外周に、キー３２により、一体回転可能に
取付けられている。

右方の移動板９の右面には、予め軸受２９が取
付けられ、ユニツト棚２を増設する場合には、駆
動軸７の短軸７ａ及びスプロケツト１５を、その
まま取付けうるようになつている。

上方の従動軸６は、上述した駆動軸７と同様
に、３つに分割可能となつている。

上述した実施例においては、仕切り壁及び移動
板が、隣接する双方のユニツト棚の軸受、及びガ
イドレールを取付けるための取付板及び駆動用の
無端チエーンを収納する収納ケースを兼用してお
り、縦型回転収納庫の左右の幅を小さくしてい
る。

また、左右の軸受の軸線が一致するように、駆
動軸を組立てることができる。

この縦型回転式収納庫を使用するには、各トレ
ー２０に、例えば部品等を収納するコンテナ３２
を取出し自在に載置し、この棚番及びトレー番号
等の情報を、操作盤５ａによつて、コンピユータ
に入力する。

部品の必要時には、デイスプレイ装置５ｂ及び
操作盤５ａを使用して、所要のトレーを呼出す
と、所定のユニツト棚２におけるモータ１２は所
定量回転し、所望のトレー２０は、窓孔３に対向
して停止する。

第２図に示すように、トレー２０からコンテナ
３２を棚板４上に引出し、必要な部品を取出すこ
とができる。

〔変形例〕

上述した実施例においては、短軸と中間軸のそ
れぞれのフランジ同士を当接し、連結具で締着し
ているが、両者を凹凸部で嵌合した後、溶接等に
より固着してもよい。

〔考案の効果〕

縦型回転収納庫における回転軸を分割し、左右
の短軸の取付後に、中間軸で両者を連結して一体
化するようにしたため、軸心合わせが簡単であ
り、かつ組立て作業が容易である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例を一部分解して示
す縦断面図、第２図は、縦型回転収納庫の外観を
示す斜視図、第３図は、トレーを走行させる機構
を概略的に示す側面図、第４図は、第３図の−
線における横断面図、第５図は、従来の縦型回
転式収納棚を示す概略的斜視図である。 １……縦型回転式収納庫、２……ユニツト棚、
３……窓孔、４……棚板、５……制御手段、６…
…従動軸（回転軸）、７……駆動軸（回転軸）、７
ａ……短軸、７ｂ……中間軸、７ｃ……フラン
ジ、８，９……移動板、１０……チヤンネル材、
１２……モータ（駆動手段）、１３……減速器、
１４，１５，１７，１８……スプロケツト、１
６，１９……無端チエーン、２０……トレー、２
１……アーム軸、２２……支持アーム、２３，２
６……ローラ、２４，２７，２８……ガイドレー
ル、２５……ガイドアーム、２９……軸受、３０
……連結具、３１……締め具、３２……コンテ
ナ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 平行をなす上下１対の回転軸に取付けたスプロ
   ケツト間に無端チエーンを巻回し、かつ遊端部を
   該無端チエーンに所定の間隔をへだてて枢着した
   １対の支持アームの基端部を、トレーの側面に設
   けたアーム軸に枢着し、上下方向の長円状をなす
   ガイドレールに遊端部が案内されるガイドアーム
   の基端部を、前記アーム軸に固着するとともに、
   一方の前記回転軸を駆動手段で回転することによ
   り、前記トレーを水平状態を保せながら、水平軸
   回りに走行させるようにした縦型回転式収納庫に
   おいて、前記回転軸の少なくとも一方を、前記ガ
   イドレールを取付けた仕切壁あるいは移動板に基
   端部が枢支された左右１組の短軸と、該短軸間に
   嵌合されて両者を一体的に連結する中間軸とに分
   割したことを特徴とする縦型回転収納庫における
   回転軸。