JPH0114473Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自在平行定規におけるスケール浮上
支持装置に関し、スケール操作用のヘツド部を所
定の高さまで持上げると下降が阻止されて、スケ
ールを図板面上に浮上した状態に維持しておくこ
とが可能で、浮上高さから更にヘツド部を持上げ
ると下降可能となり、スケールを図板面に密着さ
せることができるように構成した装置を提供しよ
うとするもので、その要旨とするところは実用新
案登録請求の範囲に記載の通りである。

以下図示する実施例により本考案を詳細に説明
すると、１はカーソル側支持体で、カーソル板２
上に固定ネジ３により一体に固定してある。カー
ソル板２は縦レール４に走行ローラ５によつて移
動自在に案内されている。６はヘツド部７を一体
に支持するスケール側支持体で、前記カーソル側
支持体１に略平行に上下動し得るように平行運動
機構により連結してある。実施例の場合、前記両
支持体１，６の上部は、枢軸９，９ａによつて中
間リンク８に連結されていると共に、その下部は
第３図示の如く枢軸１１，１２によつて下部リン
ク１０に連結されており、これら中間リンク８と
下部リンク１０の各枢軸９，９ａ，１１，１２が
略平行四辺形の角点に位置するように配設するこ
とによつて平行運動機構を構成している。また、
実施例の場合、下部リンク１０のカーソル側支持
体１の枢軸１１は中間リンク８の枢軸９と略同軸
位置に設けた支軸１３ａを中心として揺動する揺
動部材１３の揺動端部に設けてあり、該揺動部材
１３の下端部に設けた調整ネジ１４により平行運
動の調整を可能にすると共に、ヘツド側支持体６
を平行を崩して枢軸９ａを中心に上方に大きく回
動させることができるように構成してある。

ここで本考案に係るスケール浮上支持装置は、
カーソル側支持体１の中間枠部１ａに、前記枢軸
９と同軸位置に支点軸１５を設け、該支点軸１５
を中心に揺動自在に揺動腕部材１６が設けてあ
る。揺動腕部材１６の一端部１６ａは固定ネジ１
７によつて中間リンク８の下面に固定してあり、
中間リンク８と連動するように構成してある。ま
た、揺動腕部材１６には中間リンク８の昇降に伴
つて前記支点軸１５を中心に揺動する係合部１８
を備えている。係合部１８には後述する引掛部材
２０の引掛部２０ａと係合する段部１８ａが設け
てある。カーソル側支持体１の中間枠部１ａの下
部には、前記引掛部材２０が支点軸１９を中心に
揺動自在に設けてあり、該部材２０には前記揺動
腕部材１６の係合部１８の揺動域に占位して引掛
部２０ａが突設してある。そして、揺動腕部材１
６の係合部１８と引掛部材２０の引掛部２０ａと
は、第３図に示すように、中間リンク８の所定の
上昇位置において相互に係合し、その係合状態に
おいて係合部１８と引掛部２０ａとは支点軸１
５，１９間でつつかい棒のように作用し、中間リ
ンク８の下降を阻止するように構成してある。他
方、引掛部材２０の一側に設けたピン２１と中間
枠部１ａに設けたピン２２との間には、引張り弾
力を付勢したコイルスプリングからなる弾性部材
２３が張設してあり、引掛部材２０の引掛部２０
ａが、前記係合部１８と係合する係合位置より手
前の避退位置に定位するように定位弾力を付勢し
た構成にしてある。そして、中間リンク８が下降
位置から上昇する際に、これに伴つて揺動する揺
動腕部材１６の係合部１８は前記避退位置におい
て引掛部２０ａと当接し、更に中間リンク８が上
昇すると、係合部１８は引掛部２０ａを伴つて係
合位置まで移動し、両部１８，２０ａが係合する
こととなり、また更に係合部１８が中間リンク８
と共に上昇すると、引掛部２０ａとの係合が解除
されて、引掛部２０ａは弾性部材２３の定位弾力
によつて避退位置に復帰するように構成してあ
る。また、中間リンク８が下降する際に、避退位
置において係合部１８は引掛部２０ａに当接して
これを押し退けて、スケールが図板に密着する下
降位置に移動し得ると共に、押し退けられた引掛
部２０ａは弾性部材２３の定位弾力によつて避退
位置に復帰するように構成してある。

