JPH0440449Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、温室等のカーテン装置に関する。

従来の技術 従来、温室内の骨組材にカーテンの開閉装置を
設ることが一般的であつたが、夏期の遮光カーテ
ン等では、温室内で作物への直射日光を遮ること
ができても、遮光カーテンが温室内にあつてはそ
の放熱により温室温度を上昇させることとなる問
題があつた。

考案が解決しようとする問題点 そこで、遮光カーテン等は温室屋根上に設けて
その放熱が直接温室内に影響を与えないようにす
ることが考えられるが、遮光カーテンが風にはた
めいたり、吹き飛ばされる恐れがあつた。

問題点を解決するための手段 本考案は、温室屋根上に骨組材を設け、該骨組
材に沿つてカーテンを開閉自在に設けた温室のカ
ーテン装置において、前記カーテンに所定間隔毎
に風抜き隙間を設けると共に、前記骨組材によつ
てできる温室屋根とカーテンとの妻側隙間に防風
カーテンを設けてなる温室のカーテン装置を提供
するものである。

作 用 温室屋根上に張設したカーテンに、所定間隔毎
に風抜き隙間を設けたから、カーテンの下に入り
込む風が風抜き隙間から円滑に吹き抜け、カーテ
ンの吹き上がりが防止できると共に、一般に、温
室の建物は東西に通過する太陽光を屋根で受ける
ように妻側は南向きに設営されているが、夏期の
台風などによる強風は主として南風であるから、
骨組材によつてできる温室屋根とカーテンとの妻
側隙間に防風カーテンを設けることによつて、こ
の強風がカーテンの下に入り込むのを阻止し、風
抜き隙間と共に二重にカーテンの吹き上がりを防
止することができる。

実施例 以下図示する実施例により、本考案装置を詳細
に説明すると、１は温室２０の屋根２１上に骨組
材２２によつて所定間隔で屋根の傾斜方向に沿つ
て構築されたカーテン支持パイプである。２は前
記カーテン支持パイプ１を横方向に相互に連結す
る連結パイプである。３は、カーテン巻取軸で、
カーテンの敷設面積に対応して屋根の棟木に沿つ
て長手方向に設けてあり、これにカーテン１０の
下端縁部を固定器具４により取りつけてある。実
施例の場合、カーテン１０の上端縁部は、骨組材
２２の屋根の頂部に位置して固定的に設けた同様
の固定パイプ５に固定器具４によつて取りつけて
ある。図の実施例では、温室２０の一方の屋根２
１のカーテン１０は巻取つて開いた状態で示して
あり、他方の屋根のカーテンは巻戻して閉じた状
態で示してある。

ここで、６は、巻取軸３を巻取り巻戻し駆動す
るモーターで、巻取軸３の長手方向ほぼ中央に位
置して取りつけてある。モーター６には、ガイド
ローラボツクス７が一体に設けてあり、該ボツク
ス７内の複数個の水平案内ローラ及び垂直案内ロ
ーラが、断面四角形状のモーター案内軸８を上下
左右から回転自在に挟持することによつて、該モ
ーター６をその長手方向に沿つて移動自在に懸架
し案内している。

また、モーター案内軸８は、屋根の上部に突出
した骨組材２２の頂部に巻取軸３と平行に設けた
支持部材９と、屋根と下端縁に沿つて同様に骨組
材２２により突設した支持部材１１との間に、前
記カーテン敷設面を構成するカーテン支持パイプ
１に対して、カーテン１０の巻取り太さの径の変
化分に対応した傾斜角度で設けてある。

即ち、実施例の場合、屋根の下縁部がカーテン
の巻戻し端で、頂部が巻取り端となるから、モー
ター案内軸８は屋根の下縁部から頂部にむかつて
カーテン支持パイプ１に対して急な傾斜角度で
徐々に間隔が大きくなるように設置してある。

実施例の場合、モーター案内軸８の上端には、
支持部材９に緩く嵌合するリング１５が一体に設
けてあり、モーター案内軸８が支持部材９を支点
に揺動自在且つ左右方向に移動可能に取りつけて
ある一方、モーター案内軸８の下端部はモーター
６の移動分だけ屋根の下方に延設した支持部材１
１の上面に載置してある。

