JPH0436440A - 耐粒界腐食性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼 - Google Patents
耐粒界腐食性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼Info
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- JPH0436440A JPH0436440A JP14423390A JP14423390A JPH0436440A JP H0436440 A JPH0436440 A JP H0436440A JP 14423390 A JP14423390 A JP 14423390A JP 14423390 A JP14423390 A JP 14423390A JP H0436440 A JPH0436440 A JP H0436440A
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Landscapes
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野)
本発明は、原子炉のような高温高圧水環境あるいは硝酸
溶液中及びCr”、Ru″+のような高酸化性イオンを
含有する硝酸溶液中で、優れた耐粒界腐食性及び耐粒界
応力腐食割れ性を示すオーステナイト系ステンレス鋼に
関するものである。
溶液中及びCr”、Ru″+のような高酸化性イオンを
含有する硝酸溶液中で、優れた耐粒界腐食性及び耐粒界
応力腐食割れ性を示すオーステナイト系ステンレス鋼に
関するものである。
(従来の技術)
鋼中C17It(鋼中元素濃度は重量%であり、以下単
に%と記す。)を、0.025%以下に低減した5US
304L等のオーステナイト系ステンレス鋼は、粒界へ
のC「炭化物の析出が生じにくいため、溶接熱影響部を
含めて優れた耐粒界腐食性を示す。
に%と記す。)を、0.025%以下に低減した5US
304L等のオーステナイト系ステンレス鋼は、粒界へ
のC「炭化物の析出が生じにくいため、溶接熱影響部を
含めて優れた耐粒界腐食性を示す。
それゆえ、かかる低炭素オーステナイト系ステンレス鋼
は、耐粒界応力腐食割れ性及び耐粒界腐食性が必要とさ
れる原子炉のような高温高圧水環境、あるいは硝酸製造
装置、再処理施設のような高濃度硝酸溶液中に晒される
環境の構造材料として使用されている。
は、耐粒界応力腐食割れ性及び耐粒界腐食性が必要とさ
れる原子炉のような高温高圧水環境、あるいは硝酸製造
装置、再処理施設のような高濃度硝酸溶液中に晒される
環境の構造材料として使用されている。
しかしこのように耐粒界腐食性に優れた5US304L
鋼も、C11−が存在する環境では十分な耐孔食性を有
しておらず、耐孔食性を改善させるためにMoを2〜3
%添加したS U S 316系のオーステナイト系ス
テンレス鋼が開発されている。
鋼も、C11−が存在する環境では十分な耐孔食性を有
しておらず、耐孔食性を改善させるためにMoを2〜3
%添加したS U S 316系のオーステナイト系ス
テンレス鋼が開発されている。
このS U S 31B系のオーステナイト系ステンレ
ス鋼の粒界へのCr炭化物の析出は、S U S 30
4系のオーステナイト系ステンレス鋼と比較して、第1
図のTTS図(温度−時間鋭敏化曲線−Tempera
ture −Time −5ensitization
)で示すようにC「欠乏に伴う粒界腐食が起こりにくい
特性を有している。
ス鋼の粒界へのCr炭化物の析出は、S U S 30
4系のオーステナイト系ステンレス鋼と比較して、第1
図のTTS図(温度−時間鋭敏化曲線−Tempera
ture −Time −5ensitization
)で示すようにC「欠乏に伴う粒界腐食が起こりにくい
特性を有している。
またこのことよりさらに鋼中炭素濃度を0.025%以
下に低減させた5US316 L、5US316ULC
鋼は、耐孔食性と共に耐粒界腐食性も非常に優れた特性
を有すると考えられる。
下に低減させた5US316 L、5US316ULC
鋼は、耐孔食性と共に耐粒界腐食性も非常に優れた特性
を有すると考えられる。
しかしながら溶接熱影響部を模擬するために5US31
13L、および318ULC鋼を675℃の温度域で1
時間加熱し、硝酸溶液(沸騰65%HNOJ)中で腐食
