JPH0443469Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は缶口に密封板を取付けた包装用缶に関
するものである。

（従来の技術） 従来、缶口に取付けた金属箔表面に合成樹脂膜
を被着してなる密封板を開封するには、一般に缶
切爪を用いて缶口縁に沿い切開していた。

（考案が解決しようとする問題点） しかし、包装用缶に缶切爪を別に具えることは
それだけコスト高になると共に、缶切爪は放置さ
れると危険性もあつた。そこで、本考案では缶切
爪を用いることなく密封板を容易に開封できるよ
うにし、又、密封板の製作も容易であつて缶口に
簡単に取付けられるようにしたものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案では、密封板の周縁部を缶口内周に沿つ
て気密に取付けた缶に於いて、上記密封板は金属
箔に合成樹脂膜を被着した上面シートと下面シー
トとを重さね合わせ、上面シートには開口用スコ
アーラインと摘み部の切込線を刻設し、下面シー
トは上記スコアーライン沿線部と開封案内部分に
接着部を設けて上面シート裏面に接合して構成し
た。

（実施例） 次に図面につき本考案の実施例を説明する。第
１図及び第２図に於いて、１は缶本体を示し、２
は段部３により稍小径にした缶口縁を示す。

４は密封板であつて、その５及び６は金属箔
７，８の表面に合成樹脂膜９，１０を夫々被着し
た上面シートと下面シートを示し、合成樹脂膜
９，１０の面を合わせて上下面シート５，６を重
ねてある。１１は上面シート５に刻設したスコア
ーラインであり、１２は摘み部１３の切り起こし
用の切込線、１４は切抜孔を示す。１５は上記ス
コアーライン１１周辺に沿つて上下面シート５，
６を加熱圧着した環状の接着部であり、１６は同
様に上下面シート５，６の一部を加熱圧着した接
着部であつて、摘み部１３を引つ張る際スコアー
ライン１１に沿つて確実に切開できるよう案内す
る位置に設けてある。

而して密封板４の周縁部１７内を上記缶本体１
の缶口縁２内に重さね、更に周縁部１７内にリン
グ１８を嵌合して、リング１８と周縁部１７と缶
口縁２とを外側に一体に巻き締めてある。

第３図は別実施例を示すものであつて、密封板
２４の構造は上例と同じであるが、缶本体２１の
缶口縁２７に取付ける場合、リングを使用せずに
密封板の周縁部２７を缶口縁２２と一緒に内側に
巻き締めてある。

更に第４図も別実施例を示すものであつて、密
封板３４の周縁部３７は、その下面シート３６側
を上面シート３５側より稍短かく形成し上面シー
ト３５の周縁部３７のみを缶本体３１の内側に折
り曲げた缶口縁３２に接着してある。

（考案の効果） 上記構成の如く本考案に於いては、密封板は、
金属箔に合成樹脂膜を被着した上面シートと下面
シートとを重さね合わせ、上面シートには開口用
スコアーラインと摘み部の切込線を刻設し、下面
シートには上記スコアーライン沿線部と開封案内
部分に接着部を設けて上面シート裏面に接合して
あるから、摘み部は切込線に沿つて引き起こすこ
とができ、更に摘み部を引つ張るとスコアーライ
ンに沿つて上面シートが切り離されるが、同時に
下面シートもスコアーラインに沿つて切除でき
る。

従つて、本考案によると缶切爪を用いずに極め
て簡易に開口できるものである。又密封板は製作
が容易であると共に缶口内周に取付けるには、巻
締めや、接着により簡単に取付けられる利点があ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すものであつて、第
１図は平面図、第２図は要部の拡大断面図、第３
図及び第４図は他の実施例の一部断面図。 １，２１，３１……缶本体、２，２２，３２…
…缶口縁、４，２４，３４……密封板、５，３５
……上面シート、６，３６……下面シート、７，
８……金属箔、９，１０……合成樹脂膜、１１…
…スコアーライン、１２……切込線、１３……摘
み部、１４……切抜孔、１５……環状の接着部、
１６……接着部、１７，２７，３７……周縁部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 密封板の周縁部を缶口内周に沿つて気密に取付
   けた缶に於いて、上記密封板は金属箔に合成樹脂
   膜を被着した上面シートと下面シートとを重さね
   合わせ、上面シートには開口用スコアーラインと
   摘み部の切込線を刻設し、下面シートは上記スコ
   アーライン沿線部と開封案内部分に接着部を設け
   て上面シート裏面に接合してあることを特徴とす
   る開口容易缶。