JPH0442718Y2 - - Google Patents

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JPH0442718Y2
JPH0442718Y2 JP15133686U JP15133686U JPH0442718Y2 JP H0442718 Y2 JPH0442718 Y2 JP H0442718Y2 JP 15133686 U JP15133686 U JP 15133686U JP 15133686 U JP15133686 U JP 15133686U JP H0442718 Y2 JPH0442718 Y2 JP H0442718Y2
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【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、加圧熱処理装置にかかり、特に、成
形にあたりワツクス等のバインダを含む粉末成形
体、ピツチタール等で含浸された炭素繊維成形体
等のように、いずれも加圧熱処理に際して被処理
体から多量の分解ガスを発生するような場合に有
用な加圧熱処理装置に関するものである。
〔従来の技術〕
粉末成形体等の被処理体をガス圧媒を介して圧
縮熱処理する方法としては、熱間静水圧加圧法が
あり、ガス圧を用いるために被処理体の形状を問
わず、内部まで均一に圧縮され、高温下であるこ
ととあいまつて、真密度化に極めて有効なものと
して、1960年代に工業化されている。
近来、新素形材料の開発とあいまつて、その適
用範囲は増々拡大し、加圧熱処理装置に多種多様
な被処理体の特性に対し有効に処理し得る機能を
具備していることが要請されている。
例えば、ピツチタールで含浸さた炭素繊維成形
体を炭素−炭素複合体とする加圧熱処理に際し
て、多量の分解ガスが生成されるが、この中には
炭化水素系(Cm・Hn)生成物、硫化水素(H・
S)があり、前者が加熱要素に付着すると、良導
電材の炭素が焼結・残留し加熱要素の電気抵抗値
を下げその発熱効率を阻害し、入電部絶縁碍子に
付着するときその絶縁を不良とし漏電による碍子
破壊に至る重大なトラブルが発生する等の原因と
なり、また後者の硫化水素は金属体に対し腐食作
用を有し、これが加熱要素に付着すると高温であ
ることもあいまつて、腐食によりその発熱効率お
よび寿命の低下を招く。
また、他の例として、成形用ワツクスを焼成し
ながら脱ワツクスを要する被処理体を加圧熱処理
する際には、炭素を多く含む分解ガスが生成さ
れ、この分解ガス中の炭素は、前述の炭化水素系
の生成物と同様に、加熱要素等に対し有害であ
る。
しかも、いずれにしても圧媒ガス中にこれらの
生成物が混入することは、これらが圧媒ガスと共
に開閉弁等を通過することになり好ましいことで
はない。
従つて、上記のように加圧熱処理中に高圧室内
の構成部材あるいは圧媒ガスに有害なあるいは好
ましくない影響をおよぼす分解ガスを生成する被
処理体の加圧熱処理に際しては、その生成組成分
をなんらかの手段で遮蔽および排除し得る機能を
有する加圧熱処理装置が必要となる。
ところで、この種分野において、加圧熱処理中
に被処理体より発生する分解ガス等による高圧室
内の構成部材等への影響を遮蔽する機能を有する
ものとして、第4図に示される「特開昭51−
88503号」に記載の加圧熱処理装置が提案されて
いる。
第4図は上記の従来の加圧熱処理装置の主要部
断面構成を示すものである。第4図において、高
圧室59は高圧容器51と該高圧容器51の上下
開口部に嵌着する上縁52および下蓋53とで気
密に劃成されてなり、該高圧室59の内側に設け
られた断熱層54と、さらにこの断熱層54の内
側に加熱要素55を配し、この内側に被処理体5
7を装入したカプセル容器56を載置したもので
あり、また該高圧室59には少くとも2つのガス
通路が設けてあつて、その一方のガス通路61よ
