JPH0439921Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案はコンクリート柱と鉄骨梁との接合部
において対向する鉄骨梁を接続する、柱・梁接合
部における梁接合用金物に関するものである。

〔考案が解決しようとする問題点〕

コンクリート柱と鉄骨梁の接合部において両者
を接合する金物は、コンクリート柱のためにコン
クリートの充填性及び配筋の施工性を妨げること
のないものであることが好ましく、この要請に対
して出願人は実願昭61−106336号において羽子板
ボルト状の金物を提案している。

ところでこの金物は柱内に埋め込まれる鋼棒状
部分とコンクリートとの付着耐力によつて鉄骨梁
からの応力をコンクリート柱に伝達する機構とさ
れているが、コンクリートの付着による応力の伝
達には限度があるためこの金物ではコンクリート
柱の構造設計上大きな効果を得ることが難しい。

この考案は以上のコンクリートの付着に期待す
る金物に改良を加え、更に応力の伝達効果を高め
る目的からなされたもので、金物に支圧板を設け
ることによつてこれを実現しようとするものであ
る。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案ではコンクリートの支圧強度が付着強度
よりはるかに大きいことに着目し、金物のコンク
リート中に配置される鋼棒状部分に支圧板の役割
を果たすつばを突設し、コンクリートに支圧応力
を発揮させることにより接合部を鉄骨梁からの応
力がコンクリートに働く付着応力と支圧応力とに
よつてコンクリート柱に伝達する構造とし、応力
の伝達効果を高めることを可能にする。

金物は鉄骨梁に接合される平板部とそれをつな
ぐ鋼棒状の連結部とからなり、この連結部の外周
に一箇所、もしくは複数箇所つばが突設される。

〔実施例〕

以下本考案を一実施例を示す図面に基づいて説
明する。

この考案の梁接合用金物１（以下金物１）は両
端の平板部１ａ，１ａとそれをつなぐ連結部１ｂ
とから羽子板ボルト状に形成されるもので、コン
クリート柱２（以下柱２）に対向して接合される
鉄骨梁３，３に跨つてこれらを接続するものであ
る。

平板部１ａには鉄骨梁３の規模に応じた複数個
のボルト孔１ｃが設けられ、ここにおいて金物１
は鉄骨梁３にボルト接合される。

連結部１ｂにはその外周に支圧板としてのつば
１ｄが少なくとも一箇所突設され、更にまた異形
筋状にリブ１ｅが設けられて付着効果が高められ
る。

連結部１ｂのつば１ｄの数、大きさは目標の支
圧応力に応じて決められる。

第１図は金物１の製作例、そして鉄骨梁３，３
の接合例を示したものであるが、ここに示すよう
に金物１は柱２に一方向に対向する鉄骨梁３，３
間に跨設され、各フランジにボルトにより接合さ
れる。この実施例は金物１を鉄骨梁３の上下フラ
ンジにそれぞれ一段ずつ配置したものである。

第２図の実施例は連結部１ｂにつば１ｄの他に
リブ１ｅを設け、接合部をコンクリートの支圧応
力に加えて付着応力を期待する構造としたもの
で、また特に金物１を二段ずつ配置したものであ
る。

なお金物１は接合部におけるコンクリートの流
動性を考慮して配置され、接合部は鉄筋コンクリ
ート造的な単純な構成とされる。

〔考案の効果〕

この考案は以上の通りであり、支圧板の役割を
果たすつばによつてコンクリートの支圧応力が期
待できるので接合部はこの支圧応力と付着応力と
により応力の伝達が行われる構造となり、その設
計上の安全性が高められ、その結果柱の小断面
化、そして低コスト化を図ることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図共本考案の実施例を示したもの
で、いずれもは横断面図、は縦断面図であ
る。 １……梁接合用金物、１ａ……平板部、１ｂ…
…連結部、１ｃ……ボルト孔、１ｄ……つば、１
ｅ……リブ、２……コンクリート柱、３……鉄骨
梁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コンクリート柱と鉄骨梁との接合部に配置さ
   れ、コンクリート柱に対向して接合される鉄骨梁
   間に跨ってこれらを接続する梁接合用金物であ
   り、鉄骨梁フランジに接合される、両側の複数個
   のボルト孔が設けられた平板部と平板部を連結す
   る鋼棒状の連結部とからなり、連結部に一箇所、
   もしくは複数箇所その外周につばが突設されてあ
   ることを特徴とする柱・梁接合部における梁接合
   用金物。