JPH0442464Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、窓枠の開口を開閉する窓板の下端縁
を窓枠に蝶着して屋外側へ倒して開窓する外倒し
窓、窓板の上端縁を窓枠に蝶着して屋外側へ突き
出して開窓する突き出し窓等の揺動開閉窓におい
て、窓枠と窓板に夫々支持した滑車にロープを掛
け渡し、その引き込みにより窓板を開窓方向の付
勢に抗して閉窓し、繰り出しにより開窓するよう
にした開閉装置に関する。

従来の技術及び考案が解決しようとする問題点 外倒し窓や突き出し窓等の揺動開閉窓は、窓板
の一端縁を窓枠の一端縁に蝶着して伸縮ステイや
トーシヨンバーなどにより開窓方向へ付勢し、窓
板の他端縁とこれに対応する窓枠の他端縁とに
夫々支持した一対の滑車にロープを掛け渡してそ
の引き込みと繰り出しにより窓板を閉窓方向と開
窓方向へ揺動させるようになつているが、窓板の
揺動角度が大きくなるのに伴つて、ロープが窓枠
及び窓板に対して斜めに緊張されるため、滑車を
窓枠または窓板に対して傾動不能に支持しておく
と、ロープの両滑車の間で緊張される緊張部の両
端部が各滑車の溝に対して斜め方向から嵌入する
ことになり、ロープが滑車の外周縁に擦られた
り、角度が大きいときにはロープが滑車から外れ
るおそれもあり、このため、従来は、滑車を支持
した支持具を窓板の蝶着軸と平行な支持軸で窓枠
または窓板に対して傾動自由に支持し、滑車が常
にロープに倣つてその緊張方向を向けて姿勢を変
えるようになつていたが、このようにして支持さ
れた滑車はその支持具が支持軸を中心に傾動する
のに伴い、その支持軸を中心にして滑車全体が揺
動運動を生ずるため、ロープの、窓枠の滑車に回
曲されて窓枠に沿つた緊張部が滑車の傾動に伴つ
て径方向に揺れを生じ、ロープを挿通した窓枠の
挿通孔の孔縁などに擦り付けられて損傷すること
があつた。

問題点を解決するための手段 本考案は上記問題点を解決するための手段とし
て、支持具の支持軸が滑車両側に分離され、その
両側の支持軸同士を結ぶ軸心線に外周の溝の中心
が接するように前記滑車が前記支持軸に支持され
ているとともに、前記両側の支持軸の少なくとも
いずれか一方が中空となつており、前記ロープが
その中空を通して配索されている構成とした。

考案の作用及び効果 本考案の揺動開閉窓の開閉装置は上記構成にな
り、支持具の傾動中心となる両側の支持軸の軸心
に滑車の溝の中心が一致していることから滑車が
窓板の揺動にともなつてその溝の中心を中心とし
て傾動し、これにより、支持軸の中空を通して滑
車に回曲されたロープの窓板の蝶着軸と平行な部
分が滑車の傾動に伴つて径方向に振れを生ずるこ
とがないのであつて、このため、窓板が揺動する
のに伴つてロープの蝶着軸と平行に緊張された部
分が周囲の部材に擦り付けられるのが確実に防止
される。

