JPH04368206A - 空気入りタイヤ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は空気入りタイヤに関し、
特に氷雪路面で使用される乗用車、トラック・バスなど
小型から大型の全てを含む車両の空気入りタイヤのトレ
ッドの改良技術に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】冬期における低温の路面、特に路面上の
水や雪が凍結して氷面を形成した路面上を車で走行する
場合、車に装着されたタイヤのトレッドゴムと氷面との
間の摩擦力は氷面でない乾燥した通常の路面上の摩擦力
より大幅に低い。このため、氷面を有する路面上を車で
安全に走行するには、スパイクタイヤを車に装着したり
、タイヤの外周にタイヤチェーンを装着して、タイヤの
トレッドゴムと氷面との間の摩擦力が低くならないよう
に維持されている。

【０００３】しかし、タイヤチェーンを装着したタイヤ
又はスパイクタイヤを車に装着した場合、車がカーブし
て走行したり、急発進、急停止したりする際、スパイク
タイヤのスパイク又はタイヤチェーンが路面を傷付け、
傷付いた路面の一部が切欠されて粉末となり、この路面
が乾燥したときに、粉末が風により吹き上げられ粉塵を
撒き散らすという問題点がある。また、前記スパイクタ
イヤ又はタイヤチェーン付タイヤを装着した車が路面を
走行する際、スパイクタイヤのスパイク又はタイヤチェ
ーンが路面を衝打して騒音を発生するという問題点もあ
る。

【０００４】これに対して、近年、トレッドゴム自体に
摩擦力向上のための工夫を加える技術が採用されている
。その方法として、トレッドゴムを適当な方法で発泡さ
せ、独立気泡を生成させる方法がある（特開昭６３−８
９５４７号公報）　。即ち、こ　　のようにして得られ
るトレッドゴムの氷面は、多数の気孔で覆われているた
め、氷面に対する除水効果及び気孔部のミクロな運動に
伴う氷を削り取るエッジ効果の発現によって、氷上高摩
擦性を発現する。この手法は実際のタイヤトレッドに取
入れられ、スタッドレスタイヤとして市販されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、発泡ゴムをト
レッドに用いた場合、確かに氷において高摩擦係数が得
られ、冬期用タイヤとして有用であるが、その一方で、
このゴム組成物の剛性が通常のゴム組成物より低いため
、氷雪上および通常の路面を走行した際の操縦安定性に
ついては十分なレベルにあるとはいえなかった。また、
氷上での摩擦特性そのものにつていも、更に一層の向上
が期待されている。そこで本発明の目的は、氷雪上およ
び通常路面の走行時における操縦安定性を損うことなく
、従来の発泡ゴムのトレッドタイヤよりも更に優れた氷
上摩擦特性を有する空気入りタイヤを提供することにあ
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決しタイヤ性能のバランス化と一層の向上を目的と
して鋭意検討を重ねた結果、特定の発泡率を有する発泡
ゴムからなるトレッド組成物にある特定の充填剤を配合
した場合に、発泡ゴムのトレッド本来の摩擦力がより一
層向上し、しかもタイヤ性能としての操縦安定性も向上
することを見い出し、本発明を完成するに至った。

【０００７】すなわち、本発明の空気入りタイヤは、平
均粒径０．５　〜５００　μｍ　の炭素質微粉体をゴム
分１００　重量部に対し３〜１００　重量部含有し、か
つ３〜３５％の発泡率の独立気泡を有する発泡ゴムをト
レッドに配設したことを特徴とするものである。

【０００８】本発明に好適な炭素質微粉体としは、■コ
ールタールピッチ、石油系ピッチ、ポリ塩化ビニルを熱
分解して得られるピッチ等を微粉砕したもの、■それら
ピッチ又はタール成分を加熱処理して得られる炭素質メ
ソフェーズ小球体、即ち加熱により形成される光学的異
方性小球体を溶剤でピッチ成分を溶解し分別することに
よって得られる微粉体であり、更にそれを微粉砕したも
の、ピッチ原料を加熱処理によりバルクメソフェーズ（
例えば特公昭６０−２５３６４号、特公昭６２−１３２
８４号公報参照）とし、それを微粉砕したもの、また一
部晶質化したピッチを微粉砕したもの、■フェノール樹
脂等の熱硬化性樹脂を低温で炭化したもの等、いわゆる
低温処理炭素質微粉体を挙げることができ、更に■無煙
炭、瀝青炭等の石炭類及びその熱処理物を微粉砕したも
の、■ポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリスチレ
ン等の炭化水素系ビニル系高分子とポリ塩化ビニルまた
はポリ塩化ビニリデン等の塩素含有高分子との混合物を
加圧下で加熱することによって得られる炭素球、または
それを微粉砕したもの等を挙げることができる。

【０００９】これらの中で、特に好適な炭素質微粉体と
しては炭素含有量が８０〜９７重量％、炭素／水素原子
比１．２　〜５である炭素質メソフェーズ小球体及び低
温処理炭素質微粉体が挙げられる。

【００１０】また、これらの炭素質微粒子、表面に高分
子重合体をグラフトさせる等の化学修飾して得られる粉
体も好適に用いられる。

【００１１】上記炭素質微粉体の粒径分布は、通常の製
造方法で作られる粉体であればよく、特に限定する必要
はないが、より好ましくは、平均粒径の１／１０以下の
微粉及び１０倍以上の粉体は可能な限り除去することが
望ましい。体積分率で両者併せて１０％以下であること
がよい。

【００１２】本発明においては、上記炭素質微粉体の粒
径は０．５　〜５００　μｍ　、好ましくは１〜３００
　μｍ　であることを要するが、この理由は該粒径が０
．５　μｍ　未満では本発明の目的の一つとする氷雪上
における摩擦特性および操縦安定性についての効果が殆
ど認められず、一方５００　μｍ　を超えると添加した
効果は認められるものの、耐摩耗性および破壊強力が著
しく低下し、タイヤ用組成物として実用に供し得なくな
ってしまうからである。

