JPH04372648A - ポリエステル組成物および該組成物からなる成形体ならびにその製造方法 - Google Patents

ポリエステル組成物および該組成物からなる成形体ならびにその製造方法

Info

Publication number
JPH04372648A
JPH04372648A JP15012291A JP15012291A JPH04372648A JP H04372648 A JPH04372648 A JP H04372648A JP 15012291 A JP15012291 A JP 15012291A JP 15012291 A JP15012291 A JP 15012291A JP H04372648 A JPH04372648 A JP H04372648A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
crystalline
present
polyolefin
ethylene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP15012291A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Niimi
新 美  宏 二
Kenji Yamane
山 根  健 次
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Petrochemical Industries Ltd filed Critical Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Priority to JP15012291A priority Critical patent/JPH04372648A/ja
Publication of JPH04372648A publication Critical patent/JPH04372648A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明はポリエステル組成物および
該組成物からなる成形体ならびにその製造方法に関し、
さらに詳しくは、耐衝撃性および耐熱性に優れた成形体
が得られるようなポリエステル組成物に関するとともに
、耐衝撃性および耐熱性に優れた成形体ならびにその製
造方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】近年、電子レンジまたはオーブン
レンジで加熱調理する食品は、その種類の増加、調理の
簡便性、長期保存が可能などの点から需要が急速に伸び
ている。このような食品用の容器としては一般にポリエ
ステルまたはポリエステル組成物などが用いられている
。しかし、食品の種類によっては加熱調理中に容器の耐
熱温度を超える280℃以上に温度が上昇することがあ
り、その場合容器が変形したり、食品の味や風味が落ち
ることがある。
【0003】電子レンジまたはオーブンレンジで加熱調
理する食品用容器は、耐熱性、耐衝撃性、耐油性、成形
性、経済性(安価)に優れること、外観が良好であるこ
と、食品の味や風味を落とさないこと等の特性が必要で
あり、このような特性を備えた容器の開発がなされてい
る。
【0004】例えば特開昭63−230734号公報に
は固有粘度0.7〜2.0dl/gのポリエチレンテレ
フタレート85〜98.5重量%と、融点90〜300
℃の液晶性ポリマー0.5〜15重量%と、必要に応じ
て熱安定剤0.005〜2重量%とからなる混合物を1
95〜255℃で1時間以上固相重合させて熱可塑性樹
脂組成物を得、この組成物を熱成形して結晶化度10〜
40%の物品を得る方法が記載されている。この方法か
ら得られる食品用トレーは耐熱性に優れるが、耐衝撃性
が充分ではない。
【0005】また、ポリプロピレンとスチールとを積層
した耐熱性トレーは電子レンジでの調理ができない、オ
ーブンレンジでは調理が出来るが味が悪くなるという欠
点がある。
【0006】本発明者らはこのような状況のもと鋭意検
討したところ、飽和ポリエステルを主成分としアイオノ
マー、結晶性ポリオレフィン、結晶性変成ポリオレフィ
ン、低結晶性ポリオレフィン、低結晶性変成ポリオレフ
ィンの少なくとも一種と、必要に応じて液晶性ポリマー
を含んでなるポリエステル組成物から形成される成形体
は耐熱性および耐衝撃性に優れ、かつ電子レンジまたは
オーブンレンジで加熱調理する食品用容器が必要とする
特性を有することを見出して本発明を完成するに到った
【0007】
【発明の目的】本発明は、耐衝撃性、耐熱性に優れた成
形体が得られるようなポリエステル組成物を提供するこ
と、および耐衝撃性、耐熱性に優れた成形体ならびにそ
の製造方法を提供することを目的としている。
【0008】
【発明の概要】本発明に係るポリエステル組成物は、[
A]飽和ポリエステルと、[B]下記の群から選ばれる
少なくとも一種のポリマーと (B−1)アイオノマー (B−2)結晶性ポリオレフィン (B−3)結晶性変成ポリオレフィン (B−4)低結晶性ポリオレフィン (B−5)低結晶性変成ポリオレフィンからなることを
特徴としている。
【0009】本発明に係るポリエステル成形体は、[A
]飽和ポリエステルと、[B]下記の群から選ばれる少
なくとも一種のポリマーと (B−1)アイオノマー (B−2)結晶性ポリオレフィン (B−3)結晶性変成ポリオレフィン (B−4)低結晶性ポリオレフィン (B−5)低結晶性変成ポリオレフィンとからなるポリ
エステル組成物から形成されている。
【0010】また、本発明に係るポリエステル組成物か
らなる成形体の製造方法は、[A]飽和ポリエステルと
、[B]下記の群から選ばれる少なくとも一種のポリマ
ーと (B−1)アイオノマー (B−2)結晶性ポリオレフィン (B−3)結晶性変成ポリオレフィン (B−4)低結晶性ポリオレフィン (B−5)低結晶性変成ポリオレフィンとからなるポリ
エステル組成物を成形し、次いで該成形体を150〜2
40℃に加熱することを特徴としている。
【0011】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係るポリエステル
組成物および該組成物からなる成形体ならびにその製造
方法について具体的に説明する。
【0012】まず、本発明に係るポリエステル組成物を
構成する各成分について説明する。 [A]飽和ポリエステル 本発明で用いられる[A]飽和ポリエステルとしては、
ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、共重合ポリエステル
などが挙げられる。
【0013】(ポリエチレンテレフタレート)本発明で
用いられるポリエチレンテレフタレートは、テレフタル
酸成分単位を含むジカルボン酸構成単位とエチレングリ
コール成分単位を含むジヒドロキシ構成単位とから形成
されている。
【0014】このポリエチレンテレフタレートには20
