JPH0442769Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は、被検知体の異常温度の検知と、液体
漏液の検知とを兼用できるようにした温度・漏液
検知線に関する。

＜従来技術とその問題点＞ ビルなどの建築物や機械設備等には防火、浸水
防止上から火災報知器や漏液を検知するセンサが
取り付けられる場合があるが、火気の検知にし
ろ、漏液の検知にしろそれぞれ別個に専用のセン
サを設ける必要があり、このため各種センサを敷
設する上で配線が難しくなるという問題がある。
しかも、従来のセンサの多くは、１点で異常を検
知するものであるため、広範囲に亘つて異常を検
知するためには、非常に多くのセンサを配設せね
ばならず、防災設備上の費用がかかるという問題
もある。

本考案は、上述の問題点に鑑みてなされたもの
であつて、被検知体の少なくとも一部が所定値以
上の温度に加熱された場合や、漏液が発生した場
合に、その異常検出を広範囲に亘つて１つのセン
サで兼用して検知できるようにすることを目的と
する。

＜問題点を解決するための手段＞ 本考案の温度・漏液検知線は、このような目的
を達成するために、プラスチツク製光フアイバ上
に、第１の導電体、内部編組体および第２の導電
体を順次被覆して成るケーブルコア上に、吸液性
の糸から成る外部編組体を被覆して構成され、 前記第１、第２の各導電体は、金属編組体から
成り、 前記内部編組体は、合成繊維糸から成るもので
ある。

＜作用＞ 本考案の温度・漏液検知線は、ケーブルコアの
外周もプラスチツク製光フアイバの周囲も編組体
によつて形成されているので、外部と光フアイバ
間の通気性が良好に保たれ、温度・漏液検知線が
配設された被検知体の少なくとも一部が加熱さ
れ、周囲の空気の温度が上昇すると、その周囲空
気が光フアイバ部分にスムーズに導かれて、その
温度上昇は、直ちにプラスチツク製光フアイバに
伝達され、その結果プラスチツク製光フアイバの
温度が軟化温度以上に達すると、過熱部分が局部
的に軟化、収縮して破断する。このため、光源か
らの光信号は途中で伝送されなくなるので、プラ
スチツク製光フアイバに接続した光検出器でその
異常が検知される。

一方、漏液が生じた場合には、吸液性の糸から
成る外部編組体によつて吸液され、毛管現象によ
つて吸液が効率良く周囲に広がるので、導体間の
距離が遠い場合でも漏液が効率良くコア内に導入
され、内部編組体に侵入するので、導電体間の抵
抗値が低下することになり、導電体に接続した測
定器で漏液発生が検知される。

さらに、導電体の少なくとも一方がプラスチツ
ク製光フアイバ上に被覆されているので、別に設
ける場合に比べて検知線の断面積を小さくするこ
とができる。

＜実施例＞ 以下、本考案を図面に示す実施例に基づき詳細
に説明する。

第１図は、本考案の一実施例の温度・漏液検知
線の断面図である。

この実施例の温度・漏液検知線４０は、１本の
プラスチツク製光フアイバ４２上に、金属線編組
体から成る第１の導電体４４、内部編組体４６お
よび金属編組体から成る第２の導電体４８を順次
被覆して形成されたケーブルコア４９上に、吸液
性の糸から成る外部編組体５０を被覆して構成さ
れている。

プラスチツク製光フアイバ４２としては、耐屈
曲性に優れるとともに、加熱に対しては、一定の
温度範囲で軟化、収縮を起こす特性を有するも
の、例えば、メタアクリル樹脂、ポリスチレン樹
脂等の高屈曲性のコア１２にふつ素樹脂等の低屈
折率性のクラツド１４を被覆してなるフアイバ素
線１６上に黒色ポリエチレン等の保護層１８を被
覆したものが適用される。

合成繊維糸から成る内部編組体４６としては、
例えば、モノフイラメントのポリエチレン糸から
成る編組体が用いられる。

また、ケーブルコア４９は、吸液性の糸、例え
ば、マルチフイラメントのテトロン糸から成る外
部編組体５０で被覆されている。

上記構成を有する温度・漏液検知線４０を被検
知体に配設しておけば、被検知体の一部分が過熱
された結果、プラスチツク製光フアイバ４２の温
度が軟化温度以上に達すると、過熱部分が軟化、
収縮して破断する。このため、光源からの光信号
は途中で伝送されなくなるので、プラスチツク製
光フアイバ４２に接続された光検出器でその異常
が検知される。

一方、漏液が生じた場合には、導電体４４，４
８間の抵抗値が低下するので、導電体４４，４８
に接続した測定器で漏液発生が検知される。

＜効果＞ 以上のように本考案によれば、プラスチツク製
光フアイバ上に、第１の導電体、内部編組体およ
び第２の導電体を順次被覆して成るケーブルコア
上に、吸液性の糸から成る外部編組体を被覆して
構成され、前記第１、第２の各導電体は、金属編
組体から成り、前記内部編組体は、合成繊維糸か
ら成るので、従来のように火気センサと漏液セン
サとを別個に設けなくとも、この温度・漏液検知
線だけで火気発生と漏液の発生とを共に確実に検
知することができる。

従つて、温度・漏液検知線を、例えば、ビルの
室内や設備等に配設し、これに光検出器、抵抗測
定器、警報器等を接続すれば温度と漏液との異常
検知を兼用した検知システムを構成できるので、
センサの敷設も有利であり、しかも防災設備費が
軽減できるので、火災、浸水予防に役立て得る。

特に、その構成において、ケーブルコアの外周
もプラスチツク製光フアイバの周囲も編組体によ
つて形成されているので、外部と光フアイバ間の
通気性が良好に保たれ、温度・漏液検知線が配設
された被検知体の少なくとも一部が過熱され、周
囲の空気の温度が上昇すると、その周囲空気が光
フアイバ部分にスムーズに導かれて、その温度上
昇は、直ちにプラスチツク製光フアイバに伝達さ
れ、これによつて、異常温度検知が迅速に、か
つ、精度良く行われることになる。

また、外部編組体は、吸液性の糸から成るの
で、漏液は外部編組体によつて効率良く吸液さ
れ、毛管現象によつて吸液が効率良く周囲に広が
り、導電体間の距離が遠い場合でも漏液が効率良
くコア内に導入されて導電体間の抵抗値が低下す
るので、漏液の発生が迅速に、かつ、精度良く検
知されることになる。

また、導電体の少なくとも一方がプラスチツク
製光フアイバ上に被覆されているので、別に設け
る場合に比べて検知線の断面積を小さくすること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の温度・漏液検知線
の断面図である。 ４０……温度・漏液検知線、４２……プラスチ
ツク製光フアイバ、４４，４８……第１、第２の
導電体、４６……内部編組体、４９……ケーブル
コア、５０……外部編組体。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) プラスチツク製光フアイバ上に、第１の導電
   体、内部編組体および第２の導電体を順次被覆
   して成るケーブルコア上に、吸液性の糸から成
   る外部編組体を被覆して構成され、 前記第１、第２の各導電体は、金属編組体か
   ら成り、 前記内部編組体は、合成繊維糸から成ること
   を特徴とする温度・漏液検知線。 (2) 前記内部編組体の合成繊維糸は、モノフイラ
   メントのポリエチレン糸である実用新案登録請
   求の範囲第１項に記載の温度・漏液検知線。