JPH04362413A - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

Info

Publication number
JPH04362413A
JPH04362413A JP16493391A JP16493391A JPH04362413A JP H04362413 A JPH04362413 A JP H04362413A JP 16493391 A JP16493391 A JP 16493391A JP 16493391 A JP16493391 A JP 16493391A JP H04362413 A JPH04362413 A JP H04362413A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
compressor
clutch
discharge capacity
control
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP16493391A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2694858B2 (ja
Inventor
Nobuyuki Kawai
伸幸 河合
Ikutaro Nomichi
郁太郎 野路
Kazumasa Tanaka
一正 田中
Joji Shimizu
清水 譲二
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP16493391A priority Critical patent/JP2694858B2/ja
Publication of JPH04362413A publication Critical patent/JPH04362413A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2694858B2 publication Critical patent/JP2694858B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、外部から印加される吐
出容量制御信号が最小値の時に吐出容量が最大となる可
変容量形コンプレッサを備えた車両用空調装置に関する
【0002】
【従来の技術】従来、外部から印加される制御信号に基
づいて吐出容量を設定するアクチュエータを有し、少な
くとも制御信号が最小値の時に吐出容量が最大に設定さ
れる可変容量コンプレッサと、クラッチオン信号に基づ
いて原動機の駆動力を可変容量コンプレッサに伝達し、
クラッチオフ信号に基づいて原動機から可変容量コンプ
レッサへの駆動力を断つクラッチと、周囲環境状態や運
転状態に基づいて可変容量コンプレッサの吐出容量やコ
ンプレッサのオン・オフを制御する制御回路とを備えた
車両用空調装置が知られている(たとえば、日産サービ
ス周報  昭和62年6月  第578号)。
【0003】この空調装置では、たとえば低外気温の定
常状態時などに可変容量コンプレッサの吐出容量が最小
(以下、デストローク状態とも呼ぶ)に設定されるが、
この状態からエアコンスイッチの操作などで強制的に可
変容量コンプレッサをオフしたり、あるいはエバポレー
タの凍結防止のために上記制御回路からの指令でコンプ
レッサをオフするとき、上記制御回路はクラッチオフ指
令を出力してクラッチをオフするとともに、吐出容量制
御信号をゼロ、すなわち最小値にする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ここで、コンプレッサ
オン・オフ指令信号と、上記制御信号であるソレノイド
電流Isolと、クラッチの作動状態とを示す図29の
タイムチャートを参照して従来技術の問題点を説明する
。 図29に示すように、コンプレッサオフ指令が出力され
るとクラッチオフ指令が出力されるが、クラッチオフ指
令が出力されてからクラッチが原動機駆動力を断つまで
に所定の遅れ(約0.5秒)がある。一方、コンプレッ
サオフ指令が出力されると吐出容量制御信号ISOLが
直ちにゼロになり、可変容量コンプレッサの吐出容量は
最大値(以下、フルストロークとも呼ぶ)に向けて変化
し始める。したがって、クラッチが断たれるまでの間(
図29の時間J)に可変容量コンプレッサの吐出容量が
小から大に変化して吸収トルクが増大し、騒音が発生す
るとともにコンプレッサの信頼性が低下する。
【0005】なお、可変容量コンプレッサの吐出容量と
クラッチとを関連させて制御する従来例として、特開昭
57ー182516号公報や特開昭58−199215
号公報などに開示されたものがあるが、これらに開示さ
れている可変容量コンプレッサは、本発明の前提となる
「吐出容量制御信号が最小値で吐出容量が最大となる」
ものとは異なり、上述した問題は発生しない。
【0006】本発明の目的は、制御信号が最小値の時に
その吐出容量が最大となる可変容量コンプレッサを備え
た空調装置において、クラッチが確実に原動機駆動力を
遮断した後に可変容量コンプレッサの吐出容量を最大値
に設定することにより、原動機駆動力が遮断されるまで
の間にトルク変動がなく、騒音や信頼性の低下を防止で
きる車両用空調装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】クレーム対応図である図
1に対応付けて説明すると、本発明に係る車両用空調装
置は、原動機501により駆動され冷媒を吐出する可変
容量コンプレッサ502,コンデンサ503およびエバ
ポレータ504を少なくとも有するクーラーユニットと
、前記可変容量コンプレッサ502を停止させるか否か
を判定する判定手段507と、この判定手段507が前
記可変容量コンプレッサ502を停止させると判定した
とき、クラッチオフ信号を出力するクラッチオフ信号出
力手段508と、クラッチオフ信号に基づいて前記原動
機501から前記可変容量コンプレッサ502への駆動
力を断つクラッチ506と、各種の状態に基づいて前記
可変容量コンプレッサ502の吐出容量を所定値に制御
するための制御信号を出力するとともに、前記判定手段
507が前記可変容量コンプレッサ502を停止させる
と判定したとき、前記クラッチオフ信号が出力されて前
記クラッチ506が前記原動機駆動力を断つまでの所定
の遅延時間後に、前記制御信号を最小値とする制御信号
出力手段509と、前記制御信号に基づいて前記可変容
量コンプレッサの吐出容量を調節し、少なくとも前記制
