JPH043707B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

〔発明の技術分野〕 この発明はプリンタを利用してカラー原稿を読
取るカラー読取り装置に関するものである。 〔発明の技術的背景とその問題点〕 最近、文字や図形等が描かれた原稿の読取り
を、専用の読取り装置を使用する代わりに、プラ
テンに沿つてその長さ方向に移動する移動台に印
字ヘツドとリボン送り駆動部とを設け、リボン巻
取軸を前記リボン送り駆動部に係合させて前記移
動台にセツトされるリボンカセツト内のインクリ
ボン（インクテープ等も含む）を送り駆動しなが
らこのインクリボンのインクを前記印字ヘツドに
より前記プラテンに巻付けられた用紙に転写する
プリンタを利用して行なうことが考えられてい
る。 このプリンタを利用する原稿の読取りは、一般
に、前記プリンタのプラテンに読取り原稿を巻付
けると共に、前記移動台に前記リボンカセツトに
代えてライン型イメージセンサをセツトして、プ
ラテンの回転による原稿送りと、移動台の移動に
よる原稿巾方向へのイメージセンサの走査とを行
なわせることによつて行われており、このような
読取り方法によれば、プリンタをそのまま利用し
て原稿の読取りを行なうことができる。 しかしながら、従来は、イメージセンサだけを
プリンタの移動台にセツトして、プラテンに巻か
れた原稿を直接イメージセンサに読取らせるよう
にしているために、カラー読取りを行なうには、
前記イメージセンサとしてテレビカメラ等に使用
されているダイクロイツクミラーを用いた撮像用
のエリア型カラーイメージセンサと同じ原理でカ
ラー読取りを行なうカラーセンサを使用しなけれ
ばならず、このカラーセンサはライン型のもので
よいから前記エリア型のカラーイメージセンサよ
りは安価ではあるものの、濃淡の検出だけを行な
う通常のセンサに比べると非常に高価であるため
に、原稿の読取りにこのような高価なカラーセン
サを使用することはコストの面で全く折り合わな
いから、従来は、イメージセンサとして通常のセ
ンサを使用して、原稿がカラー原稿である場合で
も濃淡だけを検出する白黒読取りを行なうしかな
いとされていた。 また、他のカラー読取り装置としては、イメー
ジセンサとして濃淡の検出だけを行なう通常のセ
ンサを使用し、このイメージセンサの前方に赤色
透過フイルタと緑色透過フイルタと青色透過フイ
ルタとを交互に挿入することにより、赤色透過フ
イルタを挿入したときのイメージセンサの出力を
赤色赤色信号として取出し、緑色透過フイルタを
挿入したときのイメージセンサの出力を緑色信号
として取出し、青色透過フイルタを挿入したとき
のイメージセンサの出力を青色信号として取出す
カラー読取りを行なう装置があり、このカラー読
取り装置によればイメージセンサとして安価な通
常のセンサを使用できるから、低コストのカラー
読取りを行なうことができる。 しかし、このようなフイルタ交換方式のカラー
読取り装置を前記プリンタを利用する原稿の読取
りに採用するには、前記各色のフイルタをどのよ
うにしてプリンタの移動台にセツトするか、この
各色のフイルタの交換をどのようにして行なうか
という課題を解決しなければならず、そのため
に、プリンタを利用する原稿読取りに前記フイル
タ交換方式のカラー読取り装置を採用することは
非常に難しいとされていた。 〔発明の目的〕 この発明は上記のような実情にかんがみてなさ
れたものであつて、その目的とするところは、セ
ンサと各色のフイルタとをプリンタの移動台に一
括して簡単にセツトできるようにすると共に、前
記各色のフイルタの交換も非常に簡単に行なえる
ようにした、低コストなカラー読取り方式である