り導入された高圧ガスを介して加圧熱処理するも
のである。なお、前記カプセル容器56には前記
高圧室59に設けてある2つのガス通路の他の一
方のガス通路62と連通するガス調整管58が設
けてあつて、ガス通路62に設けられた開閉弁6
3を介して外部と連通されている。
この従来の加圧熱処理装置は上記構成にて、加
圧熱処理に際し被処理体57より発生する分解ガ
スを高圧室59に流出することなく遮断し、系外
に排出する機能を有するものである。
また、最近発明者等は第4図に示した従来技術
をさらに発展させたものを「特願昭60−124430
号」として提案している。
第5図は上記提案になる加圧熱処理装置の主要
部断面構成を示すものである。第5図において、
高圧室79は高圧容器71と該高圧室71と上下
開口部に嵌着する上縁72および下蓋73とで気
密に劃成されてなり、該高圧室79の内側に設け
られた断熱層74と、さらにこの断熱層74の内
側に加熱要素75を配し、この内側に密閉ケース
76を設け、該密閉ケース76内に載置された被
処理体77をガス圧媒を介して加圧熱処理するも
のである。
また、前記高圧室79には少くとも2つのガス
通路81,82が設けてあつて、一方のガス通路
81は図外の加圧源に接続され、他の一方のガス
通路82は開閉弁83を介して外部に連通されて
いる。そしてまた、前記密閉ケース76には少く
とも2つのガス通路91,90が設けてあつて、
一方のガス通路91は当該密閉ケース76内の方
向のみに流通する逆止弁92を介して前記高圧室
79と連通し、他の一方のガス通路90は前記高
圧室79に設けられたガス通路82と連通し、該
ガス通路82に設けられた開閉弁83を介して系
外とつながつている。
この提案の加圧熱処理装置は上記構成にて、加
圧熱処理にあたり、高圧室79と密閉ケース76
内との圧力を常にほぼ均圧として該密閉ケース7
6の変形を防ぎ、かつ、被処理体77より発生す
る分解ガス等を高圧室59に流出することなく遮
断し、系外に排出する機能を有するものである。
〔考案が解決しようとする問題点〕
上記従来の加圧熱処理装置は、いずれも非処理
体をカプセル容器または密閉ケース等で密閉し、
加圧熱処理中に非処理体より発生する分解ガス等
の高圧室への流出を遮蔽し、かつ系外へ放出する
機能を有するものであり、前述のような加圧熱処
理中に多量の分解ガスを生成する、例えばピツチ
タールで含浸された炭素繊維成形体、成形用ワツ
クスを含む粉末成形体等の被処理体についても加
圧熱処理を可能とするものである。
しかし、前者(第4図に示す特昭51−88503号)
の提案にかかる装置においては、下記の,,
に述べる欠点を有している。
高圧室59内の空間とカプセル容器56、ガ
ス調整管58およびガス通路62からなる空間
とはそれぞれ独立した圧力空間を形成してお
り、既知のように高圧室59内のガス圧によ
り、カプセル容器56は圧縮変形され、被処理
体57を加圧するもので、その加圧熱処理にあ
たりカプセル容器56を軟化するための先行加
熱、加圧時に高圧室59とカプセル容器56等
とに極端な差圧の発生を防止するためカプセル
容器56への背圧用ガス圧媒の供給、加圧熱処
理中の圧力・温度の変化に対応した前記差圧の
制御等々非常に複雑で微妙な操作を必要とす
る。すなわち、カプセル容器56内の圧力は一
般に大気圧レベルであり、そのまま高圧室59
を所定圧まで昇圧すると、両者間に極端な差圧
が発生し、該カプセル容器56は不均等変形に
より局部破損し、また該カプセル容器56と連
通する調整管58も圧着する。従つて、昇圧前
に加熱し、前記カプセル容器56を軟化させ均
等変形を容易とし、また昇圧にあたつて該カプ
セル容器56にガス圧媒を供給して背圧を保証
し、かつ加圧熱処理の進行に従い余剰ガスを系
外に排出するがような調整が必要とされる。
カプセル容器56に設けられた排ガス用の調
整管58は、比較的厚肉の構造としても、カプ