モル%以下の、テレフタル酸およびエチレングリコール
以外の他のジカルボン酸および/または他のジヒドロキ
シ化合物が共重合されていてもよい。テレフタル酸以外
に共重合に用いられるジカルボン酸として具体的には、
フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジ
フェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン
酸などの芳香族ジカルボン酸;アジピン酸、セバシン酸
、アゼライン酸、デカンジカルボン酸などの脂肪族ジカ
ルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸、シクロプロパ
ンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸などの脂環
族ジカルボン酸などが挙げられる。
【0015】エチレングリコール以外に共重合に用いら
れるジヒドロキシ化合物として、具体的には、トリメチ
レングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレ
ングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレ
ングリコール、ドデカメチレングリコールなどの脂肪族
グリコール;シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族
グリコール;ビスフェノール類;ハイドロキノン、2,
2−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロ
パンなどの芳香族ジオール類などが挙げられる。
【0016】また、本発明において用いられるポリエチ
レンテレフタレートは、トリメシン酸、トリメチロール
エタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールメタ
ン、ペンタエリスリトールなどの多官能化合物から導か
れる構成単位を少量たとえば2モル%以下の量で含んで
いてもよい。
【0017】さらに本発明において用いられるポリエチ
レンテレフタレートは、ベンゾイル安息香酸、ジフェニ
ルスルホンモノカルボン酸、ステアリン酸、メトキシポ
リエチレングリコール、フェノキシポリエチレングリコ
ールなどの単官能化合物から導かれる構成単位を少量た
とえば2モル%以下の量で含んでいてもよい。
【0018】このようなポリエチレンテレフタレートは
、エチレンテレフタレート成分単位単独で、あるいは該
エチレンテレフタレート成分単位およびジオキシエチレ
ンテレフタレート成分単位がランダムに配列してエステ
ル結合を形成することにより実質上線状のポリエステル
を形成している。該ポリエチレンテレフタレートが実質
上の線状であることは、該ポリエチレンテレフタレート
がo−クロロフェノールに溶解することによって確認さ
れる。
【0019】このようなポリエチレンテレフタレートで
は、極限粘度[η](o−クロロフェノール中25℃で
測定した値)は、通常0.6〜1.5dl/g、好まし
くは0.7〜1.2dl/gの範囲であることが望まし
い。
【0020】(ポリエチレンナフタレート)本発明で用
いられるポリエチレンナフタレートは、2,6−ナフタ
レンジカルボン酸とエチレングリコールとを原料として
製造される。
【0021】このポリエチレンナフタレートには40モ
ル%未満の、2,6−ナフタレンジカルボン酸およびエ
チレングリコール以外の他のジカルボン酸および/また
は他のジヒドロキシ化合物が共重合されていてもよい。
【0022】2,6−ナフタレンジカルボン酸以外に共
重合に用いられるジカルボン酸として、具体的には、テ
レフタル酸、イソフタル酸、2,7−ナフタレンジカル
ボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニル
−4,4’−ジカルボン酸、4−4’−ジフェニルエー
テルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカ
ルボン酸、4,4’− ジフェノキシエタンジカルボン
酸、ジブロムテレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸;
アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸、デカンジカル
ボン酸などの脂肪族ジカルボン酸;1,4−シクロヘキ
サンジカルボン酸、シクロプロパンジカルボン酸、ヘキ
サヒドロテレフタル酸などの脂環族ジカルボン酸;グリ
コール酸、p−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシエ
トキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸などが挙げ
られる。
【0023】エチレングリコール以外に共重合に用いら
れるジヒドロキシ化合物として、具体的には、プロピレ
ングリコール、トリメチレングリコール、ジエチレング
リコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレン
グリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレン
グリコール、ネオペンチルグリコール、p−キシレング
リコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビス
フェノールA、p,p−ジフェノキシスルホン、1,4
−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、2,2−
ビス(p−β−ヒドロキシエトキシフェノール)プロパ
ン、ポリアルキレングリコール、p−フェニレンビス(
ジメチルシロキサン)、グリセリンなどが挙げられる。
【0024】また、本発明において用いられるポリエチ
レンナフタレートは、トリメシン酸、トリメチロールエ
タン、トリメチロールプロパン、トリメチロールメタン
、ペンタエリスリトールなどの多官能化合物から導かれ
る構成単位を少量たとえば2モル%以下の量で含んでい
てもよい。
【0025】さらに本発明において用いられるポリエチ
レンナフタレートは、ベンゾイル安息香酸、ジフェニル
スルホンモノカルボン酸、ステアリン酸、メトキシポリ
エチレングリコール、フェノキシポリエチレングリコー
ルなどの単官能化合物から導かれる構成単位を少量たと
えば2モル%以下の量で含んでいてもよい。
【0026】このようなポリエチレンナフタレートは、
実質上線状であり、このことは該ポリエチレンナフタレ
ートがo−クロロフェノールに溶解することによって確
認される。
【0027】このようなポリエチレンナフタレートの極
限粘度[η](o−クロロフェノール中で25℃で測定
した値)は、0.2〜1.1dl/g、好ましくは0.
