JPH0442574Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案はクラツチ機構に係り、更に詳述すれ
ば２軸間の連結、切断に二重の緩衝部材を用いた
クラツチ機構に関するものである。

［従来の技術］ 従来よりエンジンを始動したり、エンジンを止
めずに停止したり、トランスミツシヨンギヤを無
理なく変換するためにエンジンと駆動輪のつなが
りを切離す機構としてクラツチが用いられてい
る。

このクラツチは、一般に摩擦クラツチと噛合ク
ラツチとに大別され、一般に自動車で使用されて
いるのは、ペダルを踏むことによりクラツチデイ
スクを動かしてケンジンと駆動輪のつながりを切
離す摩擦クラツチである。噛合クラツチには電磁
式、流体クラツチなどがある。

［考案が解決しようとする問題点］ 摩擦クラツチはエンジンのクランクシヤフトに
連結しているフライホイール、摩擦力を増すため
のクラツチデイスク、クラツチデイスクを押える
ためのプレツシヤープレートとクラツチスプリン
グ、クラツチを継続させるためのレリーズベアリ
ングとから成立つており、自動車のクラツチとは
別に自動車にもう一つクラツチを取付けエンジン
の出力で他の装置を回動させようとする場合、構
造が複雑で狭いエンジンルームに取付けることが
出来ず、またクラツチを動かすためのクラツチペ
ダルのように人力を使つて操作がしにくくなると
云う欠点がある。このため噛合クラツチを用いる
ことになるが、この噛合クラツチは噛合開始時点
で振動が大きく生じ噛合部の破損や騒音が大きい
という欠点がある。

この考案の目的は上述した従来の欠点を除去
し、狭いエンジンルーム内への取付けが容易で、
操作も簡単で、かつ噛合開始時に噛合部に無理が
掛らない噛合クラツチ機構を提供するものであ
る。

［問題点を解決するための手段］ 上記目的は、被駆動回転機器の回動軸とは関係
なく空転し得るように取付けられた一側面に係合
歯を突出させた駆動輪と、前記回動軸の外周に形
成された歯山と噛合し軸の長さ方向に摺動可能な
如くに取付けられた一側面に前記係合歯と噛合す
る係合溝を設けた従動輪と前記従動輪の周面に形
成した溝と係合した係合片と該係合片と緩衝部材
を介して結合し第１の支持部材を介して前記回動
軸の軸長方向に摺動可能に保持された加圧板と前
記加圧板の支持軸と第２の支持部材との間に軸示
されたエアークツシヨンとで構成することで達成
される。

［作用］ このクラツチ機構は、エンジンからの動力をＶ
ベルト２９を介して伝達される駆動輪６に対し、
図示してないエアーコンプレツサからの圧縮空気
をエアークツシヨン２２内に送入し該クツシヨン
を膨らませることで加圧板１８を押すと、該加圧
板は緩衝部材１６を介して係合片１４を押すと該
係合片と係合している従動輪９が回動軸２を摺動
し、駆動輪６の側面に形成した係合歯８と従動輪
の側面に設けられた係合溝１２とが無理なく噛合
し、被駆動回転機器１の回動軸２が回転する。エ
アークツシヨン２２に入る圧縮空気を抜けば該エ
アークツシヨンの縮少に伴ない加圧板１８が後退
し従動輪９と駆動輪６との係合状態が無理なく解
かれ被駆動回転機器１の回動軸２は回転を停止す
る。

［実施例の構成］ この考案のクラツチ機構は、第１図に示すよう
に、被駆動回転機器１の回動軸２を支持するため
にケーシング３に取付けられたボス４にベアリン
グ５を介して空転し得るように取付けられた周面
にベルト掛け溝７を一側面に係合歯８を突出させ
た駆動輪６を取付け、前記回動軸２にその端部外
周に形成された歯山１０と噛合する歯孔１１を周
面に溝１２を一側面に前記係合歯８と噛合する係
合溝１２を形成した従動輪９を回動軸２の軸長方
向に摺動し得るように取付ける。前記従動輪９の
周面に形成した溝１３に鍔１５を係合せしめた係
合片１４と横断面Ｕ字状の板バネの如き緩衝部材
１６を介して噛合時の衝撃を吸収して結合し、前
記ケーシング３に一端を固定したＬ字状の第１の
支持部材１７に板体１９の一面に突出させた支持
軸２０をもつて保持された加圧板１８はその支持
軸２０に明けられた結合穴２１にゴム等の弾性部
材で作られたダイヤフラム式のエアークツシヨン
２２の一面側に取付けられた杆体２３が挿入ビス
２４で固定され、他面側に取付けられた杆体２５
は前記第１の支持部材１７より分岐したＬ字状の
第２の支持部材２６にネジ２７で固定されてい
る。