試験(Huey試験)した場合の結果は、第2図に示す
ごとく、C含有量の増加で、耐食性が著しく劣化する。
13L、および318ULC鋼を675℃の温度域で1
時間加熱し、硝酸溶液(沸騰65%HNOJ)中で腐食
試験(Huey試験)した場合の結果は、第2図に示す
ごとく、C含有量の増加で、耐食性が著しく劣化する。
かかる耐食性の劣化は粒界腐食の発生によって引き起こ
されており、これは粒界へのCr炭化物の析出ではなく
、粒界へのσ相(FeCrの金属間化合物)の析出によ
ると考えられている。
されており、これは粒界へのCr炭化物の析出ではなく
、粒界へのσ相(FeCrの金属間化合物)の析出によ
ると考えられている。
この考えに基すき粒界へのσ相の析出を抑制するために
、特公昭57−28740号公報のごとく、C+N≦0
,15%、 120C+36N≧lJ6 (Cr +M
o +1.551)−Ni −0,5Mn −11,[
iなる式を満足するところのNを添加したオーステナイ
ト系ステンレス鋼が開発されている。このNを添加した
オーステナイト系ステンレス鋼は700℃×10時間A
C(空冷)の鋭敏化処理を受けた場合も優れた耐食性を
示す。
、特公昭57−28740号公報のごとく、C+N≦0
,15%、 120C+36N≧lJ6 (Cr +M
o +1.551)−Ni −0,5Mn −11,[
iなる式を満足するところのNを添加したオーステナイ
ト系ステンレス鋼が開発されている。このNを添加した
オーステナイト系ステンレス鋼は700℃×10時間A
C(空冷)の鋭敏化処理を受けた場合も優れた耐食性を
示す。
しかしながら、かかるN添加鋼も650℃で鋭敏化熱処
理(650℃x2h空冷)を行うと、硝酸溶液中での耐
食性か著しく劣化する問題が依然として残っていた。
理(650℃x2h空冷)を行うと、硝酸溶液中での耐
食性か著しく劣化する問題が依然として残っていた。
(発明が解決しようとする課題)
前記したような粒界腐食の発生原因を明らかにし、さら
にその対策をたてるこ止が可能となれば、耐粒界腐食性
及び耐孔食性にも優れたオーステナイト系ステンレス鋼
の開発が可能となり、産業上において多大な利益を与え
ることになる。
にその対策をたてるこ止が可能となれば、耐粒界腐食性
及び耐孔食性にも優れたオーステナイト系ステンレス鋼
の開発が可能となり、産業上において多大な利益を与え
ることになる。
本発明者らは、かかる部属を解決すべく5US316
L、 316 ULC鋼を600〜750℃付近の温度
域で熱処理した場合に、粒界にいかなる化合物が析出す
るか、またかかる析出物の粒界腐食への影響について詳
しく調べた。その結果、上記の温度域ではσ相の他に、
σ相とよく似たχ相、1aves相(Fe2Mo)及び
P化物(Ni、P2)が粒界に析出し、特にχ相とP化
物はその析出速度が速いため、数時間の熱処理で容易に
粒界に析出し、硝酸溶液中及びCr6+等の高酸化性イ
オンを含有する硝酸溶液中における5US316 L、
318 ULC鋼の耐粒界腐食性を、著しく劣化させ
ることを見い出した。またσ相、Lavas相は析出速
度か遅いため、lO数時間に及ぶような長時間の熱処理
を施さなければ析出せず、溶接熱影響部での粒界腐食の
発生原因となる可能性は低い。
L、 316 ULC鋼を600〜750℃付近の温度
域で熱処理した場合に、粒界にいかなる化合物が析出す
るか、またかかる析出物の粒界腐食への影響について詳
しく調べた。その結果、上記の温度域ではσ相の他に、
σ相とよく似たχ相、1aves相(Fe2Mo)及び
P化物(Ni、P2)が粒界に析出し、特にχ相とP化
物はその析出速度が速いため、数時間の熱処理で容易に
粒界に析出し、硝酸溶液中及びCr6+等の高酸化性イ
オンを含有する硝酸溶液中における5US316 L、
318 ULC鋼の耐粒界腐食性を、著しく劣化させ
ることを見い出した。またσ相、Lavas相は析出速
度か遅いため、lO数時間に及ぶような長時間の熱処理
を施さなければ析出せず、溶接熱影響部での粒界腐食の
発生原因となる可能性は低い。
χ相は、その中のCr含有量か母材のオーステナイト系
ステンレス鋼中のCr濃度よりも高い。
ステンレス鋼中のCr濃度よりも高い。
したがって、粒界に沿って連続的なχ相が析出すること
により、粒界にはCr欠乏層が形成される。
により、粒界にはCr欠乏層が形成される。
それゆえ硝酸溶液中のような不働態域の環境においては
Cr欠乏による粒界腐食を引き起こす。またCrも+等