3〜0.9dl/g、特に好ましくは0.4〜0.8d
l/gの範囲であることが望ましい。
【0028】(ポリブチレンテレフタレート)本発明で
用いられるポリブチレンテレフタレートは、テレフタル
酸成分単位を含むジカルボン酸構成単位と1,4−ブタ
ンジオール成分単位を含むジヒドロキシ化合物構成単位
とから形成されている。
【0029】本発明に係るポリブチレンテレフタレート
では、ジカルボン酸成分として上記のようなテレフタル
酸以外に、得られるポリブチレンテレフタレートの特性
を損なわない範囲、たとえば20モル%以下の量で他の
ジカルボン酸を用いることもできる。
【0030】このようなジカルボン酸としては、イソフ
タル酸、フタル酸、2−メチルテレフタル酸、2,6−
ナフタレンジカルボン酸などを挙げることができる。ま
た、本発明に係るポリブチレンテレフタレートでは、ジ
ヒドロキシ化合物として1,4−ブタンジオール以外に
、得られるポリブチレンテレフタレートの特性を損なわ
ない範囲、たとえば20モル%以下の量で他のジヒドロ
キシ化合物を用いることもできる。
【0031】このようなジヒドロキシ化合物としては、
1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、
シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール
、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、
1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、2
,2−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プ
ロパン、ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)
スルホンなどの炭素原子数が3〜15のジヒドロキシ化
合物を挙げることができる。
【0032】このようなポリブチレンテレフタレートで
は、極限粘度[η](o−クロロフェノール中25℃で
測定した値)は0.4〜2.0dl/g、好ましくは0
.5〜1.5dl/gの範囲であることが望ましい。
【0033】(共重合ポリエステル)本発明で用いられ
る共重合ポリエステルとしては、(1)テレフタル酸成
分単位を85〜99.5モル%の量で、イソフタル酸成
分単位を0.5〜15モル%の量で含むジカルボン酸構
成単位と、エチレングリコール成分単位を含むジヒドロ
キシ化合物構成単位とから形成される共重合ポリエステ
ル、(2)テレフタル酸成分単位を80〜99.5モル
%の量で、2,6−ナフタレンジカルボン酸成分単位を
0.5〜20モル%の量で含むジカルボン酸構成単位と
、エチレングリコール成分単位を含むジヒドロキシ化合
物構成単位とから形成される共重合ポリエステル、(3
)テレフタル酸成分単位を85〜99.5モル%の量で
、アジピン酸成分単位を0.5〜15モル%の量で含む
ジカルボン酸構成単位と、エチレングリコール成分単位
を含むジヒドロキシ化合物構成単位とから形成される共
重合ポリエステル、(4)テレフタル酸成分単位を含む
ジカルボン酸構成単位と、エチレングリコール成分単位
を93〜98モル%の量で、ジエチレングリコール成分
単位を2〜7モル%の量で含むジヒドロキシ化合物構成
単位とから形成される共重合ポリエステル、(5)テレ
フタル酸成分単位を含むジカルボン酸構成単位と、エチ
レングリコール成分単位を85〜99.5モル%の量で
、ネオペンチルグリコール成分単位を0.5〜15モル
%の量で含むジヒドロキシ化合物構成単位とから形成さ
れる共重合ポリエステル、(6)テレフタル酸成分単位
を含むジカルボン酸構成単位と、エチレングリコール成
分単位を85〜99.5モル%の量で、シクロヘキサン
ジメタノール成分単位を0.5〜15モル%の量で含む
ジヒドロキシ化合物構成単位とから形成される共重合ポ
リエステル、(7)イソフタル酸成分単位を20〜10
0モル%の量で、テレフタル酸成分単位を0〜80モル
%の量で含むジカルボン酸構成単位と、ジヒドロキシエ
トキシレゾール成分単位を5〜90モル%の量で、エチ
レングリコール成分単位を10〜95モル%の量で含む
ジヒドロキシ化合物構成単位と、ジカルボン酸成分単位
100モル部に対して0.05〜1.0モル部の量の、
トリメチロールプロパンなどの少なくとも3個のヒドロ
キシ基を有する多官能ヒドロキシ化合物構成単位とから
形成される共重合ポリエステルなどを例示することがで
きる。
【0034】このような共重合ポリエステル樹脂では、
上記各成分以外に得られる共重合ポリエステル樹脂の特
性を損なわない範囲たとえば1モル%以下の量で他のジ
カルボン酸および/または他のジヒドロキシ化合物を用
いることもできる。
【0035】このようなジカルボン酸としては、イソフ
タル酸、フタル酸、2−メチルテレフタル酸、2,6−
ナフタレンジカルボン酸などを挙げることができる。ま
た、ジヒドロキシ化合物としては、1,3−プロパンジ
オール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコ
ール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタ
ノール、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベン
ゼン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼ
ン、2,2−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニ
ル)プロパン、ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェ
ニル)スルホンなどの炭素原子数が3〜15のジヒドロ
キシ化合物が用いられる。
【0036】上記の共重合ポリエステル樹脂の極限粘度
[η](o−クロロフェノール溶媒中における値)は、
0.5〜1.5dl/g以上、好ましくは0.6〜1.
2dl/gの範囲であることが望ましい。
【0037】本発明に係るポリエステル組成物は、上記
[A]飽和ポリエステルと、[B]下記(B−1)〜(
B−5)の群から選ばれる少なくとも一種のポリマーと
からなっている。
【0038】(B−1)アイオノマー 本発明で用いられる(B−1)アイオノマーは、エチレ
ン−不飽和カルボン酸共重合体を2価の金属イオンある
いは1価の金属イオンで部分的に中和したものである。
【0039】アイオノマー成分を構成するエチレン−不
飽和カルボン酸共重合体は、エチレンと不飽和カルボン
酸との共重合体であるが、この不飽和カルボン酸として
は炭素数3〜8の不飽和カルボン酸、具体的には、アク
リル酸、メタクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、
マレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノエチル
エステルなどが用いられる。これらの不飽和カルボン酸
