JPH0437727Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はネジ締め機におけるネジ保持調整装
置、詳しくはネジ締め機のノーズ部材の先端部位
に設けられたネジ保持用の一対のチヤツク爪部材
の閉止位置をネジの種類に応じて調整できるネジ
保持調整装置に関する。

（従来技術） 通常のネジ締め機にはドライバビツトを案内す
るノーズ部材にネジ保持装置を備えている。この
ような装置として、例えば実公昭53−42880号公
報に示されているように、ドライバビツトを摺動
自在に案内するノーズ部材の先端にその中心線を
はさんで対称位置に開閉可能に一対のチヤツク爪
部材を設け、閉止されたチヤツク爪部材により上
記ネジ供給路から供給されたネジを保持するもの
が知られている。

このようにチヤツク部材によつてネジを保持す
る場合、ネジの軸径が小さければこれを保持する
チヤツク部材の開き角度も小さく、ネジの軸径が
大きければチヤツク部材の開き角度は大きくする
必要がある。このため、ネジ保持装置の各チヤツ
ク爪部材には、通常の場合、調整ネジが設けら
れ、この調整ネジを回して得られるネジの出量に
よつて一対のチヤツク爪部材の閉止位置をネジの
種類に応じて微調整し、これによつてネジの軸径
に応じて一対のチヤツク部材を最適の開き角度で
閉止することが行なわれている。

しかし、従来のネジ保持装置によれば、調整ネ
ジがチヤツク爪部材毎に設けられているので、調
整操作が煩わしいばかりでなく、両チヤツク爪部
材の閉止位置はノーズの中心線から対称位置に設
定されていないと、ネジ込み中にネジが倒れたり
するので、この設定操作は非常に困難であつた。

（考案の技術的課題） 本考案は上記欠点を解消し、簡単な調整操作に
より両チヤツク爪部材の閉止位置をノーズの中心
線に対して互いに対称となる位置に設定すること
ができるネジ保持調整装置を提供することをその
技術的課題とする。

（課題を解決するための手段） 上記課題を解決するため、本考案に係るネジ締
め機におけるネジ保持調整装置は、ドライバビツ
トを摺動自在に案内するノーズ部材と、このノー
ズ部材の先端部位にネジを保持する保持部を形成
した一対のチヤツク爪部材を上記ノーズ部材に開
閉自在に取付てなるネジ保持装置において、上記
ノーズ部材に楕円形のカム部材を回転可能に設
け、上記各チヤツク爪部材から上記カム部材をは
さんで互いに向き合うように突起部を形成し、こ
れら各突起部の先端を上記カム部材の外周面に当
接させるとともに、上記各チヤツク爪部材の先端
のネジ保持部が互いに閉止方向に弾力付勢されて
いることを特徴とする。

（考案の作用、効果） 上述のように、本考案によれば、楕円形のカム
部材を回転させると、その外周面には閉止方向に
弾力付勢された各チヤツク爪部材の突起部が当接
しているから、カム部材が回転するに従つてその
外周面に沿つて上記突起部は互いに離反移動する
か又は接近移動する。このため各チヤツク爪部材
は上記付勢力に抗して開き又は上記付勢力に従つ
て閉じるので、閉止位置を自由に調整することが
できる。また、カム部材は楕円形に形成されてい
るので、回転させたときの各チヤツク爪部材の離
反量又は接近量は均等であり、よつてカム部材の
回転操作により簡単に両チヤツク爪部材を常にノ
ーズ部材の中心に対して対称位置となるように移
動設定することができる。したがつて、本考案に
よる実用上の効果は非常に大である。

（実施例） 以下、図面によつて本考案の実施例を図面によ
つて説明する。なお、第１図はネジ締め機におけ
るネジ保持調整装置の斜視図、第２図はその平面
図であり、第３図はネジ保持装置によるネジの保
持態様説明図である。

第３図において符号Ａはネジ締め機におけるネ
ジ保持装置を示す。このネジ保持装置Ａはネジ締
め機本体（図示せず）の先端部に設けられたノー
ズ部材１と該ノーズ部材１の先端部位に設けられ
た一対のチヤツク爪部材２，２とから構成されて
いる。