セル容器56との接続部近傍においては被処理
体57と同等の高圧・高温下にさらされ、これ
は断熱層にて保護されている高圧容器の内面よ
り高い温度環境におかれることであり、加圧熱
処理中に該接続部近傍が温度・圧力に抗し得ず
圧着し排ガス通路が閉塞され所期の機能が阻害
され易い。
前記のピツチタールで含浸された炭素繊維成
形体等のように処理中に多量の分解ガスを生成
する被処理体を加圧熱処理するにあたり、その
生成ガス排出用の調整管58の下部またはガス
通路62内で液化・固化し、これらのガス通路
が閉塞され所期の機能が阻害され易い、この現
象は系外に連なるガス通路を流れる分解ガスの
温度が加熱要素より遠ざかるに従い低下するた
め気化温度の高い組成分より順次に液化または
固化してガス通路の内壁に付着することが原因
する。またこの現象は調整管58の強度を保証
するためその内径を細く設けたときその頻度が
高くなる。
そして、後者(第5図に示す特願60−124430
号)の提案にかかる装置は、前述のように高圧
室79と被処理体77を密封する密閉ケース7
6内との圧力をほぼ均圧とする機能を有し、前
記の前者の従来技術の装置における欠点,
を解消し得るものであるが、しかし、この装置
においては、前者の従来技術の装置における
に記載の欠点、すなわち、前記のピツチタール
で含浸された炭素繊維成形体等のように処理中
に多量の分解ガスを生成する被処理体を加圧熱
処理するにあたり、その生成ガスが排出用のガ
ス管路82内で液化・固化し、該ガス通路82
が閉塞され所期の機能が阻害され易い欠点は解
消されていない。
そこで、本考案は上記問題点に鑑み、加圧熱処
理に際して多量の分解ガスを生成する被処理体に
ついても安定して処理し得る加圧熱処理装置を提
供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
上記問題点を解決するための本考案にかかる加
圧熱処理装置は、主要断面図である第1図に示
す、高圧容器1と該高圧容器1の上下開口部をそ
れぞれ密封する上蓋2および下蓋3とによつて劃
成される高圧室9を有し、前記高圧室9内に、断
熱層4とその内側に配した加熱要素5とにより囲
まれた処理空間を成形してなり、当該処理空間に
載置された被処理体7をガス圧媒を介して加圧熱
処理する装置において、 前記高圧室9には少くとも2つのガス通路1
1,12が設けてあつて、一方のガス通路11は
加圧源15に接続され、他の一方のガス通路12
は開閉弁13を介して系外へと連通しており、ま
た、前記加熱要素5の内側に被処理体7を囲む密
閉ケース6を備え、該密閉ケース6には少くとも
2つのガス通路21,20が設けてあつて、一方
のガス通路21は該密閉ケース6により劃成され
た処理室8の方向のみにガスを流通させる逆止弁
22を介して高圧室9と連通し、他の一方のガス
通路20は該密閉ケース6の下方に備えられた低
温ケース10と連通しており、その前記系外に通
ずるガス通路12は前記低温ケース10に設けら
れたガス排出口24と連通しており、かつ該ガス
排出口24は前記低温ケース10の下部において
液状化あるいは固体化した排出組成分が滞溜し得
る容積を残してそれより上部に設けられているこ
とを特徴とするものである。
〔作用〕
加圧源15から高圧室9に所定の圧力まで高圧
のガス圧媒を送り込む、このとき逆止弁22とガ
ス通路21を介して処理室8にも同ガス圧媒が送
り込まれ、高圧室9と処理室8とは等圧にて昇圧
する。
また、加熱要素5に通電して加熱・昇温する
と、被処理体7に含まれるバインダが熱分解して
分解ガスを生成し始めるが、該分解ガスは高圧室
9への流出を密閉ケース10にて、ガス通路21
よりの逆流を逆止弁22にて阻まれ、この分解ガ
スは処理室8内の圧力を高圧室9内より高くし始
める。そこで、開閉弁13を開き処理室8内の分
解ガスを系外に排出する。
なお、開閉弁13を開き処理室8内の分解ガス
を系外に排出するにあたり、処理室8内の圧力が
