JPH0444178Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はドラフトチヤンバの開口部に設けられ
る扉のガイド構造に関するものである。

〔従来の技術〕

ドラフトチヤンバに於て、前面、又は、前面と
側面とに開口部を形成し、このような開口部に上
下スライド式の扉を設けるようにしたものは公知
である。

このような上下スライド式の扉における扉のガ
イド構造は、平面からみて扉が前後動することな
く上下スライド作動をすることを確保するため、
例えば、扉の両側面に設けられるサツシ部材を、
その前後から挟む断面形状を有するサツシ受け部
材に支持させる構造が一般的である。

一方、前面と側面に上下スライド式扉を設けた
ドラフトチヤンバでは、その扉のガイド構造に上
記の一般的な構造を採用すると、第６図に示すよ
うに、正面扉４と側面５扉の向い合う隅部に支柱
６を設け、この支柱６に、両扉４，５の上、下ス
ライド動作を案内支持するガイド構造を取付けな
ければならない。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、開扉したとき支柱６が本体の隅部に残
るものは第５図に示すように２台以上のドラフト
チヤンバを並べて正面開口部の間口が大きな集合
型ドラフトチヤンバに形成した場合、支柱６が邪
魔になるという問題があるため、従来、扉を上下
二段式に形成する一方、中空の支柱を上、下扉の
サツシ部材として形成し、且つ、このサツシ部材
を２段インサートタイプに形成し、上、下扉のス
ライド動作と一体に支柱兼用のサツシも伸縮し乍
ら昇降する形式のものが提案されている。

扉のサツシを兼用する支柱を伸縮式にしたもの
は、支柱のインサート構造が著しく複雑となつて
部品点数も増大するほか、正面扉タイプのドラフ
トチヤンバにおけるガイド構造部品の互換性が少
なくなるため構造上のデメリツトが多い。

本考案は、正面扉タイプのドラフトチヤンバ、
及び、正面、側面両扉タイプのドラフトチヤンバ
に兼用できる扉のガイド構造を提供することを課
題とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

上記課題を解決するための本考案の構成は、開
口部に上、下スライド式の扉が装着されたドラフ
トチヤンバに於て、扉の左、右両側面に、平断面
略〓状をなすサツシ部材を取付けると共に、この
扉の前記左、右両側面に対向したドラフトチヤン
バの本体側に、上記サツシ部材における平断面略
状又は状若しくは〓状の係合部に則した平断
面形状でかつ当該係合部に遊嵌される平断面形状
の被係合部を有するサツシ受部材を取付け、前記
サツシ部材とサツシ受部材とを、両者の前記係合
部と被係合部において係合させ扉を装着したこと
を特徴とするものである。

〔作用〕

開口部に上、下スライド式の扉を設けたドラフ
トチヤンバに於て、扉の両側辺に取付けられるサ
ツシ部材とサツシ受け部材とは、その平断面が略
状又は状をなす係合部とこの係合部に遊嵌さ
れる断面形状の被係合部との雌雄関係によつて互
いに遊嵌させることができるので、それぞれ相手
側の部材を扉の両側、又は、チヤンバ本体に取付
ければ、正面扉タイプ及び両面扉タイプのいずれ
のドラフトチヤンバにも使用できる。

〔実施例〕

次に、本考案の実施例を図に拠り説明する。

第１図は本考案扉ガイド構造の一例を採用した
正面扉タイプのドラフトチヤンバの要部の平断
面、第２図は同じく正面、側面扉タイプのドラフ
トチヤンバを連設した一例を示す平断面図、第３
図は本考案扉ガイド構造の別例の平断面図、第４
図は扉ガイド構造における部材の共通化の例を示
す平断面図、第５図は集合タイプのドラフトチヤ
ンバの一例を示す斜視図、第６図は従来の正面、
側面開口タイプのドラフトチヤンバの一例を示す
斜視図である。

第６図に示す従来の側面と正面に開口部を形成
した両面開口タイプのドラフトチヤンバは、チヤ
ンバ本体１に形成した正面開口部２と側面開口部
３に、それぞれガラス製等の上下スライド扉４，
５を取付けると共に、両扉４，５の境界部には支
柱６を設け、この支柱の側面に扉支持部（図に表
われず）が形成されていた。

第６図に於て、７は正面扉４の左側の支持部、
８は側面扉５の奥側の支持部で、これらの支持部
７，８の基本構造は、扉４，５の両側が平面から
みてガタつかないようにレール状のガイド部材７
ａ，８ａを取付けることにより形成されている。
９は上記両扉４，５の内側に形成された処理室で
ある。

第６図に示す両面開口タイプのドラフトチヤン
バでは、上記のように両扉４，５の支持部が支柱
６とチヤンバ本体側に形成されているため、扉
４，５のスライドや支持において安定が高いとい
う利点があるが、支柱６に起因する問題があつ
た。

即ち、側面開口部３の横側に実験台（図示せ
ず）を連設したり、両側面又は左、右の側面開口
タイプのドラフトチヤンバ同士を連設するとき、
上記両扉４，５の支持部が設けられる支柱が邪魔
になるのである。