の高酸化性イオンを含有する硝酸溶液中のごとく、過不
働態域の環境ではχ相自身か溶解することにより粒界腐
食を引き起こす。
Cr欠乏による粒界腐食を引き起こす。またCrも+等
の高酸化性イオンを含有する硝酸溶液中のごとく、過不
働態域の環境ではχ相自身か溶解することにより粒界腐
食を引き起こす。
一方、粒界P化物はNlとPの化合物であることから、
その析出に伴いCr欠乏層を形成することはなく、不働
態域においては粒界腐食の発生原因とはならない。しか
しながら、高酸化性イオンを含有する硝酸溶液中のごと
く過不働態域においては、χ相と同様にそれ自身が溶解
することにより粒界腐食を引き起こす。
その析出に伴いCr欠乏層を形成することはなく、不働
態域においては粒界腐食の発生原因とはならない。しか
しながら、高酸化性イオンを含有する硝酸溶液中のごと
く過不働態域においては、χ相と同様にそれ自身が溶解
することにより粒界腐食を引き起こす。
すなわちχ相の析出を抑制することができれば、硝酸溶
液中あるいは原子炉の高温高圧水中のようなCr欠乏に
よって粒界腐食あるいは粒界応力腐食割れが発生する環
境において、優れた耐粒界腐食性を有するオーステナイ
ト系ステンレス鋼を得ることができる。さらに粒界P化
物の析出も抑制することが可能となれば、不働態域とと
もに、高酸化性イオンを含有する過不働態領域において
も優れた耐粒界腐食性を有するオーステナイト系ステン
レス鋼を得ることができる。
液中あるいは原子炉の高温高圧水中のようなCr欠乏に
よって粒界腐食あるいは粒界応力腐食割れが発生する環
境において、優れた耐粒界腐食性を有するオーステナイ
ト系ステンレス鋼を得ることができる。さらに粒界P化
物の析出も抑制することが可能となれば、不働態域とと
もに、高酸化性イオンを含有する過不働態領域において
も優れた耐粒界腐食性を有するオーステナイト系ステン
レス鋼を得ることができる。
本発明は、か\る観点にもとずくものであって、原子炉
のような高温高圧水環境、あるいは硝酸溶液中、および
Cr”、Ru”のような高酸化性イオンを含有する硝酸
溶液中で、溶接熱影響部を含めて優れた耐粒界腐食性お
よび耐粒界応力腐食性を有するオーステナイト系ステン
レス鋼を提供することを目的とする。
のような高温高圧水環境、あるいは硝酸溶液中、および
Cr”、Ru”のような高酸化性イオンを含有する硝酸
溶液中で、溶接熱影響部を含めて優れた耐粒界腐食性お
よび耐粒界応力腐食性を有するオーステナイト系ステン
レス鋼を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段)
上記目的を達成するために本発明者らは、χ相、及びP
化物の析出挙動に及ぼす鋼中成分の影響について検討し
た結果、χ相の析出速度及び析出形態は鋼中Si濃度に
大きく依存し、またP化物の析出速度は鋼中P、Mn
、Cu、Si濃度に大きく依存していることが判明した
。
化物の析出挙動に及ぼす鋼中成分の影響について検討し
た結果、χ相の析出速度及び析出形態は鋼中Si濃度に
大きく依存し、またP化物の析出速度は鋼中P、Mn
、Cu、Si濃度に大きく依存していることが判明した
。
以上の知見に基すき鋼中Si濃度を低減することにより
、粒界へのχ相の析出を抑制し、鋭敏化熱処理した場合
もχ相が析出せず、耐粒界腐食性が劣化しないオーステ
ナイト系ステンレス鋼を見い出した。か\るオーステナ
イト系ステンレス鋼は粒界P化物の析出については抑制
していないため高酸化性環境においては優れた耐食性を
有してはいないが、Cr欠乏が粒界腐食あるいは粒界応
力腐食割れの発生原因となる環境では非常に優れた耐食
性を示す。
、粒界へのχ相の析出を抑制し、鋭敏化熱処理した場合
もχ相が析出せず、耐粒界腐食性が劣化しないオーステ
ナイト系ステンレス鋼を見い出した。か\るオーステナ
イト系ステンレス鋼は粒界P化物の析出については抑制
していないため高酸化性環境においては優れた耐食性を
有してはいないが、Cr欠乏が粒界腐食あるいは粒界応
力腐食割れの発生原因となる環境では非常に優れた耐食
性を示す。
さらに、高酸化性硝酸溶液中においても使用可能なオー
ステナイト系ステンレス鋼の場合は、鋼中Si濃度の規
定に加えて、高純度の原材料を用いることにより、鋼中
P、Cu濃度の低減及び鋼中Mn濃度の最適化を図るこ
とにより粒界へのP化物の析出が抑制され、硝酸環境は
基より高酸化性環境においても優れた耐食性を示す。