高圧室9より低下すると、逆止弁22が開き高圧
室9内のガス圧媒が処理室8内に導入され、両者
間の圧力は等圧となる。このように常に高圧室9
と処理室8の差圧がほぼ等圧に保たれるので、密
閉ケース10と、それに連通してなる低温ケース
等は薄肉に設けても差圧にて圧壊または圧着する
ことがない。
上記のように、加圧熱処理に際して生成される
被処理体よりの分解ガスは系外に排出され、かつ
高圧室9内に流出することがないため、高圧室9
内の構成部材は有害な分解ガスより確実に絶縁さ
れる。
また、処理室8より、すなわち密閉ケース6内
より排出される分解ガスは密閉ケース6の下方に
設けられた低温ケース10を経由して系外に排出
されるが、該低温ケース10内の温度は処理室8
の温度より大巾に低い、これは高温・高圧下にお
いてはガス圧媒の対流が極めて激しく熱量が常に
上方に搬送されるためである。このため、低温ケ
ース10内に導入された分解ガスは該低温ケース
10内にて温度低下し、液化または固化して容易
に捕捉し得る形態となり、該低温ケース10の下
部にあらかじめ形成してある滞溜用の容積部分に
滞溜または沈下して捕捉される。
すなわち、本考案にかかる低温ケース10のガ
ス排出口24は、該低温ケース10の下部に上記
の液化または固化する分解ガス組成分が滞溜し得
る容積を残してそれより上部に設けてあり、排ガ
ス通路の閉塞の原因となる液化または固化し易い
分解ガス組成分を該低温ケース10の下部になる
滞溜容積部分にて捕捉・滞溜させ、それ以降の排
ガス通路には流通性の高い分解ガス組成分のみ導
く作用を有し、もつて分解ガスの排出を確実なも
のとする。
上記のように、本考案にかかる加圧熱処理装置
は、加圧熱処理に際して被処理体7より生成する
分解ガスを高圧室9内の構成部材より遮蔽し、か
つ安定して確実に系外に排出し得る。
〔実施例〕
以下、図面を参照して本考案の実施例について
説明する。
第1図は本考案の第1実施例を示す主要部断面
図であつて、第1図において、1は高圧容器であ
り、該高圧容器1の上開口部に上蓋2が、下開口
部に下蓋3が、それぞれパツキン2aおよび3a
を介して気密に挿嵌されて、高圧室9を画成して
なるものである。
なお、上蓋2および下蓋3は高圧容器1の上下
開口部に対して挿脱でき、処理中にはプレスフレ
ームおよび該プレスフレームに設けられた圧下装
置にて軸方向に加圧保持されるのは従来通りであ
る。4は断面倒立コツプ状の断熱層であり、高圧
室9内に配置されている。5は加熱要素であり、
例えば、バンドヒータであり、断熱層4の内側で
被処理体7を取り囲むよう円筒状として配置され
ており、図外の給電手段で通電可能とされてい
る。6は密閉ケースであり、炉床を介して支持さ
れている被処理体7を前記加熱要素5の内側にお
いて取囲んでおり、本実施例では上部に被処理体
7の装脱用密閉蓋6aを備え、支持部材を介して
下蓋8に支持されている。図中の8は該密閉ケー
ス6により劃成された空間すなわち処理室を示
す。
なお、この密閉ケース6は高圧室9の外部に取
出し可能であり、しかも、当該外部において前記
密閉蓋6aを取外して、上開口部より被処理体7
を装脱し得るものである。
なお、高圧室9には少くとも2つのガス通路1
1,12が設けられている。
本実施例では、下蓋3にガス通路11,12を
設けたものを例示しており、一方のガス通路11
は高圧室9に連通され、かつ開閉弁14を介して
加圧源15、すなわち供給源16からのガス圧媒
を加圧供給するポンプに接続されており、また他
の一方のガス通路12は開閉弁13を介して系外
の大気とつながつている。
密閉ケース6には少くとも2つのガス通路2
1,20が設けてあつて、一方のガス通路21は
逆止弁を介して処理室8と高圧室9とを連通して
おり、この逆止弁22は高圧室9より処理室8の
方向のみにガス圧媒を供給し、逆方向へは閉止す
る機能を有するものである。
そして、10は低温ケースであつて、前記密閉
