JPH1175290A - スピーカー振動板およびその製造方法 - Google Patents

スピーカー振動板およびその製造方法

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JPH1175290A
JPH1175290A JP9235936A JP23593697A JPH1175290A JP H1175290 A JPH1175290 A JP H1175290A JP 9235936 A JP9235936 A JP 9235936A JP 23593697 A JP23593697 A JP 23593697A JP H1175290 A JPH1175290 A JP H1175290A
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JP
Japan
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speaker diaphragm
molding
molding material
weight
ultra
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Application number
JP9235936A
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English (en)
Inventor
Kozo Hara
宏造 原
Masanori Takahashi
政典 高橋
Jinichi Kuramochi
仁一 倉持
Seiichi Kizawa
精一 鬼沢
Takao Masuko
孝夫 増子
Kiyonori Suzuki
聖記 鈴木
Tetsuo Mitani
徹男 三谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/1703Introducing an auxiliary fluid into the mould
    • B29C45/1704Introducing an auxiliary fluid into the mould the fluid being introduced into the interior of the injected material which is still in a molten state, e.g. for producing hollow articles
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R2307/00Details of diaphragms or cones for electromechanical transducers, their suspension or their manufacture covered by H04R7/00 or H04R31/003, not provided for in any of its subgroups
    • H04R2307/029Diaphragms comprising fibres

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スピーカ振動板の物性(重量、弾性率、内部
損失など)をバランスさせて満足させる材料およびその
製造方法を提供すること。 【解決手段】 比重が0.91以上であり、且つ結晶化
度が70%以上である超高結晶性ポリプロピレンを含む
成形材料を成形してなるスピーカー振動板、およびこの
成形材料を所望の形状の成形金型に充填し、ガス射出成
形法を行い、これにより設けたガスチャンネルがスピー
カー振動板7の構造上のリブ7aとなることを特徴とす
るスピーカー振動板の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばハイファイ
用スピーカーシステムに好適に使用される樹脂製のスピ
ーカー振動板およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、スピーカー振動板の材料として
は紙が多く使われてきた。これは紙が低密度で適度の比
弾性率、曲げ剛性、内部損失を有しているからである。
これらの物性は音響特性としての、能率、再生周波数帯
域、ひずみ、および音質に深く関係する。紙の場合はパ
ルプの叩解、抄造、プレスの工程の条件などで品質のバ
ラツキが多く、製品となった後も周囲の湿度の影響を受
けるため音質の変化が大きいという問題がある。一方、
