JPH0438417Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は壁面照明用照明器具に関するものであ
る。

［従来の技術］ この種の壁面照明用照明器具の照明器具本体３
は第５図に示すように照明すべき壁面Ａに対して
ランプ１…が並行するように壁面Ａ近傍の天井Ｂ
に埋設され、Ｃのように照射している。

ところで従来の反射板２は第６図に示すように
内側の鏡面度合が全て均一であつて、壁面Ａ側に
相対する下端部を斜め上向きの反射面２ａを持つ
ように屈曲させて、この反射面２ａで壁面Ａの上
部を照射し、その他の反射面で壁面Ａの中央部か
ら下方を照射するようになつている。

［考案が解決すべき課題］ ところで壁面Ａの中央部から下方にかけて展示
した絵画等を適度に照明するためには拡散反射率
が10％程度の反射板が望ましい。しかしながらこ
の場合反射面２ａでの反射も良く、壁面Ａの上部
は大変明るく照らされることになり、壁面Ａの鉛
直面照度分布は第７図に示すようになり、反射面
２ａでの反射光もそれ以外の部分での反射光も極
めて少ない箇所が生じ、これが目視では影Ｘとな
り大変見苦しくなつていた。反射面２ａでの照射
方向を多少下方にすれば影Ｘの部分は無くなる
が、そうすると壁面Ａの上部は照らされなくなつ
て真つ暗になり、好ましい照明が行えないという
欠点があつた。

そこで反射面２ａでの反射を押さえ、壁面Ａの
上部方向への反射光を少なくすることで壁面Ａの
影Ｘを消す方法としては反射面２ａを白色に塗装
する方法もあるが、この場合に反射面２ａでの配
光が円配光になつて、壁面Ａの鉛直面照度分布は
第８図に示すようになり、第７図に見られた照度
の急激な低下は無いが壁面Ａの上部の照度が低下
し、目視した場合には壁面Ａの上部が暗く見える
という問題がある。この暗く見えるのを克服する
のに、反射面２ａの反射板２に対して占める割合
を第９図に示すように多くする方法もあるが、こ
の場合壁面Ａの中央部に配置する絵画等を照らす
成分が少なくなつて、絵画等を適度の照度で照ら
すことができなくなるという新たな問題が生じ
る。

本考案は上述の問題点に鑑みて為されたもの
で、その目的とするところは、壁面上部の影も、
照度の低下も感じない良好な配光が行える壁面照
明用照明器具を提供するにある。

［課題を解決するための手段］ 本考案は天井に埋設される壁面照明用照明器具
において、照明する壁面に長手方向を並行させて
配置した直管状のランプからの光を壁面に向けて
斜め下方に反射する反射板の内、壁面側と相対す
る部位の下端を上方へ屈曲させ、該屈曲部位の反
射面で反射板の他の部位に比して水平近傍方向に
反射させるとともに該屈曲部位の反射面の拡散率
を反射板の他の部位に比して高めたものである。

［作用］ 本考案は上述のように構成したので、屈曲部位
の反射面での拡散が適切となり、壁面の上部の照
度を低下させず、且つ照度の急激な低下部位がな
い鉛直面照度分布が得られて、壁面中央に適度な
照度を与えながら壁面上部まで良好な照明を行う
ことができるのである。

［実施例］ 第１図は実施例の照明器具の全体斜視図を示
し、下面開口の照明器具本体３内には複数の直管
状の蛍光ランプのようなランプ１…を並行配設
し、夫々のランプ１に対応して反射板２…を第２
図に示すように設け、各反射板２…の主なる反射
方向が斜め下向きとなるように反射面を設定する
とともに第３図に示すように従来と同様に壁面Ａ
側に相対する下端部位を斜め上向きの反射面を持
つように屈曲させて、この屈曲部位の反射面２ａ
の拡散反射率25％程度、つまり屈曲部位以外の反
射面の拡散反射率よりも大きくしてある。この際
拡散反射率の高い別部材２ｂを屈曲部位の上面に
取付けることで実現する。

而して第５図のように壁面Ａの近傍の天井Ｂに
照明器具本体３を埋設して、壁面Ａを照射すると
第４図に示すような鉛直面照度分布が得られた。

この鉛直面照度分布で示されるように本考案で
は壁面Ａの上部になるにつれて照度が緩やかに低
下するようになり、照度の急激な低下や、壁面上
方が暗く見える照度の低下がなくなつて、良好な
照度分布となつた。

［考案の効果］ 本考案は照明する壁面に長手方向を並行させて
配置した直管状のランプからの光を壁面に向けて
斜め下方に反射する反射板の内、壁面側と相対す
る部位の下端を上方へ屈曲させ、該屈曲部位の反
射面で反射板の他の部位に比して水平近傍方向に
反射させるとともに該屈曲部位の反射面の拡散率
を反射板の他の部位に比して高めてあるので屈曲
部位の反射面での拡散が適切となり、壁面の上部
の照度を低下させず、且つ照度の急激な低下部位
がない鉛直面照度分布が得られて、壁面中央に適
度な照度を与えながら壁面上部まで良好な照明を
行うことができるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の壁面照明用照明器具
の斜視図、第２図は同上の側面図、第３図は同上
使用の反射板の構成説明図、第４図は同上の鉛直
面照度分布説明図、第５図は一従来例の概略構成
図、第６図は同上の反射板の構成説明図、第７図
は同上の鉛直面照度分布説明図、第８図は別の従
来例の鉛直面照度分布説明図、第９図は他の従来
例の概略構成図である。 １はランプ、２は反射板、２ａは反射面、３は
照明器具本体、Ａは壁面、Ｂは天井である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 天井に埋設される壁面照明用照明器具におい
   て、照明する壁面に長手方向を並行させて配置し
   た直管状のランプからの光を壁面に向けて斜め下
   方に反射する反射板の内、壁面側と相対する部位
   の下端を上方へ屈曲させ、該屈曲部位の反射面で
   反射板の他の部位に比して水平近傍方向に反射さ
   せるとともに該屈曲部位の反射面の拡散率を反射
   板の他の部位に比して高めて成ることを特徴とす
   る壁面照明用器具。