御信号が最小値の時に前記吐出容量を最大にする吐出容
量制御手段505とを具備することにより、上述の目的
を達成する。請求項2の空調装置は、エバポレータ50
2の凍結開始可能温度に相関する物理量を検出する検出
手段601を備え、前記判定手段507は、この検出手
段601により検出された物理量が前記エバポレータ凍
結開始可能温度を示すときに前記可変容量コンプレッサ
502を停止させると判定する。請求項3の空調装置の
検出手段601は実際の冷媒温度を検出する温度センサ
であり、前記制御信号出力手段509は、外気温度が所
定値未満の場合に、温度センサ601で検出された実際
の冷媒温度が、冷媒解氷温度に関連して決定された第1
の温度と冷媒凍結限界温度に関連して決定された第2の
温度とを交互に繰り返すように前記コンプレッサ502
の吐出容量を制御する制御信号を出力し、前記判定手段
507は、前記冷媒温度が前記エバポレータの凍結開始
可能温度を示す所定値以下の時に前記可変容量コンプレ
ッサ502を停止させると判定する。請求項4の検出手
段601はエバポレータ下流の空気温度を検出する吸込
み温度検出センサである。請求項5の空調装置において
は、制御信号が電流信号であり、前記吐出容量制御手段
505は、電流信号がゼロのとき吐出容量を最大にする
【0008】
【作用】判定手段507が可変容量コンプレッサ502
を停止させると判定すると、クラッチオフ信号出力手段
508はクラッチオフ信号を出力する。これにより、ク
ラッチ506は直ちに動作を開始するが、機械的な遅れ
により所定時間後に原動機の駆動力を遮断する。制御信
号出力手段509はこの機械的な遅れ時間を予め予定し
て、判定手段507がコンプレッサ停止と判定した後の
所定遅延時間後に制御信号を最小値とする。したがって
、クラッチ506が原動機駆動力を遮断した後に可変容
量コンプレッサ502の吐出容量が最大値に向けて変動
し、クラッチ作動中における吐出容量の変動が確実に防
止できる。請求項2の空調装置では、検出された物理量
が前記エバポレータ凍結開始可能温度を示すときに前記
可変容量コンプレッサ502が停止される。このとき、
可変容量コンプレッサ502の吐出容量はほぼ最小値に
なっていると予想され、クラッチ506により原動機駆
動力が遮断された後に吐出容量はほぼ最小値から最大値
に変動する。したがって、クラッチ作動中に大きなトル
ク変動が発生することを未然に防止できる。請求項3の
空調装置では、外気温度が所定値未満の場合に、所定時
間だけ冷媒解氷温度に関連して決定された第1の温度と
、冷媒凍結限界温度に関連して決定された第2の温度と
の間で冷媒温度が交互に制御されるように、コンプレッ
サ502の吐出容量が制御される。このときも、可変容
量コンプレッサ502の吐出容量はほぼ最小値になって
いると予想されるから、上述したと同様な作用効果が得
られる。
【0009】
【実施例】図2〜図28により本発明の一実施例を説明
する。 (I)実施例の構成 <I−1:全体構成>本発明に係る車両用空調装置は、
図2に示すように、エンジン(原動機)1により駆動さ
れる可変容量形コンプレッサ2,コンデンサ3,エバポ
レータ4,リキッドタンク5,膨張弁6から成る圧縮冷
凍サイクルのク−ラ−ユニット100を備えている。可
変容量形コンプレッサ2は、吸入圧力Psが設定圧力P
rを越えると傾き角を大きくして吐出容量を大きくする
もので、その設定圧力Prは、図3に示す空調用制御回
路40から供給されるソレノイド電流ISOLによって
制御される。この可変容量コンプレッサ2はマグネティ
ッククラッチ72を介してエンジン1の出力軸と接続さ
れ、クラッチ72がオンの時にエンジン駆動力が伝達さ
れ、クラッチ72がオフの時にエンジン1と切り離され
る。またエバポレータ4は、外気導入口7aおよび内気
導入口7bを有する空調ダクト7内に配設されている。
【0010】各導入口7a,7bには、空調ダクト7内
へ導入される空気流量を制御する内外気切換ドア8が設
けられる。更に空調ダクト7内には、周知のとおりブロ
アファン9、ヒ−タ−ユニット10、エアミックスドア
11が設けられるとともに、空調ダクト7に設けられた
ベント吹出口7cおよび足下吹出口7dからの吹き出し
量をそれぞれ調整するベントドア12、フットドア13
が設けられる。更に、空調ダクト7に設けられたデフロ
スタ吹出口7eにはデフロスタドア14が設けられる。
【0011】<I−2:可変容量形コンプレッサ>可変
容量形コンプレッサ2はいわゆる斜板形のもので、斜板
が配設されるケ−シング内に吸入圧力Psまたは吐出圧
力Pdを導き、これによって斜板の傾き角を変えて吐出
容量を変更するもので、例えば特開昭58−15838
2号公報に開示されている。吸入圧力Psが導かれると
傾き角が大きくなり、吐出圧力Pdが導かれると傾き角
が小さくされる。このような傾き角制御のため、このコ
ンプレッサ2は、不図示のケ−シング室を吸入側室また
は吐出側室と択一的に連通するコントロールバルブ32
を有する。
【0012】<I−3:コントロールバルブ32>コン
トロールバルブ32は電磁アクチュエータ32aを有し
、そのソレノイド部は図3に示すようにリレー67を介
して空調用制御回路40の出力部に接続されて後述の如
くソレノイド電流ISOLにより制御される。一般には
、コンプレッサ2の吸入圧力Psが予め設定された圧力
Pr(以下、設定圧力)を越えるとコントロールバルブ
32が作動し、吸入圧力Psが不図示のケーシング室に
導かれて傾き角が大きくなり吐出容量が増大する。吸入
圧力Psが設定圧力Pr以下の場合には、吐出圧力Pd
がケーシング室内に導かれ傾き角が小さくなり、吐出容
量が減少する。
【0013】本実施例では、電磁アクチュエータ32a
のソレノイド部に流れるソレノイド電流が増加するのに
比例して上記設定圧力Prが大きくなるようにしている
。したがって、ソレノイド電流がゼロになると設定圧力
Prは小さな値となり、吐出容量は最大値となる。この
ようにソレノイド電流ゼロで吐出容量を最大値に設定す
るのは次の理由による。すなわち、車両整備の際に冷媒
循環量を確認するとき、コントロールバルブ32へ制御
信号を印加するためのコネクタを外せば、冷媒循環量が
最大となるようにするためである。
【0014】<I−4:空調用制御回路40>図3は本
発明に係る車両用空調装置の制御ブロック図を示す。空
調用制御回路40は、CPU、ROM、RAM、入出力
回路およびその他の周辺回路からなり、その入力部には
、外気温度TAMBを検出する外気温センサ41,車室
