JPH0442512Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本考案は、ガスを燃料とするエンジンにおける
燃料調整装置に関する。

《従来技術》 ガスを燃料とするエンジンでは、燃料ガス源と
空燃混合器とを連結するガス供給路中に、ゼロガ
バナと呼ばれる差圧式流量調整器を配置し、一次
調圧器で一定圧に保持されたガス燃料を差圧式流
量調整器に供給し、吸気負圧と大気圧との差圧に
基づき、流量調整器中の流量制御弁の開度を調節
して、気筒内に供給する燃料ガス量を調整するよ
うにしていた。

《解決しようとする問題点》 差圧式流量調整器を使用していた従来の燃料調
整装置では、小排気量の小型エンジンの場合に
は、吸気負圧が低いことから大気圧との差圧が小
さくなり、正確な流量調整が行なえないという問
題があつた。

《問題点を解決するための手段》 本考案は、小排気量の小型エンジンでも、燃料
の流量調整を正確に行なえる燃料調整装置を提供
するもので、そのために、一次調圧器から空燃混
合器に至る燃料ガス供給路中にダイヤフラム式ポ
ンプを配置し、ダイヤフラム式ポンプのダイヤフ
ラムをエンジンのクランク軸で連動駆動可能に構
成し、ダイヤフラム式ポンプの吐出弁よりも空燃
混合器側の燃料ガス供給路にエンジン調速機に連
動して開度調節する流量調整バルブを配置したこ
とを特徴としている。

《作用》 本考案では、燃料ガス供給路中にダイヤフラム
式ポンプを配置し、このダイヤフラム式ポンプの
ダイヤフラムをエンジンのクランク軸にで連動駆
動するようにしてあるから、ダイヤフラムポンプ
はエンジン回転数に応じた燃料吐出能力となる。
また、ダイヤフラム式ポンプの吐出弁と空燃混合
器との間のガス供給路中にエンジンの調速機と連
動して開量制御作動する流量調整バルブが配置し
てあることから、エンジンの負荷に応じて気筒内
に送り込む燃料ガス量を調整することになる。

《実施例》 第１図は本考案の一実施例を示し、第１図はダ
イヤフラム式ポンプの縦断面図、第２図は縦型水
冷二サイクルガスエンジンの縦断面図である。

このエンジン１は、クランクケース２の上方に
ピストン３を上下摺動自在に収容したシリンダブ
ロツク４を一体に形成してあり、シリンダブロツ
ク４の上部にはシリンダヘツド５を順に載置して
固定してある。

シリンダブロツク４に収容されているピストン
３はコネクテイングロツド６でクランク軸７に連
結してあり、ピストン３の上方には燃焼室８が形
成されている。

シリンダブロツク４には、ピストン３で開閉制
御される吸気ポート９、排気ポート１０及び掃気
ポート１１が形成してある。

吸気ポート９の前端開口部１２には空燃混合器
１３及びエアクリーナ１４が順に取付けてあり、
空燃混合器１３は、そのベンチユリー部１５に臨
んで開口するノズル１６を燃料ガス源１７にダイ
ヤフラム式ポンプ１８及び一次調圧器１９を介て
連通連結し、燃料ガス源１７と空燃混合器１３の
ベンチユリー部１５との間に燃料ガス通路Ｇを形
成してある。

ダイヤフラム式ポンプ１８は第１図に示すよう
に、ポンプハウジング２０内をダイヤフラム２１
で上下に区画し、ダイヤフラム２１に固定した作
動ロツド２２をポンプハウジング２０の底壁部２
３から外部に突出させ、作動ロツド２２の突出先
端部２４をクランク軸７の回転に連動するカム２
５の周面に接当させ、クランク軸７の回転に連動
してダイヤフラム２１が作動するように構成して
ある。

また、ポンプハウジング２０の上壁２６には吸
込路２７と吐出路２８とが透設してあり、吸込路
２７及び吐出路２８には吸込弁２９と吐出弁３０
とがそれぞれ配置してある。この両弁２９，３０
は一枚の弁板で形成したリード弁により構成され
ている。

