JPH0440636B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は、ヘツダタンク容器の壁体に設けられ
た開口を貫通するコネクタを内蔵て上記開口に流
体が流れるように、ヘツダタンク容器を有する熱
交換器に関する。

〔従来の技術〕

通常の冷却水ラジエータのヘツダタンク容器内
に、油冷却器から成る管状熱交換器を配置し、か
つ油冷却器の各端部にある種のコネクタを設けて
ラジエータヘツダタンク容器の壁を通つて管状熱
交換器へまたは熱交換器から油が流れるようにし
た構造は、車のラジテータにおいては周知であ
る。従来、このような熱交換器は、ヘツダタンク
容器の開口を貫通しかつ一端にフランジを有する
ねじ部分と、容器の壁面の他方の側にナツトを含
むコネクタを内蔵し、フランジとこれに伴う密封
リングを引きつけて容器の壁面と接触させるよう
にしていた。なおねじのついたコネクタは中空
で、そこを油が流れるようになつている。

〔発明の概要〕

本発明は、ヘツダタンク容器のい壁体に設けら
れた開口を貫通するコネクタを内蔵して上記開口
に流体が流れるようにした、ヘツダタンク容器を
有する熱交換器であつて、上記容器の壁体を貫通
する上記コネクタの周囲に位置する一部を有する
エラストマーブツシユにより、上記コネクタと上
記容器の壁面との間を密封し、かつ上記コネクタ
を上記ブツシユに挿入することにより、上記ブツ
シユが拡大して容器の壁体と密封係合するよう
に、変形していない状態におけるブツシユの内部
がテーパを有している熱交換器を提供するもので
ある。以下、添付の図面に基づいて、本発明の実
施例について説明する。

〔実施例〕

図面において、成形プラスチツクヘツダタンク
容器１１は、銅で出来た、いわゆる同心油冷却器
１２を含んでいる。油冷却器の内部１３及び内部
から流れる油は、一対のコネクタ１４を通過す
る。第１図には、このコネクタの一方のみが示さ
れている。

コネクタ１４は、管状油冷却器１２にろう付け
された真ちゆう製の結合部材１５と、この結合材
とヘツダタンク容器間に配置されたエラストマー
の管状の密封ブツシユ１６とから成つている。結
合部材１５は、油送り管（図示せず）に結合さ
れ、かつ密封ブツシユ１６の内面に接触したほぼ
円筒状の外面を有している。密封ブツシユ１６
は、結合部材１５によつて変形させていない状態
では、そのフランジ１６ａから延びた円筒状を成
している外面と、テーパをつけられた内面とを有
しており、その内面が結合部材１５の円筒状外面
に接触する。密封ブツシユ１６は、変形させられ
ていない状態において、フランジ側の端部で最大
の内径を有し、他方の端部の最小の内径へとテー
パがつけられている。

管状油冷却器１２は、ヘツダタンク容器１１と
一体成形されたウエブ１７とＨ形保持部材１８と
により、ヘツダタンク容器内に保持されている。
複数のウエブ１７とＨ形保持部材１８は、管状油
冷却器１２の長さ方向に沿つて設けられ、これを
適切な位置に保持している。

ウエブ１７は、コネクタ１４が延びている容器
の壁体の開口に向けて、及び開口に垂直な方向の
ヘツダタンク容器に向けての油冷却器の移動を抑
制している。また、保持部材１８は、これら２つ
の方向とは反対方向の油冷却器の移動を抑制して
いる。保持部材１８はヘツダタンク容器に成形さ
れたガイド部材１９中に配置され、ガスケツト２
１を介して作用するチユーブプレート２０により
組立てられた熱交換器内に保持されている。また
Ｈ形保持部材１８、ヘツダダンクの断面積のかな
りの部分を支持するような形であり、これによ
り、タンク内の水の流れに作用して、油冷却器の
内部通路２２内の流れを促進する。

図示の構成要素の組立ては、先づ、容器の壁体
に設けられた開口から密封ブツシユ１６を挿入す
ることから開始される。続いて、油冷却器１２を
適切な位置に配置し、プツシユの大きい端部に結
合部材を１５係合し、密封プツシユテーパ内部を
結合部材１５円筒状に適合させた、図示の位置ま
で結合部材１５を滑動させる。これにより、プツ
シユは半径方向外側に拡大変形して、容器の壁面
と密封接触する。次に、Ｈ形保持部材をガイド部
材１９に滑動させ、油冷却器を適切な位置に配置
しい、さらに、ヘツダタンクセンプリにツユーブ
プレート及びガスケツトを組立てて、Ｈ形保持部
材がはずれないようにしている。