そして、このモーター６付近のカーテンは、カ
ーテン支持パイプ１から少し浮き上がつた状態で
案内されるように構成してある。また、屋根の頂
部の支持部材９に相対して屋根の下端縁には平行
に支持部材１２が突設してあり、これら支持部材
９，１２及びカーテン支持パイプ１の周囲に、カ
ーテン１０のはためき等を阻止するカーテン押え
ワイヤ１３が所定間隔で張設してある。

ここで、本考案装置では、カーテン１０の所定
間隔（例えば100cm〜150cm）毎に５cm程度の風抜
き隙間３０が設けてある。この風抜き隙間は、図
示の実施例のように、カーテン１０が所定幅のも
のを順次風抜き隙間３０を介して巻取軸３に巻回
するように取付た構成でも、カーテン１０に所定
間隔毎に風抜き隙間を開口させたものを巻取軸３
に巻回するようにした構成でも良い。

更に、本考案装置は、温室屋根の妻側端部に位
置する垂木としての前記カーテン支持パイプ１の
妻側に、更に略平行に垂木パイプ３１を設けると
共に、その下方に支持パイプ３２，３３，３４を
設けて、前記妻側端カーテン支持パイプ１と垂木
パイプ３１、支持パイプ３２，３３，３４の間に
固定器具４により防風カーテン３５を張設し、温
室屋根２１上に前記骨組材２２によつてできる温
室屋根２１とカーテン１０との間の妻側隙間を被
覆するように構成してある。この防風カーテン３
５はカーテン１０と同様に開閉式に設けてあつて
も良いことは勿論である。

その他、モーター６の近傍のカーテン巻取端及
びカーテン巻戻し端には、カーテン１０又は巻取
軸３が当接してモーター６の駆動を停止するため
のスイツチ１４が設けてある。また、モーター６
から最も遠いカーテン巻取位置にも同様のスイツ
チ１６が設けてある。１７はカーテン開閉装置の
制御盤である。

上記の実施例において、図の左側の屋根のよう
にカーテン１０が閉じた状態で、モーター６の近
傍の巻取軸３のカーテン１０に僅かにカーテン支
持パイプ１から浮き上がつた状態を維持して、モ
ーター６の巻取駆動により巻取られ、図の右側の
屋根のように開いた状態で巻取が完了する。巻戻
しのときも同様である。このとき、モーター６の
近傍のカーテン１０がカーテン支持パイプ１より
僅かに浮き上がる状態でモーター案内軸８に支持
されているから、モーター６の荷重は巻取軸３の
長手方向の全体に均等に分散して加わり、モータ
ー６の荷重のためにモーター６付近のカーテンだ
けが固く巻かれたり、撓んで蛇行したり、カーテ
ンが擦り切れたりするようなことがなくなり、円
滑、均等な巻取り巻戻しが可能となる。

効 果 以上の通り、本考案装置によれば、温室屋根上
に張設したカーテンに、所定間隔毎に風抜き隙間
を設けたから、カーテンの下に入り込む風が風抜
き隙間から円滑に吹き抜け、カーテンの吹き上が
りが防止できると共に、一般に、温室の建物は東
西に通過する太陽光を屋根で受けるように妻側は
南向きに設営されているが、夏期の台風などによ
る強風は主とし南風であるから、骨組材によつて
できる温室屋根とカーテンとの妻側隙間に防風カ
ーテンを設ける構成によつて、この強風がカーテ
ンの下に入り込むのを阻止し、風抜き隙間と共に
二重にカーテンの吹き上がりを防止することがで
きる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の一実施例の概略斜面図、
第２図はその要部の概略正面図である。 １……カーテン支持パイプ、３……カーテンの
巻取軸、４……固定器具、６……モーター、８…
…モーター案内軸、１０……カーテン、２１……
温室屋根、２２……骨組材、３０……風抜き隙
間、３１……垂木パイプ、３２，３３，３４……
支持パイプ、３５……防風カーテン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 温室屋根上に骨組材を設け、該骨組材に沿つて
   カーテンを開閉自在に設けた温室のカーテン装置
   において、前記カーテンに所定間隔毎に風抜き隙
   間を設けると共に、前記骨組材によつてできる温
   室屋根とカーテンとの妻側隙間に防風カーテンを
   設けてなる温室のカーテン装置。