ステナイト系ステンレス鋼の場合は、鋼中Si濃度の規
定に加えて、高純度の原材料を用いることにより、鋼中
P、Cu濃度の低減及び鋼中Mn濃度の最適化を図るこ
とにより粒界へのP化物の析出が抑制され、硝酸環境は
基より高酸化性環境においても優れた耐食性を示す。
ただし、かかるオーステナイト系ステンレス鋼は高純度
の原料を使用しなければならないため、価格の大幅なア
ップにつながるので、不働態域で使用するオーステナイ
ト系ステンレス鋼の場合にはχ相の析出のみを抑制した
成分系で十分である。
の原料を使用しなければならないため、価格の大幅なア
ップにつながるので、不働態域で使用するオーステナイ
ト系ステンレス鋼の場合にはχ相の析出のみを抑制した
成分系で十分である。
本発明は上記の知見に基づいて完成したものであって、
以下の構成を要旨とするものである。
以下の構成を要旨とするものである。
その要旨は
(1) 重量%で
C: 0.025%以下、
Si:0.25%以下、
Mn:2.0%以下、
P : 0.045%以下、
S :0.03%以下、
Ni:12〜15%、
Cr:1B〜19%、
Mo:2〜3%
を含有して、残部が実質的に鉄からなることを特徴とす
る耐粒界腐食性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼
。
る耐粒界腐食性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼
。
(2)重量%て
C: 0.025%以下、
Si:0.25%以下、
Mn:2.0%以下、
P : 0.045%以下、
S :0.03%以下、
Ni:12〜15%、
Cr:16〜19%、
Mo:2〜3%、
Cu:0.2%以下
を含有して、残部が実質的に鉄からなることを特徴とす
る耐粒界腐食性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼
。
る耐粒界腐食性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼
。
このように本発明はMoを2〜3%含有する耐孔食性に
優れたオーステナイト系ステンレス鋼において、特に溶
接熱影響部での耐粒界腐食性の劣化を改善すべく目指し
たもので、その特徴としては粒界腐食の発生原因となる
χ相の析出を抑制するために鋼中Si濃度を低減させた
もの、及びχ相と共にP化物の析出も抑制するために、
鋼中Sj 、P、Cu濃度を低減させ、さらにMnを通
常レベル(0,8〜1.0%)より高くしたものである
。
優れたオーステナイト系ステンレス鋼において、特に溶
接熱影響部での耐粒界腐食性の劣化を改善すべく目指し
たもので、その特徴としては粒界腐食の発生原因となる
χ相の析出を抑制するために鋼中Si濃度を低減させた
もの、及びχ相と共にP化物の析出も抑制するために、
鋼中Sj 、P、Cu濃度を低減させ、さらにMnを通
常レベル(0,8〜1.0%)より高くしたものである
。
次にそれぞれの元素について、その作用及び限定理由に
ついて説明する。
ついて説明する。
C:Cは鋭敏化熱処理を施した場合に、粒界にCr23
C6として析出しCr欠乏による粒界腐食及び、粒界応
力腐食割れを引き起こす元素であり、粒界へのCr炭化
物の析出を抑制するためにその濃度は0.025%以下
とする。
C6として析出しCr欠乏による粒界腐食及び、粒界応
力腐食割れを引き起こす元素であり、粒界へのCr炭化
物の析出を抑制するためにその濃度は0.025%以下
とする。
Si :通常オーステナイト系ステンレス鋼には耐酸化
性の改善を目的として0.4〜0.6%程度のSiが添
加されている。しかしながら本発明者らの研究過程にお
いて、オーステナイト系ステンレス鋼の耐粒界腐食性に
及ぼす鋼中51の影響について詳しく調べた結果、鋼中
Si自身は粒界腐食を発生せしめる元素ではないが、耐
粒界腐食性を劣化させるχ相の析出速度及び形態は鋼中
Si濃度によって大きく変化する新知見を得た。
性の改善を目的として0.4〜0.6%程度のSiが添
加されている。しかしながら本発明者らの研究過程にお
いて、オーステナイト系ステンレス鋼の耐粒界腐食性に
及ぼす鋼中51の影響について詳しく調べた結果、鋼中
Si自身は粒界腐食を発生せしめる元素ではないが、耐
粒界腐食性を劣化させるχ相の析出速度及び形態は鋼中
Si濃度によって大きく変化する新知見を得た。
すなわち第3図にHuey試験(沸[85%HN0゜4