ダイヤフラム式ポンプ１８の吐出路２８には流
量調整バルブ３１が配置してある。この流量調整
バルブ３１は、エンジンの回転数を制御する調速
機３２からの指令に基づいて燃料ガス通路Ｇの流
路断面積を絞るように構成されており、空燃混合
器１３のスロツトル弁３３と同期作動するように
なつている。

第３図は本考案の別実施例を示し、これは、ダ
イヤフラム式ポンプ１８と空燃混合器１３とを連
結する燃料ガス通路Ｇ中に電磁式開閉弁３４を介
装したものであり、この電磁式開閉弁３４は、エ
ンジンのキースイツチ３５の始動操作により電磁
開閉弁３４のソレノイド３６に通電を開始し、エ
ンジン始動後にはエンジンに内装されている発電
機３７からの出力で開弁状態を保持するように構
成してある。従つて、エンジン停止と同時に燃料
ガス通路Ｇが遮断されて燃料ガスの空燃混合器１
３への供給が停止されることになる。

これにより、エンジンストツプ時にガス洩れす
ることを防止できる。なお、電磁開閉弁３４は発
電機３７からの出力で開弁作動するように構成し
てもよい。

《効果》 本考案では、燃料ガス供給路中にダイヤフラム
式ポンプを配置し、このダイヤフラム式ポンプの
ダイヤフラムをエンジンのクランク軸にで連動駆
動するようにしてあるから、ダイヤフラムポンプ
はエンジン回転数に応じた燃料吐出能力となる。
これにより、吸気負圧にかかわらず安定して燃料
を送ることができ、小排気量のエンジンでも正確
に流量調整することができる。

また、ダイヤフラム式ポンプの吐出弁と空燃混
合器との間のガス供給路中にエンジンの調速器と
連動して開量制御作動する流量調整バルブが配置
してあることから、エンジンの回転数や負荷に応
じても気筒内に送り込む燃料ガス量を適正に調整
することができる。

さらに、燃料ガスをダイヤフラム式ポンプで圧
送するようにしてあるから、従来の差圧式流量調
整器に比べて、供給密度を高めて、エンジン出力
を高めることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示し、第１図はダ
イヤフラム式ポンプの縦断面図、第２図は縦型水
冷二サイクルガスエンジンの縦断面図、第３図は
別実施例の概略構成図である。 １……エンジン、７……クランク軸、９……吸
気ポート、１３……空燃混合器、１７……燃料ガ
ス源、１８……ダイヤフラム式ポンプ、１９……
一次調圧器、２１……ダイヤフラム、２２……作
動ロツド、２５……カム、３０……吐出弁、３１
……流量調整バルブ、３２……エンジン調速機、
Ｇ……燃料ガス供給路。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ ガスエンジン１の吸気ポート９に空燃混合器
   １３を連結するとともに、燃料ガス源１７に一
   次調圧器１９を連通連結し、一次調圧器１９と
   空燃混合器１３とを燃料ガス供給路Ｇで連結
   し、燃料ガス供給路Ｇ中にダイヤフラム式ポン
   プ１８を配置し、ダイヤフラム式ポンプ１８の
   ダイヤフラム２１をエンジン１のクランク軸７
   で連動駆動可能に構成し、燃料ガス供給路Ｇに
   おけるダイヤフラム式ポンプ１８の吐出弁３０
   より空燃混合器１３側の通路に流量調整バルブ
   ３１を配置し、この流量調整バルブ３１をエン
   ジン調速機３２に連動連結することにより、流
   量調整バルブ３１をエンジン調速機３２からの
   出力に基づき開度調節するように構成したガス
   エンジンの燃料調整装置。 ２ ダイヤフラム２１に作動ロツド２２を固定
   し、この作動ロツド２２をクランク軸７により
   駆動されるカム２５で昇降駆動するように構成
   した実用新案登録請求の範囲第１項に記載のガ
   スエンジンの燃料調整装置。