前記エアークツシヨン２２には図示してないエ
アーコンプレツサで圧縮された圧縮空気が制御弁
２８を介して送入あるいは排出されて膨張収縮す
るようになつている。また駆動輪６のベルト掛け
溝７と図示してないエンジンの例えばフアン回転
軸に取付けられたプーリとの間にＶベルト２９が
掛けられている。

この考案のクラツチ機構は第１図に示すように
エアークツシヨン２２が収縮している状態では駆
動輪６は図示してないエンジンのフアン取付軸に
固定されプーリとの間に掛けられたＶベルト２９
により回動し、その回動力は回動軸２には伝達さ
れてない。

ここで制御弁２８を操作し図示してないエアー
コンプレツサより圧縮空気をエアークツシヨン２
２内に注入すると、該クツシヨンが第２図に示す
ように膨張し、杆体２３を介して結合した加圧板
１８を左方に押すとこの押圧力は緩衝部材１６を
たわませ乍ら係合片１４に伝達され、従動輪９を
回動軸２の軸長方向に弾力的に摺動させその側面
の係合溝１２と駆動輪６の係合歯８とを第３図に
示すように噛合させることで歯孔１１により回動
軸２の歯山１０と噛合している従動輪９と回動軸
２とを回動せしめポンプのような被駆動回転機器
１の回動せしめる。

なお上記係合歯８に対する係合溝１２の噛合開
始時には緩衝部材１６とエアークツシヨン２２と
の双方の弾力のため極めて滑らかに噛合する。

次にエアークツシヨン２２内に注入されている
圧縮空気を制御弁２８を操作することで抜き出せ
ば、該クツシヨンは第１図に示すように収縮し、
この収縮で加圧板１８、係合片１４および従動輪
９が右方にエアークツシヨン２２の弾力により後
退し、駆動輪６と従動輪９との噛合結合状態が第
１図のように解かれ駆動輪６のみ空転する。

［考案の効果］ 以上述べたようにこの考案は被駆動回転機器１
の回動軸２とは関係なく空転し得るように取付け
られた一側面に係合歯８を突出させた駆動輪６
と、前記回動軸の外周に形成された歯山１０と噛
合し軸の長さ方向に摺動可能な如くに取付けられ
た一側面に前記係合歯８と噛合する係合溝１２を
設けた従動輪９と前記従動輪の周面に形成した溝
１３と係合した係合片１４と該係合片１４と緩衝
部材１６を介して結合し第１の支持１７を介して
前記回動軸の軸長方向に摺動可能に保持された加
圧板１８と前記加圧板の支持軸２０と第２の支持
部材２６との間に軸支されたエアークツシヨン２
２とで構成されているので、緩衝部材１６とエア
ークツシヨン２２との二重の緩衝作用により係合
歯８と係合溝１２との噛合開始が無理なく行な
え、振動による噛合部の破損や騒音を生ずること
がなく、しかも構成が簡単で作業用自動車のエン
ジンルーム内への取付けが容易でクラツチ操作が
遠隔操作で可能であり、作業時における操作性が
よく一人でも作業が可能である等の効果を有す
る。

【図面の簡単な説明】

図はいずれもこの考案の一実施例を示すもの
で、第１図はクラツチが外れている状態の要部の
断面図、第２図はクラツチが接続しようとする状
態の断面図、第３図はクラツチの噛合状態の断面
図である。 １……被駆動回転機器、２……回動軸、６……
駆動輪、８……係合歯、９……従動輪、１０……
歯山、１２……係合溝、１３……溝、１４……係
合片、１６……緩衝部材、１７……第１の支持部
材、１８……加圧板、２０……支持軸、２２……
エアークツシヨン、２６……第２の支持部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 被駆動回転機器１の回動軸２とは関係なく空転
   し得るように取付けられた一側面に係合歯８を突
   出させた駆動輪６と、前記回動軸２の外周に形成
   された歯山１０と噛合し軸の長さ方向に摺動可能
   な如くに取付けられた一側面に前記係合歯８と噛
   合する係合溝１２を設けた従動輪９と前記従動輪
   ９の周面に形成した溝１３と係合した係合片１４
   と該係合片１４と緩衝部材１６を介して結合し第
   １の支持部材１７を介して前記回動軸２の軸長方
   向に摺動可能に保持された加圧板１８と前記加圧
   板１８の支持軸２０と第２の支持部材２６との間
   に軸支されたエアークツシヨン２２とで構成され
   ていることを特徴とするクラツチ機構。