内温度TINCを検出する室内温度センサ42,日射量
QSUNを検出する日射センサ43,エバポレータ4下
流の空気温度(以下、吸込温度という)TINTを検出
する吸込温度センサ44,膨張弁6の出口側管面に設け
られて冷媒温度Trefを検出する冷媒温度センサ45
,エンジン冷却水温Twを検出する水温センサ46がそ
れぞれ接続され、これらのセンサ41〜46から各種温
度情報や熱量情報がCPUに入力される。また、入力部
には、エアコンスイッチ47、ブロアファンスイッチ4
8、イグニションスイッチ49、デフロスタスイッチ5
0、インテークマニホルドの吸気圧力を検出する吸気圧
力センサ51、エンジン回転数を検出する回転数センサ
52、エアミックスドア11の開度を検出するエアミッ
クスドア開度センサ53、内外気切換ドア8の位置を検
出する内外気切換ドアセンサ54も接続される。
【0015】更に、空調用制御回路40の出力部には、
インテークドアクチュエータ61,エアミックスドアア
クチュエータ62,ベントドアアクチュエータ63,フ
ットドアアクチュエータ64,デフロスタドアアクチュ
エータ65およびブロアファン制御回路66が接続され
、ブロアファン制御回路66にはブロアファンモータ9
が接続されている。この出力部にはさらに、リレー67
を介して、コントロールバルブ32に付設された電磁ア
クチュエータ32aのソレノイド部が接続されている。
【0016】CPUは、各センサ41〜46,51〜5
4、各スイッチ47〜50から入力された各種情報に基
づいて、インテークドアクチュエータ61,エアミック
スドアアクチュエータ62などの各種アクチュエータを
駆動制御して空気の吸込口や吹出口および吹出し温度あ
るいはコントロールバルブ32の設定圧力Prを適切に
制御する。さらに、風量制御信号によりブロアファン制
御回路66を介してブロアファンモータ9を駆動制御し
てブロアファンの風量を適切に制御する
【0017】さ
らに空調用制御回路40の出力部にはエンジンを電子制
御するための制御回路70が接続されている。このエン
ジン電子制御回路70は、エンジンの点火時期、燃料噴
射時期あるいは燃料噴射量などを制御するものであるが
、本明細書ではその点の詳細説明は省略する。このエン
ジン電子制御回路70には、上述のマグネティッククラ
ッチ72をオン・オフするリレー71が接続されており
、エンジン電子制御回路70は、空調用制御回路40か
らクラッチオン指令を受けるとリレー71を励磁してク
ラッチ72をオンする。このリレー71を励磁する信号
がクラッチオン信号である。また、エンジン電子制御回
路70は、空調用制御回路40からクラッチオフ指令を
受けるとリレー71を消磁してクラッチ72をオフする
。このリレー71を消磁する信号がクラッチオフ信号で
ある。
【0018】(II)実施例の動作 次に実施例の動作を説明する。 <II−1:基本フローチャート−>図4はCPUで実
行される空調制御装置の基本制御を示すフローチャート
である。ステップS10では初期設定を行い、通常のオ
ートエアコンモードにおいては、例えば設定温度Tpt
cを25℃に初期設定する。ステップS20では各セン
サからの各種情報を入力する。
【0019】これらの各センサのデータ情報を具体的に
説明すると、設定温度Tptcは図示しないコントロー
ルパネルから、車室内温度TINCは室内温度センサ4
2から、外気温度TAMBは外気温センサ41から、吸
込温度TINTは吸込温度センサ44から、冷媒温度T
refは冷媒温度センサ45からそれぞれ与えられる。 また、エンジン水温Twは水温センサ46から、日射量
QSUNは、日射センサ43から与えられる。
【0020】次にステップS30では、外気温センサ4
1から得られる外気温度TAMBに対して他の熱源から
の影響を除き、現実の外気温度に相当した値TAMに処
理する。次にステップS40では日射センサ43からの
光量としての日射量情報を以降の換算に適した熱量とし
ての値Q’SUNに処理する。ステップS50ではコン
トロールパネルで設定された設定温度TPTCを外気温
度に応じて補正した値T’PTCに処理する。ステップ
S60ではT’PTC,TINC,TAM,Q’SUN
から目標吹出温度Toを算出すると共に、この目標吹出
温度Toと実際の吹出温度との偏差に応じてエアミック
スドア11の開度を算出する。ステップS70ではコン
プレッサ2を以下に述べるように制御する。ステップS
80では各吹出口を制御する。ステップS90では吸込
口、即ち、外気導入口7aおよび内気導入口7bの選択
切換を制御する。ステップS100ではブロアファンモ
ータ9を制御することにより、吹出口からの風量を制御
する。
【0021】<II−2:コンプレッサ制御>図5およ
び図6は図4のコンプレッサ制御(ステップS70)を
詳細に説明するフローチャートである。図5において、
ステップS701ではブロアファンモータ9が作動して
いるか(オンしているか)否かをブロアファンスイッチ
48からの信号により判定し、非作動ならばステップS
702に進み、コンプレッサオフ制御を実行してコンプ
レッサ2を停止(オフ)する。作動中ならばステップS
703において、検出された冷媒温度Trefに基づい
て状態1か2かを読み取りその状態を所定の格納領域に
格納する。なお、ステップS703におけるTref1
は熱負荷が小さい状態での冷媒温度であり、Tref2
はTref1よりもある程度高い冷媒温度である。なお
、このTref1は、後述する低温デミスト制御におい
て外気温TAMから定められる基準冷媒温度T21より
も低い冷媒温度である。次いで、ステップS704で状
態2と判定されると、ステップS702においてコンプ
レッサオフ制御を実行してコンプレッサ2を停止する。
【0022】以上述べたステップS703,704,7
02によれば、冷媒流量が極めて少ない条件(例えば、
後述する所定低外気温度領域下における低温デミスト制
御)では、エバポレ−タを通過する風のエバポレ−タへ
の熱負荷も極めて小さいことから、エバポレ−タ内部の
冷媒状態が不安定になりコンプレッサへ悪影響を与える
ので、冷媒温度が所定値以下になるとコンプレッサをオ
フするものである。
【0023】<II−2−1:コンプレッサオフ制御>
図7は、ステップS702のコンプレッサオフ制御を詳
細に示すフローチャートである。まずステップS702
1でコンプレッサ信号をオンからオフにし、ステップS
7022でコンプレッサオフ指令をエンジン電子制御回
路70へ出力する。その後、ステップS7023で0.
