JPH0440464Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案はバームクーヘンのような巻菓子を製造
するに際に用いられる巻菓子製造用シヤフト機構
に関し、より具体的には巻菓子の中心に芯となる
食品を入れて製造するのに好適な巻菓子製造用シ
ヤフト機構に関する。

［従来の技術］ 従来のバームクーヘンのような巻菓子の製造方
法は、製造装置内に懸架される円筒形状のシヤフ
ト・アセンブリを支持体として用い、この周りへ
の巻菓子側素材の巻付け供給、垂れの塗布及び加
熱の処理を製造サイクルに従つて該シヤフト・ア
センブリを製造装置内で公転及び自転させながら
繰返すことによつて行なつていた。

［考案が解決しようとする問題点］ 上記の製造方法において、例えばリンゴのよう
な食品を巻菓子の中心に芯として入れようとする
場合には、リンゴに孔を開けてここにシヤフト・
アセンブリを貫通させてから上記の製造サイクル
を行なうことになる。然し従来のシヤフト・アセ
ンブリを用いてこれを行なうとすれば、該シヤフ
ト・アセンブリの公転及び自転に伴つてリンゴが
空回りを起し易く、そのため巻菓子側の素材の加
工に支障を来たすことになる。また他方、単に該
シヤフト・アセンブリに係止用の針を突出させた
のでは、芯食品の取付け、あるいは製造後の巻菓
子の取外しに支障を来たすことになる。

本考案はかかる観点に基づいてなされたもので
あり、芯食品が空回りすることなく、また芯食品
の取付け及び製造後の巻菓子の取外しに支障を来
たすことのない巻菓子製造用シヤフト機構を提供
することを目的とする。

［問題点を解決するための手段］ 上記目的を達成するため本考案にあつては、中
空の外管に回転軸部材を挿通し、外管の中央と回
転軸部材の中央とが一致するように配置される。
外管の両端部において回転軸部材に対し螺着され
た両取付部材によつて鋼線が両取付部材間に張着
される。このような構成により巻菓子製造装置か
らの回転力は回転軸部材を介して外管に付与され
る。

［作用］ 上記構成により、本考案に係るシヤフト機構に
あつては、張着した鋼線を両取付部材から取外
し、さらに鋼線の針状部の取付側（右側）の取付
部材を回転軸部材から取外した状態で、巻菓子の
芯食品に予め形成した中央孔に外管を通した後取
外した右側取付部材を回転軸部材に螺着する。次
に、他の左側取付部材の小孔に外側から鋼線の針
状部を先にして挿通させながら芯食品に順次突き
刺し貫通させた後、鋼線を両取付部材により張着
すると芯食品は外管に対して固定されることにな
る。これにより巻菓子の製造工程中に回転軸部材
が公転及び自転しても芯食品は空回りすることは
なくなる。巻菓子の製造が完了した後は、取付部
材から鋼線の張着を解除して芯食品から引抜き、
しかる後に一方の取付部材を回転軸部材から取外
せば外管から巻菓子を引出すことができる。

［実施例］ 第１図は本考案に係るシヤフト機構１０を鋼線
２１を張着した状態で示す組立側面図、第２図は
鋼線２１を示す図である。第３図及び第４図は取
付部材３１，３２を示す正面図と側面図であるが
第３図に示すものは鋼線２１のねじ部２２が、第
４図に示すものは鋼線２１の針状部２４が取付け
られる取付部材である。これら各部品はすべて鋼
からなる。

外管１２は中空円筒状で両端部はいずれも開口
となつている。回転軸部材１１は丸棒状で外管１
２の内径と概ね等しい外径を有し、両側外端面に
は製造装置の対応する駆動及び軸受部内に支持さ
れた際にこれと連携するための溝４１，４２が形
成され、且つ必要な長さを有している。

取付部材３１は、回転軸部材の外径よりはやや
大きい内径を有し、その内径に等しい寸法で片側
が開口していて一部リング状をなしている。その
下部には回転軸部材１１に螺着する際のねじ孔３
５が設けられ、さらに上部には鋼線２１を挿通で
きる小孔３３が横設された部材がリング状の部材
に溶着されて一体となつている。

