JPH0439130Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、内部に仕切りを有するこわれ物収納
運搬箱に関するものである。

〔従来の技術とその欠点〕

従来、陶器、ガラス容器等のこわれ物は引越し
のときに、１個づつ新聞紙等で包装し、ダンボー
ルケースに入れて運ばれる。この場合、こわれ物
は包装されているが、運搬時の振動、衝撃、荷重
等によつて破損することがある。また、こわれ物
を１個づつ包装し、再びこの包装を解くのに非常
に手間および時間がかかる。

〔考案の目的〕

本考案は、上記の欠点がなくかつ収容容量が大
きなこわれ物収納運搬箱を提供することを目的と
する。

〔考案の構成〕

この目的は本考案に従つて、重ねられた２段の
箱からなり、上段の箱の下部がヒンジ状部材によ
つて下段の箱の上部に連結され、この両箱の内部
にそれぞれ、互いに交差する縦方向の仕切り部材
と横方向の仕切り部材からなる仕切りが設けら
れ、縦方向の仕切り部材が板状に形成され、かつ
その両端がそれぞれ箱の側壁に固定され、横方向
仕切り部材が可撓性で、その横断面がほぼＶ字形
であり、横方向仕切り部材が、縦方向にスライド
可能にかつそれぞれの箱の底に接触しないよう
に、縦方向仕切り部材に支持されているこわれ物
収納運搬箱によつて達成される。ここで、「ほぼ
Ｖ字形」とは、Ｖ字形、Ｕ字形およびこれらと類
似の形を含むものとする。

〔実施例〕

次に、図面に基づいて本考案の実施例を詳しく
説明する。

第１図は、本考案の実施例に係るこわれ物収納
運搬箱を示している。このこわれ物収納運搬箱は
上段と下段の箱１，２からなり、それらの直方体
状の箱本体はそれぞれ、プラスチツクダンボール
によつて形成されている。このプラスチツクダン
ボールは第２図に示すように２枚の平板３を隔壁
４でつないだ一体押出構造のものが好適である
が、２枚の平板を波板で接続したサンドイツチ構
造のものでもよい。その材質としては例えばポリ
プロピレンが好ましいが、他のものを使用しても
よい。更に、ほこりがつかないようにするため
に、プラスチツクに帯電防止剤を混合してもよ
い。プラスチツクダンボールの厚さは４〜６mmが
好適であり、４mm未満では強度が不足し、６mmを
超える場合にはコスト的に問題がある。このプラ
スチツクダンボールは厚紙製のダンボールと比べ
て、耐衝撃性、形状安定性、耐圧縮強度および耐
水性に優れている。

上段の箱１は外蓋５，５′と内蓋６，６′によつ
て上側が開閉可能である。外蓋５，５′の縦縁に
は、箱閉鎖時に外蓋５，５′を互いに連結するた
めのフアスナーフレーム７，７′が取り付けられ
ている。このフアスナーフレーム７，７′は第４
図に示すように、それぞれ突起と凹部を備え、一
方のフアスナーフレームの突起を他方の凹部に係
合させることによつて外蓋５，５′を相互連結す
る。この係合はワンタツチで行うことができ、非
常に簡単である。フアスナーフレームの代わりに
他の開閉器具、例えばフアスナーチヤツクを使用
してもよい。

上段の箱１の側壁は８で示してある。上段の箱
には底板が設けられていない（第４図参照）。

下段の箱２は第４図に示すように、その上側に
内蓋９，９′だけを備え、外蓋を備えていない。
下段の箱２の側壁１０と底板１１は普通の箱のよ
うに形成されている。

上段の箱１と下段の箱２は、その側壁８，１０
の下部と上部にビスで固定された帯状のヒンジ部
材１２によつて互いに連結されている（第４図参
照）。この帯状のヒンジ部材１２は蝶番の働きを
するので、ヒンジ部材１２を中心にして上段の箱
１を矢印１３の方向に回転させることができる。
それによつて、下段の箱２の上側が開放され、こ
われ物の出し入れが可能となる。

上段と下段の箱１，２内にはそれぞれ仕切り１
４，１４′が設けられている。上段の箱１の中の
仕切り１４を第３図に示す。この仕切り１４は板
状の縦方向仕切り部材１５と、横断面がほぼＶ字
形の横方向の仕切り部材１６とからなつている。
縦方向仕切り部材１５は両端１５ａが折り曲げら
れてビスによつて箱本体の側壁８に固定されてい
る。横方向の仕切り部材１６は箱の底すなわち側
壁の下端から離して縦方向仕切り部材１５に宙吊
りされている。この場合、縦方向仕切り部材１５
が横方向仕切り部材１６を貫通して支持している
ので、横方向仕切り部材１６は縦方向すなわち矢
印１７の方向にスライド可能である。横方向仕切
り部材１６は更に、可撓性であるので、収納する
こわれ物の形に適合するように変形し、かつ収納
するこわれ物の大きさに合わせてスライドさせて
その個々の幅を変えることができる。

