JPH0436738Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、脆い固形化粧料等を収容する繰出し
容器に係るものである。

「従来の技術と考案が解決しようとする課題」 筒体に螺旋昇降手段を講じた繰出し容器は、口
紅等の棒状化粧品容器として周知であるが、近
来、この種の繰出し容器に、使用中に或いは携行
中に強い力やシヨツク等が加わると崩れてしまう
ような、例えば、粉末を押し固めたような各種の
脆い固形化粧料を収容していとの要望があり、緩
衝手段を備えた実公昭57−38097号公報、実公昭
57−38098号公報等のものが開発されている。

これらのものは、螺筒の内部に支持台を起立さ
せるとともに、該支持台の上端に回転自在な固形
化粧料用緩衝受座を装備させ、かつ、その螺筒内
に固形化粧料保護用外筒を下端部で螺合させて螺
出入自在に装着し、該外筒の内部に緩衝部材を介
して固形化粧料用割入れ収容筒を連設して、該収
容筒に前記緩衝受座を囲成させ、また、その螺筒
に着脱自在に装着したキヤツプの内部に固形化粧
料用緩衝手段を講じて成り、上昇させた割入れ収
容筒内に固形化粧料を収容してその下面を緩衝受
座に着座させ、上面をキヤツプ内の緩衝手段に当
接させるようにしている。而して、その固形化粧
料を使用するときには、キヤツプを外し、螺筒を
螺動させることにより、割入れ収容筒内の固形化
粧料を繰出しさせる。

しかし、割入れ収容筒は金属製又は硬質合成樹
脂製であり、固形化粧料へと適度に圧接させるこ
とは困難である。したがつて、割入れ収容筒と固
形化粧料との間に〓間が生じ易く、〓間が生ずる
と、携行時等に固形化粧料が割入れ収容筒内で踊
り、折角外力を緩衝部材で吸収しても、この内部
的原因で崩れることがある。

また、その固形化粧料の上と下に固形化粧料を
受ける緩衝部材を要して、必要以上に背高となる
不都合がある。

本考案は、これらの欠点を除去しようとするも
のである。

「課題を解決するための手段」 かかる目的達成のため、本考案は、内周に螺条
１１を備えた基筒１内の中央に支持筒２１を起立
させ、該支持筒の上端に受皿３を適宜装着し、該
受皿の外側に内筒４を摺動自在に嵌合し、該内筒
には、胴部４３に筒方向の複数のスリツト４４…
を等間隔に配して、該胴部４３を複数の弾性片に
形成し、該胴部の周りに中間部が小径となつたコ
イルスプリング８を嵌めて、該胴部を内方へとや
や絞り、更に、該胴部及びコイルスプリングの外
側に適宜空間５を隔てて外筒６を配して、該外筒
の下端部を内筒の下端に係合させ、また、該外筒
は、基筒１内に下降可能に挿入させるとともに、
下端部外周に上記螺条１１と螺合する螺条６１を
形成し、基筒１にキヤツプ７を着脱自在に装着し
たことを特徴とする。

「作用」 如上の構成であり、その内筒４乃至受皿３内に
脆い固形化粧料Ａを収容するが、該固形化粧料
は、外周及び高さを内筒４乃至受皿３に適合させ
て予め形成し、一旦キヤツプ５を外し、基筒１を
下限にまで十分に下降させた状態で、内筒４乃至
受皿３内に上方から挿入する。

こうして収容された固形化粧料Ａは、コイルス
プリング８で内方へとやや絞り込まれた内筒４の
胴部４３で周面が軽く押圧支持され、つまり、固
形化粧料Ａの周面が拘束されて、内部での踊りが
防止され、また、外筒６により外力から保護さ
れ、外力により外筒６が変形しても、内筒の空間
Ａがその外力を遮断して、内筒４に至るのを阻止
する。

而して、化粧に供するときは、キヤツプ７を外
し、外筒６を支えて基筒１を螺動上昇させれば、
固形化粧料Ａが支持筒２１により受皿３を介して
突き上げられ、その固形化粧料の上部が内筒４か
ら上方へと突出する。なお、その基筒１を螺動下
降させ、固形化粧料Ａを軽く押し下げれば、固形
化粧料Ａは、再び内筒４内に没する。