のうちで、アクリル酸、メタクリル酸が特に好ましく用
いられる。
【0040】本発明で用いられるエチレン−不飽和カル
ボン酸共重合体は、エチレンと上記のような不飽和カル
ボン酸に加えて、第3成分を含んでいてもよく、このよ
うな第3成分としては、炭素数3〜12程度の極性ビニ
ル化合物、たとえばアクリル酸エチル、アクリル酸i−
ブチル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸メチルな
どの不飽和カルボン酸エステル、酢酸ビニルなどのビニ
ルエステルが用いられる。
【0041】本発明で用いられるエチレン−不飽和カル
ボン酸共重合体では、エチレンは50〜00重量%、好
ましくは70〜98重量%の量で存在し、また不飽和カ
ルボン酸は1〜50重量%、好ましくは2〜30重量%
の量で存在していることが望ましい。
【0042】また、エチレン−不飽和カルボン酸共重合
体がエチレン成分および不飽和カルボン酸に加えて第3
成分を含む場合には、第3成分は40重量%まで、好ま
しくは30重量%までの量で存在していることが望まし
い。
【0043】本発明で用いられるアイオノマーは、上記
エチレン−不飽和カルボン酸共重合体中のカルボキシル
基の少なくとも一部が2価の金属イオンあるいは1価の
金属イオン、好ましくは2価の遷移金属イオンで中和さ
れている。
【0044】このようなアイオノマーに用いられる金属
イオンとしては、Na+ 、Li+ 、K+ 等のアル
カリイオン、Zn++、Co++、Ni++、Mn++
、Pb++、Cu++などの2価の遷移金属イオンある
いはCa2+、Mg2+などのアルカリ土類金属イオン
が好ましく、Zn++を用いることが特に好ましい。
【0045】上記したような2価の金属イオン、好まし
くは2価の遷移金属イオンによるエチレン−不飽和カル
ボン酸共重合体のカルボキシル基の中和度は3〜95%
であることが好ましい。
【0046】アイオノマーの金属イオン種の数は、1種
に限定されるものではなく、2種以上の金属イオン種か
らなるアイオノマーであってもよい。 (B−2)結晶性ポリオレフィン 本発明で用いられる(B−2)結晶性ポリオレフィンは
、X線回折法によって測定した結晶化度が30%以上の
ポリエチレン、ポリプロピレンまたはエチレン・α−オ
レフィン共重合体である。このような(B−2)結晶性
ポリオレフィンは、135℃、デカリン中で測定した極
限粘度[η]は、0.01〜10dl/g、好ましくは
0.08〜7dl/gの範囲であることが望ましい。
【0047】上記のうち、エチレン・α−オレフィン共
重合体を構成するα−オレフィンとしては、通常、炭素
数3〜20のα−オレフィン、たとえばプロピレン、1
−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−
1−ペンテン、1−オクテン、1−デセンおよびこれら
の混合物を挙げることができる。このうち炭素数3〜1
0のα−オレフィンが特に好ましい。
【0048】なお、本発明において(B−2)成分とし
て用いられるポリエチレン、ポリプロピレンまたはエチ
レン・α−オレフィン共重合体は、その特性を損なわな
い範囲内で、ジエン化合物から誘導される成分単位等の
ようなα−オレフィンから誘導される成分単位以外の成
分単位を含んでいてもよい。
【0049】本発明において(B−2)成分として用い
られるポリエチレン、ポリプロピレンまたはエチレン・
α−オレフィン共重合体オレフィンに含まれることが許
容される成分単位としては、例えば、1,4−ヘキサジ
エン、1,6−オクタジエン、2−メチル−1,5−ヘ
キサジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、7−
メチル−1,6−オクタジエンのような鎖状非共役ジエ
ン;シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、メチ
ルテトラヒドロインデン、5−ビニルノルボルネン、5
−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−
ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネ
ン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノル
ボルネンのような環状非共役ジエン;2,3−ジイソプ
ロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−
イソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−プロペニル
−2,2−ノルボルナジエン等のジエン化合物から誘導
される成分単位を挙げることができる。
【0050】このようなジエン成分は、単独であるいは
組み合わせて用いることができる。また、このようなジ
エン成分の含有量は、通常は1〜20モル%、好ましく
は2〜15モル%である。
【0051】本発明で用いられる(B−2)結晶性ポリ
オレフィンでは、エチレンとα−オレフィンとのモル比
(エチレン/α−オレフィン)は、α−オレフィンの種
類によっても異なるが、一般に1/99〜99/1、好
ましくは50/50〜95/5である。上記モル比は、
α−オレフィンがプロピレンである場合には、50/5
0〜90/10であることが好ましく、α−オレフィン
が炭素数4以上のα−オレフィンである場合には80/
20〜95/5であることが好ましい。
【0052】(B−3)結晶性変成ポリオレフィン本発
明で用いられる(B−3)結晶性変成ポリオレフィンは
、上記のようなポリエチレン、ポリプロピレンまたはα
−オレフィン共重合体を、不飽和カルボン酸またはその
誘導体でグラフト変性したグラフト変性ポリエチレン、
グラフト変性ポリプロピレンまたはグラフト変性エチレ
ン・α−オレフィン共重合体であり、X線回折法によっ
て測定した結晶化度は30%以上であることが好ましい
。また、135℃、デカリン中で測定した極限粘度[η
]は、0.01〜10dl/g、好ましくは0.08〜
7dl/gの範囲であることが望ましい。
【0053】上記の(B−3)結晶性変成ポリオレフィ
ンを製造するために用いられるグラフトモノマーとして
は、不飽和カルボン酸またはその誘導体を用いることが
好ましい。
【0054】このような不飽和カルボン酸の例としては
、アクリル酸、マレイン酸、フマール酸、テトラヒドロ
フタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イ
ソクロトン酸、ナジック酸(エンドシス−ビシクロ[2
,2,1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸)
を挙げることができる。
【0055】さらに、上記の不飽和カルボン酸の誘導体
としては、不飽和カルボン酸無水物、不飽和カルボン酸
ハライド、不飽和カルボン酸アミド、不飽和カルボン酸
イミドおよび不飽和カルボン酸のエステル化合物を挙げ
ることができる。このような誘導体の具体的な例として
は、塩化マレニル、マレイミド、無水マレイン酸、無水
シトラコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメ
チル、グリシジルマレエートを挙げることができる。
【0056】これらのグラフトモノマーは、単独で用い
ることもできるし、組み合わせて用いることもできる。 上記のようなグラフトモノマーのうちでは、不飽和ジカ
ルボン酸またはその酸無水物が好ましく、マレイン酸、
ナジック酸またはこれらの酸無水物が特に好ましい。
【0057】本発明において好ましく用いられる(B−
3)結晶性変成ポリオレフィンでは、変性率が、通常は
、0.01〜5重量%、好ましくは0.1〜4重量%の
範囲内である。
【0058】このような反応は、前記グラフトモノマー
を効率よくグラフト共重合させるためには、ラジカル開
始剤の存在下に反応を実施することが好ましい。グラフ
ト反応は通常60〜350℃の温度で行なわれる。ラジ
カル開始剤の使用割合は、未変性ポリエチレン、未変成
ポリプロピレンもしくは未変性エチレン・α−オレフィ
ン共重合体100重量部に対して、通常0.001〜5
重量部の範囲である。
【0059】ラジカル開始剤としては、有機ペルオキシ
ド、有機ペルエステルが好ましく用いられ、このようは
ラジカル開始剤の具体的な例としては、ベンゾイルペル
オキシド、ジクロルベンゾイルペルオキシド、ジクミル
ペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2
,5−ジメチル−2,5−ジ(ペルオキシドベンゾエー
ト)ヘキシン−3、1,4−ビス(tert−ブチルペ
ルオキシイソプロピル)ベンゼン、ラウロイルペルオキ
シド、tert−ブチルペルアセテート、2,5−ジメ
チル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキ
シン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−
ブチルペルオキシ)ヘキサン、tert−ブチルペルベ
ンゾエート、tert−ブチルペルフェニルアセテート
、tert−ブチルペルイソブチレート、tert−ブ
チルペル−sec−オクトエート、tert−ブチルペ
ルピバレート、クミルペルピバレートおよびtert−
ブチルペルジエチルアセテートを挙げることができる。
【0060】さらに本発明では、ラジカル開始剤として
アゾ化合物を用いることもでき、このアゾ化合物の具体
的な例としては、アゾビスイソブチロニトリルおよびジ
メチルアゾイソブチレートを挙げることができる。
【0061】これらのうちでは、ラジカル開始剤として
、ベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジ
−tert−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−
3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチル
ペルオキシ)ヘキサン、1,4−ビス(tert−ブチ
ルペルオキシイソプロピル)ベンゼン等のジアルキルペ
ルオキシドが好ましく用いられる。
【0062】本発明で用いられる(B−3)結晶性変成
ポリオレフィンには、その特性を損なわない範囲内で上
記のグラフト変性弾性共重合体が他の重合体あるいは共
重合体あるいは他のグラフト共重合体を含んでいてもよ
い。
【0063】(B−4)低結晶性ポリオレフィン本発明
で用いられる(B−4)低結晶性ポリオレフィンは、X
線回折法によって測定した結晶化度が30%以下のエチ
レン・α−オレフィン共重合体またはプロピレン・α−
オレフィン共重合体である。この(B−4)低結晶性ポ
リオレフィンは、結晶化度が20%以下または非晶性で
あることが好ましく、135℃、デカリン中で測定した
極限粘度[η]は、0.01〜10dl/g、好ましく
は0.08〜7dl/gの範囲であることが望ましい。
【0064】上記のエチレン・α−オレフィン共重合体
およびプロピレン・α−オレフィン共重合体は単独で用
いることもできるし、さらに両者を組み合わせて用いる
こともできる。
【0065】上記のエチレン・α−オレフィン共重合体
を構成するα−オレフィンとしては、通常、炭素数3〜
20のα−オレフィン、たとえばプロピレン、1−ブテ
ン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペ
ンテン、1−オクテン、1−デセンおよびこれらの混合
物を挙げることができる。このうち特に炭素数3〜10
のα−オレフィンが好ましい。
【0066】またプロピレン・α−オレフィン共重合体
ゴムを構成するα−オレフィンとしては、通常、炭素数
4〜20のα−オレフィン、たとえば1−ブテン、1−
ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、
1−オクテン、1−デセンおよびこれらの混合物を挙げ
ることができる。このうち特に炭素数4〜10のα−オ
レフィンが好ましい。
【0067】なお、本発明で用いられる(B−4)低結
晶性ポリオレフィンは、(B−4)低結晶性ポリオレフ
ィンの特性を損なわない範囲内で、ジエン化合物から誘
導される成分単位等のようなα−オレフィンから誘導さ
れる成分単位以外の成分単位を含んでいてもよい。例え
ば、本発明で用いられる(B−4)低結晶性ポリオレフ
ィンに含まれることが許容される成分単位としては、1
,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、2−メチ
ル−1,5−ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘプ
タジエン、7−メチル−1,6−オクタジエンのような
鎖状非共役ジエン;シクロヘキサジエン、ジシクロペン
タジエン、メチルテトラヒドロインデン、5−ビニルノ
ルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−
メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−
2−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペ
ニル−2−ノルボルネンのような環状非共役ジエン;2
,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エ
チリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、
2−プロペニル−2,2−ノルボルナジエン等のジエン
化合物から誘導される成分単位を挙げることができる。
【0068】このようなジエン成分は、単独であるいは
組み合わせて用いることができる。このようなジエン成
分の含有量は、通常は1〜20モル%、好ましくは2〜
15モル%である。
【0069】本発明で用いられるエチレン・α−オレフ
ィン共重合体においては、エチレンとα−オレフィンと
のモル比(エチレン/α−オレフィン)は、α−オレフ
ィンの種類によっても異なるが、一般に1/99〜99
