JPH0440969B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は機体前部に支持する刈取部を上下方向
に回動自在に設けた刈取回動型のコンバインの刈
取装置に関する。従来、実開昭58−16016号公報
に示す如く、刈取部を昇降させる刈取上下回動用
シリンダと、刈取部を左右揺動させる刈取左右揺
動用シリンダとを設けるコンバインがあつた。

前記従来技術は、前記各シリンダをコンバイン
機体側に取付け、刈取上下回動用シリンダによつ
て昇降させる刈取部側に刈取左右揺動用シリンダ
のピストンロツドを連結させていたから、刈取部
の昇降動作によつて刈取部が左右揺動する不具合
があり、この不具合をなくすには、各シリンダを
作動させて刈取部を昇降させる必要がある等の機
能上及び取扱い上の問題があつた。

然るに、本発明は、刈取部を昇降させる刈取上
下回動用シリンダと、刈取部を左右揺動させる刈
取左右揺動用シリンダとを設けるコンバインにお
いて、刈取左右揺動用シリンダによる刈取部の左
右揺動中心をフイードチエンの移送始端近傍に配
設させると共に、刈取左右揺動用シリンダによつ
て揺動させる刈取部側に刈取上下回動用シリンダ
を設け、刈取左右揺動用シリンダによつて刈取部
と刈取上下回動用シリンダを一体的に変位させる
ように構成したことを特徴とするものである。

従つて、刈取部とフイードチエンの相対位置変
化を小幅に保つて穀稈の受継などを良好に行わせ
得ると共に、前記各シリンダの相互干渉をなく
し、各シリンダによる刈取部の上下回動と左右揺
動を夫々独立させて行わせ得、刈取部支持構造並
びにシリンダ制御構造の簡略化を容易に行い得、
また各シリンダによる刈取部の姿勢制御機能の向
上並びに取扱い操作の簡略化なども容易に図り得
るものである。

以下本発明の一実施例を図面に基づいて詳述す
る。第１図はコンバインの側面図、第２図は同平
面図であり、図中１は左右に走行クローラ２，２
を装設するトラツクフレーム、３は前記トラツク
フレーム１に固定支持する機台、４はフイードチ
エン５を左側に張架し扱胴６を内蔵してなる脱穀
部、７は前記機台３前方に昇降可能に支持させて
分草板８・刈刃９並びに穀稈搬送機構１０などを
備える刈取部、１１は前記フイードチエン５終端
に連結させる排藁チエン１２の終端を臨ませる排
藁カツター、１３はコンバインの各部を駆動する
エンジン、１４は揚穀筒１５を臨ませて脱穀部４
から取出す穀粒を貯溜する籾タンク、１６は運転
席１７及び運転操作部１８を備えるステツプであ
る運転台であり、走行中前記刈取部７で連続的に
穀稈を刈取りすると共に、この刈取り穀稈を順次
前記脱穀部４で脱穀処理するように構成してい
る。

また、第３図は刈取部７の側面図、第４図は同
平面図、第５図は同正面図、第６図は要部斜視図
であり、図中１９は前記フイードチエン５近傍の
機体前方に延設させて刈取入力軸２０を内挿する
この刈取部７の左右揺動中心である刈取入力パイ
プ、２１は前記入力パイプ１９に揺動ギヤケース
２２を介し左端を上下揺動可能に支持させるこの
刈取部７の上下回動中心である刈取伝動横パイ
プ、２３は前記横パイプ２１の中間に上下回動可
能に介設する刈取駆動ケース、２４は前記入力パ
イプ１９の右端と機台３間に介設させる刈取左右
揺動用シリンダ、２５は前記駆動ケース２３に刈
取伝動フレーム２６を介し連結させる刈取伝動ケ
ース、２７は前記横パイプ２１と伝動フレーム２
６間に張架する刈取上下回動用シリンダ、２８は
前記伝動ケース２５に下部基端を連結する引起し
駆動パイプ、２９は前記駆動パイプ２８の上部先
端に連結する引起しギヤケース、３０は前記ギヤ
ケース２９にスプロケツト３１を介し支持する引
起しタイン、３２は引起しタイン３０を案内する
引起しケース、３３は前記伝動ケース２５の出力
回転軸３４に張架する掻込みベルト、３５は前記
回転軸３４に一体固設する掻込みホイルであるス
ターホイル、３６は前記スターホイル３５に連動
する下部搬送チエン、３７及び３９は左右の刈取
フレーム３９，３９間に受台４０を介し横架する
刈刃及び受刃であり、前記刈刃３７及び受刃３８
で刈取つた穀稈の穂先側を前記掻込みベルト３３
を介し上部搬送ベルト４１に、稈元側を前記スタ
ーホイル３１及び下部搬送チエン３６を介し縦搬
送チエン４２に受継ぎさせるように構成してい
る。上記から明らかなように、刈取部７を昇降さ
せる刈取上下回動用シリンダ２７と、刈取部７を
左右揺動させる刈取左右揺動用シリンダ２４とを
設けるコンバインにおいて、刈取左右揺動用シリ
ンダ２４による刈取部７の左右揺動中心である前
記入力パイプ１９をフイードチエン５の移送始端
近傍に配設させると共に、刈取左右揺動用シリン
ダ２４によつて揺動させる刈取部７側に刈取上下
回動用シリンダ２７を設け、刈取左右揺動用シリ
ンダ２４によつて刈取部７と刈取上下回動用シリ
ンダ２７を一体的に変位させるように構成したも
のである。