取付部材３２は、上記３１と全く同様に形成さ
れているが、小孔３４に挿通された鋼線２１を締
着するため溶着された上部部材があつてその上面
にはナツト３８が溶着され、そのねじ孔３９が鋼
線２１を挿通するため横設された小孔３４まで穿
設されている点が異なる。

次に鋼線２１は、適切な線径を有し一端にはね
じ部２２が設けられナツト２３と螺合する。また
他端は針状部２４を形成している。鋼線２１は取
付部材３１，３２が外管１２の両端面と当接して
回転軸部材１１に螺着されたとき両取付部材間を
連携するのに必要な長さを有している。

上記構成のシヤフト機構１０の使用方法を、リ
ンゴを芯材として巻菓子を製造する態様を例とし
て以下に述べる。

先ず芯材であるリンゴは外管１２の長さに対応
して相互に密着することなく適切な間隔を保持で
きるだけの個数を用意し、これらのリンゴの中央
部に外管１２の外径に対応する孔をあける。一方
外管１２に回転軸部材１１を挿通させ夫々中央が
一致するようにしておき、外管１２の一端におけ
る端面に取付部材３１の端面を当接させた状態
で、ボルト１３をもつて回転軸部材１１に螺着固
定しておく。

そして、外管１２の他端から用意したリンゴの
孔に外管１２を通すことにより相互に密着するこ
となく適切な間隔を保持させて装着配置する。そ
の上で外管１２の端面に取付部材３２の端面を当
接させた状態でボルト１４をもつて回転軸部材１
１に螺着固定すると外管１２は両端部に取付けら
れた取付部材３１，３２の間で挾持されることに
なる。次いで鋼線２１を針状部２４を先にして取
付部材３１に穿設された小孔３１に挿通し推しや
りながら外管に装着配置されたリンゴを順次突き
刺して鋼線２１の先端が外管１２の他端部に到達
した時、取付部材３２に横設された小孔３４に鋼
線２１の針状部２４を挿通しボルト１５をもつて
ナツト３８を介して上部から鋼線２１を締着し、
同時に鋼線２１のねじ部２２にナツト２３を螺合
させ鋼線２１を張着する。

後は、リンゴを装着し且つ組立たこの状態のシ
ヤフト機構１０を通常の態様で製造装置の駆動及
び軸受部間に懸架し、公知の態様でリンゴの周り
に巻菓子の側を形成すれば、リンゴを芯材とした
巻菓子を製造することができる。

巻菓子の製造が完了した後は、鋼線２１を取付
部材３１，３２から張着を解除して引き抜き、次
いで取付部材３１または３２のいずれか一方を回
転軸部材から取外せば外管１２を巻菓子の軸方向
に引抜くことができる。

［考案の効果］ 本考案に係る巻菓子製造用シヤフト機構によれ
ば、巻菓子の中心に芯となる食品を入れて製造す
る際に、巻菓子の芯食品が空回りすることなく、
また芯食品の取付け及び製造後の巻菓子の取外し
にその操作は極めて簡便容易にできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るシヤフト機構を鋼線を張
着した状態で示す組立側面図、第２図は鋼線を示
す図、第３図は左側取付部材の正面図と側面図、
第４図は右側取付部材の正面図と側面図である。 １０……シヤフト機構、１１……回転軸部材、
１２……外管、１３，１４，１５……ボルト、２
３，３８……ナツト、２１……鋼線、２２……ね
じ部、２４……針状部、３１，３２……取付部
材、３３，３４……小孔、３５，３６，３９……
ねじ孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 巻菓子製造装置において、巻菓子の側の素材を
   巻付け、加熱工程を含むサイクルに従つて自転を
   行なうシヤフト機構であつて、 中空の外管と、 直線状の鋼線と、 外管の両端部において外管から離間した状態で
   上記鋼線を保持張着できるようにした取付部材
   と、 巻菓子製造装置から付与される回転力を外管に
   伝える回転軸部材と、 からなることを特徴とする巻菓子製造用シヤフト
   機構。