JPH0439279B2 - - Google Patents

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JPH0439279B2
JPH0439279B2 JP61203096A JP20309686A JPH0439279B2 JP H0439279 B2 JPH0439279 B2 JP H0439279B2 JP 61203096 A JP61203096 A JP 61203096A JP 20309686 A JP20309686 A JP 20309686A JP H0439279 B2 JPH0439279 B2 JP H0439279B2
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liquid crystal
crystal polymer
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speaker diaphragm
diaphragm
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  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
  • Diaphragms For Electromechanical Transducers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
〔発明の技術分野〕 この発明は、スピーカ振動板およびその製造方
法に関するものである。 [従来の技術] スピーカの振動板は、スピーカを構成する部品
の中でダイヤフラムとも呼ばれ、性能としてピス
トン運動領域を広げるために振動板の比弾性率
E/ρ(E:弾性率、ρ:密度)がなるべく大き
く、高音域の周波数特性を滑らかにするために適
度の内部損失を有することがあげられる。 従来、E/ρを大きくする目的で、紙パルプを
主体とする振動板に炭素繊維を混入する方法など
が行なわれていた。また、近年、プラスチツク材
料に炭素繊維やマイカなどを混入してE/ρの改
善が行なわれてきた。一方、内部損失を増す目的
では、各種の有機系塗料を振動板に含浸する方法
が行われて来た。 [発明が解決しようとする問題点] 上記のような紙パルプに炭素繊維を混入する方
法では、炭素繊維の混入量に限度があり、E/ρ
の増加には多くを望めず、またプラスチツク材料
に炭素繊維やマイカなどを混入する方法では溶融
粘度が上昇して成形上の制約を受け、また有機系
塗料を振動板に含浸する方法では内部損失が増加
する反面、E/ρが低下する等の問題点がある。
その他、E/ρを高め、かつ内部損失が適当な振
動板を得る試みもあるが、E/ρ、内部損失の両
者に関しての特性や、生産上の経済的な要求を満
足することがほとんど不可能であつた。 この発明は、かかる問題点を解決するためにな
されたもので、E/ρができる限り高く適度に高
い内部損失を持つスピーカ振動板およびその製造
方法を得ることを目的とするものである。 [問題を解決するための手段] (1) この発明のスピーカ振動板は、熱可塑性芳香
族ポリエステル系の液晶ポリマーを素材とし
て、内部に液晶ポリマーの配向を有するもので
ある。 (2) この発明のスピーカ振動板は、熱可塑性芳香
族ポリエステル系の液晶ポリマーを重量で10%
以上と、残り熱可塑性樹脂とからなる材料を素
材として、内部に液晶ポリマーの配向を有する
ものである。 また、この発明のスピーカ振動板の製造方法
は (3) 熱可塑性芳香族ポリエステル系の液晶ポリマ
ーを含む材料を、液晶ポリマーが液晶化する温
度以上の温度で加熱溶融し、この加熱溶融され
た材料に所定の圧力を加えながら、該液晶ポリ
マーが固化する領域で所定の温度に維持されて
いる成形型に注入し、成形してなるものであ
る。 [作用] この発明における熱可塑性芳香族ポリエステル
系の液晶ポリマーの配向を有するスピーカ振動板
は、比弾性率が高く、かつ内部損失が適度に高く
なる。また、熱可塑性芳香族ポリエステル系の液
晶ポリマーを重量で10%以上と、残り熱可塑性樹
脂とからなる材料からなる液晶ポリマーの配向を