5秒経過したか判定し、0.5秒経過するとステップS
7024でソレノイド電流ISOLを最小値、すなわち
ゼロ(A)にする。この0.5秒はクラッチ72の遅れ
時間であり、実験により求められる。
【0024】図8はエンジン電子制御回路70で実行さ
れるフローチャートのうち本実施例と関連する部分を示
す図である。ステップS801で空調用制御回路40か
らコンプレッサオン指令またはオフ指令が出力されてい
るかを判定し、オン指令が出力されていると判定すると
、ステップS802でクラッチオン信号をリレー71に
送出してマグネティッククラッチ72をオンする。これ
により、クラッチ72が繋がり可変容量コンプレッサ2
が駆動される。一方、オフ指令が出力されていると判定
すると、ステップS803でクラッチオフ信号をリレー
71に送出してマグネティッククラッチ72をオフする
。これにより、クラッチ72が切り離され可変容量コン
プレッサ2の駆動が停止される。
【0025】以上のように、コンプレッサオフ指令が空
調用制御回路40からエンジン電子制御回路70に出力
され、その0.5秒経過後に空調用制御回路40はソレ
ノイド電流をゼロに設定するようにしているので、図9
に示すように、マグネティッククラッチ72がオフして
エンジンの駆動力が遮断されてから可変容量コンプレッ
サ2の吐出容量が最大値に設定されるので、従来のよう
なトルク変動にともなう騒音や信頼性の低下を防止でき
る。
【0026】この結果、とくに上述した図5(コンプレ
ッサ制御)のステップS704、後述する図6(コンプ
レッサ制御)のステップS716,S714、図18(
省燃費,省動力制御)のステップS7155、図20(
低温デミスト制御)のステップS7173、図21(低
温デミスト制御)のステップS7283,S7285で
、それぞれエバポレータが凍結を開始するであろう冷媒
温度あるいは大気温度であると判定されて可変容量コン
プレッサ2が停止される時は、可変容量コンプレッサ2
の吐出容量はほぼ最小値にあると予想されるので、上記
のようにクラッチによりエンジン駆動力が確実に遮断さ
れた後で可変容量コンプレッサ2の吐出容量を最大値に
する効果が得られる。
【0027】図5のステップS704で状態1と判定さ
れると、ステップS705において、回転数センサ52
からの信号によりエンジン回転数の状態を判定し、低回
転領域のとき(図10に示すようにエンジン回転数が所
定回転数Rref2に上昇するまでの間)にはステップ
S706に進み、高回転領域のとき(図10に示すよう
に回転数が所定回転数Rref1に低下するまでの間)
にはステップS712(図6)のデストローク制御に進
む。ステップS706では、補正処理された外気温度T
AMに基づいて、状態3,4,5のいずれかを判定して
所定の格納領域に格納し、図6に示すステップS707
に進む。なお、ステップS706において、TAM1お
よびTAM2は外気温度が極めて低い状態であり、TA
M3およびTAM4は外気温度がある程度高い状態であ
る。
【0028】図6のステップS707ではデフロスタス
イッチ50がオンしているか否かを判定し、オフならば
ステップS708において、ステップS60で演算され
た目標吹出温度Toが、ヒータユニット10へ流入する
空気をエアミックスドア11が全て遮断するような温度
Trcd以下か否かを判定する。Trcd以下ならばス
テップS709に進んで急速クールダウン制御を行う。 なお、このステップS708の判定は、熱負荷がかなり
大きいか否かを判定するものである。
【0029】このステップS708の判定は、イグニシ
ョンスイッチ49のオフからオン時に1回だけ行ったり
、ブロアファンスイッチ48のオフからオン時に1回だ
け行うようにする。
【0030】<II−2−2:急速クールダウン制御>
図11は図6のステップS709における急速クールダ
ウン制御のフローチャートを示す。ステップS7091
において、エバポレータを通過する空気の出口側の目標
温度(以下、目標吸込温度という)T’INTをエバポ
レータの凍結開始可能温度以下の温度T1とするととも
に、タイマの計時時間Time1としてt1を設定する
【0031】ここで、目標吸込温度T’INTをかかる
温度T1としたのは、夏季日中のように周囲温度が高い
場合には、エバポレータ下流の実際の空気温度TINT
を凍結開始可能温度より更に低い温度T1にしても所定
時間内ならば凍結しないことを本発明者が確認したこと
によるものであり、また、このように目標吸込温度T’
INTを温度T1のように低くすることにより、コンプ
レッサ2の吐出容量を調節するコントロールバルブ32
の設定圧力Prを低くでき、もって、より低い吸入圧力
Psの領域でコンプレッサ2の吐出容量を大きく保持で
き、冷却能力を十分に発揮できるからである。
【0032】次にステップS7092において、ソレノ
イド通電電流ISOL1を演算する。この演算は図12
のフローチャートに示されるように、まず吸込温度TI
NTと目標吸込温度T’INTの差(TINT−T’I
NT)を演算し(ステップS941)、この差から比例
項電流IPおよび積分項電流IIをそれぞれ図13およ
び図14に従ってステップS942で求める。ここで、
比例項電流IPはステップS941で演算された差に基
づいて図14から求められ、積分項電流IIは、同様の
差に基づいて図13からΔIIを求め、このΔIIに前
回までのIIを加えた値II(=II+ΔII)として
求められる。そしてステップS943において、比例項
電流IPと積分項電流IIとの差に相当する電流をソレ
ノイド通電電流ISOL1として求める。すなわちソレ
ノイド通電電流ISOL1は、 ISOL=IP−II・・・(1) で求められる。ただし、IPはアンペア、IIはミリア
ンペアである。
【0033】また、図11のステップS7093におい
ては、吸込温度TINTが凍結開始可能温度T4か否か
を判定し、肯定するまで繰り返しステップS7092と
ステップS7093とを実行し、TINT=T4になる
と、ステップS7094においてタイマTime1の計
時を開始してステップS7095に進む。ステップS7
095においては、ステップS7092と同様にソレノ
イド通電電流ISOL1を演算する。次いでステップS
7096において、目標吹出温度Toが温度T5以上か
否かを判定する。 ここで、温度T5は、エアミックスドア11がヒータユ
ニット10への空気の流入を開始するような温度である
。ステップS7096が肯定されるとステップS709
8に進み、否定されるとステップS7097においてタ
イマTime1がt1の計時を完了したか否かを判定す
る。このステップS7097が否定されるとステップS
7095に戻る。肯定されるとステップS7098に進
んでエバポレータ目標吸込温度T’INTを1度/秒づ
つ増加する。
【0034】したがって、図13、図14および第1式
からわかるように、急速クールダウン時においては、I
SOL1はエバポレータ4の吸込温度TINTが温度T
1になるまで急減する。ソレノイド電流ISOL1が小
さくなると、電磁アクチュエータ32aの作用により設
定圧力Prが低くなる。この結果、コンプレッサ吸込圧
力Psが小さい値でもケーシング室には吸込圧力Psが
導かれ、傾き角が大きくすなわちコンプレッサ吐出容量
が大きく(冷却能力が大きく)される。
【0035】このような制御は、図15の特性図に示す
とおり、吸込温度TINTが温度T4まで低下してから
t1分間、または目標吹出温度Toが温度T5以上にな
るまで続行される。すなわち、吸込温度TINTが温度
T1に設定されたまま所定時間だけコンプレッサ2がオ
ーバストローク運転され急速クールダウン制御が実行さ
