JPH0442570B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は瞬間湯沸器付風呂釜や、追焚機能付給
湯器等のように、夫々に内胴を備えた複数の燃焼
機器を有する装置に於ける燃焼機器の安全機構に
関するものである。

（従来の技術） 風呂釜や給湯器等の燃焼機器に於ける安全機構
としては、従来、パイロツト炎に対応する熱電対
によるパイロツト安全機構の他、燃焼機器の内胴
内に設置した熱電対による安全機構等がある。

これらのうち後者は、燃焼機器の燃焼排ガス通
路が詰まつて排気状態が悪くなつた場合には、内
胴内、特にその下部の温度が通常の燃焼時よりも
上昇することを熱電対により検知し、所定の温度
上昇があつた場合には燃料ガス供給用の電磁弁を
閉とする安全動作を行うものである。かかる機構
の具体例としては、例えば実開昭55−60051号公
報に開示されるものがあり、この機構は第３図に
示すように、バーナａのパイロツト炎ｂに対応す
る第１の熱電対ｃと燃料ガス電磁弁ｄの励磁コイ
ルｅとから成るパイロツト安全回路に直列に、熱
起電力の方向を逆とするように第２の熱電対ｆを
接続し、この第２の熱電対ｆは燃焼機器ｇの内胴
ｈ内下部に設置したものである。

かかる構成は、酸欠による不完全燃焼時には、
パイロツト炎ｂに対応する第１の熱電対ｃの熱起
電力の低下により燃料ガス電磁弁ｄを閉とし、ま
た燃焼機器ｇの燃焼排ガス通路が詰まつて排気状
態が悪くなつた場合には内胴ｈ内下部の温度の上
昇に対応する第２の熱電対ｆの熱起電力の上昇に
より燃料ガス電磁弁ｄを閉とするものである。

（発明が解決しようとする課題） 以上の安全機構を瞬間湯沸器付風呂釜や、追焚
機能付給湯器等のように複数の燃焼機器を有する
装置に適用する場合、従来は夫々の熱電対を燃焼
機器毎に設けなければならないので、所要スペー
スが大きく、コスト高になるという課題がある。

本発明は、かかる課題を解決することを目的と
するものである。

（課題を解決するための手段） 本発明は前述した課題を解決するために、夫々
に内胴を備えた複数の燃焼機器を有する装置に於
いて、隣接する燃焼機器間に、それらの内胴を連
通させる連通路を構成し、該連通路に温度センサ
を設置して安全機構を構成したものである。

温度センサは熱電対の他、サーミスタ等を利用
することができる。

（作用） 少なくとも一方側の燃焼機器の燃焼排ガス通路
が詰まつたりして排気状態が悪くなると、高温の
燃焼排ガスが内胴内に充満し、そして連通路にも
流入して、該連通路内の雰囲気温度が上昇する。
従つて、この連通路内の雰囲気温度の上昇を温度
センサによつて検知することにより、燃焼排ガス
通路の詰まり等による排気状態の悪化を検知する
ことができ、従つて燃料ガス供給用の電磁弁を閉
とする等の安全動作を行うことができる。

温度センサは隣接する燃焼機器の夫々の内胴に
連通する連通路に設けているので、この共通の温
度センサによりいずれの燃焼機器側の排気状態の
悪化も検知することができる。

（実施例） 次に本発明を、図示の実施例を参照して説明す
る。

第１図は本発明を適用する装置の一例であり、
この装置は、給湯用の燃焼機器１ａと、追焚用の
燃焼機器１ｂを設けた追焚機能付給湯器を表わし
ている。符号２ａ，２ｂは夫々の燃焼機器１ａ，
１ｂの内胴で、該内胴２ａ，２ｂ間に連通路３を
構成している。該連通路３は、実線または２点鎖
線で示すように内胴２ａ，２ｂの適所間に構成す
ることができる。しかして、該連通路３には温度
センサ４としての熱電対を設置している。勿論温
度センサ４はサーミスタ等の適宜の温度センサを
利用することができる。

符号５ａ，５ｂは夫々の燃焼機器１ａ，１ｂの
内胴２ａ，２ｂの上部に構成した熱交換部であ
り、この熱交換部５ａ，５ｂにはフインが設けら
れている。また符号６ａ，６ｂは夫々給湯経路、
追焚経路の一部を構成する水管である。そして符
号７ａ，７ｂは夫々の燃焼機器１ａ，１ｂに対応
して設けたバーナ、符号８は共通のパイロツトバ
ーナ、９ａ，９ｂは夫々のバーナに対応する燃料
ガス弁、１０は共通の燃料ガス元弁である。更に
符号１１は、該燃料ガス元弁１０を制御する制御
手段で、この制御手段１１は前記温度センサ４と
しての熱電対の出力と、前記パイロツトバーナ８
に対応して設けた熱電対１２の出力を制御入力と
して、少なくとも一方側の異常出力により前記燃
料ガス元弁１０を制御する構成としている。

第１図に示す制御手段１１は、前記温度センサ
４を上述したように熱電対とした場合の実施例を
表わしたもので、この制御手段１１は、夫々の熱
電対４，１２の熱起電力に対応する所定の検出出
力を得るための増巾手段１３，１４と、これらの
増巾手段１３，１４からの信号に基づき、前記
夫々の熱電対４，１２の熱起電力の差を検出する
手段１５と、基準熱起電力差を設定する手段１６
と、検出熱起電力差と基準熱起電力差を比較して
制御出力を発生する比較手段１７とを設けて構成
している。

