JPH0439902Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【技術分野】

本考案は、洗浄ノズルから洗浄水を吐出させて
局所を洗浄する温水洗浄装置において、サイホン
現象により洗浄ノズルから洗浄水が少しづつ漏れ
るのを防止するための止水弁に関する。

【背景技術】

温水洗浄装置において洗浄ノズルと温水に加圧
して洗浄ノズルから勢い良く吐出させるポンプと
を直接に接続した構造とすると、ポンプを駆動し
ていない時にも残留圧力やロータンクの水頭圧な
どのためにサイホン現象で洗浄ノズルの先から温
水が絶えず少しづつ漏水することがある。このた
め、従来にあつては洗浄ノズルとポンプとの間に
サイホン現象を防止するための止水弁を設けるこ
とがある。ところが、止水弁内の弁や弁座などは
プラスチツクやゴムなどを素材としているため放
置してあるうちに固着してしまい、弁が動かなく
なるおそれがあり、固着してしまうと止水弁を温
水洗浄装置から外して分解し、弁と弁座を分解し
て再び組立てねばならず、手間がかかつていた。

【考案の目的】

本考案は叙上のような技術的背景に鑑みて為さ
れたものであり、その目的とするところは弁と弁
座とが固着した場合にも止水弁を分解することな
く簡単に分離できるようにすることにある。

【考案の開示】

本考案温水洗浄装置の止水弁は、加圧された洗
浄水を流入させる吸水口１と洗浄ノズル２へ洗浄
水を供給する吐水口３とをハウジング８に備え、
ハウジング８内に設けた吸水口１と吐出口３とを
連通させる洗浄水流路に弁座６を設けると共に弁
座６を開閉する弁５を弁座６の吐水口３側にスラ
イド自在に配置し、弁５を弁座６に当接するよう
に付勢するばね４をハウジング８内に配設し、弁
５を上記ばね４に抗して押して弁５を弁座６から
分離させるための弁解放ロツド７をハウジング８
に挿通して弁解放ロツド７の一端を弁座６内に位
置させると共に弁解放ロツド７の他端をハウジン
グ８外部に露出させて成ることを特徴とするもの
である。しかして、弁５と弁座６とが固着した場
合には、弁解放ロツド７を例えば押して弁５を強
制的にスライドさせることにより簡単に弁５を弁
座６から分離させることができ、止水弁の所定の
動作を維持させることができるものである。 以下本考案の実施例を添付図に基いて詳述す
る。第２図に示すように、温水洗浄装置９は便器
１０の後部に設置されており、便器１０の真後ろ
に当たる位置には洗浄用の温水を吐出させる洗浄
ノズル２が前後にスライド自在に納入されていて
便器１０の中央部へ突出できるようになつてい
る。また、温水洗浄装置９の側部には洗浄水を加
熱して貯える温水タンク１１が内蔵され、上面に
は操作パネル１２が設けられている。更に、温水
タンク１１の後ろにはサイホン現象による漏水を
防止するための止水弁１３が取り付けられてお
り、止水弁１３の吸水口１はロータンク内などに
配置されたポンプ１４に接続され、吐水口３は温
水タンク１１を介して洗浄ノズル２に接続されて
いる。 止水弁１３は、ポンプ１４が駆動されていない
場合には流路を閉じてホース内の残留圧力やロー
タンク内の水頭圧などにより洗浄ノズル２から水
が漏れるのを防止するもので、第１図のような構
造を有している。即ち、ハウジング８の後部側面
にはポンプ１４から洗浄水を送り込まれる吸水口
１が設けられており、先端部には温水タンク１１
を介して洗浄ノズル２へ洗浄水を送る吐水口３が
設けられている。ハウジング８内の吸水口１と吐
水口３との間の洗浄水流路には環状のカラー１５
が固定されており、カラー１５の前方にはゴムシ
ート製の環状ないし筒状をした弁座６が固定され
ており、弁座６の前方にはプラスチツク製などの
弁５が前後スライド自在に納入されていてばね４
により弁座６と弾接する方向へ弾性的に付勢され
ている。従つて、吸水口１側にポンプ１４による
水圧が加わつていない場合には、ばね４により弁
５が弁座６に弾接されていて弁座６の開口が確実
に閉じられており、洗浄水が吐水口３側へ漏れる
ことがないようになつている。一方、ばね４の力
はポンプ１４の水圧よりも小さなものであり、ポ
ンプ１４が駆動されて吸水口１側に水圧が印加さ
れると水圧により弁５が押し開かれて洗浄水が吐
水口３へ供給されるようになつている。また、ハ
ウジング８の後端には弁解放ロツド７が挿通させ
られており、弁解放ロツド７の先端はカラー１５
及び弁座６の中心を通過して弁５の後面に対向
し、弁解放ロツド７の後端は止水弁１３のハウジ
ング８外に露出し、更に温水洗浄装置９の外に露
出し、弁解放ロツド７は先端が弁５から少し離間
するようにスプリング１６により後方へ付勢され
ている。尚、１７，１８はシール用のＯリングで
ある。しかして、長時間放置されて弁５と弁座６
とが固着してポンプ１４の水圧では弁５が動かな
くなつた場合には、弁解放ロツド７の後端を押す
と弁５が弁解放ロツド７の先端で突き動かされて
弁座６から剥がれて自由に摺動できるようになる
のである。弁解放ロツド７を離すと、弁解放ロツ
ド７はスプリング１６により後方へ突出させられ
て弁５から離れる。

【考案の効果】

本考案は、叙述のごとく加圧された洗浄用の温
水を流入させる吸水口と洗浄ノズルへ温水を供給
する吐水口とをハウジングに備え、ハウジング内
に設けた吸水口と吐水口とを連通させる洗浄水流
路に弁座を設けると共に弁座を開閉する弁を弁座
の吐水口側にスライド自在に配置し、弁を弁座に
当接するように付勢するばねをハウジング内に配
設し、弁を上記ばねに抗して押して弁を弁座から
分離させるための弁解放ロツドをハウジングに挿
通して弁解放ロツドの一部を弁座内に位置させる
と共に弁解放ロツドの他端をハウジング外部に露
出させてあるから、弁と弁座とが固着した場合に
は、弁解放ロツドを例えば押して弁を強制的にス
ライドさせることにより簡単に弁を弁座から分離
させることができ、止水弁の所定の動作を回復さ
せることができ、便利の良いものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す断面図、第２
図は同上の止水弁を備えた温水洗浄装置の平面図
であり、１は吸水口、２は洗浄ノズル、３は吐水
口、４はばね、５は弁、６は弁座、７は弁解放ロ
ツド、８はハウジングである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 加圧された洗浄水を流入させる吸水口と洗浄ノ
   ズルへ洗浄水を供給する吐出口とをハウジングに
   備え、ハウジング内に設けた吸水口と吐出口とを
   連通させる洗浄水流路に弁座を設けると共に弁座
   を開閉する弁を弁座の吐出口側にスライド自在に
   配置し、弁を弁座に当接するように付勢するばね
   をハウジング内に配設し、弁を上記ばねに抗して
   押して弁を弁座から分離させるための弁解放ロツ
   ドをハウジングに挿通して弁解放ロツドの一端を
   弁座内に位置させると共に弁解放ロツドの他端を
   ハウジングの外部に露出させて成る温水洗浄装置
   の止水弁。