8hX5サイクル)におけるオーステナイト系ステンレ
ス鋼(17cr −13Ni −2,2Mo −Feベ
ース)の腐食速度に及ぼす鋼中Si濃度の影響を示す。
8hX5サイクル)におけるオーステナイト系ステンレ
ス鋼(17cr −13Ni −2,2Mo −Feベ
ース)の腐食速度に及ぼす鋼中Si濃度の影響を示す。
この結果から溶体化処理(IIoo”CX 5〜60m
1n AC,WQ) したままの試料(◇印)ハ鋼中S
i濃度に関わらず優れた耐食性を示すが、鋭敏化熱処理
を施した場合([i50”CX 2 h A C−X
印、700℃X2h AC−◆印)には、鋼中81濃
度によって腐食速度は大きく変化することがわかる。
1n AC,WQ) したままの試料(◇印)ハ鋼中S
i濃度に関わらず優れた耐食性を示すが、鋭敏化熱処理
を施した場合([i50”CX 2 h A C−X
印、700℃X2h AC−◆印)には、鋼中81濃
度によって腐食速度は大きく変化することがわかる。
すなわち鋼中81濃度が0.3%以上の試料では鋭敏化
熱処理によって耐食性が著しく劣化するが、0825%
以下の試料では鋭敏化熱処理を施しても耐食性は劣化し
ない。かかる耐食性の違いは、鋼中Si濃度が0.3%
以上の試料では鋭敏化処理によって粒界に微細なχ相が
連続的に析出しているのに対して、Si濃度か低い試料
ではχ相が全く折比していない。あるいは例え析出した
としても、その形態か連続的ではなく、粗大でかつ島状
に析出しているために粒界腐食の発生が起こらながった
ことによる。さらに鋼中Si濃度の低減はP化物の形成
を遅延させる効果もある。
熱処理によって耐食性が著しく劣化するが、0825%
以下の試料では鋭敏化熱処理を施しても耐食性は劣化し
ない。かかる耐食性の違いは、鋼中Si濃度が0.3%
以上の試料では鋭敏化処理によって粒界に微細なχ相が
連続的に析出しているのに対して、Si濃度か低い試料
ではχ相が全く折比していない。あるいは例え析出した
としても、その形態か連続的ではなく、粗大でかつ島状
に析出しているために粒界腐食の発生が起こらながった
ことによる。さらに鋼中Si濃度の低減はP化物の形成
を遅延させる効果もある。
これらの知見により鋼中Si濃度は0,25%以下に規
定する。
定する。
P:Pは粒界においてP化物を形成しC、(、+等の高
酸化性イオンを含有する硝酸溶液中における耐粒界腐食
性を劣化させる元素であるが、析出によってCr欠乏層
は形成されないため、硝酸溶液中のような不働態域での
使用を目的とするオーステナイト系ステンレス鋼の場合
は、特にPa度を規定する必要はないが、熱間圧延性を
著しく阻害しないために0.045%以下とする。
酸化性イオンを含有する硝酸溶液中における耐粒界腐食
性を劣化させる元素であるが、析出によってCr欠乏層
は形成されないため、硝酸溶液中のような不働態域での
使用を目的とするオーステナイト系ステンレス鋼の場合
は、特にPa度を規定する必要はないが、熱間圧延性を
著しく阻害しないために0.045%以下とする。
しかしなから、Cr”等の高酸化性イオンを含有する硝
酸溶液中では、P化物自身が溶解することにより、粒界
腐食が発生するため、ががる環境での使用を目的とする
オーステナイト系ステンレス鋼の場合、Pm度は極力低
いことが望ましい。
酸溶液中では、P化物自身が溶解することにより、粒界
腐食が発生するため、ががる環境での使用を目的とする
オーステナイト系ステンレス鋼の場合、Pm度は極力低
いことが望ましい。
ただし本発明ては鋼中Mn 、Cu 、Si濃度を規定
することによって粒界へのP化物の析出を抑制できるこ
とから、極端に低い値ではなく、十分現行の製造プロセ
スで製造しうる0、025%以下が好ましい。
することによって粒界へのP化物の析出を抑制できるこ
とから、極端に低い値ではなく、十分現行の製造プロセ
スで製造しうる0、025%以下が好ましい。
Mn:不働態域で使用するオーステナイト系ステンレス
鋼については、特に鋼中にMn濃度を制限するものでは
ないか、一般耐食性を劣化させないために鋼中Mna度
は2.0%以下とする。ただしχ相の析出を抑制するに
はMn濃度はその含有量の範囲で高い方か望ましい。
鋼については、特に鋼中にMn濃度を制限するものでは
ないか、一般耐食性を劣化させないために鋼中Mna度
は2.0%以下とする。ただしχ相の析出を抑制するに
はMn濃度はその含有量の範囲で高い方か望ましい。
オーステナイト系ステンレス鋼中には通常0.8〜1.