紙に代わる材料として金属材料や高分子材料が使用され
ている。金属材料の場合は、比弾性率が高い反面内部損
失が小さいため高域限界周波数での共振が鋭いという欠
点があるが、その比弾性率の高さ故に高域用振動板とし
てのみ使われる。高分子材料は、比弾性率は紙に対して
ほぼ同等またはそれをやや上回る程度だが、内部損失の
大きい材料が低音用に使われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は高分子材料の
スピーカー振動板の物性をさらに向上させ、さらに形状
的にも曲げ剛性を向上させる手段を与え、より高性能な
スピーカー振動板を得ることを目的としている。
【0004】本発明は上記の目的に向けて効果的に必要
な物性(重量、弾性率、内部損失など)をバランスさせ
る材料およびその製造方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
スピーカー振動板は、比重が0.91以上であり、且つ
結晶化度が70%以上である超高結晶性ポリプロピレン
を含む成形材料を成形してなるスピーカー振動板であ
る。
【0006】本発明の請求項2に係るスピーカー振動板
は、前記成形材料が、超高結晶性ポリプロピレン70〜
90重量%および平均粒子径0.08〜0.2μmの無
機フィラー10〜30重量%を含む。
【0007】本発明の請求項3に係るスピーカー振動板
は、前記成形材料が、超高結晶性ポリプロピレン60〜
90重量%および平均繊維長6mm以上の繊維系フィラ
ー10〜40重量%を含む。
【0008】本発明の請求項4に係るスピーカー振動板
は、前記成形材料が、超高結晶性ポリプロピレン40〜
70重量%および平均径0.2〜0.6μm、且つ平均
アスペクト比30〜60である金属系またはセラミック
系ウィスカ30〜60重量%を含む。
【0009】本発明の請求項5に係るスピーカー振動板
は、前記成形材料が、超高結晶性ポリプロピレン70〜
80重量%および高強度ガラスバルーン20〜30重量
%を含む。
【0010】本発明の請求項6に係るスピーカー振動板
は、前記成形材料が、超高結晶性ポリプロピレンおよび
ナイロンのポリマーアロイを含む。
【0011】本発明の請求項7に係るスピーカー振動板
の製造方法は、前記成形材料を所望の形状の成形金型に
充填し、ガス射出成形法を行い、これにより設けたガス
チャンネルがスピーカー振動板の構造上のリブとなるこ
とを特徴とする。
【0012】本発明の請求項8に係るスピーカー振動板
の製造方法は、前記成形材料に発泡剤を添加し、これを
所望の形状の成形金型に充填し、ガス射出成形法を行
い、これにより、成形後のスピーカー振動板が中空断面
形状であり、かつスピーカー振動板の内部は発泡状態の
樹脂で占められていることを特徴とする。
【0013】本発明の請求項9に係るスピーカー振動板
の製造方法は、前記成形材料および発泡性熱可塑性樹脂
材料を、所望の形状の成形金型に充填し、多層射出成形
法を行い、これにより、スピーカー振動板の表層側に前
記成形材料が配置するようにし、かつ芯材側に前記発泡
性熱可塑性樹脂材料が配置するようにして、スピーカー
振動板の成形後の断面を3層構造にすることを特徴とす
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。 実施の形態1.樹脂素材としてのポリプロピレンの耐熱
性、剛性などの基本的物性は、結晶化度と深く関係して
いる。本発明のスピーカー振動板に用いられる超高結晶
性ポリプロピレンは、その製造過程における重合用触媒
の改善により立体規則性重合が進んだものであり、下記
表1に示すように結晶化度が70%を超えるものであ
り、素材自体の物性として弾性率が従来のポリプロピレ
ンに比較して約40%向上し、曲げ強度についても約2
5%向上しているものである。またこの超高結晶性ポリ
プロピレンにおいては、結晶化速度が速く、均一でかつ
微細な結晶構造を得ることができるので熱変形にも強
く、良好な寸法安定性をも実現できる。これにより、物
性変化のためのフィラーを添加しないままでも十分な強
度と内部損失を有するスピーカー振動板を得ることがで
きる。
【0015】
【表1】
【0016】実施の形態2.図4は、本発明のスピーカ
ー振動板に用いられる超高結晶性ポリプロピレン70重
量%および炭酸カルシウム(炭カル)30重量%の成形
材料の粒子径と衝撃強さとの関係の説明図であり、図4
(a)が表、図4(b)が図4(a)をグラフ化したも
のである。通常、フィラーは主材料である樹脂の力学的
特性を改良する目的で用いられる。しかしながらすべて
