JPH0438B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はレールタイプ自在平行定規におけるヘ
ツド昇降支持装置に関する。

此種の装置としては、特公昭51−39128号公報
に示す如く、Ｙカーソルとヘツドとの連結部に、
該ヘツドの最下面が図板面に対接する位置と、該
ヘツドの最浮上位置との中間位置を境いとしてヘ
ツド保持力を変化せしめる手段を設け、上記ヘツ
ドが前記中間位置の上方にあるときは完全にヘツ
ド最下面を浮上位置に保持し得るように成し、ヘ
ツドが前記中間位置の下方にあるときは、ヘツド
の最下面をその自重により図板面に密着させるよ
うに構成したものが公知である。

上記構成の場合、ヘツドを上昇位置に保持した
状態で、ヘツドに下方向の外部応力を不用意にか
けると、ヘツドが落下し、該ヘツドが図板面に衝
突してしまうという欠陥が存した。また、此種の
装置として、ヘツドを上昇位置に係止させる構成
のものが存するが、この装置の場合、ヘツドが上
昇位置に係止された状態でヘツドに下向きの荷重
がかかると、この荷重を逃げることができないの
で、ヘツドを支える昇降リンクが破壊される恐れ
が存した。

本発明は上記欠陥を除去することを目的とし、
Ｙカーソルに連結部材を介してヘツドを図板に対
して昇降自在に連結し、前記Ｙカーソルと前記連
結部材のいずれか一方にばねを設け、前記Ｙカー
ソルを支点とするばねの弾力が前記ヘツドに対し
て上昇方向に作用するようにしたレールタイプ自
在平行定規におけるヘツド昇降支持装置におい
て、前記Ｙカーソルと前記連結部材のいずれか一
方に前記ばねに当接する変位体を設け、該変位体
の最大最小間の変位によつて前記ヘツドに対する
ばねの弾力の大きさが変化するように成し、前記
変位体に、該変位体を手動操作によつて変位させ
るための変位体手動操作部材を連係するととも
に、前記Ｙカーソルと前記連結部材のいずれか他
方に前記ばねの弾力の強さを調節するためのばね
圧調節部材を前記ばねに連係して設けたことを特
徴とするするものである。

以下に本発明の構成を添付図面に示す実施例に
基づいて詳細に説明する。

２は図板であり、床面に対して水平な状態と略
60度に起立した状態との間で任意の角度に設定し
得るように公知の製図台に支持されている。図板
上縁部にはＸレール４が固定され、該Ｘレール４
にはＹレール６が直角関係を存して、移動自在に
取付けられている。８はＹレール６にコロを介し
て移動自在に取付けられたＹカーソルであり、こ
れにヘツド昇降支持装置１０を介して、ヘツド１
２が図板２面に対して略平行を保持した状態で昇
降自在に取付けられている。前記ヘツド１２の定
規取付板１４には水平定規１６と垂直定規１８が
取付けられている。