ケース6の下方に、前記下蓋3との間に設けてあ
つて、本実施例では密閉ケース6の下方に吊下さ
れているが、これは下蓋3に支持されても良い。
なお、この低温ケース10には少くとも2つの
排ガス通路が設けてあつて、一方は前記密閉ケー
ス6のガス通路20と、他の一方は前記下蓋3の
ガス通路12とそれぞれ連通しているが、本実施
例においては、前者を上部に設けた管路23と
し、前記密閉ケース6の排ガス通路20にパツキ
ンを介して気密にかつ着脱可能に挿嵌されてお
り、また、後者を該低温ケース10の下部に液状
化した排ガス組成分が滞溜し得るように、該低温
ケース10の側面上部に設けたガス排出口24に
取付けた管路25とし、前記下蓋3の排ガス通路
12にパツキンを介して気密にかつ着脱可能に挿
嵌されている。
上記のように本実施例の加圧熱処理装置におい
ては、ガス圧媒は供給源16より、加圧源15、
開閉弁14を介して高圧室9に、かつ逆止弁2
2、ガス通路21を介して処理室8に非可逆的
に、供給され、一方、被処理体7より生成した分
解ガスは、処理室8より、低温ケース10を経由
し、該低温ケース10内にて液化・固化し易い組
成分をその下部に滞溜させ、流通性の高い排ガス
組成分のみ下蓋3の排ガス通路12,開閉弁13
を介して系外に排出される。
また、低温ケース10は着脱可能とし、加圧熱
処理終了後に、高圧室9外にて取外し内部に滞溜
した液化・固化組成分を洗浄除去し得るものとし
ている。
その他、27,29は圧力計を示し、前者の圧
力計はガス通路11の圧力、すなわち高圧室9の
圧力を検出し、後者の圧力計29はガス通路12
の圧力、すなわち処理室8の圧力および低温ケー
ス10内の圧力を検出するもので、両者は短絡部
28を介して差圧を検出可能とし、本実施例にお
いては設定値を3Kgf/cm2としてそれ以上の差圧
が発生したときには自動的に開閉弁13を開放す
るものとした。しかし、これは他の方法として、
差圧計を高圧室9内に設けることもできる。
従つて本実施例においては加圧熱処理中を通じ
て、高圧室9の圧力と処理室8および低温ケース
10との差圧は3Kgf/cm2に保たれていた。
ただし、前記開閉弁13は、手動制御されるも
のであつても、設定圧で開放する圧力弁であつて
も、また本実施例のものとこれらの組合せであつ
ても良い。これは例えば、加圧熱処理に際して、
その初期段階において、比較的に低圧のガス圧媒
を高圧室9に供給し、加熱要素5にて加熱して被
処理体より分解ガスを生成させ、かつ開閉弁を手
動にて開放してガス圧媒と共に分解ガスを系外に
積極的に排出した後、所定の加圧熱処理に移行す
る等があり、この排出ガス弁の開閉手段は被処理
体の特性を考慮の上、選定すべきであろう。
なお、被処理体7の一例として、炭素繊維成形
体を650℃にて加圧熱処理したが、このときの低
温ケース10内の温度は180℃以下であり、一般
にその気化温度が250℃〜300℃とされる高分子系
のバインダ組成分は、該低温ケース10内にて液
化または固化して捕捉された。
第2図は本考案の第2実施例における低温ケー
スの断面構成を示すもので、図示以外の構成は第
1実施例の第1図と同様であり、ここではその記
載および説明を省略する。
第2図において、30は低温ケースであつて、
有底一端開放形ケース30aと、同様有底一端開
放形ケース30bに分離可能な構成であり、両者
にはその開放端部に接合用フランジを設けてあ
り、おたがいにパツキンを介して気密に接合し得
るものである。
また、ケース30bの開放端部側内面には多孔
質フイルタ39を嵌合する凹部が設けてあり、該
凹部に多孔質フイルタ39を嵌入後、ケース30
aと接合することで確実に該多孔質フイルタ39
が保持し得るものである。
なお、低温ケース30にはケース30a側上部
にガス管路34が一体に設けてあつて、その端部
側は第1図に示す密閉ケース6に設けられている
ガス通路20にパツキンを介して気密にかつ着脱