図示した構成素子の組立ては非常に簡単で、ね
じのついた結合部材やこれに伴うナツトを設ける
必要がなく結合部材１５とヘツダタンク容器間に
有効な密封を行なうことができるので、組立時間
や材料コストを節約することができる。

なお、本発明の思想に基づいて、構成部材の形
状や配置など様々に改変することができる。たと
えば、本実施例では、ヘツダダンクはプラスチツ
クで出来ているが、金属製のヘツダタンクでもよ
い。また、本実施例では、本発明を、油冷却器に
取りつけられたラジエータヘツダタンクにおいて
使用しているが、容器の壁面に構成部材を貫通さ
せなければならない熱交換器のヘツダタンクの他
の用途に使用することもできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による、熱交換器の管状熱交換
器及びこれに使用するコネクタを内蔵したヘツダ
タンク容器の断面図、第２図は第１図の熱交換器
のヘツダタンクの他の面における断面図、第３図
は第２図の線−における断面図、第４図は第
２図の線−における断面図である。 １１……ヘツダタンク容器、１２……油冷却
器、１４……コネクタ、１５……結合部材、１６
……ブツシユ、１７……ウエブ、１８……Ｈ形保
持部材、１９……ガイド部材。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 熱交換器のヘツダタンク容器と；このヘツダ
   タンク容器内に配置された、熱交換器の構成要素
   と； 前記ヘツダタンク容器の壁体の開口を貫通して
   いて、その開口を通して、前記熱交換器の構成要
   素に流体を流せるようにするために流体を通す結
   合部材と； 前記結合部材により貫通されていて、前記ヘツ
   ダタンク容器の壁体と前記結合部材との間を密封
   するエラストマーのブツシユであつて、変形させ
   られていない状態ではテーパがついた内面を有
   し、前記壁体の前記開口に位置している時に前記
   結合部材が貫通させられると変形して生じる拡径
   により、前記ヘツダタンク容器の壁体に密封状態
   で接触するように構成されているエラストマーの
   ブツシユと； 前記ヘツダタンク容器内に設けられ、前記熱交
   換器の構成要素が前記開口から移動することを押
   さえる保持要素と を備えた熱交換器。 ２ 特許請求の範囲第１項記載の熱交換器におい
   て、変形させられていない状態での前記ブツシユ
   は、その外形が全長にわたりほぼ円筒状であるこ
   とを特徴とする熱交換器。 ３ 特許請求の範囲第１項または第２項に記載の
   熱交換器において、前記壁体の前記開口はほぼ円
   形であり、前記ブツシユおよび前記結合部材は環
   状であることを特徴とする熱交換器。 ４ 特許請求の範囲第１項乃至第３項の何れか１
   項に記載の熱交換器において、前記ブツシユは、
   その内径が大きい端部の方にフランジを有してい
   ることを特徴とする熱交換器。 ５ 特許請求の範囲第１項乃至第４項の何れか１
   項に記載の熱交換器において、前記結合部材は、
   前記ブツシユに接触する部分の外形がほぼ円筒状
   であることを特徴とする熱交換器。 ６ 特許請求の範囲第１項乃至第５項の何れか１
   項に記載の熱交換器において、前記結合部材は、
   前記ヘツダタンク容器内に配置された管状の熱交
   換要素に取着されていることを特徴とする熱交換
   器。 ７ 特許請求の範囲第６項に記載の熱交換器にお
   いて、前記ヘツダタンク容器はプラスチツク製で
   あり、前記管状の熱交換要素は前記容器の壁体に
   モールド成形されたウエブにより位置を定められ
   ていることを特徴とする熱交換器。 ８ 特許請求の範囲第７項に記載の熱交換器にお
   いて、前記管状の熱交換要素が前記壁体の前記開
   口へ向かう方向およびその方向に直交する方向に
   移動することが、前記ウエブにより押さえられる
   ことを特徴とする熱交換器。 ９ 特許請求の範囲第６項乃至第８項の何れか１
   項に記載の熱交換器において、前記保持要素は、
   前記管状の熱交換要素の後から前記ヘツダタンク
   容器に入れることができ、熱交換器の組立て後に
   前記ヘツダタンク容器に結合されるチユーブプレ
   ートによつて保持されることを特徴とする熱交換
   器。 １０ 特許請求の範囲第９項に記載の熱交換器に
   おいて、前記保持部材は、前記ヘツダタンク容器
   内で流れる流体のバツフルとして働くように構成
   されていることを特徴とする熱交換器。