0%のMnが含有されているか、本発明者らは粒界への
P化物の析出速度に及はす鋼中Mnの影響を調べた。す
なわちF e −17Cr −13N i −2,2M
o −0,03Pよりなる試料にMn添加量を変化させ
、鋭敏化処理(650℃X2h AC)したものを沸
騰5N硝酸+8g/llCr6+溶液中で3時間の処理
をした。その結果は第4図に示すごとくP化物の析出速
度は鋼中Mn濃度を高めることによって遅延しうる知見
を得た。かかる効果は鋼中MnによってPが粒内に固着
させることにより得られているものであり、過不働態期
での使用を目的とするステンレス鋼についてはMn濃度
は1.0〜2.0%とすることが好ましい。
0%のMnが含有されているか、本発明者らは粒界への
P化物の析出速度に及はす鋼中Mnの影響を調べた。す
なわちF e −17Cr −13N i −2,2M
o −0,03Pよりなる試料にMn添加量を変化させ
、鋭敏化処理(650℃X2h AC)したものを沸
騰5N硝酸+8g/llCr6+溶液中で3時間の処理
をした。その結果は第4図に示すごとくP化物の析出速
度は鋼中Mn濃度を高めることによって遅延しうる知見
を得た。かかる効果は鋼中MnによってPが粒内に固着
させることにより得られているものであり、過不働態期
での使用を目的とするステンレス鋼についてはMn濃度
は1.0〜2.0%とすることが好ましい。
Cr:Crはステンレス鋼の表面に不働態皮膜を形成し
、耐食性を与えている基本元素であるが、あまり高くす
るとχ相の析出が促進され、またCr6+を含有する硝
酸溶液中のごとく、腐食電位が過不働態領域の環境では
、第5図に示すごとく鋼中Cr濃度の高い試料はど腐食
速度が速くなるので鋼中C「濃度は画調とも16〜19
%とする。
、耐食性を与えている基本元素であるが、あまり高くす
るとχ相の析出が促進され、またCr6+を含有する硝
酸溶液中のごとく、腐食電位が過不働態領域の環境では
、第5図に示すごとく鋼中Cr濃度の高い試料はど腐食
速度が速くなるので鋼中C「濃度は画調とも16〜19
%とする。
Ni:Niは不働態化電流密度を低減させ、ステンレス
鋼の不働態化を容易にせしめる元素であり、かつステン
レス鋼の組織を靭性に富むオーステナイト単相にするた
めにも、その濃度は12〜15%が必要である。
鋼の不働態化を容易にせしめる元素であり、かつステン
レス鋼の組織を靭性に富むオーステナイト単相にするた
めにも、その濃度は12〜15%が必要である。
Mo:Moは耐孔食性の改善のために必要な元素である
が、Mo濃度を高くしすぎると粒界腐食性を劣化させる
χ相、σ相の粒界への連続的な析出を促進するので、2
〜3%とした。
が、Mo濃度を高くしすぎると粒界腐食性を劣化させる
χ相、σ相の粒界への連続的な析出を促進するので、2
〜3%とした。
SOSは硫化物の形成により孔食等の耐食性を劣化させ
る元素であるので、0,03%以下とする。
る元素であるので、0,03%以下とする。
Cu:Mnと同様に、不働態域での使用を目的とするオ
ーステナイト系ステンレス鋼の場合は鋼中Cu濃度は特
に規定するものではないが通常0.3〜0.4%が含有
されている。しかしながら本発明者らはステンレス鋼中
におけるPの粒界偏析に及ぼす鋼中Cuの影響をPの粒
界偏析を検出する試験法である硫酸試験を用いて調べた
結果、Pの粒界偏析は鋼中に微量に存在するCuによっ
て促進することが判明した。Pの粒界偏析は粒界P化物
の析出挙動を容品にせしめる可能性が高く、Cu元素濃
度を低減させることは、粒界P化物の形成を抑制する上
で有効な方法となる。ゆえにCu濃度は0.2%以下に
する。
ーステナイト系ステンレス鋼の場合は鋼中Cu濃度は特
に規定するものではないが通常0.3〜0.4%が含有
されている。しかしながら本発明者らはステンレス鋼中
におけるPの粒界偏析に及ぼす鋼中Cuの影響をPの粒
界偏析を検出する試験法である硫酸試験を用いて調べた
結果、Pの粒界偏析は鋼中に微量に存在するCuによっ
て促進することが判明した。Pの粒界偏析は粒界P化物
の析出挙動を容品にせしめる可能性が高く、Cu元素濃
度を低減させることは、粒界P化物の形成を抑制する上
で有効な方法となる。ゆえにCu濃度は0.2%以下に
する。
以上のように本発明は、鋼中Sl濃度を低減させたオー
ステナイト系ステンレス鋼は溶接熱影響部を含めて、硝
