JPH043722Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、バリ取りプレス用段取り替え装置
に関し、特に段取り替え時間を短縮できるととも
に、設備の稼動率を向上させ、さらに設備スペー
スを低減するのに好適なバリ取りプレス用段取り
替え装置の改良にかかるものである。

〔従来の技術〕

従来、鋳物のバリ取りプレス装置は部品毎に専
用機化され、部品の種類が変わる毎に段取り替え
は行われていなかつた。

しかしながら、部品の多品種少量生産が進む中
で、形状の異なる数種類のワークのバリ取りを行
うために、ワークの受け治具、バリ取りカツタ等
を段取り替えする必要が生じてきている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところで、バリ取りプレス装置の受け治具、カ
ツタ等はワークの形状に倣つた形状を有してお
り、形状の異なるワークを加工するためにはそれ
らを交換する必要があつた。

しかしながら、従来のバリ取りプレス装置はプ
レスの構造上、受け治具、カツタ等を容易に交換
することは困難であるという問題があつた。

このため、従来から専用機化が進められてきた
が、投資額負担の少ない専用機を製作することは
コスト的に無理であるという問題があつた。

従つて、本考案の目的は、多種類のワークの段
取り替えを短時間で行うとともに、設備の稼動率
を向上し、あわせて設備スペースを低減すること
にある。

〔問題点を解決するための手段〕

このため、本考案にかかるバリ取りプレス用段
取り替え装置は、形状の異なる複数種類のワーク
に対応して、複数種類設けた受け治具およびカツ
タを迅速に段取り替えできる構成としたことを特
徴とするものである。

具体的には、プレス本体に固定されたシリンダ
により駆動され昇降可能とされたラムと、前記ラ
ムにカツタスライドレールを介して取り付けら
れ、カツタスライドシリンダにより水平方向にス
ライド可能とされたカツタと、前記プレス本体に
併設されたワーク受け治具収納部内に、プレス中
心線に対して対称位置に一対設けられ、該ワーク
受け治具収納部に固定された一対のシリンダによ
りそれぞれ駆動され昇降可能とされた受け治具載
せフレームと、前記プレス本体内の前記プレス中
心線上に設けられ、受け治具スライドシリンダに
より前記カツタのスライド方向と交差する方向に
スライド可能とされた受け治具スライドベースと
からなることを特徴とするものである。

〔作用〕

上記の構成にかかる本考案の作用を説明する
と、段取り替え毎に、ラムに取り付けられた複数
種類のカツタを、プレス位置まで水平方向にスラ
イドさせることができる。

また、同時に、プレス中心線に対して対称位置
に一対ずつ、しかも多段に設けられた受け治具載
せフレームを、段取り替えが可能な位置まで昇降
させることができる。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。

第１図は本考案にかかるバリ取りプレス用段取
り替え装置の概略構成を示す正面図、第２図はそ
の平面図、第３図は同じく、その背面図、第４図
は同じく、その側面図である。

バリ取りプレス用段取り替え装置１は、ラム２
と、カツタ４，５と、受け治具載せフレーム６，
７および受け治具スライドベース８から構成され
ている。

ラム２は、プレス本体２２に固定されたシリン
ダ２４により駆動され昇降可能とされている。２
６はラム昇降用ガイドロツドである。

カツタ４，５は、ラム２にカツタスライドレー
ル４２を介して取り付けられ、カツタスライドシ
リンダ４４により水平方向にスライド可能とされ
ている。

また、カツタ４は受け治具１０２および１０４
にセツトするワークのためのものであり、カツタ
５は受け治具１０６および１０８にセツトするワ
ークのためのものである。

なお、４６はカツタスライドレール４２に取り
付けられ、その上をすべつて移動するカツタスラ
イドベースである。

受け治具載せフレーム６，７は、プレス本体２
２に併設されたワーク受け治具収納部６２内に、
プレス中心線に対して対称位置に一対設けられて
いる。

そして、ワーク受け治具収納部６２に固定され
た一対の油圧シリンダ６４および６５により、そ
れぞれ駆動され昇降可能とされている。

受け治具スライドベース８は、プレス本体２２
内のプレス中心線上に設けられ、受け治具スライ
ドシリンダ８２によりカツタ４のスライド方向と
交差する方向にスライド可能とされている。