フイルタ交換方式によつてプリンタを利用するカ
ラー読取りを行なうことができるカラー読取り装
置を提供することにある。 〔発明の概要〕 すなわち、この発明は、プリンタの移動台にリ
ボンカセツトと交換してセツトされるケース内
に、長さ方向に赤色透過フイルタ部と緑色透過フ
イルタ部と青色透過フイルタ部とを順次形成した
フイルタテープと、前記移動台のリボン送り駆動
部と係合して前記フイルタテープを送り駆動する
テープ送りローラと、前記プラテンに巻かれた原
稿を前記フイルタテープを通して読取るセンサと
を設けることにより、前記センサと各色のフイル
タとをプリンタの移動台に一括してセツトできる
ようにすると共に、前記移動台のリボン送り駆動
部により前記テープ送りローラを駆動させて前記
フイルタテープを送ることによつて前記センサの
前方に所望のフイルタ部を移動させるようにした
構成のものである。 〔発明の実施例〕 以下、この発明の一実施例を図面を参照して説
明する。 まずこの発明のカラー読取り装置をセツトする
ことによつて原稿の読取りにも利用されるプリン
タの構成について説明すると、第１図は一般に使
用されている感熱転写型サーマルプリンタを示し
たもので、図中１はプリンタ本体、２はプラテ
ン、３は給紙口であり、プリント用紙はこの給紙
口３から挿入されてプラテン２に巻付けられ、ス
テツピングモータにより駆動される紙送りローラ
（図示せず）によつて所定量ずつ送られてプリン
トの進行にともないプラテン２の上方に送り出さ
れるようになつている。なお、図中４は前記紙送
りローラの駆動軸、５ａ，５ｂはプラテン駆動ギ
ヤ、６は前記プラテン２を手動により回転させる
手動紙送りノブである。 また、第１図において、７は前記プラテン２に
沿つてその長さ方向に移動する移動台であり、こ
の移動台７は、ガイドシヤフト８に案内されて、
移動台送りワイヤ９により所定速度で往復移動さ
れるようになつている。 １０は前記移動台７のプラテン２と対向する前
端部に設けられた印字用サーマルヘツド、１１は
前記移動台７に設けられたリボン送り駆動部であ
り、このリボン送り駆動部１１は、前記移動台７
を貫通する駆動軸１２の上端に固定されたリボン
送り駆動ハブ１３と、前記移動台７の下側に設け
られて前記駆動軸１２を駆動するギヤ機構（図示
せず）とからなつており、前記ギヤ機構は、プリ
ンタ本体１に前記移動台７の移動方向に沿わせて
設けられたラツク１４にこのギヤ機構を噛合わさ
せた状態で前記移動台７を移動させることによ
り、前記ラツク１４から駆動力を受けて前記駆動
軸１２を駆動するようになつている。 また、１５は前記移動台７の上面にセツトされ
るリボンカセツトであり、このリボンカセツト１
５は、第１図にはその外形だけを示したが、カセ
ツトケース内にリールに巻かれたインクリボンと
このインクリボンの巻取軸を収容した構成となつ
ており、このリボンカセツト１５は、前記リボン
巻取軸を前記移動台７に設けられているリボン送
り駆動部１１のリボン送り駆動ハブ１３に嵌込み
係合させて前記移動台７上にセツトされるように
なつている。 このサーマルプリンタは、前記移動台７をプラ
テン２の長さ方向に移動させると共に、この移動
台７上にセツトしたリボンカセツト１５内のイン
クリボンを前記リボン送り駆動部１１により移動
台７の移動速度と同調させて送り駆動しながら、
このインクリボンのインクを前記サーマルヘツド
１０により前記プラテン２に巻付けられたプリン
ト用紙に転写するもので、前記移動台７は、プリ
ント時には前記リボン送り駆動部１１のギヤ機構
をプリンタ本体１のラツク１４の噛合わせた状態
で左端のホームポジシヨン位置から右端のリター