この点に鑑み、先に述べたように両扉４，５を
上、下二段スライド式にすると共に、支柱６も対
応して二段インサート式の伸縮構造としたものが
提案されているが、この構造のものは、正面開口
式のドラフトチヤンバと扉のガイド構造に互換性
がないなど、製造上の新たな問題を惹起してい
る。

本考案はこのような点に鑑み、上下スライド扉
４，５のガイド構造に第１図〜第４図に示すよう
な構造をとつたものである。以下、第１図〜第４
図によつて本考案のガイド構造について説明す
る。尚、図に於て同一符号は同一部材を示す。

第１図、第２図に於て、１ａ，１ｂはチヤンバ
本体１において、本体上部の左、右側壁パネル、
１ｃは本体１における処理室９の後面、第２図に
於て１ｄは左側の２台のチヤンバ本体１の右手後
面側に立設した支柱部材、１ｅ，１ｆは左、右の
本体１，１の上部を形成する内部パネル部材であ
る。

尚、第２図は、２台の側面開口タイプドラフト
チヤンバを左、右に並べた平断面を示したもので
あるが、右側のチヤンバ本体１は、両側面が開口
されたタイプに形成されている。

而して、第１図、及び、第２図に示す本考案の
実施例では、正面扉４の両側には、平断面略状
の係合部４１ａを左右対称的に形成してなるサツ
シ部材４ａが、係合部４１ａの開口辺側を処理室
９に向けてガラス扉本体４ｂの両側に扉の高さ方
向に沿つて取付けられている。

ここで、上記サツシ部材４ａは剥離鋼板を曲げ
加工したものを用いたが、この部材４ａの材質や
成形方法は適宜別のものでもよい。例えば、アル
ミニウムや合成樹脂の引抜き成形品など、適宜の
ものであつてもよい。

４ｃはこのサツシ部材４ａと扉本体４ｂの間に
介在させたゴム乃至は合成樹脂の半弾性材による
ガラス受部材、４ｄはサツシ部材をガラス受部材
４ｃに取付けるための取付部材、４ｅは扉本体４
ｂの下端辺に取付けた扉開閉用のグリツプであ
る。

第１図に示す正面扉タイプのドラフトチヤンバ
に於ては、扉本体４ｂの左、右両側に取付けたサ
ツシ部材４ａ，４ａを遊嵌することができる断面
形状を持つサツシ受け部材７１，７１に、扉４が
支持されている。

ここで、上記サツシ受部材７１はベース部材７
１ａと、上記サツシ部材４ａにおける係合部４１
ａの平断面形状を遊嵌できる被係合部を形成し
た被係合部材７１ｂと、これら両部材７１ａと７
１ｂをパネル１ａに止着する取付ビス７１ｃとに
より形成されている。

第２図に示す側面開口タイプのドラフトチヤン
バに於て、これが１台で使用される場合の扉のガ
イド構造は、一例として、正面扉４の左側は、第
２図の左側に配設したチヤンバ本体１の左側端部
に表わされるように、また、この正面扉４の右側
は、第１図の右側に配したチヤンバ本体１の正面
扉４の右端部に表わされているように構成され
る。

つまり、一台の側面開口タイプのドラフトチヤ
ンバにおいては、正面扉４の左側のサツシ部材４
ａは本体１の開口されていない側面パネル１ａに
取付けられたサツシ受部材７１に支持され、ま
た、この正面扉４の右側のサツシ部材４ａは、側
面扉５に取付けたサツシ受部材５ａに支持される
のである。

一方、側面扉５の前、後端には、外端面側を上
記サツシ部材４ａの係合部４１ａを遊嵌できる断
面形状の被係合部５１ａを有するサツシ受部材５
ａが取付けられている。この被係合部５１ａは、
正面扉４におけるサツシ部材４ａの〓状をなす係
合部４１ａに対し、前、後及び左、右方向で当該
係合部４１ａを遊嵌支持できる断面形状に形成さ
れる。

この結果、上記サツシ受部材５ａは、第１図に
示す正面扉４におけるサツシ部材４ａを係合支持
するサツシ受部材７１に代えて使用することも可
能である。

例えば、第３図に示すようにベース部材７１ａ
にサツシ受け部材５ａをビス７１ｃで止め、その
被係合部５１ａにサツシ部材４ａの係合部４１ａ
を遊嵌させるのである。

尚、本考案の実施例ではないが、部材の共通化
の例として、第２図の側面扉５のサツシ受部材５
ａに代えて、第４図に示すように第１図に示した
サツシ受部材７１ｂを使用することもできる。

而して、側面扉５のサツシ受部材５ａは、その
扉本体５ｂの外周に取付けたガラス受部材５ｃに
取付けられた取付部材５ｄを介して取付けられて
いる。この取付部材５ｄは正面扉４における取付
部材４ｄと同一形状の部材であるから、両部材４
ｄ，５ｄは同一部材を共用できる。