可能に挿嵌され、また、一方のケース30b側に
は該低温ケース30の底面より一定の高さ、すな
わち低温ケース30の下部に液状の流動体が滞溜
し得る容積を形成するような高さに一体に、かつ
下方に逆L字状に伸びたガス管路35が設けてあ
つて、その端部側は第1図に示す下蓋3のガス通
路12の高圧室9側開口部にあらかじめ設けられ
た嵌入口にパツキンを介して気密にかつ着脱可能
に挿嵌されるものである。
この第2実施例に示す構成の低温ケース30
は、該低温ケース30にて劃成される低温ケース
室を中央にて処理室8側と排出側とを仕切る多孔
質フイルタ39にて、浮遊して排出用ガス通路1
2へ流れかつ該ガス通路12の内壁にて付着し固
着するがごとき高分子系の微粒子をも完全に捕捉
する効果を有するものである。
なお、この低温ケース30は加圧熱処理が終了
後、高圧室外において取外し、ケース30aとケ
ース30bに分離し、内部の洗浄および多孔質フ
イルタ39の交換を行い得るものである。
第3図は本考案の第3実施例における低温ケー
スの断面構成を示すもので、図示以外の構成は第
1実施例の第1図と同様であり、ここではその記
載および説明を省略する。
第3図において、40は低温ケースであつて、
有底一端開放形ケース40aと、同様有底一端開
放形ケース40bに分離可能な構成であり、両者
にはその開放端部に接合用フランジを設けてあ
り、おたがいにパツキンを介して気密に接合し得
るものである。
なお、低温ケース40にはケース40a側上部
にガス管路44が一体に設けてあつて、その端部
側は第1図に示す密閉ケース6に設けられている
ガス通路20にパツキンを介して気密にかつ着脱
可能に挿嵌され、また、一方のケース40b側に
は該低温ケース40の底面より一定の高さ、すな
わち低温ケース40の下部に液状の流動体が滞溜
し得る容積を形成するような高さに一体に、かつ
下方に逆L字状に伸びたガス管路45が設けてあ
つて、その端部側は第1図に示す下蓋3のガス通
路12の高圧室9側開口部にあらかじめ設けられ
た嵌入口にパツキンを介して気密にかつ着脱可能
に挿嵌されるものである。
また、低温ケース40には、該低温ケース40
にて劃成させる低温ケース室47内のガス管路4
5の開口部を覆うように、開口部に外向きフラン
ジを有する有底筒状の多孔質フイルタ49が、押
えリング48にて保持し取付けられてあつて、該
低温ケース40の両側に第1図に示す密閉ケース
6の下部に吊下し取付けるための取付部材が備え
られている。
この第3実施例に示す構成の低温ケース40
は、該低温ケース40にて画成される低温ケース
室47内内のガス管路45の開口部を覆うように
設けられた多孔質フイルタ49にて、浮遊して排
出用ガス通路12へ流れかつ該ガス通路12の内
壁にて付着し固着するがごとき高分子系の微粒子
をもつ完全に捕捉する効果を有するものである。
なお、この低温チヤンバ40は加圧熱処理が終
了後、高圧室外において取外し、ケース40aと
ケース40bに分離し、内部の洗浄および多孔質
フイルタ49の交換を行い得るものである。
なお、以上に記載した実施例1,2,3におい
ては、密閉ケース6にニツケル基合金を、低温ケ
ース10にステンレス(SUS304)鋼板を使用し
たが、被処理体7より生成する腐蝕性きく、例え
ば硫化水素等に対し耐蝕性を有し、かつ処理温度
に耐え得るものであれば他の構成部材でも良い。
〔考案の効果〕
以上のように本考案にかかる加圧熱処理装置
は、被処理体7を密閉ケース6にて密封し、高圧
室9内の構成部材に対して有害な被処理体7より
生成する分解ガスを、例えば、加熱要素5に焼結
しその効率を低下させ、かつ入電部碍子の絶縁を
不良とする炭素水素系の分解ガス、または加熱要
素5等の金属構成部材に対して腐蝕性を有する硫
化水素等の分解ガスを完全に遮蔽するものであ
る。
また、この密閉ケース10は高圧室9と逆止弁
22を介して連通してあつて、これにより被処理
体7よりの分解ガスの高圧室9への流出を遮断し