以上の構成に於いて、図中左側の給湯用燃焼機
器１ａに対応するバーナ７ａを燃焼させることに
より、水管６ａを通る上水を昇温して給湯を行な
うことができ、また図中右側の追焚用燃焼機器１
ｂに対応するバーナ７ｂを燃焼させることによ
り、水管６ｂを通る浴槽の循環水を昇温して追焚
を行うことができる。

以上の運転に於いて燃焼が正常に行われている
場合にはパイロツトバーナ８に対応する熱電対１
２の熱起電力の方が、連通路３内の熱電対４の熱
起電力よりも大きく、所定以上の熱起電力差を有
し、制御手段１１は燃料ガス元弁１０を閉とする
制御出力は発しない。

しかして前記給湯または追焚のいずれか一方、
または同時に運転している場合に於いて、熱交換
部５ａまたは５ｂの燃焼排ガス通路が詰つたりし
て排気状態が悪くなると高温の燃焼排ガスが内胴
２ａまたは２ｂ内に充満し、連通路３にも流入し
て、該連通路３内の雰囲気温度が上昇し、熱電対
４の熱起電力が上昇するので、前記熱電対１２の
熱起電力との差が小さくなる。そして、かかる熱
起電力差が、設定手段１６によつて設定してある
基準熱起電力差よりも小さくなると比較手段１７
は制御出力を発して燃料ガス元弁１０を閉とす
る。また酸欠等によるパイロツトバーナ８の異常
燃焼に於いては熱電対１２の熱起電力が降下し、
やはり前述の熱起電力差が小さくなつて、制御手
段１１は制御出力を発生し、燃料ガス元弁１０を
閉とする。

以上の実施例の制御手段１１は、連通路３の温
度センサ４を熱電対により構成し、この熱電対４
と、パイロツトバーナ８に対応する熱電対１２と
の熱起電力差を、設定した基準熱起電力差と比較
して燃料ガス元弁１０を閉とする制御出力を発す
る構成であるが、例えば前述した実開昭55−
60051号公報に開示されるように、前記熱電対４
を逆バイアスとするように前記熱電対１２と燃料
ガス元弁１０の励磁コイルとを直列に接続して、
直接に該燃料ガス元弁１０を駆動するように構成
しても良い。また、これらの制御手段１１は、温
度センサ４の出力をパイロツトバーナ８に対応す
る熱電対１２の熱起電力と関連づけて制御を行う
構成であるが、該熱電対１２とは独立に制御し
て、所定以上の温度上昇に対応する熱電対または
サーミスタ等の温度センサ４の出力と、該熱電対
１２の熱起電力の降下の論理和により燃料ガス元
弁１０を閉とする構成とすることもできる。ま
た、本発明はパイロツトバーナ８を有しない直接
着火方式のバーナを有する燃焼機器にも適用し得
ることは勿論である。

前述した通り、第１図に示す燃焼機器は、本発
明を追焚機能付給湯器に適用した実施例を表わし
たものであるが、第２図は瞬間湯沸器付風呂釜に
適用した実施例を表わしたものである。即ち、第
２図に於いて、符号１ａは瞬間湯沸器を構成する
給湯用燃焼機器、１ｂは風呂釜を構成する燃焼機
器であり、夫々の内胴２ａ，２ｂ間に連通路３を
構成し、この連通路３に温度センサ４を設置して
いる。また符号６ａは給湯用水管、１８，１８′
は風呂接続用循環接続口である。このように、本
発明は複数の燃焼機器を有する適宜の燃焼機器に
適用することができるものである。

（発明の効果） 本発明は以上のとおりであるので、隣接する複
数の燃焼機器のいずれの側の燃焼排ガス通路が詰
まつて排気状態が悪くなつた場合に於いても、当
該熱交換器の内胴から連通路内に流入する高温の
燃焼ガスを共通の温度センサにより検知すること
ができ、設置スペースが小さく、燃焼機器の小型
化に寄与すると共に、コストを低減し得るという
効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の全体構成を表わし
た系統説明図、第２図は本発明の他実施例の要部
斜視図、第３図は従来例の系統説明図である。 符号、１ａ，１ｂ……燃焼機器、２ａ，２ｂ…
…内胴、３……連通路、４……温度センサ（熱電
対）、５ａ，５ｂ……熱交換部、６ａ，６ｂ……
水管、７ａ，７ｂ……バーナ、８……パイロツト
バーナ、９ａ，９ｂ……燃料ガス弁、１０……燃
料ガス元弁、１１……制御手段、１２……熱電
対、１３，１４……増巾手段、１５……差検出手
段、１６……設定手段、１７……比較手段、１
８，１８′……循環接続口。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 夫々に内胴を備えた複数の燃焼機器を有する
   装置に於いて、隣接する燃焼機器間に、それらの
   内胴を連通させる連通路を構成し、該連通路に温
   度センサを設置したことを特徴とする燃焼機器の
   安全機構。 ２ 第１項記載の温度センサは熱電対であること
   を特徴とする燃焼機器の安全機構。 ３ 第１項記載の温度センサはサーミスタである
   ことを特徴とする燃焼機器の安全機構。