【００１３】また、上記炭素質微粉体の添加量はゴム分
１００　重量部に対し３〜１００　重量部、好ましくは
５〜５０重量部であることを要するが、この理由はこの
添加量が３重量部未満の場合には添加した効果が殆ど認
められず、一方１００　重量部を超えると耐摩耗性や破
壊強力等のタイヤの耐久面の性能の低下が著しく、また
タイヤ製造時の加工性も著しく悪化し、実用に供し得な
いからである。

【００１４】次に、ゴム成分としては、天然ゴム、ポリ
イソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタ
ジエン共重合体ゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエ
ン三元共重合体ゴム、スチレン−イソプレン共重合体ゴ
ム、イソプレン−ブタジエン共重合体ゴム等を挙げるこ
とができるが、特に制限されるべきものではない。また
、通常のトレッドゴムに用いられる他のゴムや配合剤、
例えば、充填剤、老化防止剤、加硫剤、加硫促進剤を含
んでよく、これらの種類、量については通常トレッドゴ
ムに用いられる範囲であって、特に限定されるものでな
い。

【００１５】本発明において、トレッドゴムが３〜３５
％の発泡率の独立気泡を有することとしたのは、０℃付
近の氷表面に溶融した水分が多い状態において気孔によ
るミクロな吸排水効果を大きくし、優れた氷雪性能を発
揮させるためにはかかる独立気泡が不可欠だけらである
。 発泡は発泡剤によるもの、ガスの高圧ミキシングによる
もののいずれの方法を用いてもよいが、発泡率が３％未
満では発泡の効果が十分でなく、一方３５％を超えると
トレッド剛性が不十分のため、耐摩耗性の低下や溝底ク
ラックの発生が大となる。

【００１６】ここで、発泡ゴムの発泡率Ｖｓ　は、次式
Ｖｓ　＝｛（ρｏ　−ρｇ　）／（ρ１　−ρｇ　）−
１｝×１００　　（％）　　　　−−−（１） で表され、ρ１　は発泡ゴムの密度（ｇ／ｃｍ３　）、
ρｏ　は発泡ゴムの固相部の密度（ｇ／ｃｍ３　）、ρ
ｇ　は発泡ゴムの気泡内のガス部の密度（ｇ／ｃｍ３　
）である。発泡ゴムは固相部と、固相部によって形成さ
れる空洞（独立気泡）すなわち気泡内のガス部とから構
成されている。ガス部の密度ρｇ　は極めて小さく、ほ
ぼ零に近く、かつ固相部の密度ρ１　に対して極めて小
さいので、式（１）　は、次式 Ｖｓ　＝｛（ρｏ　−ρ１　）−１｝×１００　　（％
）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　−−−（
２） とほぼ同等となる。

【００１７】尚、本発明の空気入りタイヤにおいては、
上述の炭素質微粉体を配合した発泡ゴムを、キッャプ−
ベース構造を有するトレッド部のキャップ部のみに配設
してもよい。

【００１８】

【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて本発明を
より具体的に説明する。表１中実施例１，２及び比較例
１〜４では、炭素質微粉体として、平均粒径２０μｍ　
のメソフェーズ小球体を用い、実施例３では平均粒径６
０μｍ　のメソフェーズ小球体を用いた。

【００１９】下記の表１に、このソメフェーズ小球体と
組み合わせた発泡ゴムの配合処方（重量部）、並びに得
られた微粒子混入発泡ゴムの加硫物性および当該発泡ゴ
ムをタイヤトレッドに適用したときのタイヤ性能を夫々
示す。

【００２０】

【表１】 ＊１　　ＯＢＳＨ：ｐ，ｐ′−オキシビスベンゼンスル
フォニルヒドラジド＊２　　サイズ１６５Ｒ１３のタイ
ヤで試験：直進２００　ｋｍ走行後、速度２０ｋｍ／ｈ
から制動（指数が小ほど良好） ＊３　　操縦安定性：操縦安定性は専門のドライバーに
よるフィーリングテストで評価した。タイヤサイズ１６
５Ｒ１３、内圧１．８　ｋｇ／ｃｍ２、評価はコントロ
ールとの対比で０：変わらない ＋１：やや良いと思われる ＋２：やや良い ＋３：良い ＋４：非常に良い

【００２１】表１から明らかなように、本発明の空気入
りタイヤである実施例１においては、炭素質微粉体を含
まない発泡ゴムをトレッドに用いた比較例２や、炭素質
微粉体を含むが発泡ゴムではない比較例３および４に比
し、氷上制動性および操縦安定性の双方が向上している
。

【００２２】

【発明の効果】以上説明してきたように、特定の発泡倍
率を有する発泡ゴムからなるトレッド組成物に特定粒径
の炭素質微粉体を所定量配合した本発明の空気入りタイ
ヤにおいては、氷雪上および通常路面の走行時における
操縦安定性を損うことなく、従来の発泡ゴムのタイヤよ
りも一層氷上摩擦特性に優れた効果を発揮することがで
きる。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　平均粒径０．５　〜５００　μｍ　の
   炭素質微粉体をゴム分１００　重量部に対し３〜１００
   　重量部含有し、かつ３〜３５％の発泡率の独立気泡を
   有する発泡ゴムをトレッドに配設したことを特徴とする
   空気入りタイヤ。
2. 【請求項２】　　請求項１記載の発泡ゴムをキャップ−
   ベース構造を有するトレッド部のキャップ部に配設した
   ことを特徴とする空気入りタイヤ。