ン位置まで前記インクリボンを送り駆動しながら
移動され、復帰時には前記ギヤ機構を前記ラツク
１４から離脱させた状態（移動台７をプラテン２
と反対側に回動させた状態）でインクリボンの送
りを行なわずにホームポジシヨン位置に移動され
るようになつている。 次に、上記サーマルプリンタにセツトして使用
されるカラー読取り装置の構成を説明する。 第２図は前記カラー読取り装置を示したもの
で、図中２１は前記プリンタの移動台７上に前記
リボンカセツト１５と交換してセツトされるケー
スであり、このケース２１は、前記リボンカセツ
ト１５のカセツトケースとほぼ同じ大きさのもの
とされており、このケース２１の前面には読取り
窓２２が開口されている。なお、２３はサーマル
ヘツド１０に対する逃げ部である。 このケース２１内には、両端が開放する筒内に
結像レンズ２５を設けた鏡筒２４がその前端を前
記読取り窓２２と対向させた状態で固定されてお
り、この鏡筒２４内の後端には光の濃淡を検出す
るライン型のイメージセンサ（例えば16個の受光
素子を一列に配列したMOS型ラインイメージセ
ンサ）２６が設置されている。 また、前記ケース２１内には、前記鏡筒２４の
側方に位置させて、このケース２１をプリンタの
移動台７上にセツトしたときにこの移動台７に設
けられているリボン送り駆動部１１のリボン送り
駆動ハブ１３に嵌込み係合される円筒状のテープ
送りローラ２７が回転可能に設けられており、さ
らに前記ケース２１内の後部両側には、一対のテ
ープガイドローラ２８，２９が配置され、前記読
取り窓２２の内側には、前記鏡筒２４の前端と対
向する部分に開口を有するテープガイド板３０が
設けられている。 また、第２図において、３１は、長さ方向にカ
ラー読取り用の赤色透過フイルタ部Ｒと緑色透過
フイルタ部Ｇと青色透過フイルタ部Ｂと、白黒読
取り用の透明フイルタ部Ｗとを順次形成したエン
ドレステープ状のフイルタテープであり、このフ
イルタテープ３１は、４種類のテープ状フイルタ
をつなぎ合せて製作されたもので、各フイルタ部
Ｒ，Ｇ，Ｂ，Ｗは全て同一長さ（例えば30mm）と
されている。 そして、このフイルタテープ３１は、前記テー
プ送りローラ２７と一対のテープガイドローラ２
８，２９とテープガイド板３０とに掛けられて前
記鏡筒２４を囲むように装着されており、このフ
イルタテープ３１は、バネ３３によつて前記テー
プ送りローラ２７側に押圧される回動アーム３２
の先端に設けられたピンチローラ３４により前記
テープ送りローラ２７に押付けられて、このテー
プ送りローラ２７により送り駆動されるようにな
つている。また、前記一対のテープガイドローラ
２８，２９のうち前記テープ送りローラ２７の後
方に位置するガイドローラ２８は、バネ３６によ
つて外側に押圧される回動アーム３５の先端に設
けられていて、前記フイルタテープ３１に一定の
テンシヨンを与えるようになつており、他方のテ
ープガイドローラ２９は定位置でフイルタテープ
３１を案内する固定ローラとされている。 また、前記ケース２１内の前記テープガイド板
３０の外側には、前記読取り窓２２に向けて、原
稿の読取り面を照明するレンズ付き白熱ランプ３
７が設けられており、このランプ３７の前方に
は、分光特性が赤色にかたよつている前記レンズ
付白熱ランプ３７の光の色を白色光に近づけるた
めの色温度変換フイルタ３８が設置されている。 さらに、前記ケース２１内の前記テープガイド
板３０の内側には、前記固定ローラ２９とテープ
ガイド板３０との間のフイルタテープ部分の色を
検出する２個の色識別素子３９ａ，３９ｂが配置
されている。 この２個の色識別素子３９ａ，３９ｂは、前記
固定ローラ２９とテープガイド板３０との間のフ
