JPH0440475Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 産業上の利用分野 本考案は液化槽内全体の温度を均一に昇温せし
めて液化を容易にして高濃度の米の液化液を造る
酒造米液化装置における昇温装置に関するもので
ある。

従来の技術 従来、液化槽内に主撹拌軸を回転自在に設置せ
しめ、該主撹拌軸に主撹拌翼を固設せしめ、又液
化槽内に横又は下から蒸気供給ノズルを突出せし
めたものが見受けられるが、蒸気供給ノズルが混
合液の撹拌の中心部でないために混合液全体を均
一に昇温することが出来ず、従つて多量の仕込水
を必要として高濃度の米の液化液を造ることが出
来ず、アルコール度が低く、又多量の米の液化液
を処理しなければならない欠点を有していた。

考案が解決しようとする問題点 本考案は液化槽内において邪魔板により発生す
る対流撹拌の中心に蒸気を供給して混合液全体を
均一に昇温せしめ、高濃度の米の液化液を造る酒
造米液化装置における昇温装置を提供せんとする
ものである。

〔考案の構成〕

問題点を解決するための手段 本考案はかかる点に監み、液化槽内に主撹拌軸
を回転自在に設置せしめ、該主撹拌軸に主撹拌翼
を固設せしめ、又液化槽内には蒸気供給管を内装
せしめた邪魔板を装備せしめた酒造米液化装置に
おける昇温装置を提供して上記欠点を解消せんと
したものである。

作 用 本考案は液化槽内に原料米、仕込水、液化酵素
を投入せしめ、主撹拌翼及び遠心撹拌翼を回転せ
しめると共に、邪魔板に内装せしめた蒸気供給管
より蒸気を吹き込み、又ジヤケツトに加熱・冷却
ノズルより蒸気、冷水を通すことにより液化温度
を維持せしめ、原料米と仕込水の混合液は液化槽
の中心部においては主撹拌翼により剪断混合され
ると共に下方に流動し、液化槽の底部では遠心撹
拌翼により剪断混合されると共に外側に流動し、
又液化槽の外周部では上方に流動して全体的に渦
巻き状に流動して撹拌混合され、又主撹拌羽根に
穿設せしめた切り抜き穴の端縁により粒状物、混
合液が剪断されて効率を向上せしめた撹拌混合を
行うと共に、邪魔板により混合液の流動が邪魔さ
れて対流を起こして効率を向上せしめた撹拌混合
を行うのである。

実施例 以下本考案の一実施例を図面に基づいて説明す
ると、 １は原料米を液化処理する液化槽であり、外周
には蒸気若しくは冷水等が供給される加熱・冷却
ノズル２，２ａ…を装備せしめたジヤケツト３を
付設せしめ、又液化槽１上部には原料投入口４を
設けると共に、下部には処理液出口５を設けしめ
ている。

６は液化槽１の中央部に垂直に回転自在に設置
せしめた主撹拌軸であり、該主撹拌軸６の上端は
液化槽１より突出して主撹拌駆動装置７に連結せ
しめ、又液化槽１内において主撹拌軸６の中央部
より下方には２段に主撹拌翼８，９を固設せしめ
ると共に、液化槽１の底部に位置する様に主撹拌
軸６の先端に遠心撹拌翼１０を固設せしめてい
る。

上記主撹拌翼８，９及び遠心撹拌翼１０は、主
撹拌軸６に外嵌するボス１１に鋭角な三角形状の
切り抜き穴１２，１２ａ…を穿設せしめた４枚の
板状の主撹拌羽根１３，１３ａ…を斜めに固設せ
しめて主撹拌翼８，９を形成せしめ、又主撹拌軸
６に外嵌するボス１４に４枚の遠心効果を有する
先端縮径の湾曲した遠心撹拌羽根１５，１５ａ…
を斜めに固設せしめて遠心撹拌翼１０を形成せし
めている。

尚、主撹拌翼８，９は２段のものを説明した
が、１〜３段等でも良く、又主撹拌翼８，９の主
撹拌羽根１３，１３ａ…に穿設せしめた切り抜き
穴１２，１２ａ…は三角形状のもの説明したが、
丸、四角形状のものでも良く、又主撹拌翼８，９
及び遠心撹拌翼１０の主撹拌羽根１３，１３ａ…
及び遠心撹拌羽根１５，１５ａ…は夫々４枚のも
のを説明したが、２，３枚等でも良い。

１６は液化槽１内の側部に垂直に装備せしめた
邪魔板であり、該邪魔板１６内部には蒸気を供給
せしめる蒸気供給管１７を内装せしめている。

次に本考案に係る酒造米液化装置における昇温
装置の作用について説明すると、 液化槽１内に原料投入口４より原料米、仕込
水、液化酵素を投入せしめ、主撹拌駆動装置７を
作動せしめて主撹拌翼８，９及び遠心撹拌翼１０
を回転せしめると共に、邪魔板１６に内装せしめ
た蒸気供給管１７より蒸気を吹き込み、又ジヤケ
ツト３に加熱・冷却ノズル２，２ａ…より蒸気、
冷水を通すことにより液化温度に維持せしめ、原
料米と仕込水の混合液は、液化槽１の中心部にお
いては主撹拌翼８，９を斜めに固設せしめている
ことにより剪断混合されると共に下方に流動し、
液化槽１の底部では遠心撹拌翼１０の遠心効果に
より剪断混合されると共に外側に流動し、又液化
槽１の外周部では上方に流動して全体的に渦巻き
状に流動して撹拌混合され、又主撹拌羽根１３，
１３ａ…に穿設せしめた切り抜き穴１２，１２ａ
…の端縁により粒状物、混合液が剪断されて効率
を向上せしめた撹拌混合を行うと共に、邪魔板１
６により混合液の流動が邪魔されて対流を起こし
て効率を向上せしめた撹拌混合を行つている。

〔考案の効果〕

要するに本考案は、液化槽１内に主撹拌軸６を
回転自在に設置せしめ、該主撹拌軸６に主撹拌翼
８，９を固設せしめ、又液化槽１内には蒸気供給
管１７を内装せしめた邪魔板１６を装備せしめた
ので、液化槽１内において渦巻き状に流動する混
合液は邪魔板１６により対流を発生し、邪魔板１
６に蒸気供給管１７を内装しているために対流撹
拌の中心部で蒸気を供給せしめることが出来て混
合液全体を均一に昇温させて少量の仕込水で高濃
度の米の液化液を造ることが出来、又邪魔板１６
に蒸気供給管１７を内装して邪魔板１６及び蒸気
供給管１７を一体化しているために掃除が容易で
ある等その実用的効果甚だ大なるものである。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示すものにして、第１
図は液化装置の断面図、第２図は主撹拌翼の平面
図、第３図は同上側面図、第４図は遠心撹拌翼の
側面図、第５図は同上平面図である。 １……液化槽、６……主撹拌軸、８，９……主
撹拌翼、１６……邪魔板、１７……蒸気供給管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 液化槽内に主撹拌軸を回転自在に設置せしめ、
   該主撹拌軸に主撹拌翼を固設せしめ、又液化槽内
   には蒸気供給管を内装せしめた邪魔板を装備せし
   めたことを特徴とする酒造米液化装置における昇
   温装置。