JPS6220766Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、各種機関の回転動力を遊星歯車機
構を介して主動力取出軸に嵌脱可能に継合する減
速形の回転動力取出装置に関するものである。

従来各種機関の回転駆動軸の回転力を主動力取
出軸に伝達する為、また歯車変速機の歯車の入換
えを一時負荷を断つて容易に行なうため、各種の
クラツチをその回転駆動軸と主動力取出軸間に設
けていた。

然し乍ら、油圧多板式前部クラツチを設けた場
合においては、油圧多板クラツチの機構上、その
全長が長くなり、そのクラツチ装置が長大化する
と共に、作動油圧が高いため、専用油圧ポンプを
設けねばならないという欠点があり、またエアー
クラツチを設けた場合においては、常時回転被駆
動軸が主動力取出軸と二重構造に配置できないと
いう欠点があつた。

更に電磁クラツチを用いた場合には、満足な減
速を行うことが難しいと言う問題があつた。

この考案は、係る従来の問題点に着目して案出
されたもので、その目的とするところは全長が短
く、軽量小型で、且つ回転軸の外周には、その外
周面を回転自在とするように相互に軸受により軸
支された主動力取出軸を被嵌させて二重構造と
し、更に主動力取出しの際に減速可能な減速型の
回転動力取出装置を提供するものである。

この考案は上記目的を達成するため、原動側の
回転駆動軸に継手を介して連結され、ケーシング
に軸受により軸支された回転軸と、該回転軸の外
周に被嵌され、その外周面を回転自在とするよう
に、軸受により軸支された主動力取出軸と、該主
動力取出軸の一端部に形成されたフランジ状部に
軸支され、前記回転軸の一端に形成された内歯歯
車４に噛合する遊星歯車と、該遊星歯車に噛合す
る歯を有し、前記主動力取出軸の外周に回転自在
に支持された太陽歯車部材と、該太陽歯車部材に
円周方向に向かつて張設したクラツチ板と、該ク
ラツチ板をケーシングの１側面に向かつて押圧自
在な油圧作動筒と、前記主動力取出軸の他端部に
設けたＶ形プーリと、前記回転軸の他端部に取付
けられた常時回転被駆動軸とＶ形プーリとから成
る減速形の回転動力取出装置を要旨とするもので
ある。

以下添付図面に基いて、この考案の実施例を説
明する。

図に示すこの考案の実施例では、その機関側の
回転駆動軸１をギヤー継手２でケーシング７の部
材に軸受８，９により軸支された回転軸３と連結
さており、また回転軸３の外周面には内歯歯車４
が嵌着されている。

一方回転軸３の外周には、その外周面を回転自
在とするように相互に軸受５，６により軸支され
た主動力取出軸１０が被嵌され、その主動力取出
軸１０の一端部をフランジ部１０ａに形成し、そ
のフランジ部１０ａに内歯歯車４と噛合して回転
する遊星歯車１１が軸支されている。更に上記遊
星歯車１１と螺合する太陽歯車部材１２が、主動
力取出軸１０の外周に軸受１３を介して回転自在
に設けら、その太陽歯車部材１２にはクラツチ板
１２ａが円周方向に向かつて張設されている。

このクラツチ板１２ａは、ケーシング７内に設
けられた作動筒１４を油圧注入口１５からの油圧
による押圧作動により、ケーシング７の円板部材
７ａに押圧するように構成されている。

ここで主動力取出軸１０の他端部には、主動力
取出Ｖ形プーリ１６が取り付けられ、回転軸３の
他端部には常時回転被駆動軸１７が被嵌された状
態に配設されると共に、常時回転Ｖ形プーリ１８
が取り付けられている。

上記の実施例において、油圧注入口１５からの
油圧により作動筒１４を図面で右側に移動させ、
クラツチ板１２ａをケーシング７の円板部材７ａ
に押圧すれば、太陽歯車部材１２は回転が止ま
り、遊星歯車１１が内歯歯車４の回転に伴つて太
陽歯車部材１２の外周を回転し、従つて同時に主
動力取出軸１０も回転駆動軸１と同一方向に回転
するが、油圧による押圧を緩めると、太陽歯車部
材１２は回転自在になり、主動力取出軸１０と回
転駆動軸１とは動力伝達が行なわれなくなる。

即ち、上記のような太陽歯車部材１２にケーシ
ング７の円板部材７ａに押圧するクラツチ装置を
構成して設けている。

従つてこの考案の減速形の回転動力取出装置で
は、回転軸に対して主動力取出軸が被嵌さた二重
構造となつている為、従来のものに比較して動力
取出装置としての全長を短縮出来、小型軽量化を
図ることが出来、従つて組付け作業性が良く、１
セツトで組付けが出来き、従つて組付け作業性が
良く、１セツトで組付けが出来、その機関室の効
果的利用を図ることができる効果がある。

また常時回転被駆動軸、主動力取出軸及び入力
軸である回転駆動軸を二重構造に配設しているの
で、常時回転被駆動軸からも動力取出を容易に、
かつ確実に行うことが出来る効果がある。

また主動力取出軸は、入力軸である回転駆動軸
に対して減速が可能であり、回転方向もそれぞれ
同一方向にすることが出来る効果がある。

更に太陽歯車部材の一端に、円周方向に一体的
にクラツチ板を張出して設け、このクラツチ板を
ケーシングの固定部材に油圧固定手段により、挾
持固定するようにした為、クラツチ機構の断続操
作を確実に行うことができ、また挾持面積が大き
いため、小圧力によりクラツチ板を挾持すること
ができる。

また、クラツチの作動筒の径を大きく取ること
が出来るので、作動油圧が低くても充分作動し、
その機関の潤滑油ポンプの併用も可能である。ま
た構成が簡単であるため、安価に製作できるとと
もにメンテナンスも容易である。

なおこの考案は各種機関の回転駆動軸の回転駆
動取出装置に対して有効に適用できる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例における減速回転動力
取出装置の要部側断面図である。 １……回転駆動軸、３……回転軸、４……内歯
歯車、７……ケーシング、７ａ……円板部材、１
０……主動力取出軸、１１……遊星歯車、１２…
…太陽歯車部材、１２ａ……クラツチ板、１４…
…作動筒、１７……常時回転被駆動軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 原動側の回転駆動軸１に継手２を介して連結さ
   れ、ケーシングに軸受により軸支された回転軸３
   と、該回転軸３の外周に被嵌され、その外周面を
   回転自在とするように、軸受により軸支された主
   動力取出軸１０と、該主動力取出軸１０の一端部
   に形成されたフランジ状部１０ａに軸支され、前
   記回転軸３の一端に形成された内歯歯車４に噛合
   する遊星歯車１１と、該遊星歯車１１に噛合する
   歯を有し、前記主動力取出軸１０の外周に回転自
   在に支持された太陽歯車部材と、該太陽歯車部材
   に円周方向に向かつて張設したクラツチ板１２ａ
   と、該クラツチ板１２ａをケーシングの１側面に
   向かつて押圧自在な油圧作動筒１４と、前記主動
   力取出軸の他端部に設けたＶ形プーリ１６と、前
   記回転軸３の他端部に取付けられた常時回転被駆
   動軸１７とＶ形プーリ１８とから成る減速形の回
   転動力取出装置。