ノーズ部材１はドライバビツト３を摺動自在に
案内するものである。

チヤツク爪部材２，２は、ノーズ部材１の先端
部位に設けられ、ノーズ部材１の中心線をはさん
で対称位置に配置され、その先端部に軸４，４に
よつて先端が開閉可能に軸支されている。チヤツ
ク爪部材２，２の先端部にはネジ保持部５，５が
形成され、これらチヤツク部材２，２のネジ保持
部５，５はバネ７，７によつて閉止する方向に弾
力付勢されている。

次に、上記ノーズ部材１の底部中央に設けられ
た支軸６には楕円形のカム部材８が回転可能に設
けられ、これによりネジ保持調整装置が構成され
ている。各チヤツク爪部材２からは上記カム部材
８をはさんで互いに向き合うように突起部９が形
成され、各突起部９の先端はバネ７により上記楕
円形カム部材８の外周面に当接するように付勢さ
れている。なお、上記楕円形カム部材８には回転
支軸６を中心とする円弧状の長孔１０が形成さ
れ、この長孔１０内にノーズ部材１に螺合した固
定ネジ１１が嵌挿されている。したがつて、上記
長孔１０と固定ネジ１１により楕円形カム部材８
の回転の案内させるとともに、所定の設定位置で
楕円形カム部材８を固定させることができる。

次に、上記構成のネジ保持調整装置の作動態様
について述べる。

まず、図示しないネジ供給装置からノーズ部材
１の先端に供給されたネジ８は閉止状態になつて
いるチヤツク爪部材２，２の先端のネジ保持部
５，５に保持される。次に、上記ネジ８を被ネジ
込み材料に対して打込むにあたつてドライバビツ
ト３を回転させながら前進させ、その先端をネジ
頭部に係合させてネジ８を被ネジ込み材料側に押
込むと、その押込み力によつてチヤツク爪部材
２，２の先端側はバネ７，７に抗して押し広げら
れ、ネジ８は被ネジ込み材料に対してネジ込まれ
る。

ところで、ネジの種類によりチヤツク爪部材
２，２の開き角度をより大きくする必要があると
きは、カム部材８をＰ方向に回転させる。このと
き、カム部材８の外周面には各チヤツク爪部材２
の突起部９が当接しているから、カム部材８が回
転するに従つてその外周面の形状に応じ、上記突
起部９はバネ７に抗して互いに離反移動する。こ
のためチヤツク爪部材２，２はより開いた位置で
閉止する。逆にカム部材８をＱ方向に回転させる
と、上記突起部９，９は互いに接近し、より閉じ
た位置で閉止する。したがつて閉止位置を自由に
調整することができる。また、カム部材８は楕円
形に形成されているので、回転させたときのチヤ
ツク爪部材２，２の離反量又は接近量は均等であ
り、このためカム部材８の一度の回転操作により
両チヤツク爪部材２，２を常にノーズ部材１の中
心に対して対称位置となるように設定することが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はネジ締め機におけるネジ保持調整装置
の斜視図、第２図はその平面図であり、第３図は
ネジ保持装置によるネジの保持態様説明図であ
る。 符号Ａ……ネジ保持装置、１……ノーズ部材、
２……チヤツク爪部材、３……ドライバビツト、
５……ネジ保持部、８……カム部材、９……突起
部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ドライバビツトを摺動自在に案内するノーズ部
   材と、このノーズ部材の先端部位にネジを保持す
   る保持部を形成した一対のチヤツク爪部材を上記
   ノーズ部材に開閉自在に取付てなるネジ保持装置
   において、 上記ノーズ部材に楕円形のカム部材を回転可能
   に設け、上記各チヤツク爪部材から上記カム部材
   をはさんで互いに向き合うように突起部を形成
   し、これら各突起部の先端を上記カム部材の外周
   面に当接させるとともに、上記各チヤツク爪部材
   の先端のネジ保持部が互いに閉止方向に弾力付勢
   されていることを特徴とするネジ締め機における
   ネジ保持調整装置。