の特性を満足させるわけではなく、例えば曲げ弾性率を
高く狙えば衝撃強さが低下してしまうという相反する物
性があるが、超高結晶性ポリプロピレンの粒子径とフィ
ラーの粒子径とを考慮して、粒子間空間距離を詳細に設
計することによって耐衝撃強度を向上させることが可能
である。例えば無機フィラーとして一般的な炭酸カルシ
ウムやタルクを平均粒子径0.08〜0.2μmとし
て、超高結晶性ポリプロピレン70〜90重量%に対し
10〜30重量%の割合で充填した場合、曲げ弾性率を
低下させずに耐衝撃強さを向上させることができた。こ
の成形材料を使用することによって構成されるスピーカ
ー振動板は主剤としての超高結晶ポリプロピレンの素材
としての高い物性をさらに向上させ、優れた音響特性を
実現できる。
【0017】実施の形態3.図5は、フィラーの繊維長
による特性の説明図であり、図5(a)が表、図5
(b)〜(d)の各々が図5(a)をグラフ化したもの
である。繊維状フィラーとして代表的なのはガラスファ
イバーやカーボンファイバーである。従来は押出機を用
いて3〜6mmのチョップドストランドが樹脂と複合化
されていたが、これまでは混練の段階の押出機スクリュ
ーの回転による折れと射出成形時の金型流路の曲がりな
どによってフィラーが折れるために、成形品の中におい
てファイバー長が0.1〜0.4mmにすぎなくなっ
て、曲げ弾性率は向上させられるものの耐衝撃強さが低
下してしまいバランスのとれた物性が得られにくかっ
た。成形時の繊維破断を防止する種々の手法が開発され
ている。この方法を利用して平均繊維長を6mm以上と
すると曲げ弾性率、衝撃強さをともに大幅に向上させる
ことができる。この成形材料を使用することによって構
成されるスピーカー振動板は、主剤としての超高結晶ポ
リプロピレンの素材としての高い物性をさらに向上さ
せ、優れた音響特性を実現できる。本発明によれば、超
高結晶性ポリプロピレン60〜90重量%および平均繊
維長6mm以上の繊維系フィラー10〜40重量%を含
む成形材料を使用するのが好ましい。
【0018】実施の形態4.図6は、フィラーの材料に
よる曲げ弾性率の説明図であり、図6(a)が表、図6
(b)が図6(a)をグラフ化したものである。通常、
フィラーは主材料である樹脂の力学的特性を改良する目
的で用いられる。しかしながらすべての特性を満足させ
るわけではなく、例えば曲げ弾性率を高く狙えば衝撃強
さが低下してしまうという相反する物性があるが、実施
の形態2.でも説明したようにフィラーの形状特性を制
御すれば望む物性値を得ることが可能である。成形品の
物性値を向上させるため、繊維状フィラーではアスペク
ト比を大きく保つ必要があり、その意味からも針状結晶
であるウィスカが多く用いられている。平均径0.2〜
0.6μm、平均アスペクト比30〜60である金属系
またはセラミック系ウィスカは極微細で界面拘束効果が
働き、曲げ弾性率を平均2.5GPaから3.0GPa
以上に向上させることができる。この材料を使用するこ
とによって構成されるスピーカー振動板は、主剤として
の超高結晶ポリプロピレンの素材としての高い物性をさ
らに向上させ、優れた音響特性を実現できる。本発明に
よれば、超高結晶性ポリプロピレン40〜70重量%お
よび平均径0.2〜0.6μm、且つ平均アスペクト比
30〜60である金属系またはセラミック系ウィスカ3
0〜60重量%を含む成形材料を使用するのが好まし
い。
【0019】実施の形態5.図7は、振動板に配合する
ガラスバルーンの割合による特性の説明図であり、図7
(a)が表、図7(b)が図7(a)をグラフ化したも
のである。樹脂と無機フィラーの熱膨張係数は大きな相
違があり、成形後樹脂が固化する際にフィラーとの界面
にひずみが発生する。異方性のあるフィラーの場合、樹
脂内部に残留ひずみが不均一に分布し、変形やソリの発
生の原因となりやすい。球状フィラーであるガラスバル
ーンは異方性がなく、残留ひずみが均一で寸法安定性が
高いという利点をもっている。射出成形における数百〜
1000kg/cm2程度の耐圧強度を有する高強度ガ
ラスバルーンは嵩比重が従来品の0.2〜0.4程度の
ものよりやや重くなるが、これの添加によって20〜4
0%の軽量化ができる可能性を持っている。さらにこれ
による増量性によって、同じ重量を狙えば成形品自体の
厚さを通常の製品よりも嵩高にできるので、曲げ弾性率
が20〜40%向上する。厚くできることが形状効果と
して曲げ強度などにも寄与するのでスピーカー振動板と
して優れた性能を実現できる。本発明によれば、超高結
晶性ポリプロピレン70〜80重量%および高強度ガラ