ながらガス圧媒の供給を受けることが可能となり
常に高圧室9と密閉ケース6内の圧力をほぼ等圧
に保つことを得、しかも該密閉ケース6には開閉
弁13を介して系外に至る排ガス通路が設けてあ
つて、これにより被処理体7よりの分解ガスを高
圧室9に流出することなく系外に排出することを
得、これらの効果により密閉ケース6が圧壊する
ことなく、かつその分解ガス遮蔽効果をより確実
なものとしている。
そしてまた、密閉ケース6内の被処理体7より
生成する分解ガスは、該密閉ケース6の下方に設
けてある低温ケース10を経由して排出される
が、この低温ケース10内の温度は前記密閉ケー
ス6内の温度より大巾に低いため分解ガス中の液
化・固化し易い組成分はこの低温ケース10内に
て液化または固化して捕捉され易い形態となり、
かつまた、この低温ケース10の下部に形成され
てなる滞溜用容積部分にて滞溜または沈下して捕
捉される。この効果にて密閉ケース6より系外に
至る分解ガスの排出通路を閉塞されることなく常
に流通可能に維持することを得、もつて従来技術
での問題点(すなわち、分解ガスの液化・固化す
る組成分が排出通路を閉塞して所期の機能が阻害
されること)が解消される。
従つて、本考案にかかる加圧熱処理装置は、加
圧熱処理に際して多量の分解ガスを生成する被処
理体についても安定して処理することができ、加
圧熱処理の適用範囲をより拡張し得る実益大なも
のである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の第1実施例を示す主要部断面
図である。第2図は本考案の第2実施例を示す低
温ケースの断面図である。第3図は本考案の第3
実施例を示す低温ケースの断面図である。第4図
は従来の加圧熱処理装置を示す主要部断面図であ
る。第5図は従来の加圧熱処理装置を示す主要部
断面図である。 1……高圧容器、2……上蓋、3……下蓋、4
……断熱層、5……加熱要素、6……密閉ケー
ス、7……被処理体、8……処理室、9……高圧
室、10……低温ケース、11……ガス通路、1
2……ガス通路、13……開閉弁、15……加圧
源、20……通路、21……ガス通路、22……
逆止弁、24……ガス排出口。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 高圧容器1と該高圧容器1の上下開口部をそれ
    ぞれ密封する上蓋2および下蓋3とによつて劃成
    される高圧室9を有し、前記高圧室9内に、断熱
    層4とその内側に配した加熱要素5とにより囲ま
    れた処理空間を成形してなり、当該処理空間に載
    置された被処理体7をガス圧媒を介して加圧熱処
    理する装置において、 前記高圧室9には少くとも2つのガス通路1
    1,12が設けてあつて、一方のガス通路11は
    加圧源15に接続され、他の一方のガス通路12
    は開閉弁13を介して系外へと連通しており、ま
    た、前記加熱要素5の内側に被処理体7を囲む密
    閉ケース6を備え、該密閉ケース6には少くとも
    2つのガス通路21,20が設けてあつて、一方
    のガス通路21は該密閉ケース6により劃成され
    た処理室8の方向のみにガスを流通させる逆止弁
    22を介して高圧室9と連通し、他の一方のガス
    通路20は該密閉ケース6の下方に備えられた低
    温ケース10と連通しており、そして前記系外に
    通ずるガス通路12は前記低温ケース10に設け
    られたガス排出口24と連通しており、かつ該ガ
    ス排出口24は前記低温ケース10の下部におい
    て液状化あるいは固体化した排出組成分が滞溜し
    得る容積を残してそれより上部に設けられている
    ことを特徴とする加圧熱処理装置。
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