上記の構成からなる実施例に基いて本考案装置
の作動態様を説明すると、スケールが図板に密着
した第１図の状態から、ヘツド部７を上方に持上
げると、中間リンク８及び下部リンク１０からな
る平行運動機構により、ヘツド側支持体６はカー
ソル側支持体１に対して略平行に上昇する。この
とき、中間リンク８及び揺動腕部材１６は夫々枢
軸９及び支点軸１５を中心に、図上、反時計方向
に回動することとなり、その上昇中に揺動腕部材
１６の係合部１８の右側面が避退位置にある引掛
部材２０の引掛部２０ａの左側面に当接し、引掛
部２０ａを弾性部材２３の定位弾力に抗して支点
軸１９を中心に時計方向に押しまわし、第３図示
の所定の上昇位置で係合部１８の段部１８ａと引
掛部２０ａは係合する。この係合状態で、ヘツド
部７から手を放しても、支点軸１５と１９との間
で係合部１８及び引掛部２０ａはつつかい棒とし
て作用し、ヘツド部７は下降を阻止されて浮上状
態に維持されることとなる。また、更にヘツド部
７を上昇させると、係合部１８の段部１８ａが引
掛部２０ａから上方に外れ、引掛部２０ａは弾性
部材２３の定位弾力によつて避退位置に復帰し、
ヘツド部７を下降させることができる。下降の
際、係合部１８の左側面は避退位置の引掛部２０
ａの右側面に当接し、引掛部２０ａを反時計方向
に押し退けるが、その後、第１図の如く、係合部
１８は下降位置に、引掛部２０ａは避退位置に定
位することとなる。

以上の通り、本考案に係る自在平行定規におけ
るスケール浮上支持装置によれば、スケール操作
用のヘツド部を図板上の所定の高さまで持上げる
と、ヘツド部に加わる荷重の大小に係らず、その
下降を阻止してスケールを浮上した状態に維持し
ておくことができる一方、浮上状態から更にヘツ
ド部を持上げると下降が自由となり、スケールを
図板面に密着させることができる効果があり、実
用に際して益するところ大なるものがある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の一実施例の要部を縦断し
て示す正面図、第２図はその底面図、第３図はそ
の作動態様を示す要部の一部縦断正面図であり、
第４図はその要部部品の斜面図である。 １：カーソル側支持体、２：縦カーソル、４：
縦レール、６：スケール側支持体、８：中間リン
ク、１０：下部リンク、１５：支点軸、１６：揺
動腕部材、１８：係合部、１９：支点軸、２０：
引掛部材、２０ａ：引掛部、２３：弾性部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 縦カーソルに固定したカーソル側支持体とスケ
   ール操作用のヘツド部を固定したスケール側支持
   体とを、両支持体の上部に夫々端部を枢支した中
   間リンクを有する平行運動機構を介して連結し、
   カーソル側支持体に対してスケール側支持体がほ
   ぼ平行に昇降移動し得るようにした自在平行定規
   において、カーソル側支持体と中間リンクの枢支
   部を中心に中間リンクの昇降に伴つて揺動する係
   合部を先端に有する揺動腕部材を設ける一方、前
   記係合部の揺動域に占位して引掛部を有する引掛
   部材をカーソル側支持体の下部に揺動自在に設
   け、前記ヘツド部の所定の上昇位置で係合部と引
   掛部が係合してヘツド部の下降を阻止するように
   構成すると共に、引掛部材にはその引掛部が前記
   係合部と係合する前に係合部に当接し連動して係
   合位置に移動し得るように避退位置に定位する定
   位弾力を付勢する弾性部材を設けてなる自在平行
   定規におけるスケール浮上支持装置。