なお、１０２，１０４，１０６および１０８は
受け治具であり、本実施例においては受け治具１
０４のバリ取りを行うようにセツトされた状態を
示している。

そして、１０４Ａは受け治具１０４の保管場所
を示すものである。

上記の構成にかかる実施例の作用を受け治具１
０８用のワークのバリ取りを行う場合を例にとつ
て説明する。

まず、カツタを交換するときは、カツタスライ
ドシリンダ４４を作動させることにより、カツタ
４，５を取り付けたカツタスライドベース４６が
カツタスライドレール４２上を移動させる。

これによつて、カツタ５をカツタ４の位置に移
動させることができる。また、これによりカツタ
４を４Ａの位置に移動させることができる。

次に、受け治具を交換するときは、まず受け治
具１０４を１０４Ａの位置へ手で移動させる。こ
れは受け治具スライドベース８および受け治具載
せフレーム６にローラ（図示しない）が組み込ま
れているためである。

そして、シリンダ６５を駆動して受け治具載せ
フレーム７を上昇させることにより、受け治具１
０８を受け治具１０６の位置に移動させる。

次に、受け治具１０８を受け治具１０４の位置
に手で移動させる。

このようにして、カツタおよび受け治具の交換
作業を終了させることができ、受け治具１０８に
セツトするワークのバリ取り作業に入ることがで
きる。

以上、本考案を特定の実施例に基づいて説明し
たがこれに限定されるものではなく、実用新案登
録請求の範囲に記載した範囲内で当業者が実施可
能な種々の別な態様が考えられる。

例えば、上記の実施例においては、ラム昇降用
あるいは受け治具載せフレーム昇降用のシリンダ
は、油圧により駆動したが、油圧でなくても電
動、あるいはエアにより駆動するようにしてもよ
い。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案にかかるバリ取り
プレス用段取り替え装置は、形状の異なる複数種
類のワークに対応して、受け治具およびカツタを
複数種類設けて迅速に取り替えできる構成とした
ため、多種類のワークの段取り替えを短時間で行
うことができる。

このため、設備の稼動率を向上させることがで
き、従来２台必要であつたものが１台ですみ、設
備投資額を低減させることができる。

さらに、設備台数の減少により設備スペースを
低減することができるというすぐれた効果を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかるバリ取りプレス用段取
り替え装置の概略構成を示す正面図、第２図はそ
の平面図、第３図は同じく、その背面図、第４図
は同じく、その側面図である。 １……バリ取りプレス用段取り替え装置、２…
…ラム、４，５……カツタ、６，７……受け治具
載せフレーム、８……受け治具スライドベース、
２２……プレス本体、２４，６４，６５……シリ
ンダ、４２……カツタスライドレール、４４……
カツタスライドシリンダ、６２……ワーク受け治
具収納部、８２……受け治具スライドシリンダ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. プレス本体に固定されたシリンダにより駆動さ
   れ昇降可能とされたラムと、前記ラムにカツタス
   ライドレールを介して取り付けられ、カツタスラ
   イドシリンダにより水平方向にスライド可能とさ
   れたカツタと、前記プレス本体に併設されたワー
   ク受け治具収納部内に、プレス中心線に対して対
   称位置に一対設けられ、該ワーク受け治具収納部
   に固定された一対のシリンダによりそれぞれ駆動
   され昇降可能とされた受け治具載せフレームと、
   前記プレス本体内の前記プレス中心線上に設けら
   れ、受け治具スライドシリンダにより前記カツタ
   のスライド方向と交差する方向にスライド可能と
   された受け治具スライドベースとからなることを
   特徴とするバリ取りプレス用段取り替え装置。