この仕切り部材１５，１６の素材としては、前
記の隔壁４を有するプラスチツクダンボールが好
適である。横方向の仕切り部材１６のためにこの
プラスチツクダンボールを使用する場合には、仕
切り部材を可撓性とするために、比較的に薄いも
のを使用し、かつその隔壁４が仕切り部材１６の
長手方向、すなわち横方向１８に向くようにす
る。更に、横方向仕切り部材１６の内面にはクツ
シヨン材を接着剤で張りけることができる。この
クツシヨン材は例えば厚さが１〜３mmのポリエチ
レン発泡体である。このクツシヨン材によつて運
搬時に衝撃が緩和される。なお、縦方向仕切り部
材１５にもこのクツシヨン材を張りつけることが
できる。

下段の箱２内の仕切り１４′の部品には前記上
段の仕切り部品の符号にダツシユ′が付けられて
いる。下段の仕切り１４′は上段の仕切り１４と
ほぼ同じように形成されているが、大きなこわれ
物が収容できるようにするために、上段よりも少
ない数の仕切り部材１５′，１６′を備えている。

第４図は、こわれ物としてガラス容器１９と陶
器２０を収納した箱の閉鎖状態を示している。こ
の図から、横方向仕切り部材１６，１６′が箱の
底に接触しないように宙吊りされていること、縦
方向１７にスライド可能であること、および収納
する物の形に応じて変形することがよく判る。

上記の２段型こわれ物収納運搬箱は図示してい
ないバンドで縛られて輸送される。このバンドは
例えば二の字に掛けられ、その端部に取り付けら
れたマジツクテープまたは締め金具によつて連結
される。また、プラスチツクバンドを二の字に掛
け、プラスチツクバンド毎に両端部を熱融着する
ことにより縛つてもよい。箱を持ち運びするとき
にはこのバンドを手で持つことができる。

以上、本考案の実施例を説明したが、本考案は
この実施例に限定されない。例えば縦方向と横方
向の仕切り部材１５，１５′，１６，１６′の数は
任意に選択可能である。

〔考案の効果〕

本考案は、横方向の仕切り部材を可撓性の材料
でほぼＶ字形に形成し、かつ箱の底に接触しない
ように宙吊りにしたので、輸送時の振動や衝撃が
緩和され、こわれ物が底板にぶつかることがな
い。従つてこわれ物が輸送時に破損することがな
い。更に、縦方向と横方向の仕切り部材によつて
仕切られた空間内に、こわれ物を包装しないでそ
のまま入れて輸送することができるので、新聞紙
等で包装する手間が省ける。また、箱を２段重ね
としたので、収容容量が大である。

更に、横方向の仕切り部材が縦方向にスライド
可能であるので、個々の横方向仕切り部材の幅を
こわれ物の大きさに合うように変えることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例に係る２段型こわれ物
収容運搬箱の上段が開放した状態を示す斜視図、
第２図は箱本体を形成するプラスチツクダンボー
ルの断面図、第３図は上段の箱の中に内部に設け
られた仕切りを示す斜視図、第４図は第１図のこ
われ物収納運搬箱の閉鎖状態を示す断面図であ
る。 １……上段の箱、２……下段の箱、８，１０…
…箱の側壁、１２……ヒンジ部材、１４，１４′
……仕切り、１５，１５′……縦方向仕切り部材、
１５ａ，１５′ａ……縦方向仕切り部材の両端、
１６，１６′……横方向仕切り部材、１７……縦
方向。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 重ねられた２段の箱１，２からなり、 上段の箱１の下部がヒンジ状部材１２によつ
   て下段の箱２の上部に連結され、 この両箱の内部にそれぞれ、互いに交差する
   縦方向の仕切り部材１５，１５′と横方向の仕
   切り部材１６，１６′からなる仕切り１４，１
   ４′が設けられ、 縦方向の仕切り部材１５，１５′が板状に形
   成され、かつその両端１５ａ，１５′ａがそれ
   ぞれ箱の側壁８，１０に固定され、 横方向仕切り部材１６，１６′が可撓性で、
   その横断面がほぼＶ字形であり、 横方向仕切り部材１６，１６′が、縦方向１
   ７にスライド可能にかつそれぞれの箱の底に接
   触しないように、縦方向仕切り部材１５，１
   ５′に支持されていることを特徴とするこわれ
   物収納運搬箱。 ２ ヒンジ状部材１２が上段と下段の箱１，２の
   側壁８，１０を連結する帯状体であることを特
   徴とする、実用新案登録請求の範囲第１項記載
   のこわれ物収容運搬箱。 ３ 上段の箱１が底板を備えていないことを特徴
   とする実用新案登録請求の範囲第１項または第
   ２項記載のこわれ物収容運搬箱。 ４ 上段の箱１と下段の箱２の仕切り部材１５，
   １５′，１６，１６′の数が異なることを特徴と
   する、実用新案登録請求の範囲第１項から第３
   項までのいずれか一つに記載のこわれ物収納運
   搬箱。