/1、好ましくは30/70〜95/5である。
【0070】また本発明で用いられるプロピレン・α−
オレフィン共重合体においては、プロピレンとα−オレ
フィンとのモル比(プロピレン/α−オレフィン)は、
α−オレフィンの種類によっても異なるが、一般に30
/70〜95/5であることが好ましい。
【0071】本発明においては、上記のような(B−4
)低結晶性ポリオレフィンの中でも、エチレン含有量3
0〜95モル%、結晶化度10%以下のエチレン・プロ
ピレンランダム共重合体またはエチレン・α−オレフィ
ンランダム共重合体を用いることが特に好ましい。
【0072】(B−5)低結晶性変成ポリオレフィン本
発明で用いられる(B−5)低結晶性変成ポリオレフィ
ンは、上記のような(B−4)低結晶性ポリオレフィン
を、不飽和カルボン酸またはその誘導体でグラフト変性
したグラフト変性α−オレフィン共重合体である。この
ような(B−5)低結晶性変成ポリオレフィンは、X線
回折法によって測定した結晶化度が30%以下または非
晶性であることが好ましく、135℃、デカリン中で測
定した極限粘度[η]は、0.01〜10dl/g、好
ましくは0.08〜7dl/gの範囲であることが望ま
しい。
【0073】上記の(B−5)低結晶性変成ポリオレフ
ィンを製造するために用いられるグラフトモノマーとし
ては、前述した不飽和カルボン酸またはその誘導体を用
いることが好ましい。
【0074】本発明で用いられる(B−5)低結晶性変
成ポリオレフィンは、例えば上記のようなグラフトモノ
マーとα−オレフィン共重合体とを、従来公知の種々の
方法を採用して変性することにより製造することができ
る。
【0075】本発明において用いられる(B−5)低結
晶性変成ポリオレフィンは、変性率が通常0.01〜5
重量%、好ましくは0.1〜4重量%の範囲内にある共
重合体である。
【0076】このような反応は、前記グラフトモノマー
を効率よくグラフト共重合させるためには、ラジカル開
始剤の存在下に反応を実施することが好ましい。グラフ
ト反応は通常60〜350℃の温度で行なわれる。ラジ
カル開始剤の使用割合は、未変性α−オレフィン弾性共
重合体100重量部に対して通常0.001〜5重量部
の範囲である。
【0077】ラジカル開始剤としては、有機ペルオキシ
ド、有機ペルエステルが好ましく用いられ、このようは
ラジカル開始剤の具体的な例としては、前述した(B−
3)結晶性変成ポリオレフィンを製造する際に用いるラ
ジカル開始剤と同様の物を例示できる。
【0078】本発明で用いられる(B−5)低結晶性変
成ポリオレフィンは、通常は、上述のグラフト変性エチ
レン・α−オレフィン共重合体およびグラフト変性プロ
ピレン・α−オレフィン共重合体を単独であるいは組み
合わせて用いるが、グラフト変性α−オレフィン弾性共
重合体の特性を損なわない範囲内で上記のグラフト変性
弾性共重合体が他の重合体あるいは共重合体あるいは他
のグラフト共重合体を含んでいてもよい。
【0079】本発明に係るポリエステル組成物は上記の
ような[A]飽和ポリエステルと、(B−1)アイオノ
マー(B−2)結晶性ポリオレフィン、(B−3)結晶
性変成ポリオレフィン、(B−4)低結晶性ポリオレフ
ィン、(B−5)低結晶性変成ポリオレフィンからなる
群から選ばれる少なくとも一種のポリマーとから形成さ
れるが、必要に応じて下記のような[C]液晶性ポリマ
ーを含んでいてもよい。
【0080】[C]液晶性ポリマー 本発明では下記のような液晶性ポリマーを必要に応じて
添加することができる。
【0081】本発明において用いられる第1の液晶性ポ
リマーは、下記式[I]で表される芳香族オキシカルボ
ン酸残基、 −CO−Ar1−O−      …  [I](式[
I]中、Ar1はp−フェニレン基が少なくともその6
0%占める2価の芳香族炭化水素である。)下記式[I
I]で表される芳香族ジオール残基、−O−Ar2−O
−        …  [II](式[II]中、A
r2はp−フェニレン、4,4’−ジフェニレンおよび
ナフタレンよりなる群から選ばれる少なくとも1つの2
価の芳香族基である。)下記式[III]で表される4
,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル残基、
【00
82】
【化1】
【0083】および、下記式[IV]で表される芳香族
ジカルボン酸残基 −CO−Ar3−CO−    …  [IV](式[
IV]中、Ar3はp−フェニレン基が少なくともその
60%占める2価の芳香族炭化水素である。)を含有し
てなり、[I]、[II][III]および[IV]の
残基の全モル数を基準として、[I]残基は30〜80
モル%、[II]残基は1〜20モル%、[III]残
基は1〜32モル%および[IV]残基は10〜35モ
ル%を占め、かつ[II]残基と[III]残基とのモ
ル数の和は[IV]残基のモル数に実質的に等しい液晶
性ポリマーである。
【0084】本発明において用いられる第2の液晶性ポ
リマーは、下記式[V]で表される基、
【0085】
【化2】
【0086】(式[V]中、芳香族環に存在する水素原
子が、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアル
コキシ基およびハロゲン原子よりなる群から選ばれる原
子もしくは基で置換されていてもよい。)および、下記
式[VI]で表される基、
【0087】
【化3】
【0088】(式[VI]中、芳香族環に存在する水素
原子が、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のア
ルコキシ基およびハロゲン原子よりなる群から選ばれる
原子もしくは基で置換されていてもよい。)を含有して
なり、式[V]で表される基を10〜90モル%および
式[VI]で表される基を10〜90モル%の量で含有
する液晶性ポリマーである。
【0089】また、本発明において用いられる第3の液
晶性ポリマーは、下記式[VII]で表されるオキシベ
ンゾイル化合物、
【0090】
【化4】
【0091】下記式[VIII]で表される芳香族ジカ
ルボニル化合物、
【0092】
【化5】
【0093】および、下記式[IX]で表される芳香族
ジオキシ化合物
【0094】
【化6】
【0095】(上記式[VII]、[VIII]および
[IX]中、Xは−O−、−CO−、−S−または−S
O2−であり、mは0または1であり、nは0または1
であり、[VIII]と[IX]とのモル比は15:1
0ないし10:15であり、[VII]と[VIII]
とのモル比は1:100ないし100:1であり。R4
 、R5 およびR6 は水素原子、ベンゾイル基およ
び低級アルカノイル基よりなる群からそれぞれ独立に選
ばれた原子もしくは基を表し、R2 、R3 およびR
4 は水素原子、フェニル基、ベンジル基および低級ア
ルキル基よりなる群からそれぞれ独立に選ばれた原子も
しくは基を表し、該ジカルボニル化合物のカルボニル基
は互いにメタ位またはパラ位にあり、該ジオキシ化合物
のオキシ基は互いにメタ位またはパラ位にある。)を縮
合させて得られる液晶ポリマーである。
【0096】このような液晶ポリマーの融点は250〜