有するスピーカ振動板は、比弾性率が高く、かつ
内部損失が適度に高くなるとともに、その配合比
率を変えることにより密度が変り、質量の異なる
同一形状のスピーカ振動板すなわち最低共振周波
0の異なるスピーカ振動板が得られる。 また、加熱溶融された液晶ポリマーの溶融体
は、加圧されながら、成形型に注入されるため、
この成形型の成形部を流れるとき、この流れの速
さに見合つて成形型の表面、表層部および中央部
で異なる剪断速度を持ちこの剪断速度に応じた配
向度で液晶ポリマーが配向しながら成形型内で冷
却固化する。 [実施例] ポリマーが配向すると、弾性率や抗張力が向上
することは良く知られている。また、熱可塑性樹
脂の溶融成形において、ポリマーの配向が起こる
ことは公知である。しかし、従来の材料を用いた
成形では、ポリマーの配向が小さいため弾性率の
向上も小さく、スピーカーの振動板に要求される
特性を満足するものは得られなかつた。 一方、溶融時にネマチツク相を示す熱可塑性芳
香族ポリエステル系の液晶ポリマー(以後液晶ポ
リマーという)が熱を加えると溶融し粘度が低下
し優れた流動性を示すことは、良く知られてい
る。この液晶ポリマーの溶融体を、液晶ポリマー
の固化温度より低い温度に調整したスピーカーの
振動板のような板厚の小さな形状を有する成形型
に充填すると、液晶ポリマーは成形型の表面、表
層部及び中央部でそれぞれ異なる配向度で配向し
ながら冷却固化する。すなわち、成形型と接する
表面では液晶ポリマーが成形型に接触した瞬間に
冷却固化するための液晶ポリマーの配向度は小さ
いが、表面に続く表層部では、液晶ポリマー流れ
はせん断速度が最大の流れとなり大きなせん断力
を受けながら液晶ポリマーが高度に配向し、板厚
方向の中央部ではせん断速度は小さいが中央部を
流れる材料はその流速は大きいので、流れの遅い
周囲に材料を供給しながら流れるのでこの流れの
向きに対してせん断力が作用することになるため
液晶ポリマーの配向方向も、その流れ方向に沿つ
て中程度に配向しながら冷却固化する(特に末広
がりの形状を有する流れの場合にはこの現象が顕
著に確認される)。つまり、液晶ポリマーの配向
度は液晶ポリマーの流れの方向に沿つて、その流
れの中に生じるせん断速度に依存しているもので
ある。したがつて、ここで得られる成形品の表層
部の液晶ポリマーの配向度は溶融流れの速度と型
の温度に大きく依存する。また同様にして、板厚
中央部では、溶融流れの速度が大きいほど、成形
品の厚さが小さいほどせん断速度が大きくなるの
で液晶ポリマーの配向度も大きくなる。なお、第
4図a,bに、以上述べた配向のメカニズムを示
す。第1図はこの発明の一実施例に係わるスピー
カ振動板を成形して製造する時の成形型の樹脂流
動部を示す斜視図であり、1は成形型の例えば中
央部に設けられた注入部、2は成形部である。矢
印Xは成形部2の壁面に沿つた径方向を示し、矢
印Yは、同じく周方向で矢印Xに対して直角方向
を示す。図のような成形型に中心部1がら液晶ポ
リマーを含むスピーカー振動板材料を溶融状態で
加圧しながら注入すると、液晶ポリマーの流れは
中心部1から成形部2に流れるにつれて末広がり
に広がつていく、いわゆる拡大流となり、第1図
に示す矢印Y方向成分を持つ矢印X方向に流れる
ので、この流れの方向にせん断速度も作用し、液
晶ポリマーはこの流れの方向に沿つて配向する。
すなわち、前記配向のメカニズムにより例えば第
4図bに示すように板厚方向の表面、表層部及び
中央部でサンドイツチ構造をとる成形品を得るこ
とができる。なお、この発明の実施例によれば、
材料中に材料の流動性や、型の摩耗等に影響する
ガラス繊維などの補強物が混入されていないた
め、成形が容易で型の摩耗が発生せず、表面の平
滑性に優れた振動板を得ることができる。また、
この発明で得られたスピーカーの振動板は、ガラ
ス繊維やマイカ片等の補強物を入れた成形品と比
較してE/ρが高くまた適度に高い内部損失を示
す特徴がある。 この発明に係わる熱可塑性の液晶ポリマーとし
ては例えばポリエチレンテレフタレート−P−ハ
イドロキシ安息香酸とポリエチレンテレフタレー
トの共重合体(構造式を第3図aに示す)、P−
アセトキシ安息香酸、テレフタル酸、ナフタレン
ジアセテートを溶融重合させたコポリエステル