次に、上記ヘツド昇降支持装置１０の構造を第
２図及び第４図を参照して説明する。

２０，２２はリンクであり、これらに軸受部材
２４，２６，２８，３０が固定され、該軸受部材
の各々に軸体３２，３４の各ピボツト状の両端が
回転自在に嵌合している。前記軸体３２は支持体
３６に固定されている。前記支持体３６はＹカー
ソル８に着脱可能にねじによつて固定されたＬ型
の取付板３８に固定されている。前記軸体３４の
両端部はヘツド支持板４０の両側板部４０ａに透
設した孔に回転自在に嵌合している。４２は連結
部材であり、これに一体的に形成された一対の突
起４２ａ，４２ｂは、ねじ杆４４，４６によつて
前記リンク２０，２２に回転自在に結合してい
る。前記連結部材４２の上板部には管部が形成さ
れ、該管部に回転体４８が回転自在に嵌合してい
る。前記回転体４８の上部には、レバーから成る
変位体手動操作部材５０が固定され、下部には急
勾配のカム面が形成された円筒カムから成る変位
体５２が固定されている。５４は前記軸体３２に
回転自在に巻着されたコイルスプリングから成る
ばねであり、これの一端は、支持体３６に形成さ
れた横穴に遊嵌するとともに、該ばね５４の一端
はねじ５５に当接し、該ばね５４の一端の上方向
の移動が係止されている。ばね５４の他端は、前
記変位体５２のカム面の直下に位置している。前
記支持体３６には前記横穴に連通するねじ穴５７
が形成され、該ねじ穴５７に前記ばね圧調節部材
５５が螺合している。５６はリンクであり、これ
の一端は前記支持体３６の突部に回転自在に軸５
８支され、該リンク５６の他端は、上部が前記軸
体３４に回転自在に結合するリンク６０の下部
に、回転自在に軸６２支されている。前記リンク
２０，２２，５６及び６０は昇降案内機構を構成
している。７０はヘツド支持板４０に透設された
縦穴であり、これの大径部に調整軸７２がスライ
ド自在に嵌挿配置され、該調整軸７２のねじ部
が、縦穴７０の小径部に螺合している。前記調整
軸７２の下端は前記リンク６０の突出部６０ａ上
面に当接している。前記調整軸７２の鍔部にはド
ライバー用の溝穴が形成され、該鍔部はコイルば
ね７４によつて上方向に付勢されている。７６は
縦穴７０に隣設して透設されたねじ穴に螺合す
る、前記調整軸７２の抜け止め用のキヤツプねじ
である。前記ヘツド支持板４０にはヘツド１２が
支承されている。８０，８２は連結部材４２に突
設されたストツパーであり、該ストツパー８０，
８２に対応して前記部材５０には突起５０ａが固
定されている。部材５０を第４図上、反時針回転
方向に所定角度揺動すると突起５０ａがストツパ
ー８２に当接する。該状態において、変位体５２
の最大変位点５２ａが前記ばね５４の他端と当接
する。部材５０を第４図上、時針回転方向に所定
角度揺動すると、突起５０ａがストツパー８０に
当接する。該状態において、変位体５２の最小変
位点５２ｂが前記ばね５４の他端と当接する。図
板２を床面に対して水平に設定した状態、即ち、
ヘツド１２の荷重が図板２面に対して最も大きく
荷かる状態において、部材５０を突起５０ａがス
トツパー８２に当接するまで回動し、変位体５２
の最大変位点５２ａをばね５４の直上に位置させ
ると、ばね５４の弾力によつてリンク２０，２２
が軸体３２を中心として、第３図上、反時針回転
方向に揺動し、これによつてヘツド１２が図板２
面から所定間隔浮上するようにばね５４の弾力の
強さが選定され且つ、調節部材５５先端の突出量
が調節されている。更に、図板２を床面に対して
最大急角度例えば60度に設定した状態において、
即ち、ヘツド１２の荷重が図板２面に対して最も
小さく荷かる状態において、部材５０を、突起５
０ａがストツパー８０に当接するまで回動し、ば
ね５４の直上に変位体５２の最小変位点５２ｂを
位置させると、リンク２０，２２が軸体３２を中
心として第３図上、時針回転方向に揺動し、ヘツ
ド１２が図板２面に自重によつて密着するように
前記変位体５２の最小変位点５２ｂの高さ及びば
ね５４の強さが設定されている。前記ばね圧調節
部材５５を回転して、その先端を下方に突出させ
ると、ばね５４の変位体５２に対する弾発力が増
大しばね圧調節部材５５を反対方向に回転して、
その先端を後退させれば、ばね５４の変位体５２
に対する弾発力が減少する。前記部材５０の回転
角度範囲は本実施例では略45度に設定されてい
る。

上記した構成において、作図中、操作者が部材
５０を、第４図上、反時針回転方向に突起５０ａ
がストツパー８２に係止されるまで回動すると、
ヘツド１２は、ばね５４の弾力によつて図板２面
から上昇する。また、部材５０を第４図上、時針
回転方向に突起５０ａがストツパー８０に係止さ
れるまで回動すると、ヘツド１２は自重によつて
図板２面に密着する。ヘツド１２が図板から浮上
した状態において、ヘツド１２に下向きの荷重が
かかると、この荷重によつてヘツド１２はばね５
４の圧力に抗して下降する。そしてこの荷重を解
除すれば、ヘツド１２は上昇する。

次に、他の実施例を第５図及び第６図を参照し
て説明する。

９０は連結部材４２に固定されたソレノイドで
あり、公知の摺電装置及びスイツチ９２を介して
コードにより、電源に接続している。前記スイツ
チ９２はヘツド１２のハンドル１２ａに配設され
ている。ソレノイド９０の駆動軸から成る変位体
はばね５４の他端の直上に位置している。前記ス
イツチ９２とソレノイド９０は変位体９０ａを手
操作で駆動するための変位体手動操作部材を構成
している。