実施例 以下、本考案を外倒し窓に適用した一実施例を
添付図面に基づいて説明する。

第１図において、１は建物の壁に嵌着された窓
枠であり、この窓枠の開口を開閉する窓板２の下
縁が窓枠１の下縁に蝶着されて窓板２が屋外側へ
の揺動自由に支持され、窓枠１との間に装着され
た伸縮ステイなどの図示しない付勢装置によつて
開窓方向へ付勢されており、窓板２の上端面の左
右両端部には、夫々、滑車３が窓板２の上端面に
固定された支持部材５に軸支して窓板２の上端面
と平行に取付けられ、一方、窓枠１の上縁の内面
には窓板２の各滑車３に夫々対応する転向用の滑
車６，６が窓枠１に固定した支持部材７に傾動自
由に支持された支持具８に軸支して取付けられて
おり、この滑車６を軸支した支持具８はダイカス
ト成形されたものであつて、第２図及び第３図に
示すように、滑車６を挟む２枚の支持板１０，１
０同士を一体に結合した基部１２の両側端に夫々
中空の丸軸部１１，１１が突成されて夫々の中空
が基部１２に形成された挿通孔１４に連通してい
るとともに、２枚の支持板１０，１０同士の間の
空間に面した基部１２の一面が削切されてその空
間が挿通孔１４に連なつており、両側の丸軸部１
１，１１を支持部材７に間隔を空けて突設された
突部１５，１５の内側に嵌めて、各丸軸部１１の
夫々の中空を各突部１５に透設された支持孔１６
に整合させ、各支持孔１６に夫々スプリングピン
１７を圧入して夫々の先端部を各丸軸部１１の中
空に嵌入することによつてスプリングピン１７を
中心とする傾動自由に支持されており、支持具８
の両支持板１０，１０の間には、滑車６がその外
周部を基部１２の挿通孔１４に臨ませて嵌装さ
れ、その挿通孔１４内に臨んだ部分の外周の溝の
中心が両側のスプリングピン１７，１７の軸心を
結んだ線に接した状態で、ピン１８により両支持
板１０，１０の間に軸支されており、一端を窓枠
１に連結したワイヤロープ２０が、窓枠１の一方
の支持具８の一側のスプリングピン１７の中空か
ら基部１２の挿通孔１４内に通して滑車６に回曲
し、窓板２の両側の滑車３，３に掛け渡したの
ち、窓枠１の他方の滑車６に回曲してその支持具
８の一方のスプリングピン１７の中空を通して窓
枠１の上縁に沿つて配索され、図示しない転向プ
ーリにより下方に回曲されて、その他端が壁面の
手元位置に取付けられた巻取り装置に連結されて
おり、この巻取り装置によりワイヤロープ２０を
巻き取ることにより窓板２が付勢装置による開窓
方向への付勢力に抗して閉窓方向に揺動して閉窓
され、また、巻取り装置からワイヤロープ２０を
繰り出すことにより、窓板２が付勢装置の付勢力
により屋外側へ揺動して開窓されるようになつて
おり、窓板の上端縁に傾動不能に支持された各滑
車３の夫々の近傍には各滑車３の窓板１と対応す
る側に、ワイヤロープ２０の滑車３の溝から離れ
た部分を支承して案内する案内ローラ２１が軸支
されていて、ワイヤロープ２０の窓板２の滑車３
と窓枠１の滑車６との間で緊張される部分が窓板
２の開窓方向への揺動に伴い窓板２に対して次第
に斜め角度をなしたときに、ワイヤロープ２０が
滑車３の溝に対し斜め角度となつて滑車３から外
れるのが防止されるようになつている。

そして、窓板２が開窓方向へ揺動するにつれ、
前記したように、ワイヤロープ２０の滑車３，６
の間で緊張される部分が次第に斜め角度となるこ
とから、第１図に実線で示すように、窓枠１の滑
車６がワイヤロープ２０に倣つて傾動するのであ
るが、滑車６を傾動自由に支持した支持具８の両
側のスプリングピン１７，１７の軸心を結ぶ線に
滑車６の外周の溝の中心が接していることから、
滑車６がその溝の中心を中心として傾動するとと
もに、スプリングピン１７の中空を通して滑車６
に回曲されたワイヤロープ２０の窓枠１と平行を
なす部分がスプリングピン１７の軸心と一致して
おり、このため、このワイヤロープ２０の窓枠１
と平行をなす部分は窓板２の揺動に伴つて滑車６
が傾動したときに上下に振れることがない。

なお、本実施例においては、窓板２側の滑車３
を傾動不能に支持したから、各滑車３の近傍にワ
イヤロープ２０の脱外防止のための案内ローラ２
１を配設したのであるが、各滑車３を窓枠１側の
滑車６と同様に傾動自由に支持すれば案内ローラ
２１は不要となるのであり、この場合には、窓板
２側の滑車３にも本考案を適用するのが望まし
い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の断面図、第２図は
支持具の支持方法を示す分解斜視図、第３図は支
持具の断面図、第４図は窓板が開窓方向へ揺動し
た状態を示す一部の斜視図である。 １……窓枠、２……窓板、３，６……滑車、８
……支持具、１７……スプリングピン（支持軸）、
２０……ワイヤロープ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 窓枠の開口を開閉する窓板の一端縁を前記窓枠
   の一端縁に蝶着して開窓方向に揺動付勢し、該窓
   枠の他端縁と該他端縁に対応する前記窓板の他端
   縁とに夫々配置した滑車の少なくともいずれか一
   方を前記窓板の蝶着軸と平行をなす支持軸により
   傾動自由に支持した支持具に軸支するとともに、
   前記窓板と前記窓枠の一対の前記滑車にロープを
   掛け渡して該ロープの引き込みと繰り出しにより
   前記窓板を閉窓方向と開窓方向へ揺動させるよう
   にした揺動開閉窓において、前記支持具の前記支
   持軸が前記滑車の両側に分離され、該両側の支持
   軸同士を結ぶ軸心線に外周の溝の中心が接するよ
   うに前記滑車が前記支持軸に支持されているとと
   もに、前記両側の支持軸の少なくともいずれか一
   方が中空となつており、前記ロープが該中空を通
   じて配索されていることを特徴とする揺動開閉窓
   の開閉装置。