れ、夏季日中など急速に車室内を冷却することができる
【0036】一方、図6のステップS708において、
目標吹出温度Toが温度Trcd未満でないときには、
ステップS710において、吸気圧力センサ51で検出
されたインテークマニホルドの吸気圧力に基づいて加速
状態か否かを判定し、加速状態であれば、ステップS7
11において、吸込温度TINTがTINT1度以下か
否かを判定する。肯定されるとステップS712におい
てデストローク制御を実行する。
【0037】<II−2−3:デストローク制御>図1
6はデストローク制御のフローチャートを示す。ステッ
プS7121において、 TINT>T’INT+1 か否かを判定し、否定されるとステップS7122に進
み、肯定されるとステップS7123に進む。ステップ
S7122では、目標吹出温度T’INTをT10度だ
け増加させ、次のステップS7124において、上述の
図13および図14のグラフから第1式に基づいて電磁
アクチュエータ32aのソレノイド部に供給する電流値
ISOL1を制御する。一方、ステップS7123では
、目標吹出温度T’INTをT11度(>T10)とし
て、ステップS7124で同様に第1式から求めた電流
値ISOL1により電磁アクチュエータ32aを制御す
る。
【0038】すなわちステップS7121において、目
標吸込温度T’INTと吸込温度TINTとの相対比較
により、現在のエバポレータの冷却状態を判定する。否
定されることはある程度エバポレータが目標値に近づい
て運転されていることを意味し、ステップS7122に
おいて、目標吸込温度T’INTを比較的小さい数値で
あるT10度だけ高くして電流値ISOL1を決定する
。この結果、コントロールバルブ32の設定圧力Prが
高めに設定され、コンプレッサ2の吸入圧力Psが従前
よりも高めの状態でもケーシング室内にはコンプレッサ
吐出圧力Pdが導かれて傾き角が小さめに保持される。 この場合、目標吸込温度T’INTが高くなると、実際
に検出される吸込温度TINTが高くなり目標吹出温度
T0との偏差が変わりエアミックスドア11が閉じ側に
駆動されるから、冷媒流量が減っても吹き出し温度は上
昇しない。
【0039】なお、エアミックスドア11の開度は図1
7に示すように制御される。図17において、ステップ
S601で定数A〜Gを初期化し、ステップS602で
、エアミックスドア開度センサ53の信号により現在の
エアミックスドア開度Xを入力する。次いでステップS
603において、図示の式に基づいて目標吹出温度T0
と実際の吹出温度との偏差Sを求める。そしてステップ
S604においてこの偏差Sを所定値Soと比較する。 S<−Soの場合、ステップS605でエアミックスド
ア開度をコールド側、すなわちヒータユニット10を通
過する空気流量が少なくなるように閉じ側にする。 S>+Soの場合、エアミックスドア開度をホット側、
すなわちヒータユニット10を通過する空気流量が多く
なるように開き側にする。|S|≦+Soの場合、現状
の開度をそのまま維持する。
【0040】一方、デストローク制御のステップS71
21が否定されることは、エバポレータを通って吸い込
まれる空気温度TINTがT10度以下でありエバポレ
ータの冷却能力はかなり発揮されているが、目標吸込温
度T’INTとはまだ隔たりがあることを意味し、冷却
性能はある程度無視して加速性能を重視するため、エバ
ポレータ目標吸込温度T’INTをT11度にしてソレ
ノイド通電電流ISOL1を大きくする。ここで、この
所定温度T11は、コンプレッサを停止させずに吐出容
量を最小にした状態でのエバポレータ下流の空気温度に
相当する温度で実験的に求められる。したがって、コン
トロールバルブ32の設定圧力Prが上述の場合よりも
更に高めに設定され、コンプレッサ2の吸入圧力Psが
かなり高くなってもケーシング室内にはコンプレッサ吐
出圧力Pdが導かれて傾き角が小さめに保持される。
【0041】以上の各ステップS7121〜S7123
は、図5のステップS705でエンジン回転数が高いと
判定されたときにも実行される。以上のようにデストロ
ーク制御は加速時あるいはエンジン高回転域運転時に実
行され、それぞれのデストローク制御によって次のよう
な作用効果がある。
【0042】■加速時のデストローク制御このデストロ
ーク制御は、加速時であってエバポレータ吸込温度TI
NTがTINT1度以下のときに実行されるが、エバポ
レータ吸込温度TINTがTINT1度以下の場合はエ
バポレータの冷却能力がかなり発揮されているので、冷
却性能を多少犠牲にして加速性能を向上させるものであ
る。すなわち、デストローク条件が判定されると、コン
トロールバルブ32の設定圧力Prを上げてコンプレッ
サ2の吸入圧力Psが比較的大きくなってもケーシング
室にコンプレッサ吐出圧力Pdを導き、これにより、コ
ンプレッサの吐出容量を小さめにする。この結果、コン
プレッサの吸収馬力を低減して加速性能を向上させる。
【0043】この場合、現在の冷却がほぼ十分であれば
、具体的には、吸込温度TINTが目標吸込温度T’I
NTにほぼ達していれば、コントロールバルブ32の設
定圧力Prを多少高めに設定し、冷却性能をある程度維
持しつつ加速性能を向上させる。一方、吸込温度TIN
Tが目標吸込温度T’INTとはまだ隔たりがあれば、
コントロールバルブ32の設定圧力Prをより高めに設
定し、冷却性能を無視して加速性能を前者よりも重視す
る。
【0044】■高回転領域でのデストローク制御エンジ
ン回転数が高回転領域においては、可変容量コンプレッ
サも高速回転しその耐久性に悪影響を及ぼす。また、高
速回転であれば、コンプレッサの傾きが小さくても必要
な冷媒流量を得られる。このため、高速回転領域では、
可変容量形コンプレッサの傾き角を小さくしてピストン
の往復動速度を遅くして、耐久性の向上を図る。
【0045】また、図6のステップS711が否定され
ると、ステップS713において、エアコンスイッチ4
7がオンか否かを判定する。オンならばステップS71
6にジャンプし、オフならばステップS714でそれぞ
れ上述の状態3〜5のいずれであるかを判定する。状態
3ならばステップS715において省燃費,省動力制御
を行い、状態4又は5のときはステップS702に進み
、コンプレッサ2をオフする。
【0046】<II−2−4:省燃費,省動力制御>図
18は省燃費,省動力制御のフローチャートを示す。 ステップS7151において、吹出口がバイレベル(B
/L)モードか否かを判定する。B/Lモードならばス
テップS7152に進み、B/Lモードでなければステ
ップS7153に進む。ステップS7152およびS7
153においては、図19のグラフに従って、目標吹出
温度T0から目標吸込温度T’INTを求める。すなわ
ち、B/Lモードでは特性線図IIにしたがって目標吸
込温度T’INTを設定し、B/Lモード以外のモード
では特性線図Iにしたがって目標吸込温度T’INTを
設定する。
【0047】次いで、ステップS7154に進み、吸込
温度TINTが、凍結開始可能温度T4およびそれより
も若干低い温度である温度T6によって定められる温度
範囲のいずれにあるかによって、状態6か7かを判定す
る。 ステップS7155では、状態7か否かを判定し、肯定
されると、すなわち状態7ならばステップS7157で
図7に示したコンプレッサオフ制御を実行して所定の処
理に戻る。一方、状態6と判定されると、ステップS7
156において、上述したと同様にしてソレノイド電流
値ISOL1を制御して所定の処理に戻る。
【0048】以上の手順によれば、目標吹出温度T0に
応じた吸込温度TINTとなるようにコンプレッサが極
め細かく制御され、以下の理由により、省燃費,省動力
が図られる。