上記第２図において２枚の側面扉５の前端（第
１図の手前側）は、それぞれのサツシ受部材５ａ
において、２枚の正面扉４における右側のサツシ
部材４ａに嵌合されている。また、２枚の側面扉
５の後端（第１図の向う側）は、そのサツシ受部
材５ａの被係合部５１ａにおいて、チヤンバ本体
１の後面１ｃ側の支柱１ｄに取付けられた平断面
〓状をなすガイド部材８１に遊嵌されて指示され
る。

ここで、このガイド部材８１は、サツシ部材４
ａと同一断面形状の係合部８１ａを有する部材で
あるから、両部材４ａ，８１は同一部材を共用す
ることが出来る。また、先にも述べたがサツシ受
部材５ａに代え、サツシ受部材７１を使用するこ
ともできる。

また、サツシ受部材５ａ，７１とガイド部材８
１は薄鋼板等のプレス加工やアルミニウムや合成
樹脂等の引抜き材などにより形成したものを用い
る。更に、サツシ部材４ａとサツシ受部材５ａの
雌雄関係は、上記例とは逆であつてもよい。

尚、第２図に於て、２台のチヤバ本体１，１が
左右で連設され、その接合部に左側の本体１の側
面扉５が位置する場合における右側のチヤンバ本
体１の正面扉４の支持構造は、次の通りである。

第２図から明らかなように、右側の正面扉４に
おける左側のサツシ部材４ａは、左側のチヤンバ
本体１の側面扉５に設けたサツシ受部材５ａに連
結部材１０を介して並設したサツシ受部材５ａに
遊嵌支持されるようにしている。

つまり、２枚の正面扉４，４の隣接部分におい
て並んだサツシ部材４ａ，４ａは１枚の側面扉５
の前端面に平行に並べて設けた２条のサツシ受部
材５ａ，５ａに夫々に指示されているのである。

〔考案の効果〕

本考案では、各扉４，５に取付けた平断面〓状
のサツシ部材４ａと、このサツシ部材４ａの全体
に遊嵌されるサツシ受部材５ａ、ガイド部材８
１、並びに、本体に取付けられてサツシ部材４ａ
の半分に遊嵌されるサツシ受部材７１とを、互
に、扉４，５の平面において、各扉の前後及び左
右方向で拘束するように遊嵌させるから、共通部
品によつて各扉の両側辺をチヤンバ本体又は他の
扉の側辺に指示させることができ、しかも、各扉
の開、閉時、それらの扉の両側辺は、常に、前後
及び左右方向から支持案内されることとなるの
で、扉同士が向い合う隅部に全く支柱を設けず、
扉同士を支持ガイドする指示構造に適用して有用
である。

しかも、この場合に使用るう部品は、先に述べ
た側面扉５と正面扉４との相互支持案内構造に使
用した部品を、正面開口タイプのドラフトチヤン
バの扉の指示案内構造にもそのまま利用できるの
で、部品点数を減ずる上でも効果がある。

本考案は以上の通りであるから、正面開口タイ
プのドラフトチヤンバ、及び、側面開口タイプの
ドラフトチヤンバのいずれの扉のガイド構造とし
ても使用でき、きわめて有用である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案扉ガイド構造の一例を採用した
正面扉タイプのドラフトチヤンバの要部の平断
面、第２図は同じく正面、側面扉タイプのドラフ
トチヤンバを連設した一例を示す平断面図、第３
図は本考案扉ガイド構造の別例の平断面図、第４
図は扉ガイド構造における部材の共通化の例を示
す平断面図第５図は集合タイプのドラフトチヤン
バの一例を示す斜視図、第６図は従来の正面、側
面開口タイプのドラフトチヤンバの一例を示す斜
視図である。 １……ドラフトチヤンバ本体、２……正面開口
部、３……側面開口部、４……正面扉、５……側
面扉、４ａ……サツシ部材、５ａ，７１……サツ
シ受部材、４ｂ，５ｂ……ガラス扉本体、４ｃ，
５ｃ……ガラス受部材、４ｄ，５ｄ……取付部
材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 開口部に上、下スライド式の扉が装着された
   ドラフトチヤンバに於て、扉の左、右両側面
   に、平断面略〓状をなすサツシ部材を取付ける
   と共に、この扉の前記左、右両側面に対向した
   ドラフトチヤンバの本体側に、上記サツシ部材
   における平断面略状又は状若しくは〓状の
   係合部に則した平断面形状でかつ当該係合部に
   遊嵌される平断面形状の被係合部を有するサツ
   シ受部材を取付け、前記サツシ部材とサツシ受
   部材とを、両者の前記係合部と被係合部におい
   て係合させ扉を装着したことを特徴とするドラ
   フトチヤンバの扉ガイド構造。 ２ サツシ受け部材は扉の左、右両側面に取付
   け、サツシ部材を前記扉の側面に対向したドラ
   フトチヤンバの本体側に取付けることにより、
   扉側のサツシ受け部材と本体側のサツシ部材
   を、両者の被係合部と係合部において係合させ
   た実用新案登録請求の範囲第１項に記載したド
   ラフトチヤンバの扉ガイド構造。