酸溶液中のごとく不働態域で優れた耐粒界腐食性を示し
、またSlと共に鋼中P1Mn、Cu濃度を規定したオ
ーステナイト系ステンレス鋼は硝酸溶液中は基より、C
r6+を含有する硝酸溶液中のような過不働態域におい
て優れた耐粒界腐食性を示す。
ステナイト系ステンレス鋼は溶接熱影響部を含めて、硝
酸溶液中のごとく不働態域で優れた耐粒界腐食性を示し
、またSlと共に鋼中P1Mn、Cu濃度を規定したオ
ーステナイト系ステンレス鋼は硝酸溶液中は基より、C
r6+を含有する硝酸溶液中のような過不働態域におい
て優れた耐粒界腐食性を示す。
次に本発明の実施例について説明する。
第1表に本発明鋼および通常の5US316L。
316ULC鋼(比較鋼)の化学成分(含有量は何れも
重量%)を示した。また第2表に第1表の各試料につい
てHuey試験およびCoriou試験の結果を、それ
ぞれ溶体化処理ま\、および鋭敏化処理別に示した。
重量%)を示した。また第2表に第1表の各試料につい
てHuey試験およびCoriou試験の結果を、それ
ぞれ溶体化処理ま\、および鋭敏化処理別に示した。
第1表、第2表の結果から、比較鋼の溶体化処理材は、
Huey、 Coriou試験ともに優れた耐食性を示
すが、鋭敏化熱処理を施した場合には激しい粒界腐食が
発生する。−刃鋼中81濃度を低減させた本発明鋼1〜
3は溶体化処理、及び鋭敏化熱処理材ともHuey試験
において優れた耐粒界腐食性を示す。さらに鋼中Si濃
度に加えて鋼中P、Mn。
Huey、 Coriou試験ともに優れた耐食性を示
すが、鋭敏化熱処理を施した場合には激しい粒界腐食が
発生する。−刃鋼中81濃度を低減させた本発明鋼1〜
3は溶体化処理、及び鋭敏化熱処理材ともHuey試験
において優れた耐粒界腐食性を示す。さらに鋼中Si濃
度に加えて鋼中P、Mn。
Cu濃度も規定した本発明鋼4〜6はHuey試験と共
に、Coriou試験(5N HN O3+8 g
/ llCr”、沸騰、3時間)においても優れた耐粒
界腐食性を示すことが明らかである。
に、Coriou試験(5N HN O3+8 g
/ llCr”、沸騰、3時間)においても優れた耐粒
界腐食性を示すことが明らかである。
(発明の効果)
以上説明したように、本発明のオーステナイト系ステン
レス鋼は、従来の同種鋼に比較して、高温高圧水環境や
Cr、”、 Ru ”のような高酸化性イオン含有硝酸
溶液中などの粒界腐食、粒界応力腐食環境に対して極め
て優れた耐食性を有し、原子炉や高濃度硝酸環境などで
使用される構造用材料として極めて好適である。
レス鋼は、従来の同種鋼に比較して、高温高圧水環境や
Cr、”、 Ru ”のような高酸化性イオン含有硝酸
溶液中などの粒界腐食、粒界応力腐食環境に対して極め
て優れた耐食性を有し、原子炉や高濃度硝酸環境などで
使用される構造用材料として極めて好適である。
第1図は、Fc −18Cr −14Ni −0,02
6C鋼とFe −18cr −14Ni −2Mo −
0,03C鋼を500℃から800℃の温度域で熱処理
を施した後に、硫酸−硫酸銅試験に供し、Cr欠乏に伴
う粒界腐食の発生に要する時間を比較した図、第2図は
C濃度の異なる31B系オーステナイト系ステンレス鋼
に675℃xlh ACO熱処理を施し、Huey試
験に供した場合の腐食速度のC濃度依存性を示した図、
第3図はMO含有オーステナイト系ステンレス鋼の硝酸
溶液中に於ける耐食性に及ぼす鋼中Siの影響を示した
図、第4図は鋼中P濃度か同じオーステナイト系ステン
レス鋼の粒界P化物の析出速度に及ぼす鋼中Mn濃度の
影響を示した図、第5図はCr”を含有する硝酸溶液中
におけるステンレス鋼の腐食速度に及はす鋼中Cr濃度
の影響を示した図である。
6C鋼とFe −18cr −14Ni −2Mo −
0,03C鋼を500℃から800℃の温度域で熱処理
を施した後に、硫酸−硫酸銅試験に供し、Cr欠乏に伴
う粒界腐食の発生に要する時間を比較した図、第2図は
C濃度の異なる31B系オーステナイト系ステンレス鋼
に675℃xlh ACO熱処理を施し、Huey試
験に供した場合の腐食速度のC濃度依存性を示した図、
第3図はMO含有オーステナイト系ステンレス鋼の硝酸
溶液中に於ける耐食性に及ぼす鋼中Siの影響を示した
図、第4図は鋼中P濃度か同じオーステナイト系ステン
レス鋼の粒界P化物の析出速度に及ぼす鋼中Mn濃度の