【0049】従来のように、現在の吸込温度TINTと
目標吹出温度T0との偏差によりエアミックスドア11
の開度を調節して所望の吹出温度を得る場合には、運転
状態によって吸込温度TINTが不所望に低くなりすぎ
ることがあり、この場合、エアミックスドア11を開き
気味にして吹出温度を目標値に制御している。このため
、コンプレッサが無駄に動力を使い燃費にも悪影響を与
える。
【0050】この実施例によれば、ある目標吹出温度T
0に対して、その温度を得るためにはエバポレータ4下
流の空気温度、すなわち、吸込温度TINTをどの程度
にすればよいかを実験値として決定しておき、図19の
グラフに従って演算される目標吹出温度T0から目標吸
込温度T’INTを決定し、この目標吸込温度T’IN
Tによりコンプレッサの吐出容量を制御して、吸込温度
TINTがむやみに低下し過ぎないようにしている。こ
のことは、コンプレッサが必要最低限の吐出容量(傾き
角)で運転されていることを意味し、したがって、その
吸収馬力も小さくなり、省動力,省燃費に寄与する。
【0051】ところで、この実施例のように、コンプレ
ッサを必要最低限の能力で運転することは、吸込温度T
INTが目標吹出温度T0と極めて接近することを意味
し、両者の偏差が大きいほど開度が大きく制御されるエ
アミックスドア11は、ほば全閉状態となる。このため
、吹き出し口をB/Lモードにするとき、例えば足下吹
出口7dから吹き出される空気温度と、ベント吹出口7
cから吹き出される空気温度とがほぼ等しくなり、いわ
ゆる頭寒足熱の効果が得られなくなる。そこで、B/L
モード時には、上述した意味での省動力,省燃費の効果
は若干低下するが、吸込温度TINTを低めに設定して
エアミックスドア11を開き気味にし、例えば、足下吹
出口7dから吹き出される空気温度を高めにし、これに
より頭寒足熱の効果を得る。
【0052】すなわち、同一の目標吹出温度T0に対し
て、B/Lモードにおける目標吸込温度T’INTがそ
れ以外のモードにおける目標吸込温度T’INTより低
く設定され、B/Lモードではそれ以外のモードに比べ
て第1式によるソレノイド電流ISOL1が小さくなり
、同一の目標吹出温度T0に対する吸込温度TINTが
小さくなり、上述したようにエアミックスドア11が開
き側に設定されて頭感足熱の効果が得られる。
【0053】また図6において、ステップS707が肯
定されると、すなわち、デフロスタスイッチ50がオン
しているときには、ステップS706で格納された状態
3〜5をステップS716で判定しその結果に応じて、
各種の制御が行われる。すなわち、状態3の場合は、ス
テップS717においてMAX除湿制御が行われる。
【0054】<II−2−5:MAX除湿制御>図20
はMAX除湿制御のフローチャートを示す。ステップS
7171において、目標吸込温度T’INTを上述した
凍結開始可能温度T4に設定する。次いで、ステップS
7172において、吸込温度TINTに基づいて、状態
6か7かを判定する。そしてステップS7173におい
て状態7と判定されると、ステップS7174において
図7に示したコンプレッサオフ制御を実行する。状態6
と判定されると、ステップS7175において、図12
に示したとおり上述の第1式,図13および図14に基
づいて電磁アクチュエータ32aのソレノイド電流IS
OL1を制御する。一方、図6のステップS716にお
いて状態4が判定されると、ステップS718において
低温デミスト制御を行う。
【0055】<II−2−6:低温デミスト制御>図2
1および図22は、低温デミスト制御のフローチャート
である。この制御においては、電磁アクチュエータ32
aへ通電される電流は、外気導入時には冷媒温度Tre
fと目標冷媒温度T’refとに基づいて図25および
図26のグラフから求められるIPとΔIIとにより、
第1式に基づき算出され、内気循環時には上述の図13
,図14から求められるIPとΔIIとにより算出され
る。
【0056】以下、順を追って低温デミスト制御につい
て説明する。まず、ステップS7281において、内外
気切換ドアセンサ54からの信号により内気循環か外気
導入かを判定する。外気導入ならばステップS7282
に進み、補正された外気温度TAMを用いて、図23の
グラフから基準冷媒温度T21,T22を算出する。ス
テップS7283では、検出された冷媒温度Trefが
状態21か22かを判定する。状態21ならば図5のス
テップS702にジャンプしてコンプレッサオフ制御を
実行する。
【0057】状態22ならばステップS7181(図2
2)に進み、目標冷媒温度T’ref2として外気温度
TAM+T8を、目標冷媒温度T’ref3として外気
温度TAM−T9をそれぞれ設定する。また、タイマT
ime2にt2分を、タイマTime3にt3分をそれ
ぞれ設定する。次いでステップS7182でフラグ1が
0か否かを判定し、肯定されると、ステップS7183
でフラグ2が0か否かを判定する。肯定判定されると、
ステップS7184において、Time2の計時を開始
し、ステップS7185において、T’refとしてま
ず目標冷媒温度T’ref3を選択し、ステップS71
86において、ソレノイド電流ISOL2を図24の手
順により求める。これは、図25と図26のグラフに示
すように、比例項電流IPと積分項電流IIを目標冷媒
温度T’refで求める点以外は図11のソレノイド電
流ISOL1の手順と同様であり、説明を省略する。
【0058】次に、ステップS7187において、Ti
me2の計時が完了したか否かを判定する。計時完了前
では否定されてステップS7194に進み、フラグ1に
1を設定して、所定の手順にリターンする。一方、Ti
me2の計時が完了すると、ステップS7188におい
て、フラグ1を0とし、ステップS7189でTime
3の計時を開始する。次いでステップS7190におい
て、T’refとして目標冷媒温度T’ref2を選択
してステップS7191に進み、上述と同様にしてソレ
ノイド電流ISOL2を制御する。更にステップS71
92において、Time3の計時が完了したか否かを判
定し、計時完了前ならばステップS7195に進んでフ
ラグ2に1を設定して所定の手順に戻る。計時が完了す
ると、ステップS7193においてフラグ2に0を設定
して所定の手順に戻る。
【0059】この図22に示すステップS7181〜S
7195の手順によれば、時間経過と共に、目標冷媒温
度T’ref3とT’ref2とが図27のように選択
されてISOL2が調節される。この結果、T’ref
3でISOL2を調節するときは冷媒温度を外気温度よ
りもT9(例えば、4度)低くして除湿が行われる。な
お、T’ref3とT’ref2とを交互に選択してコ
ンプレッサを脈動運転するのは、冷媒の流量が少ない運
転時のオイル潤滑性を向上させコンプレッサの焼き付き
を防止するためである。
【0060】一方、ステップS7281(図21)にお
いて内気循環と判定されればステップS7284に進み
、内気循環に切換わった直後か否かを判定する。肯定さ
れるとステップS7288においてフラグ3が0か否か
を判定し、肯定されるとステップS7289でタイマT
ime4の計時を開始する。そしてステップS7290
でTime4の計時が終了されたか否かを判定し、否定
されるとステップS7291でフラグ3に1を設定して
ステップS7286に進む。Time4の計時が終了す
るとステップS7292でフラグ3に0を設定してステ
ップS7285に進む。ステップS7284において外
気導入から内気循環への切換え直後ではないと判定され
るとステップS7285に進む。
【0061】ステップS7285では、検出された吸込