スバルーン20〜30重量%を含む成形材料を使用する
のが好ましい。
【0020】実施の形態6.一般的に高結晶ポリプロピ
レンの剛性を高めるにはアロイ化するのが良い。本発明
においては、超高結晶性ポリプロピレンとナイロンとの
ポリマーアロイを使用するのが好ましい。しかし超高結
晶ポリプロピレンは、他の物質との単なるブレンドでは
均一な分散体を得るのはむずかしい。そこで、無水マレ
イン酸グラフトポリプロピレンを相溶化剤として、超高
結晶性ポリプロピレンとナイロンとの溶融混練時に添加
して、無水マレイン酸グラフトポリプロピレンとナイロ
ン分子の末端アミンを高分子反応させると、グラフトコ
ポリマーが生成し、ドメイン粒子が微細に分散すること
で安定なポリマーアロイが生成される。このポリマーア
ロイは剛性の面でポリプロピレン単体よりも改善される
のでスピーカー振動板として優れた性能を実現できる。
【0021】実施の形態7.図1は、本発明によるスピ
ーカー振動板の一例を示すための図である。図1におい
て、7はこの成形法で成形されたスピーカー振動板であ
り、7aは振動板に設けられたチャンネルを有するリブ
である。(i)はその裏面平面図、(ii)は側面図およ
び(iii)は8−8'方向のリブ部断面図を示している。
従来からの射出成形においては板厚は溶融樹脂に与えら
れた圧力によってほぼ決定され、完成後の製品の機械的
強度を高める目的で用意されるリブは、この面で圧力分
布を乱す板厚の変化を伴わなければならないものであ
る。従って現状のリブはヒケなどの不良を回避するため
に例えば細かくしなければならず、先述したように機械
的強度を向上させるというよりは、製品の変形を起こり
にくくさせる程度のものでしかなかった。図1に示すよ
うにガスのチャンネルを配置することで従来よりも形状
的に大きなリブを形成することが可能となり、形状効果
として曲げ剛性を向上させることができる。またこの方
法によれば、樹脂の圧力のみでリブを形成するよりもガ
スを援用することで樹脂の過充填がなくなり、さらに低
圧力で成形可能となるので製品の残留内部応力も低減で
きるため製品の寸法安定性にも寄与することができる。
【0022】実施の形態8.図2は、本発明によるスピ
ーカー振動板の製造工程の一例を示す図である。図2に
おいて1は可動側金型、2は固定側金型、3は成形機ノ
ズル、4は金型ゲート、5は射出された溶融樹脂、6は
注入されたガスによる空間である。(i)で示すよう
に、成形金型においてゲート口から溶融樹脂を金型キャ
ビティの空間より少ない量射出する。続いて(ii)で示
すように、そのあとを追うように高圧の窒素ガスを注入
する。知られているようにこの手法はいわゆるガス射出
成形法と呼ばれるものである。このようにして、金型に
接触した樹脂が固化し始め、そのあとを追ってきた窒素
ガスの圧力で板厚の中央部分にガスによる空間6を生成
することによって、通常の射出成形とは異なり、樹脂の
内側からガスの圧力で型内面に沿わせる方式となるの
で、ヒケなどの発生を抑制して、みかけの製品肉厚を厚
くすることができる。また、本発明において射出する溶
融樹脂に発泡剤が添加される場合には、(iii)で示す
ようにショートショット状態で射出後ただちに高圧ガス
が注入され金型キャビティ全体に樹脂を押し広げる。表
面層形成後に高圧ガスを抜き出すことによってガスによ
ってできた内部空間に発泡性樹脂が発泡して空間を充填
するように成形品断面を構成する。したがって、スピー
カー振動板に要求される曲げ剛性を、みかけの板厚を厚
くすることによって実現すると共に成形品に生じせしめ
た空間を発泡性樹脂が発泡した状態で埋めていることで
空間の共鳴を防止することができる。
【0023】実施の形態9.図3は、本発明によるスピ
ーカー振動板の製造工程の別の例を示す図である。図3
において1は可動側金型、2は固定側金型、3aは外層
側樹脂用成形機ノズル、3bは内層側樹脂用成形機ノズ
ル、4は金型ゲート、5aは外層側溶融樹脂、5bは内
層側溶融樹脂である。(i)で示したように、2台の射
出ユニットから異なる樹脂を1個の金型内に射出成形す
る。まず先にスキン層となる本発明における超高結晶性
ポリプロピレン材料またはこれを主とする材料を射出す
る。樹脂は金型面に接触した部分がまず冷却固化する。
この時点でコア材となる発泡性樹脂を射出すると、スキ
ン層の固化皮膜が断熱材の作用をして後から注入された
樹脂はこの保護膜内を通過していき、十分な温度条件下
で十分に発泡する。これによって成形品自体はスキン層
とコア層からなる3層構造体となる(この状態は図3の
(ii)で示されている。したがって製品の完成厚さを約
