JPH0443861Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） 本考案は、照度分布の調整が可能な複写機の照
明装置に関する。

（従来の技術） 電子複写機においては、ガラス等よりなる透光
性載置板上に置いた複写原稿を複写するため、全
体として樋状をなす長尺な反射鏡体と、この反射
鏡体の略焦点位置に配置されたハロゲン電球など
の管形電球を備え、この管形電球から放射された
光を上記反射鏡体によつて上記透光性載置板上に
載置した複写原稿に集光させるとともに、この複
写原稿にて反射された光をレンズやプリズムある
いは反射体などの光学系を介して感光体ドラムに
結像させるようになつている。

光源として用いられるハロゲン電球などの管形
電球は、通常コピー幅にわたる長尺な寸法をも
ち、原稿面の照度のアンバランスを防止するた
め、管軸方向に複数のフイラメントよりなる発光
部と非発光部を交互に配置してある。

しかしながら、管軸方向に複数のフイラメント
よりなる発光部と非発光部を交互に配置した場
合、発光部では光出力が大きく、また非発光部で
は光出力が低いため、管軸方向の照度分布は、第
４図に破線で示すように、全体として不均等にな
る不具合がある。

このような照度分布の不均等を修正するため、
例えば実開昭60−128343号公報や特開昭61−7834
号公報に示された手段が知られている。

これら従来の場合、樋状をなす反射鏡体に、長
手方向に間隔を存して多数のスリツトを形成し、
発光部に対向する箇所の隣接するスリツト間の舌
片を変形させることにより反射特性を変化させ、
全体の照度分布を均等化させるようになつてい
る。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、従来の構造はスリツトの一端が
開放されているから、各舌片は一端が浮遊端とな
り、複写作動中に振動や衝撃が加えられると各舌
片の浮遊端が独自に振動して反射特性に狂いを生
じ易く、かつ運搬中に変形し易いなどの不具合が
ある。

本考案は、複写作動中に振動して反射特性に悪
影響を及ぼしたり、運搬中に変形するなどの不具
合を生じなく、照度分布の均等化調節が可能な複
写機の照明装置を提供しようとするものである。

［考案の構成］ （問題点を解決するための手段） 本考案は、反射鏡体に長手方向に沿つて間隔を
存して、しかも両端部が非開放の複数のスリツト
を形成し、隣接するスリツト間の側壁を凹凸変形
させることにより照度分布を調整したことを特徴
とする。

（作用） 本考案の構成によると、発光部に対向する箇所
の隣接するスリツト間の側壁を凹凸変形させれば
反射特性を変えることができ、照度分布の調節が
可能となる。しかも、スリツトは両端部が開放さ
れていないので隣接するスリツト間の側壁は両端
支持の状態となり、したがつて複写作動中に振動
して反射特性に悪影響を及ぼしたり、運搬中に変
形するなどの不具合を生じない。

（考案の実施例） 以下本考案について、第１図および第２図に示
す一実施例にもとづき説明する。

先ず、電子複写機の照明装置について全体の構
成を説明する。

１は、断面が略Ｕ字形をなし、全体として樋状
をなす長尺な反射鏡体であり、本実施例では反射
鏡体１が、それぞれ光輝アルミニウムプレートな
どよりなり上部反射体２と、下部反射体３および
側部反射体４にて形成されている。

このような反射鏡体１の略焦点位置にはハロゲ
ン電球などの管形電球５が設置されている。ハロ
ゲン電球などの管形電球５は、第２図に示される
ように、原稿幅に亙る長尺な寸法をもち、原稿面
の照度のアンバランスを防止するため、管軸方向
に複数のフイラメントよりなる発光部６…を間隔
を存して配置し、これにより発光部３…と非発光
部が交互に配置されている。なお、７は受電端子
である。

この管形電球５から放射された光は、直接およ
び上記上部反射体２、下部反射体３および側部反
射体４によつて反射され、ガラス等よりなる透光
性載置板８上に置いた複写原稿９に集光されるよ
うになつている。そして、この複写原稿９にて反
射された光はレンズやプリズムあるいは反射体な
どの光学系１０を介して感光体ドラム１１に結像
される。

上部反射体２には、第２図に示すように、長手
方向に間隔を存して多数のスリツト１２が形成さ
れている。これらスリツト１２は、その両端部が
上部反射体２の側縁まで届かず、したがつてスリ
ツト１２の両端部は開放されていない。

そして、これらスリツト１２…間の側壁１３
は、フイラメント６と対向する部位では、例えば
管形電球５に向かつて弯曲して突出成形１４され
ている。

このような構成においては、管形電球６から放
射された光が上部反射体２により反射されると
き、フイラメント６と対向する部位では凸部１４
が形成されているので、これら凸部１４により反
射方向が、凸部１４を設けない場合に比べて変更
され、よつて光束を調節することができる。この
ため、凸部１４の形状を選択することにより管軸
方向の照度分布を、第４図の実線のように、全体
として均等にすることが可能になる。

そして、上記実施例では、スリツト１２の両端
部を上部反射体２の側縁まで届かせずに非開放に
してあるから、これらスリツト１２…間の側壁１
３を突出成形した凸部１４の両端部は上部反射体
２に連接しており、したがつて両端支持の状態と
なつている。

このため、複写機の作動中に振動や衝撃が発生
しても、各凸部１４やスリツト１２…間の側壁１
３が独自に振動したり、変形することはない。ま
た、運搬中に衝撃が伝えられても変形することが
なく、調整した照度分布を狂わせることはない。

なお、上記実施例では、上部反射体２にスリツ
ト１２を設けて凸部１４を形成したが、本考案は
これに限らず、第３図に他の実施例として示すよ
うに、下部反射体３に上記と同様の構成を採用し
てもよく、また側部反射体４に形成することもで
きる。もちろん、これら上部反射体２、下部反射
体３および側部反射体４に同時に形成してもよ
い。

さらに、反射鏡体１は、上部反射体２、下部反
射体３および側部反射体４を一体に形成したもの
であつてもよい。

そしてまた、スリツト１２…間の側壁１３を管
形電球５に向かつて突出成形することにより凸部
１４を形成することには限らず、逆に凹部を形成
するようにしてもよい。

［考案の効果］ 以上説明したように本考案によると、発光部に
対向する箇所の隣接するスリツト間の側壁を凹凸
変形させれば反射特性を変えることができ、照度
分布の調節が可能となる。しかも、スリツトは両
端部が開放されていないので隣接するスリツト間
の側壁は両端支持の状態となり、したがつて複写
作動中に振動して反射特性に悪影響を及ぼした
り、運搬中に変形するなどの不具合は生じない。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本考案の一実施例を示
し、第１図は全体の断面図、第２図は上部反射体
と管形電球の斜視図、第３図は本考案の他の実施
例を示す全体の断面図、、第４図は照度分布を示
す図である。 １……反射鏡体、２……上部反射体、３……下
部反射体、４……側部反射体、５……管形電球、
６……発光部、８……原稿載置板、９……複写原
稿、１０……光学系、１１……感光体ドラム、１
２……スリツト、１３……側壁、１４……凸部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 管形電球から放射された光を略樋状をなす反射
   鏡体により反射させて透光性載置板上に置いた複
   写原稿を照射し、この複写原稿にて反射された光
   を光学系を介して感光体ドラムに結像させるよう
   にした複写機の照明装置において、上記反射鏡体
   には、長手方向に沿つて間隔を存して、しかも両
   端部が非開放の複数のスリツトを形成し、隣接す
   るスリツト間の側壁を凹凸変形させることにより
   照度分布を調整したことを特徴とする複写機の照
   明装置。