(構造式を第3図bに示す)、テレフタル酸とP−
オキシ安息香酸とP,P′ービフエノールからなる
ポリエステル(構造式を第3図cに示す)等があ
り公知または市販されている熱可塑性芳香族ポリ
エステル系の液晶ポリマーを用いることができ
る。又、上記熱可塑性のポリマーは全体がこれで
あるか、これを重量で10%以上は含有させなけれ
ばならず、10%未満では液晶ポリマーの配向が不
十分でこの発明の効果が得られない。また、この
発明の実施例では、これらの液晶ポリマーと別の
熱可塑性樹脂をポリマーブレンドしても同様の効
果を得ることができる。ここで用いられる熱可塑
性の樹脂としては、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレ
ン、ポリスチレン、ポリサルホン、ポリフエニレ
ンサルフアイド、ポリイミド、ポロアミド、ポリ
カーボネート、ポリエーテルサルホン等の公知の
熱可塑性樹脂であれば特に制限されない。なお、
この発明では、必要に応じて熱または光に対する
安定剤等の種々の添加剤をこの発明の目的に反し
ない範囲で加えることができる。 この発明で用いることのできる成形型として
は、熱可塑性樹脂の成形に一般に用いられている
公知の型であればよく、何ら制限されない。ま
た、成形型に液晶ポリマーを注入する方法として
は、同様に熱可塑性樹脂の成形に用いられている
成形法であればよく、何ら制限されないが、溶融
流れの速度を十分に制御でき、成形時にポリマー
の劣化が少ない射出成形法が望ましい。 以下に、具体的な実施例をあげてこの発明の詳
細に説明するが、これによりこの発明を限定する
ものではない。 実施例 1 外径80mm、内径40mm、厚さ0.3mmの成形状を有
し、内径部中央からポリマーを注入できる金属製
の型に、ポリエステル系の液晶ポリマーである商
品名A950(ポリプラスチツク(株)製)を型締力
120tonの射出成形機を用いて樹脂温度300℃、射
出圧力120MPa、射出時間5秒、金型温度110℃、
冷却時間30秒で成形しこの発明の一実施例による
スピーカー振動板を得る。成形品から切り出した
試験片について振動リード法により求められた
E/ρとtanδ(内部損失)の値を表に示した。同
様に成形品からスピード振動板を切り出しその音
圧(dB)−周波数(Hz)特性を求めたものを第2
図中のAに示す。第2図で縦軸はデシベルで表す
レスポンス(dB)、横軸はヘルツで表す周波数
(Hz)である。 又、上記振動板の断面を顕微鏡で拡大した調べ
たところ、表層は液晶ポリマーが高度に配向した
表層部と平滑な表面で、中心部は表層部ほどでは
ないが配向し液晶ポリマーが繊維状となりサンド
イツチ構造を構成している。 実施例 2 実施例1と同様にポリエステル形の液晶ポリマ
ーである商品名A950(ポリプラスチツク(株)
製)とポリプチレンテレフタレート樹脂の商品名
ノヴアドール5010CR(三菱化成(株)製)を重量
で8:2に混合した後、樹脂温度280℃、射出圧
力150MPa、射出時間5秒、金型温度110℃、冷
却時間30秒で成形し、この発明の他の実施例によ
るスピーカー振動板を得る。成形品から切り出し
た試験片について振動リード法により求められた
E/ρとtanδ(内部損失)の値を表に示した。成
形品からスピード振動板を切り出しその音圧
(dB)−周波数特性(Hz)を求めたものを第2図
中のBに示す。 尚、上記実施例1,2で使用したポリプラスチ
ツク社製のA950は、芳香族ポリエステル系の熱
可塑性液晶ポリマーであり、その組成は、P−ハ
イドロキシ安息香酸とヒドロキシナフタリンカル
ボン酸を主成分とする共重合体であり、その液晶
化する温度は、共重合体の組成により変化する
が、本実施例のものでは約270℃である。またそ
の主成分の構造式を第3図dに示す。 比較例 1 実施例1と同様にポリプロピレン樹脂商品名
BC03C(三菱油化(株)製)を樹脂温度220℃、
射出圧力100MPa,射出時間5秒、金型温度80
℃、冷却時間30秒で成形した。成形品から切り出
した試験片について振動リード法により求められ
たE/ρとtanδ(内部損失)の値を表に示した。
成形品からスピード振動板を切り出しその音圧
(dB)−周波数特性(Hz)を求めたものを第2図
