JPH0436868Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は店頭等での販売を白地などの無彩色と
し、少女少年などの購買者が家庭で塗り絵を楽し
むと同様にその無彩色の人形体外面に設けたガイ
ドに従つて失敗なく絵の具で色を塗りわけて所望
の彩色を施すことができるようにするものであつ
て、衣裳などの色の塗り分けによる着色を自由に
できる新形式の人形体を色塗り素材として提供す
るものである。

（従来の技術） ひな人形等の節句人形その他の人形は、色紙折
り人形のように比較的親しみ易いもの であつて
もすべてが色彩模様までを施した完成品として販
売されており、少女、少年その他の家庭人が、木
粉、合成樹脂などの可塑性材料により衣裳を着せ
た態様で制作した白色等の立体的な無彩色人形を
買い入れ、独自の発想に基いて衣裳などに色の塗
り分けを施す工作を楽しむことは出来なかつた。

（本考案が解決しようとする問題点） 前記した従来技術に鑑み、本考案は人形として
は半完成品であるが、その半完成品を販売の対象
として捉え、従来の人形によつては実現できなか
つた立体塗り絵を施して所望の彩色人形の創作を
簡易にできるようにすることを課題とするもので
ある。

（問題点を解決するための手段） 本考案は前記した課題を解決することを目的と
するもので、衣裳を着せた態様で人形体１を可塑
性材料により成形し、その表面に色を塗り分ける
ガイドを構成する細溝または細溝からなる区分線
６を前記の人形体の成形と共に一体に設けたこと
を特徴とする色塗分け用無彩色人形に係るもので
ある。

（実施例） 添付図面は本考案の一実施例を示すもので、１
は桐木粉、コルク木粉等の比重の軽い木粉に適量
の糊料（接着料）を混合してなる可塑性材料を人
形型により圧縮して成形した内裏びな形の人形体
を示し、かしら２と座形体躯３とを１体形成し、
座形体躯３は衣裳４により全体を包んだ形態に形
成する。その衣裳４は縫腋袍ａ、平緒ｂ、表衿
ｃ、下襲の裾ｄ等、官中の公卿束帯をかたどつた
形態からなり、夫々は同じ色彩でないので、縫腋
袍ａの胸の両表袍ｃ膝の間、下襲の裾ｄ等にひだ
を表し或るいは色を塗り分けるガイドを構成する
突条（又は細溝）からなるひだ線５、区分線６を
人形体１の成形と共に一体に設ける。可塑性材料
が木粉を主とするため、購入者が適宜に施す塗り
色と混色するおそれがあるときは、白色顔料粉を
乾燥性溶剤で溶いて表面に塗布し、乾燥を施す。

（作用） 本考案は前記に例示したように、可塑性材料に
より衣裳を着せた態様で形成した立体的な人形体
に彩色を施して販売用の完成品とするものでな
く、人形体１の表面に色を塗り分けるガイドを構
成する突条又は細溝からなる区分線６を設けてい
るものであつて、室内装飾品としては完成された
ものではないが、購入者が任意の着想で施す色の
塗り分けをガイドする区分線６が設けてあるか
ら、色塗り７を任意の発想に任すものではあつて
も、区分線６により自らの線色秩序を生ずる。

（効果） 本考案は模様彩色が完成した人形を販売の目的
とせず、少女少年或るいはその保護者等が購入
し、任意の着色発想により色塗り分けを施するも
のであつて、可塑性材料で衣裳を着せた態様で形
成した立体的に人形体１の表面に、色を塗り分け
るガイドを構成する突条又は細溝からなる区分線
６を施しているので、彩色者はこの区分線６を目
標にして種々の彩色を施すことができるから、幼
児であつても著しく不合理な色の塗り分けをする
ことがなく、塗り絵の要領で人形の立体彩色を楽
しむことができる効果をもつ。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例になる人形体１の正
面方向から見た斜視図、第２図は同裏面方向から
見た斜視図、第３図は一部の拡大断面図である。 １……人形体、２……かしら、３……座形体
躯、６……区分線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 衣裳を着せた態様で人形体を可塑性材料により
   成形し、その表面に色を塗り分けるガイドを構成
   する突条または細溝からなる区分線を前記の人形
   体の成形と共に一体に設けたことを特徴とする色
   塗分け用無彩色人形。