2倍以上にすることが可能である。これによって物性値
は外層側材料で確保し、構造的強度は製品の厚さを増す
ことで実現できる。さらに異種の材料を組み合わせて3
層とし内層が発泡しているので、内部損失を大きくでき
る利点をもっている。成形後は、(iii)で示したよう
に可動側金型1を移動し、製品を取り出すことができ
る。
【0024】
【発明の効果】本発明の請求項1に係るスピーカー振動
板は、比重が0.91以上であり、且つ結晶化度が70
%以上である超高結晶性ポリプロピレンを含む成形材料
を成形してなるスピーカー振動板であるので、弾性率お
よび曲げ強度が向上す。またこの超高結晶性ポリプロピ
レンにおいては、結晶化速度が速く、均一でかつ微細な
結晶構造を得ることができるので熱変形にも強く、良好
な寸法安定性をも実現できる。これにより、物性変化の
ためのフィラーを添加しないままでも十分な強度と内部
損失を有するスピーカー振動板を得ることができる。
【0025】本発明の請求項2に係るスピーカー振動板
は、前記成形材料が、超高結晶性ポリプロピレン70〜
90重量%および平均粒子径0.08〜0.2μmの無
機フィラー10〜30重量%を含むので、曲げ弾性率を
低下させずに耐衝撃強さを向上させることができ、主剤
としての超高結晶ポリプロピレンの素材としての高い物
性をさらに向上させ、優れた音響特性を実現できる。
【0026】本発明の請求項3に係るスピーカー振動板
は、前記成形材料が、超高結晶性ポリプロピレン60〜
90重量%および平均繊維長6mm以上の繊維系フィラ
ー10〜40重量%を含むので、曲げ弾性率、衝撃強さ
をともに大幅に向上させることができ、主剤としての超
高結晶ポリプロピレンの素材としての高い物性をさらに
向上させ、優れた音響特性を実現できる。
【0027】本発明の請求項4に係るスピーカー振動板
は、前記成形材料が、超高結晶性ポリプロピレン40〜
70重量%および平均径0.2〜0.6μm、且つ平均
アスペクト比30〜60である金属系またはセラミック
系ウィスカ30〜60重量%を含むので、曲げ弾性率を
大幅に向上させることができ、主剤としての超高結晶ポ
リプロピレンの素材としての高い物性をさらに向上さ
せ、優れた音響特性を実現できる。
【0028】本発明の請求項5に係るスピーカー振動板
は、前記成形材料が、超高結晶性ポリプロピレン70〜
80重量%および高強度ガラスバルーン20〜30重量
%を含むので、増量性が高まり、同じ重量を狙えば成形
品自体の厚さを通常の製品よりも嵩高にできるので、曲
げ弾性率が向上する。
【0029】本発明の請求項6に係るスピーカー振動板
は、前記成形材料が、超高結晶性ポリプロピレンおよび
ナイロンのポリマーアロイを含むので、剛性が著しく改
善される。
【0030】本発明の請求項7に係るスピーカー振動板
の製造方法は、前記成形材料を所望の形状の成形金型に
充填し、ガス射出成形法を行い、これにより設けたガス
チャンネルがスピーカー振動板の構造上のリブとなるこ
とを特徴とするので、曲げ強度および寸法安定性が向上
する。
【0031】本発明の請求項8に係るスピーカー振動板
の製造方法は、前記成形材料に発泡剤を添加し、これを
所望の形状の成形金型に充填し、ガス射出成形法を行
い、これにより、成形後のスピーカー振動板が中空断面
形状であり、かつスピーカー振動板の内部は発泡状態の
樹脂で占められていることを特徴とするので、スピーカ
ー振動板に要求される曲げ剛性を、みかけの板厚を厚く
することによって実現すると共に成形品に生じせしめた
空間を発泡性樹脂が発泡した状態で埋めていることで空
間の共鳴を防止することができる。
【0032】本発明の請求項9に係るスピーカー振動板
の製造方法は、前記成形材料および発泡性熱可塑性樹脂
材料を、所望の形状の成形金型に充填し、多層射出成形
法を行い、これにより、スピーカー振動板の表層側に前
記成形材料が配置するようにし、かつ芯材側に前記発泡
性熱可塑性樹脂材料が配置するようにして、スピーカー
振動板の成形後の断面を3層構造にすることを特徴とす
るので、構造強度が増加し、内部損失を大きくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるスピーカー振動板の一例を示す
ための図である。
【図2】 本発明によるスピーカー振動板の製造工程の
一例を示す図である。
【図3】 本発明によるスピーカー振動板の製造工程の
別の例を示す図である。
【図4】 本発明のスピーカー振動板に用いられる超高
結晶性ポリプロピレン70重量%および炭酸カルシウム
(炭カル)30重量%の成形材料の粒子径と衝撃強さと
の関係の説明図である。