「実施例」 図面は、本考案の実施例を示している。

図示のものは、内周に螺条１１を備えた基筒１
に底板２を設け、該底板の中央に支持筒２１を起
立させ、該支持筒の上端に受皿３を回転自在に嵌
合し、該嵌合には、受皿の下面から嵌合筒３１を
垂設して、該嵌合筒と支持筒２１とを適宜係合手
段を以て係合させて嵌めている。

また、受皿３の外側に内筒４を摺動自在に嵌合
し、該内筒４には、上下両端に小さな外向きフラ
ンジ４１，４２を設け、胴部４３に筒方向の複数
のスリツト４４…を配して、胴部４３を弾性片と
し、該胴部の周りに中間部が小径となつたコイル
スプリング８を嵌めて胴部を内方へ付勢してい
る。

内筒４の外側には、適宜空間５を隔てて外筒６
を配して、該外筒の上端を内筒上端の外向きフラ
ンジ４１に突き当て、下端部の内側に複数の爪６
２…を突設して、これらの爪を内筒下端の外向き
フランジ４１に係合させている。

外筒６は、基筒１内へ下降可能に挿入させ、下
端部外周に基筒１の螺条１１と螺合する螺条６１
を形成している。

基筒１は、上端部１２の外周をやや小径に形成
し、該上端部にキヤツプ７を着脱自在に嵌合させ
ている。

なお、各部材を適宜合成樹脂により形成すると
よい。

而して、内筒４乃至受皿３内に予め適宜に形成
された脆い固形化粧料Ａを収容し、これの周面に
内筒４の胴部４３をコイルスプリング８により圧
接させる。

この実施例の場合、基筒１と共に支持筒２１も
螺動するが、この際、受皿３がその支持筒２１に
対して回転するので、受皿３及び固形化粧料Ａは
回転しない。

「考案の効果」 本考案によれば、脆い固形化粧料Ａを収容でき
て、これを任意に繰出し、没入させることができ
ることは勿論のこと、固形化粧料Ａを収容した内
筒には、胴部４３に筒方向の複数のスリツト４４
…を等間隔に配して、該胴部４３を複数の弾性片
に形成し、該胴部の周りに中間部が小径となつた
コイルスプリング８を嵌めて、該胴部を内方へと
やや絞ることにより、固形化粧料Ａの周面を軽く
押圧支持しているので、固形化粧料Ａは、周囲か
ら機械的に拘束されて踊りが阻止され、内部的原
因での固形化粧料Ａの崩れを確実に防止でる。ま
た、その内筒４側に空間５を介して設けられた外
筒６により保護されるので、外力による固形化粧
料Ａの崩れも的確に防止できる。更に、上述のよ
うに固形化粧料Ａが内部で踊らないので、固形化
粧料Ａの上下に緩衝部材を要せず、したがつて、
必要以上に背高とはならず、携帯にも都合がよ
い。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案の実施例で、第１図は、截断側
面図、第２図は、分解斜視図である。 １……基筒、２……底板、３……受皿、４……
内筒、５……空間、６……外筒、７……キヤツ
プ、８……コイルスプリング、２１……支持筒、
４３……胴部、４４……スリツト、Ａ……脆い固
形化粧料。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内周に螺条１１を備えた基筒１内の中央に支持
   筒２１を起立させ、該支持筒の上端に受皿３を適
   宜装着し、該受皿の外側に内筒４を摺動自在に嵌
   合し、該内筒には、胴部４３に筒方向の複数のス
   リツト４４…を等間隔に配して、該胴部４３を複
   数の弾性片に形成し、該胴部の周りに中間部が小
   径となつたコイルスプリング８を嵌めて、該胴部
   を内方へとやや絞り、更に、該胴部及びコイルス
   プリングの外側に適宜空間５を隔てて外筒６を配
   して、該外筒の下端部を内筒の下端に係合させ、
   また、該外筒は、基筒１内に下降可能に挿入させ
   るとともに、下端部外周に上記螺条１１と螺合す
   る螺条６１を形成し、基筒１にキヤツプ７を着脱
   自在に装着したことを特徴とする繰出し容器。