中のCに示す。 比較例 2 実施例1と同様にポリブチレンテレフタレート
樹脂商品名ノヴアドール5010CR(三菱化成(株)
製)を樹脂温度270℃、射出圧力200MPa、射出
時間5秒、金型温度120℃、冷却時間30秒で成形
した。結果は、樹脂の流動が不十分で満足する成
形品が得られなかつた。 表および第2図から明らかなようにこの発明の
実施例による振動板は、液晶ポリマーの配向によ
り板厚方向の表層部から中央部にかけて液晶ポリ
マーが樹脂の流動方向に繊維状に高度に配向した
サンドイツチ構造をとるため、高域にのびがあ
り、あばれの少ない優れた振動板であることがわ
かる。
【表】 [発明の効果] この発明は以上説明したとおりであつて、熱可
塑性芳香族ポリエステル系の液晶ポリマーの配向
を内部に有するスピーカ振動板は、比弾性率が高
く、かつ内部損失が適度に高くなるのでスピーカ
振動板の運動領域が広がるとともに滑らかな高音
域の周波数特性が得られるという効果を奏し、ま
た、熱可塑性芳香族ポリエステル系の液晶ポリマ
ーを重量で10%以上と、残り熱可塑性樹脂とから
なる材料からなる液晶ポリマーの配向を内部に有
するスピーカ振動板は、比弾性率が高く、かつ内
部損失が適度に高くなるとともに、その配合比率
を変えることにより密度が変り、質量の異なる同
一形状のものとなるので、スピーカ振動板の運動
領域が広がり、かつ滑らかな高音域の周波数特性
が得られるとともに最低共振周波数0の異なるス
ピーカ振動板をえることができる等の効果を奏す
る。 また、この発明の製造方法によれば、加熱溶融
された液晶ポリマーの溶融体が、加圧されなが
ら、成形型に注入されて、この成形型の成形部を
流れるとき、この流れの速さに見合つて成形型の
表面、表層部および中央部で異なる剪断速度を持
ちこの剪断速度に応じた配向度で液晶ポリマーが
配向しながら成形型内で冷却固化するので、配向
度の異なる配向層を内部に有し、結果として比弾
性率が高く、かつ内部損失が適度に高いスピーカ
振動板を提供できるというきわめて顕著な効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明に係わるスピーカー振動板
を成形して製造する時の成形型の樹脂流動部を示
す斜視図、第2図はこの発明によるスピーカー振
動板および比較例によるそれの音圧(dB)−周波
数(Hz)特性図、第3図a乃至dは、熱可塑性芳
香族ポリエステル系の液晶ポリマーの構造式、第
4図は、液晶ポリマーの配向のメカニズムを示す
概要図である。図において1は注入部、2は成形
部である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 熱可塑性芳香族ポリエステル系の液晶ポリマ
    ーを素材として、内部に液晶ポリマーの配向を有
    することを特徴とするスピーカ振動板。 2 熱可塑性芳香族ポリエステル系の液晶ポリマ
    ーを重量で10%以上と、残り熱可塑性樹脂とから
    なる材料を素材として、内部に液晶ポリマーの配
    向を有することを特徴とするスピーカ振動板。 3 射出成形により成形してなる、特許請求の範
    囲第1項または、第2項記載のスピーカ振動板。 4 中央に注入部を有する成形型を用いて、射出
    成形により成形してなる、特許請求の範囲第1項
    または、第2項記載のスピーカ振動板。 5 熱可塑性芳香族ポリエステル系の液晶ポリマ
    ーを含む材料を、前記液晶ポリマーが液晶化する
    温度以上の温度で加熱溶融し、この加熱溶融され
    た材料に所定の圧力を加えながら、該液晶ポリマ
    ーが固化する領域で所定の温度に維持されている
    成形型に注入し、成形してなるスピーカ振動板の
    製造方法。 6 中央に注入部を有し、成形部は円錐台形状で
    ある成形型を用いて射出成形により成形してなる
    特許請求の範囲第5項記載のスピーカ振動板の製
    造方法。
JP20309686A 1985-09-13 1986-08-29 スピーカ振動板およびその製造方法 Granted JPS62149296A (ja)

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