他の構造は、第３図に示す実施例と同一の構造
である。

図板２が床面に対して水平に設定された状態に
おいて、スイツチ９２をON側に倒してソレノイ
ド９０を通電すると、変位体９０ａの先端が下方
に突出する。このときの変位体９０ａの先端の連
結部材４２に対する突出量は、上記実施例におけ
る変位体５２の最大変位点５２ａの連結部材４２
に対する突出量と同一に設定されている。変位体
９０ａが突出すると該変位体９０ａにかかるばね
５４の弾力によつて連結部材４２は軸体３２を中
心として第５図上、反時針回転方向に揺動し、ヘ
ツド１２が図板２面から所定間隔浮上する。図板
２を床面に対して最も垂直方向に立てた状態にお
いて、スイツチ９２をOFF側に倒し、ソレノイ
ド９０への通電を解除すると、変位体９０ａは後
退し、連結部材４２は第５図上、軸体３２を中心
として、時針回転方向に揺動し、ヘツド１２は自
重によつて図板２面に密着する。駆動軸９０ａの
後退時の連結部材４２に対する突出量は上記実施
例における変位体５２の最小変位点５２ｂの連結
部材４２に対する突出量と同一に設定されてい
る。尚、本案の実施に除してはリンク２０，２２
と５６，６０を用いた昇降案内機構に特に限定さ
れるものでなく、第７図に示す如く、支持体３６
側に突曲面１００を形成する一方、ヘツド支持板
４０側にコロ１０２を取付け、該コロ１０２を突
曲面１００に当接した構造等とすることができ
る。

本発明は上述の如く構成したので、ヘツドを図
板から上昇した位置に保持し且つヘツドを自重に
より図板面に密着可能としたヘツド昇降支持装置
において、ヘツドが図板から浮上した状態におい
て不用意に自重によつて図板面に落下することが
なく、しかも、ヘツドに下向きの荷重がかかつた
とき、ばね力に抗してヘツドが下降してこの荷重
を逃げることができるので、ヘツドを支える昇降
案内機構に過大な力が加わるのを防止することが
でき、更に、ばね力の調整を、変位体と、ばね圧
調整部材との２つのばね調整機構により別個に行
なうことができるので、図板を所望の角度に設定
した状態において、ヘツドの上昇と下降操作を確
実に行なうことができる等の効果が存する。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の好適な実施例を示し、第１図は全
体平面図、第２図は横断面図、第３図は縦断面
図、第４図は平面図、第５図は他の実施例を示す
縦断面図、第６図は同平面図、第７図は他の実施
例を示す縦断面図である。 ２……図板、４……Ｘレール、６……Ｙレー
ル、８……Ｙカーソル、１０……ヘツド昇降支持
装置、１２……ヘツド、３６……支持体、４２…
…連結部材、５０……変位体手動操作部材、５２
……変位体、５４……ばね、５５……ばね圧調節
部材、５７……ねじ穴、８０，８２……ストツパ
ー、９０……ソレノイド、９０ａ……変位体、９
２……スイツチ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ Ｙカーソル８に設けた支持体３６に連結部材
   ４２を介してヘツド１２を図板２面に対して昇降
   自在に支持し、前記支持体３６に回転自在に支承
   したばね５４の前記支持体３６を支点とする弾力
   が前記連結部材４２を介して前記ヘツド１２に対
   して上昇方向に作用するようにしたレールタイプ
   自在平行定規におけるヘツド昇降支持装置におい
   て、前記連結部材４２と前記支持体３６の両者の
   うちの一方に前記ばね５４の一方との当接位置が
   変化するようにした変位体５２，９０ａを移動可
   能に設け、該変位体５２，９０ａの前記ばね５４
   の一方との当接位置の最大最小間の変位によつて
   前記ヘツド１２に対するばね５４の弾力の大きさ
   が変化するように成し、前記変位体５２，９０ａ
   の前記ばね５４の一方との当接位置を最大最小間
   で変位させるための変位体手動操作部５０を前記
   変位体５２，９０ａに連繋して設けるとともに前
   記ばね５４の前記連結部材４２に対する弾力の強
   さを調節するためのばね圧調節部材５５を前記連
   結部材４２と前記支持体３６の両者のうちの他方
   に変位調整可能に前記ばね５４の他方に係合して
   取り付けたことを特徴とするレールタイプ自在平
   行定規におけるヘツド昇降支持装置。