影響を示した図、第5図はCr”を含有する硝酸溶液中
におけるステンレス鋼の腐食速度に及はす鋼中Cr濃度
の影響を示した図である。
Claims (2)
- (1)重量%で C:0.025%以下、 Si:0.25%以下、 Mn:2.0%以下、 P:0.045%以下、 S:0.03%以下、 Ni:12〜15%、 Cr:16〜19%、 Mo:2〜3% を含有して、残部が実質的に鉄からなることを特徴とす
る耐粒界腐食性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼
。 - (2)重量%で C:0.025%以下、 Si:0.25%以下、 Mn:2.0%以下、 P:0.045%以下、 S:0.03%以下、 Ni:12〜15%、 Cr:16〜19%、 Mo:2〜3%、 Cu:0.2%以下 を含有して、残部が実質的に鉄からなることを特徴とす
る耐粒界腐食性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼
。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14423390A JPH0436440A (ja) | 1990-06-01 | 1990-06-01 | 耐粒界腐食性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14423390A JPH0436440A (ja) | 1990-06-01 | 1990-06-01 | 耐粒界腐食性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0436440A true JPH0436440A (ja) | 1992-02-06 |
Family
ID=15357345
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14423390A Pending JPH0436440A (ja) | 1990-06-01 | 1990-06-01 | 耐粒界腐食性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0436440A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014034694A (ja) * | 2012-08-08 | 2014-02-24 | Nippon Yakin Kogyo Co Ltd | ディーゼルエンジンegrクーラ用オーステナイト系ステンレス鋼およびディーゼルエンジン用egrクーラ |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6167761A (ja) * | 1984-09-12 | 1986-04-07 | Hitachi Ltd | 原子炉用オ−ステナイト系ステンレス鋼冷間加工部材 |
JPH01306098A (ja) * | 1988-06-03 | 1989-12-11 | Hitachi Ltd | 耐硝酸用ステンレス鋼溶接材料及びその使用法 |
-
1990
- 1990-06-01 JP JP14423390A patent/JPH0436440A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6167761A (ja) * | 1984-09-12 | 1986-04-07 | Hitachi Ltd | 原子炉用オ−ステナイト系ステンレス鋼冷間加工部材 |
JPH01306098A (ja) * | 1988-06-03 | 1989-12-11 | Hitachi Ltd | 耐硝酸用ステンレス鋼溶接材料及びその使用法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014034694A (ja) * | 2012-08-08 | 2014-02-24 | Nippon Yakin Kogyo Co Ltd | ディーゼルエンジンegrクーラ用オーステナイト系ステンレス鋼およびディーゼルエンジン用egrクーラ |
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