【図5】 フィラーの繊維長による特性の説明図であ
る。
【図6】 フィラーの材料による曲げ弾性率の説明図で
ある。
【図7】 振動板に配合するガラスバルーンの割合によ
る特性の説明図である。
【符号の説明】
1 可動側金型、2 固定側金型、3 成形機ノズル、
3a 外層側樹脂用成形機ノズル、3b 内層側樹脂用
成形機ノズル、4 金型ゲート、5 射出された溶融樹
脂、5a 外層側溶融樹脂、5b 内層側溶融樹脂、6
注入されたガスによる空間、7 成形されたスピーカ
ー振動板、7a リブ。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 7/02 C08K 7/02 7/28 7/28 C08L 23/10 C08L 23/10 H04R 31/00 H04R 31/00 A //(C08L 23/10 77:00) B29K 101:12 105:04 B29L 9:00 31:38 (72)発明者 鬼沢 精一 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 増子 孝夫 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 鈴木 聖記 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 三谷 徹男 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 比重が0.91以上であり、且つ結晶化
    度が70%以上である超高結晶性ポリプロピレンを含む
    成形材料を成形してなるスピーカー振動板。
  2. 【請求項2】 前記成形材料が、超高結晶性ポリプロピ
    レン70〜90重量%および平均粒子径0.08〜0.
    2μmの無機フィラー10〜30重量%を含む請求項1
    に記載のスピーカー振動板。
  3. 【請求項3】 前記成形材料が、超高結晶性ポリプロピ
    レン60〜90重量%および平均繊維長6mm以上の繊
    維系フィラー10〜40重量%を含む請求項1に記載の
    スピーカー振動板。
  4. 【請求項4】 前記成形材料が、超高結晶性ポリプロピ
    レン40〜70重量%および平均径0.2〜0.6μ
    m、且つ平均アスペクト比30〜60である金属系また
    はセラミック系ウィスカ30〜60重量%を含む請求項
    1に記載のスピーカー振動板。
  5. 【請求項5】 前記成形材料が、超高結晶性ポリプロピ
    レン70〜80重量%および高強度ガラスバルーン20
    〜30重量%を含む請求項1に記載のスピーカー振動
    板。
  6. 【請求項6】 前記成形材料が、超高結晶性ポリプロピ
    レンおよびナイロンのポリマーアロイを含む請求項1に
    記載のスピーカー振動板。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれか1項に記載
    の成形材料を成形するスピーカー振動板の製造方法であ
    って、前記成形材料を所望の形状の成形金型に充填し、
    ガス射出成形法を行い、これにより設けたガスチャンネ
    ルがスピーカー振動板の構造上のリブとなることを特徴
    とするスピーカー振動板の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし6のいずれか1項に記載
    の成形材料を成形するスピーカー振動板の製造方法であ
    って、前記成形材料に発泡剤を添加し、これを所望の形
    状の成形金型に充填し、ガス射出成形法を行い、これに
    より、成形後のスピーカー振動板が中空断面形状であ
    り、かつスピーカー振動板の内部は発泡状態の樹脂で占
    められていることを特徴とするスピーカー振動板の製造
    方法。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし6のいずれか1項に記載
    の成形材料および発泡性熱可塑性樹脂材料を、所望の形
    状の成形金型に充填し、多層射出成形法を行い、これに
    より、スピーカー振動板の表層側に前記成形材料が配置
    するようにし、かつ芯材側に前記発泡性熱可塑性樹脂材
    料が配置するようにして、スピーカー振動板の成形後の
    断面を3層構造にすることを特徴とするスピーカー振動
    板の製造方法。
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