また、右刈取フレーム３９にはこの刈取部７の
左右傾きを検出する水平センサ４３を設置するも
ので、刈取部７が左或いは右方向に一定以上傾い
たとき前記センサ４３でもつて切換スイツチ４４
をオン動作させるように構成している。なお、前
記運転操作部１８にはサイドクラツチレバー４
５，４５と刈取り及び脱穀クラツチレバー４６，
４７と走行変速レバー４８と刈取昇降レバー４９
などを備える。

第７図は前記シリンダ２４，２７の油圧回路図
を示すものであり、油圧ポンプ５０にリリーフ弁
５１及び電磁切換弁５２を介し前記刈取左右揺動
用シリンダ２４を接続すると共に、前記ポンプ５
０にリリーフ弁５１及び操作切換弁５３を介し前
記刈取上下回動用シリンダ２７を接続して、機体
が左低右高に一定以上傾いたとき前記センサ４３
を介しスイツツチ４４がこの傾きを検出し、前記
切換弁５２の下降用ソレノイド５２ａを励磁して
前記シリンダ２４のピストンロツド２４ａを退入
させると共に、機体が右低左高に一定以上傾いた
とき前記センサ４３を介しスイツチ４４がこの傾
きを検出し前記切換弁５２上昇用ソレノイド５２
ｂを励磁して前記シリンダ２４のピストンロツド
２４ａを伸張させて、刈取部７を常に左右水平に
一定制御するように構成している。

第８図は前記刈取部７の駆動系統を示すもので
あり、前記刈取入力軸２０にベベルギヤ５４を介
し刈取駆動軸５５を連動連結すると共に、刈取ク
ラツチ５６及び刈取変速機構５７を介し刈取伝動
軸５８，５９を前記刈取駆動軸５５に連動連結し
ている。また前記伝動軸５９にベベルギヤ６０を
介し前記上部搬送ベルト４１及び縦搬送チエン４
２の駆動軸６１を連動連結すると共に、前記伝動
軸５８に刈刃３７のクランクロツド６２を連動連
結している。さらに、前記伝動軸５８にベベルギ
ヤ６３，６４及び伝動フレーム軸６５を介し刈取
軸６６を連動連結すると共に、ギヤ伝動機構６７
を介し前記スターホイル３１及び掻込みベルト３
３並びに下部搬送チエン３６を前記刈取軸６６に
連動連結している。またさらに、前記刈取軸６６
にベベルギヤ６８，６９及び引起し駆動軸７０を
介し引起し伝達軸７１を連動連結すると共に、前
記引起しタイン３０の引起し軸７２をベベルギヤ
７３を介し前記伝達軸７１に連動連結している。
なお、前記刈取入力軸２０は本機側の扱胴入力軸
或いは選別用揺動軸などに適宜連動連結するもの
である。

本実施例は上記の如く構成するものにして、今
前記刈刃３７と受刃３８とにより刈取つた穀稈は
その穂先側を掻込みベルト３３で、稈元側をスタ
ーホイル３５で掻込まれ、穂先側は上部搬送ベル
ト４１に稈元側は下部搬送チエン３６を介し縦搬
送チエン４２に受継がれる。そして縦搬送チエン
４２によつて搬送される穀稈はその移送終端で前
記フイードチエン５に稈元側を受継ぎされると共
に、穂先側を脱穀部４の扱室内に導入させてその
フイードチエン５による搬送中脱粒処理される。