空気温度TINTが状態23か24かを判定し、状態2
3のときには図5のステップS702にジャンプしてコ
ンプレッサオフ制御を実行してコンプレッサ2を停止し
、状態24のときにはステップS7286に進み、目標
吸込温度T’INTに所定温度Trecを設定する。こ
の所定温度Trecは、0度より大きく凍結開始可能温
度T4よりも低い温度である。その後、ステップS72
87において、検出された吸込空気温度TINTと目標
吸込温度T’INTとに基づいてソレノイドへの通電電
流ISOL1が算出されてコンプレッサの容量が制御さ
れる。
【0062】このような手順によれば、低温デミスト制
御実行中に冷媒温度Trefが基準冷媒温度T21以下
になるとコンプレッサが停止してエバポレータの凍結が
防止される。そして、この基準冷媒温度T21を図23
のグラフのように外気温に連動させているので、低温デ
ミスト制御の実行が許容される外気温度範囲(図5のス
テップS706の状態4)内における比較的低温の状態
では、上記基準冷媒温度T21が低めに設定されるから
コンプレッサが不所望に停止せず、十分に除湿が行なわ
れる。一方、比較的高温の状態では、基準冷媒温度T2
1が高めに設定されるから、冷却能力が過剰になる前に
コンプレッサが停止されエバポレータの凍結が防止され
る。
【0063】また、内気循環時に冷媒温度Tref,T
’refによるコンプレッサ制御を行なうと、車室内の
暖気により冷媒温度センサ45が冷媒温度を高めに検出
し、その結果、冷却能力が過剰になりエバポレータが凍
結するおそれがある。そこで、内気循環時には吸込空気
温度TINT,T’INTによりコンプレッサを制御し
、車室内の暖気による除湿性能への影響を抑制するとと
もに、エバポレータの凍結を防止している。
【0064】さらにまた、図28の外気温に対する窓晴
れ性を示すグラフからわかるように、内気循環時にコン
プレッサを駆動していないときは(符号cの特性)、外
気導入時にコンプレッサを駆動しているとき(符号aの
特性)に比べて同一外気温下での窓晴れ性が悪い。特に
、0度以下の低温状態では、特性cの窓晴れ性は非常に
低い。一方、内気循環時には吸込温度TINTが凍結防
止の基準吸込温度T23以下になるとコンプレッサを停
止するようにしている(図21のステップS7285)
。 しかし、内気循環への切換え直後に直ぐにコンプレッサ
を停止すると、特に0度以下の低温時では窓が急激に曇
るおそれがある。そこで、この実施例のように内気循環
への切換直後は、吸込温度TINTが基準吸込温度以下
であっても所定時間だけはコンプレッサを駆動して急激
な窓曇りを防止している。
【0065】以上の実施例の構成において、コントロー
ルバルブ32や吸込圧力Ps,吐出圧力Pdをケーシン
グ室に導くための構造が吐出容量制御手段505を、空
調用制御回路40、とくに図5(コンプレッサ制御)の
ステップS701,S704、図6(コンプレッサ制御
)のステップS716,S714、図18(省燃費,省
動力制御)のステップS7155、図20(低温デミス
ト制御)のステップS7173、図21(低温デミスト
制御)のステップS7283,S7285が判定手段5
07を、エンジン電子制御回路70がクラッチオフ信号
出力手段508を、空調用制御回路40、とくに、図1
2,図24の各手順が制御信号出力手段509をそれぞ
れ構成する。
【0066】なお、コンプレッサの吐出容量は斜板の傾
き角によって制御したが、斜軸式でも良い。また、吸入
圧力または吐出圧力をケーシング室内に導いて傾き角を
制御したが、その他の方式でも良い。クラッチをマグネ
ティック式としたがその他の形式のクラッチでもよい。
【0067】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、吐出容量制御信号が最小値の時にその吐出容量が
最大値となる可変容量コンプレッサを備えた空調装置に
おいて、可変容量コンプレッサを停止させるときはクラ
ッチが確実に原動機駆動力を遮断した後で制御信号が最
小値とされるから、原動機駆動力が遮断されるまでの間
にトルク変動がなく、騒音や信頼性の低下を防止できる
【図面の簡単な説明】
【図1】クレーム対応図
【図2】全体の構成図
【図3】制御系のブロック図
【図4】基本フローチャート
【図5】コンプレッサ制御のフローチャート
【図6】コ
ンプレッサ制御のフローチャート
【図7】コンプレッサ
オフ制御のフローチャート
【図8】エンジン電子制御回
路のマグネティッククラッチをオフするためのフローチ
ャート
【図9】ソレノイド電流とマグネティッククラッチのタ
イムチャート
【図10】回転数状態を説明する図
【図11】急速クールダウン制御のフローチャート
【図
12】ソレノイド電流ISOL1を制御するためのフロ
ーチャート
【図13】ソレノイド電流ISOL1を演算するための
グラフ
【図14】ソレノイド電流ISOL1を演算するための
グラフ
【図15】吸込温度TINTの時間変化を示す特性図

図16】デストローク制御のフローチャート
【図17】
エアミックスドア開度制御のフローチャート
【図18】
省燃費,省動力制御のフローチャート
【図19】その時
の2つの特性を選択するためのグラフ
【図20】MAX
除湿制御のフローチャート
【図21】低温デミスト制御
のフローチャート
【図22】低温デミスト制御のフロー
チャート
【図23】外気温度と凍結防止基準温度との関
係を示すグラフ
【図24】ソレノイド電流ISOL2を制御するための
フローチャート
【図25】低温デミスト制御時のソレノイド電流ISO
L2を演算するためのグラフ
【図26】低温デミスト制御時のソレノイド電流ISO
L2を演算するためのグラフ
【図27】低温デミスト制御時の目標冷媒温度Tref
2およびTref3の時間変化を示す特性図
【図28】
外気温に対する窓晴れ性を示すグラフ
【図29】ソレノ
イド電流とマグネティッククラッチのタイムチャート
【符号の説明】
1,501:エンジン 2,502:コンプレッサ 3,503:コンデンサ 4,504:エバポレータ 8:内外気切換ドア 9:ブロアファン 10:ヒータユニット 32:コントロールバルブ 32a:電磁アクチュエータ 40:空調用制御回路 41:外気温センサ 45:冷媒温度センサ 70:エンジン電子制御回路 71:リレー 72:マグネティッククラッチ 505:吐出容量制御手段 506:クラッチ 507:判定手段 508:クラッチオフ信号出力手段 509:制御信号出力手段 601:検出手段

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  原動機により駆動され冷媒を吐出する
    可変容量コンプレッサ,コンデンサおよびエバポレータ
    を少なくとも有するクーラーユニットと、前記可変容量
    コンプレッサを停止させるか否かを判定する判定手段と
    、この判定手段が前記可変容量コンプレッサを停止させ
    ると判定したとき、クラッチオフ信号を出力するクラッ
    チオフ信号出力手段と、前記クラッチオフ信号に基づい
    て前記原動機から前記可変容量コンプレッサへの駆動力
    を断つクラッチと、各種の状態に基づいて前記可変容量
    コンプレッサの吐出容量を所定値に制御するための制御
    信号を出力するとともに、前記判定手段が前記可変容量
    コンプレッサを停止させると判定したとき、前記クラッ
    チオフ信号が出力されて前記クラッチが前記原動機駆動
    力を断つまでの所定の遅延時間後に、前記制御信号を最
    小値とする制御信号出力手段と、前記制御信号に基づい
    て前記可変容量コンプレッサの吐出容量を調節し、少な
    くとも前記制御信号が最小値の時に前記吐出容量を最大