400℃、好ましくは280〜360℃であることが望
ましい。これらの液晶ポリマーのうち
【0097】
【化7】
【0098】(式中、Xは1〜100、Yは1〜100
、Zは0〜100である。)の構造を有する液晶ポリマ
ーが特に好ましい。本発明に係るポリエステル組成物は
[A]成分が95〜60重量部、好ましくは90〜70
重量部、より好ましくは85〜75重量部と、[B]成
分が1〜30重量部、好ましくは5〜20重量部、より
好ましくは5〜15重量部からなっていることが望まし
い。また必要に応じて[C]成分を5〜30重量部、好
ましくは10から25重量部添加してもよい。
【0099】このような本発明に係るポリエステル組成
物は、耐熱性、耐衝撃性、流動性に優れている。なお、
本発明に係るポリエステル組成物は、上記の各成分以外
に本発明の目的を損なわない範囲で、シリカ、ケイ藻土
、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、軽石粉、
軽石バルーン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ
ム、塩基性炭酸マグネシウム、ドロマイト、硫酸カルシ
ウム、チタン酸カリウム、硫酸バリウム、亜硫酸カルシ
ウム、タルク、クレー、マイカ、アスベスト、ガラス繊
維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、ケイ酸カルシウム
、モンモリロナイト、ベントナイト、グラファイト、ア
ルミニウム粉、硫化モリブデン、ボロン繊維、炭化ケイ
素繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリ
エステル繊維、ポリアミド繊維等の充填剤および安定剤
等を配合してもよい。
【0100】本発明に係るポリエステル組成物の製法と
しては、公知の方法が適用でき、前記各成分ならびに所
望により添加される他の成分を押出機、ニーダー等で機
械的にブレンドする方法、あるいは各成分を適当な良溶
媒、たとえばヘキサン、ヘプタン、デカン、シクロヘキ
サン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素溶媒
に同時に溶解または分散し、またはそれぞれ別々に溶解
または分散した後混合し、溶媒を除去する方法さらには
これらの二つの方法を組み合わせて行う方法等を挙げる
ことができる。
【0101】本発明に係るポリエステエル組成物からな
る成形体は、上記ポリエステエル組成物を270〜35
0℃、好ましくは280〜230℃に加熱溶融し、射出
成形または押出成形で成形する。次いで、得られた成形
体を150〜240℃、好ましくは160〜220℃に
加熱する。加熱時間は通常0.5〜30分、好ましくは
1〜10分であることが望ましい。成形体の加熱は金型
内で行うことが好ましく、射出成形の場合は射出した金
型内で加熱することもできる。
【0102】このような成形体の結晶化度は20%以上
、好ましくは25%以上であることが望ましい。本発明
に係るポリエステエル組成物は、電子レンジまたはオー
ブンレンジで加熱調理する食品用容器以外にも、耐熱性
および耐衝撃性が必要な成形体に広く用いることができ
る。
【0103】
【発明の効果】本発明に係るポリエステエル組成物は、
飽和ポリエステルを主成分としアイオノマー、結晶性ポ
リオレフィン、結晶性変成ポリオレフィン、低結晶性ポ
リオレフィン、低結晶性変成ポリオレフィンの少なくと
も一種と、液晶性ポリマーを含んでいるので、この組成
物を用いると耐衝撃性および耐熱性に優れた成形体を得
ることができる。特に、電子レンジまたはオーブンレン
ジで加熱調理する食品用容器として用いると、280℃
程度に加熱しても容器が変形することがなく、また取扱
い時に落としても割れることが少ない、さらに耐油性、
成形性、経済性(安価)に優れ、外観が良好であり、か
つ食品の味や風味を落とすことがない。
【0104】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。
【0105】なお、本発明おいて成形体の物性は以下の
ようにして測定される。 [耐熱性(mm)]試料(100mm×100mm×0
.5mm)に100gの荷重を加えた状態で280℃の
オーブン中に10分間放置したのち、オーブンから取り
出して25分後のたわみ量をmmで示した。数値が小さ
い方が耐熱性が良好である。
【0106】[耐衝撃性(kg)]フィルムインパクト
テスターにより衝撃エネルギーを求めた。なお、測定に
は衝撃頭球面の形状が1/2インチφのものを使用した
【0107】[味覚変化]成型後結晶化して得たトレイ
中に100mlの蒸留水を仕込み、開口部をヒートシー
ルした後、5℃に調温した冷暗所に静置した。
【0108】30日間経過後、冷暗所から取り出して味
覚変化を調べた。この際、コントロールとして、同時に
調整して同条件で静置しておいた密栓したガラス容器中
の蒸留水を用いた。
【0109】○:コントロールと味覚がほとんど変わら
ない。 [外観]結晶化ごのトレイの見掛けの状態を調べた。
【0110】○:トレイにゆがみ、へこみ、色むらなど
の外観上の欠点が全くない。 ×:ゆがみ、へこみ、色むらなどの外観上の欠点が一つ
でも該当する場合。 [ヒートシール性(kg/15mm)]JIS Z−1
707に示される測定法に準じて、ヒートシール温度3
00℃、ヒートシール圧力2kgf/cm2、ヒートシ
ール時間2秒の条件でヒートシールした。
【0111】次いで、ヒートシール後の試験片をヒート
シール部を中央にして180°に開いて、その両端を引
張試験機の両つかみに取付け、ヒートシール部が破断す
るまで引張荷重(300mm/min)を加え、その間
の最大荷重を求める。
【0112】
【実施例1】[A]成分としてポリエチレンテレフタレ
ート[三井ペット樹脂(株)製]90重量部と、[B]
成分のアイオノマーとしてエチレンとメタクリル酸の共
重合体で該化合物のカルボキシル基をNaで一部部分塩
にした化合物10重量部とからなるポリエステル組成物
を310℃に加熱し、10℃の金型に射出して食品用ト
レーを成形した。次いで、このトレーを金型内にて80
℃で5分間加熱した。
【0113】このようにして成形されたトレーの物性を
測定した。結果を第1表に示す。
【0114】
【実施例2】[B]成分としてアイオノマーの代わりに
高密度ポリエチレン(HDPE)10重量部を用いた以
外は、実施例1と同様にしてトレーを成形した。
【0115】このようにして成形されたトレーの物性を
測定した。結果を第1表に示す。
【0116】
【実施例3】[A]成分としてポリエチレンテレフタレ
ート[三井ペット樹脂(株)製]80重量部と、[C]
成分として液晶性ポリマー[住友化学工業(株)製エコ
ノールE−2000TM]10重量部と、[B]成分と
して実施例1で用いたものと同様のアイオノマー10重
量部を使用して、実施例1と同様にしてトレーを成形し
た。
【0117】このようにして成形されたトレーの物性を
測定した。結果を第1表に示す。
【0118】
【実施例4】[B]成分としてアイオノマーの代わりに