斯る作業中本機側の機体が傾いて刈取部７も今
一定以上左或いは右に傾いたとき、前記センサ４
３を介して前記切換スイツチ４４が作動しこの左
或いは右への傾きを検出する。この結果、前記電
磁切換弁５２の下降及び上昇用ソレノイド５２
ａ，５２ｂが励磁されて前記シリンダ２４のピス
トンロツド２４ａを退入或いは伸張するもので、
このピストンロツド２４ａが退入或いは伸張する
ことにより前記刈取入力パイプ１９を中心として
横パイプ２１が上下に揺動し刈取部７は圃場面に
平行な状態に水平制御される。したがつて、本機
側が例え傾いても刈取部７は圃場面に対し平行状
態を維持して穀稈を常に均一の稈長さで刈取るこ
とができるものである。またこのため、低位とな
る側の刈取フレーム３９や分草板８が土の中に突
入し損傷するなどの不都合も解消される。

さらに、前記刈取上下回動用シリンダ２７の基
端を、水平制御を行う前記横パイプ２１に支持す
るものであるから、水平制御時にはその相対位置
関係を異ならせることなく前記シリンダ２７も同
時に移動させることができ、この結果水平制御の
都度前記シリンダ２７の作用長さなどを調節する
必要などなく、水平制御中任意の位置での刈取昇
降をも可能として水平制御と刈高さの一定制御を
も可能にできるものである。

またさらに、前記刈取部７の左右揺動中心つま
刈取入力パイプ１９を機体左側のフイードチエン
５近傍に設けるものであるから、このフイードチ
エン５の逆サイド側となる運転台１６及び運転席
１７など運転装置と最大離れて、この逆サイド側
の刈取部７の左右変位量を最小に抑制することが
でき、そのため刈取部７の水平制御時この刈取部
７と運転装置との干渉など防止できると共に、こ
の干渉防止隙間を最小に抑制することによつて機
体全幅も狭小に形成でき構成のコンパクト化が図
れるものである。また、前記フイードチエン５の
移送始端にその終端を近接させる縦搬送チエン４
２の変位量も最小に抑制できる結果、水平制御中
のこれらチエン５，４２間の受継ぎも良好とさせ
ることができる。

以上実施例から明らかなように本発明は、刈取
部７を昇降させる刈取上下回動用シリンダ２７
と、刈取部７を左右揺動させる刈取左右揺動用シ
リンダ２４とを設けるコンバインにおいて、刈取
左右揺動用シリンダ２４による刈取部７の左右揺
動中心１９をフイードチエン５の移送始端近傍に
配設させると共に、刈取左右揺動用シリンダ２４
によつて揺動させる刈取部７側に刈取上下回動用
シリンダ２７を設け、刈取左右揺動用シリンダ２
４によつて刈取部７と刈取上下回動用シリンダ２
７を一体的に変位させるように構成したもので、
刈取部７とフイードチエン５の相対位置変化を小
幅に保つて穀稈の受継などを良好に行わせること
ができると共に、前記各シリンダ２４，２７の相
互干渉をなくし、各シリンダ２４，２７による刈
取部７の上下回動と左右揺動を夫々独立させて行
わせることができ、刈取部７支持構造並びにシリ
ンダ２４，２７制御構造の簡略化を容易に行うこ
とができ、また各シリンダ２４，２７による刈取
部７の姿勢制御機能の向上並びに取扱い操作の簡
略化なども容易に図ることができるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すものであり、第
１図はコンバインの全体側面図、第２図は同平面
図、第３図は刈取部の側面図、第４図は同平面
図、第５図は同正面図、第６図は要部の外観斜視
図、第７図は同油圧回路図、第８図は刈取部の駆
動系統図である。 ５…フイードチエン、７…刈取部、１９…左右
揺動中心（刈取入力パイプ）。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 刈取部７を昇降させる刈取上下回動用シリン
   ダ２７と、刈取部７を左右揺動させる刈取左右揺
   動用シリンダ２４とを設けるコンバインにおい
   て、刈取左右揺動用シリンダ２４による刈取部７
   の左右揺動中心１９をフイードチエン５の移送始
   端近傍に配設させると共に、刈取左右揺動用シリ
   ンダ２４によつて揺動させる刈取部７側に刈取上
   下回動用シリンダ２７を設け、刈取左右揺動用シ
   リンダ２４によつて刈取部７と刈取上下回動用シ
   リンダ２７を一体的に変位させるように構成した
   ことを特徴とするコンバインの刈取装置。