    にする吐出容量制御手段と、を具備することを特徴とす
    る車両用空調装置。
  2. 【請求項2】    請求項1の空調装置において、前
    記エバポレータの凍結開始可能温度に相関する物理量を
    検出する検出手段を備え、前記判定手段は、この検出手
    段により検出された物理量が前記エバポレータ凍結開始
    可能温度を示すときに前記可変容量コンプレッサを停止
    させると判定することを特徴とする車両用空調装置。
  3. 【請求項3】    請求項2の空調装置において、前
    記検出手段は実際の冷媒温度を検出する温度センサであ
    り、前記制御信号出力手段は、外気温度が所定値未満の
    場合に、前記温度センサで検出された実際の冷媒温度が
    、冷媒解氷温度に関連して決定された第1の温度と冷媒
    凍結限界温度に関連して決定された第2の温度とを交互
    に繰り返すように前記コンプレッサの吐出容量を制御す
    る制御信号を出力し、前記判定手段は、前記冷媒温度が
    前記エバポレータの凍結開始可能温度を示す所定値以下
    の時に前記可変容量コンプレッサを停止させると判定す
    ることを特徴とする車両用空調装置。
  4. 【請求項4】    請求項2の空調装置において、前
    記検出手段はエバポレータ下流の空気温度を検出する吸
    込み温度検出センサであることを特徴とする車両用空調
    装置。
  5. 【請求項5】    請求項1の空調装置において、前
    記制御信号は電流信号であり、前記吐出容量制御手段は
    、前記電流信号がゼロのとき前記吐出容量を最大にする
    ことを特徴とする車両用空調装置。
JP16493391A 1991-06-10 1991-06-10 車両用空調装置 Expired - Lifetime JP2694858B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16493391A JP2694858B2 (ja) 1991-06-10 1991-06-10 車両用空調装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16493391A JP2694858B2 (ja) 1991-06-10 1991-06-10 車両用空調装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04362413A true JPH04362413A (ja) 1992-12-15
JP2694858B2 JP2694858B2 (ja) 1997-12-24

Family

ID=15802603

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16493391A Expired - Lifetime JP2694858B2 (ja) 1991-06-10 1991-06-10 車両用空調装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2694858B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006329049A (ja) * 2005-05-25 2006-12-07 Calsonic Kansei Corp 可変容量圧縮機
JP2006336932A (ja) * 2005-06-01 2006-12-14 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 空気調和装置およびその制御方法
JP2013052877A (ja) * 2012-12-21 2013-03-21 Denso Corp 車両用空調装置

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102399878B1 (ko) * 2017-11-14 2022-05-19 현대모비스 주식회사 차량용 증발기 결빙 방지 장치 및 방법

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006329049A (ja) * 2005-05-25 2006-12-07 Calsonic Kansei Corp 可変容量圧縮機
JP4701009B2 (ja) * 2005-05-25 2011-06-15 カルソニックカンセイ株式会社 可変容量圧縮機
JP2006336932A (ja) * 2005-06-01 2006-12-14 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 空気調和装置およびその制御方法
JP4718904B2 (ja) * 2005-06-01 2011-07-06 三菱重工業株式会社 空気調和装置およびその制御方法
JP2013052877A (ja) * 2012-12-21 2013-03-21 Denso Corp 車両用空調装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2694858B2 (ja) 1997-12-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7174733B2 (en) Vehicular air-conditioner
US6523361B2 (en) Air conditioning systems
US5884497A (en) Automotive air conditioner
JP3307466B2 (ja) 電気自動車用空気調和装置
US7100383B2 (en) Air conditioner for vehicle capable of recovering vehicle deceleration energy
JPH0245220A (ja) 車両用空調装置
JP2661121B2 (ja) 車両用空調装置および可変容量型コンプレッサ
US6463749B2 (en) Air-conditioning device for a vehicle and device for controlling an engine for a vehicle
US20070209789A1 (en) Air-conditioning system
JPH02290715A (ja) 車両用空調装置
US20070084596A1 (en) Vehicle air conditioner with variable displacement compressor
JP2003306031A (ja) 車両用空調装置
JPH1178510A (ja) 車両用冷凍サイクル装置
JP2003063242A (ja) 車両用空調装置
JP4626470B2 (ja) 車両用空調装置
JP2694858B2 (ja) 車両用空調装置
JPH02290712A (ja) 車両用空調装置
US7591142B2 (en) Air conditioner for vehicle
JP4066502B2 (ja) 車両用空調装置
JP2951043B2 (ja) 空気調和装置
JP3961107B2 (ja) 外部制御式可変容量コンプレッサのトルク予測装置およびこれを用いた自動車エンジン制御装置
JP2541658B2 (ja) 車両用空調装置
JP2767880B2 (ja) 車両用空調装置
KR101692555B1 (ko) 차량용 공조장치 및 그 제어방법
JP2722656B2 (ja) 車両用空調装置