高密度ポリエチレン(HDPE)10重量部を用いた以
外は、実施例3と同様にしてトレーを成形した。
【0119】このようにして成形されたトレーの物性を
測定した。結果を第1表に示す。
【0120】
【比較例1】ポリエチレンテレフタレート[三井ペット
樹脂(株)製]100重量部からなるポリエステル組成
物を280℃に加熱し、10℃の金型に射出して食品用
トレーを成形した。次いで、このトレーを金型内にて1
80℃で5分間加熱した。
【0121】このようにして成形されたトレーの物性を
測定した。結果を第1表に示す。
【0122】
【表1】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】[A]飽和ポリエステルと、[B]下記の
    群から選ばれる少なくとも一種のポリマーと(B−1)
    アイオノマー (B−2)結晶性ポリオレフィン (B−3)結晶性変成ポリオレフィン (B−4)低結晶性ポリオレフィン (B−5)低結晶性変成ポリオレフィンからなることを
    特徴とするポリエステル組成物。
  2. 【請求項2】[A]飽和ポリエステルと、[B]下記の
    群から選ばれる少なくとも一種のポリマーと(B−1)
    アイオノマー (B−2)結晶性ポリオレフィン (B−3)結晶性変成ポリオレフィン (B−4)低結晶性ポリオレフィン (B−5)低結晶性変成ポリオレフィンとからなるポリ
    エステル組成物から形成される成形体。
  3. 【請求項3】[A]飽和ポリエステルと、[B]下記の
    群から選ばれる少なくとも一種のポリマーと(B−1)
    アイオノマー (B−2)結晶性ポリオレフィン (B−3)結晶性変成ポリオレフィン (B−4)低結晶性ポリオレフィン (B−5)低結晶性変成ポリオレフィンとからなるポリ
    エステル組成物を成形し、次いで該成形体を150〜2
    40℃に加熱することを特徴とするポリエステル組成物
    からなる成形体の製造方法。
JP15012291A 1991-06-21 1991-06-21 ポリエステル組成物および該組成物からなる成形体ならびにその製造方法 Pending JPH04372648A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15012291A JPH04372648A (ja) 1991-06-21 1991-06-21 ポリエステル組成物および該組成物からなる成形体ならびにその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15012291A JPH04372648A (ja) 1991-06-21 1991-06-21 ポリエステル組成物および該組成物からなる成形体ならびにその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH04372648A true JPH04372648A (ja) 1992-12-25

Family

ID=15489966

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15012291A Pending JPH04372648A (ja) 1991-06-21 1991-06-21 ポリエステル組成物および該組成物からなる成形体ならびにその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH04372648A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6355319B1 (en) 1998-09-30 2002-03-12 Mitsui Chemicals Inc Polyester resin composition and hollow molded container made therefrom
CN103254583A (zh) * 2013-05-06 2013-08-21 常熟市永祥机电有限公司 耐磨的聚对苯二甲酸乙二醇酯模塑料的制备方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6355319B1 (en) 1998-09-30 2002-03-12 Mitsui Chemicals Inc Polyester resin composition and hollow molded container made therefrom
CN103254583A (zh) * 2013-05-06 2013-08-21 常熟市永祥机电有限公司 耐磨的聚对苯二甲酸乙二醇酯模塑料的制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6294269B1 (en) Coextrusion binder, its use in a multilayer structure and the structure thus obtained
AU629126B2 (en) An adhesive resin composition, laminate comprising this composition as adhesive layer
US4849293A (en) Amorphous polyester compositions and uses thereof
JPH04372648A (ja) ポリエステル組成物および該組成物からなる成形体ならびにその製造方法
JPH0579700B2 (ja)
US5922829A (en) Foamable copolyesters prepared from divalent metal containing co-ionomers
JPH01165413A (ja) 二重オーブン加熱ナイロン容器
JPS62208245A (ja) 食品の加熱方法
CA2171330C (en) Thermoplastic polyester resin composition
JP2002249754A (ja) 接着剤用樹脂組成物及び積層体
JPS6084352A (ja) ポリエステル樹脂組成物
JP2007238851A (ja) 液晶性樹脂成形品及びその製造方法
JP2005023093A (ja) ポリエステル樹脂組成物
JPH0113740B2 (ja)
JP4433248B2 (ja) 多層ポリエステルシートおよびその成型品
JPH0364549B2 (ja)
KR970002088B1 (ko) 열가소성 폴리에스테르 수지조성물
JP2760595B2 (ja) 積層体
JP3330693B2 (ja) 飽和ポリエステル樹脂組成物成形体
JPH02127437A (ja) ポリエステル樹脂組成物よりなるシート及びその熱成形体
JP2005023094A (ja) ポリエステル樹脂組成物
JP3445318B2 (ja) 熱可塑性ポリエステル樹脂組成物
JPH0280444A (ja) ポリエステル樹脂組成物
JPH0977924A (ja) 接着性エチレン系共重合体樹脂組成物およびその組成物を用いた積層体
JPH04275363A (ja) 熱可塑性樹脂組成物