イルタテープ部分の色を検出することによつて前
記フイルタテープ３１のどのフイルタ部が前記鏡
筒２４の前にきているかを判定するために設けら
れているもので、一方の色識別素子３９ａは光電
変換素子（例えばフオトトランジスタ）の受光面
に赤色透過フイルタを設けた赤色検出素子とさ
れ、他方の色識別素子３９ｂは光電変換素子の受
光面に青色透過フイルタを設けた青色検出素子と
されている。 下記の表は、前記２個の色識別素子３９ａ，３
９ｂによつて検出されるフイルタテープ３１のフ
イルタ部と、前記鏡筒２４の前にあるフイルタ部
との関係を示したもので、例えば第２図に示すよ
うに色識別素子３９ａ，３９ｂの前に青色透過フ
イルタ部Ｂがきている状態では、赤色検出素子３
９ａの出が０、青色検出素子３９ｂの出力が１と
なり、このときは、鏡筒２４の前に緑色透過フイ
ルタ部Ｇがきていると判定され、この状態では、
前記イメージセンサ２６の出力は緑色信号として
取出される。また、色識別素子３９ａ，３９ｂの
前に赤色透過フイルタ部Ｒがきている状態では、
赤色検出素子３９ａの出力は１、青色検出素子３
９ｂの出力は０となり、このときは、鏡筒２４の
前に白黒読取り用透明フイルタ部Ｗがきていると
判定され、この状態では前記イメージセンサ２６
の出力は白黒信号として取出される。

【表】

〔発明の効果〕

この発明によれば、センサと各色のフイルタと
をプリンタの移動台に一括して簡単にセツトでき
ると共に、前記各色のフイルタの交換も非常に簡
単に行なうことができ、従つてフイルタ交換によ
る低コストなカラー読取り方式によつてプリンタ
を利用するカラー読取りを行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明の一実施例を示したもので、第
１図はこの発明のカラー読取り装置をセツトする
ことによつて原稿読取りに利用されるプリンタの
斜視図、第２図はカラー読取り装置の横断平面
図、第３図はプリンタにカラー読取り装置をセツ
トした状態の斜視図である。 １……プリンタ本体、２……プラテン、７……
移動台、１０……印字用サーマルヘツド、１１…
…リボン送り駆動部、１３……リボン送り駆動ハ
ブ、２１……ケース、２４……鏡筒、２５……結
像レンズ、２６……イメージセンサ、２７……テ
ープ送りローラ、３１……フイルタテープ、Ｒ…
…赤色透過フイルタ部、Ｇ……緑色透過フイルタ
部、Ｂ……青色透過フイルタ部、Ｗ……透明フイ
ルタ部、３７……レンズ付き白熱ランプ、３８…
…色温度変換フイルタ、３９ａ，３９ｂ……色識
別素子。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ プラテンに沿つてその長さ方向に移動する移
   動台に印字ヘツドとリボン送り駆動部とを設け、
   リボン巻取軸を前記リボン送り駆動部に係合させ
   て前記移動台にセツトされるリボンカセツト内の
   インクリボンを送り駆動しながらこのインクリボ
   ンのインクを前記印字ヘツドにより前記プラテン
   に巻付けられた用紙に転写するプリンタを利用し
   て、原稿を読取るカラー読取り装置であつて、前
   記リボンカセツトと交換して前記移動台にセツト
   されるケース内に、長さ方向に赤色透過フイルタ
   部と緑色透過フイルタ部と青色透過フイルタ部と
   を順次形成したフイルタテープと、前記移動台の
   リボン送り駆動部と係合して前記フイルタテープ
   を送り駆動するテープ送りローラと、前記プラテ
   ンに巻かれたカラー原稿を前記フイルタテープを
   通して読取るセンサとを設けたことを特徴とする
   カラー読取り装置。