JP2541658B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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JP2541658B2 JP1112419A JP11241989A JP2541658B2 JP 2541658 B2 JP2541658 B2 JP 2541658B2 JP 1112419 A JP1112419 A JP 1112419A JP 11241989 A JP11241989 A JP 11241989A JP 2541658 B2 JP2541658 B2 JP 2541658B2
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【発明の詳細な説明】 A.産業上の利用分野 本発明は、可変容量形コンプレッサを備えた車両用空
調装置に関する。
B.従来の技術 本出願人が先に特願昭53−81995号明細書中に提案し
た車両用空調装置では、夏季日中のように急速に車室内
を冷却する必要がある場合には、エバポレータ下流の吸
込空気温度の目標値(目標吸込温度)をエバポレータの
凍結限界温度以下に一時的に設定する急速クールダウン
制御を行っている。またこの空調装置では、デフロスタ
スイッチまたはエアコンスイッチがオンされたときに外
気温度が比較的低い場合には、冷媒温度が目標冷媒温度
となるように可変容量形コンプレッサの吐出容量を制御
して低温時の除湿性能を向上させる低温デミスト制御を
行っている。
C.発明が解決しようとする課題 しかしながら、このような急速クールダウン制御ある
いは低温デミスト制御から他の制御に移行する際にそれ
ぞれ次のような問題が発生する。
急速クールダウン制御からMAX除湿制御に移行する場
合: MAX除湿制御は、上述した目標吸込温度をエバポレー
タの凍結開始可能温度に設定し、実際の吸込温度と目標
吸込温度との差に応じて吸込温度が目標吸込温度となる
ようにコンプレッサの吐出容量を制御するものである。
そしてこの制御では、吸込温度が所定値以下なるとエバ
ポレータの凍結を防止するためにコンプレッサを停止さ
せている。一方、目標吸込温度をエバポレータの凍結限
界温度以下に一時的に設定する急速クールダウン制御で
は、吹出温度が低くなっており、この急速クールダウン
制御からMAX除湿制御に移行した直後は、吸込温度が低
くなっているためコンプレッサが停止する。しかしなが
らこのような場合にコンプレッサが停止すると、吹出口
から急に温風が吹出されて乗員に不快感を与える。
低温デミスト制御からMAX除湿制御に移行する場合: 低温デミスト制御は、上述したように外気温度が比較
的低い場合、すなわち窓ガラスがくもり易い時に行われ
る制御であり、この場合にも吸込温度が低くなってい
る。したがって低温デミスト制御から上述のMAX除湿制
御に移行した直後もコンプレッサが停止し、このコンプ
レッサの停止により吹出口から除湿されない空気が吹出
されて窓ガラスが急にくもるおそれがある。
急速クールダウン制御から省燃費,省動力制御に移行
する場合: 省燃費,省動力制御は、目標吹出温度(予め設定され
た温度と周囲の熱負荷とに基づいて演算される)に基づ
いて目標吸込温度を演算し、この目標吸込温度と実際の
吸込温度との偏差に応じてコンプレッサの吐出容量を制
御するものである。そして、この省燃費,省動力制御で
は、MAX除湿制御と同様に吸込温度が所定値以下の場合
にはエバポレータの凍結を防止するためにコンプレッサ
を停止する。このため上述の急速クールダウン制御から
この省燃費,省動力制御に移行した直後も上記理由によ
りコンプレッサが停止し、上述と同様に吹出口から急に
温風が吹出されて乗員に不快感を与える。
本発明の技術的課題は、急速クールダウン制御からMA
X除湿制御あるいは省燃費,省動力制御に移行する際に
温風の吹出しを防止することにある。
また本発明の他の技術的課題は、低温デミスト制御か
らMAX除湿制御に移行する際に窓ガラスのくもりを防止
することにある。
D.課題を解決するための手段 クレーム対応図である第1図(a)により説明する
と、請求項1の発明に係る車両用空調装置は、冷媒を圧
送しその吐出容量が可変制御される可変容量形コンプレ
ッサ101と、このコンプレッサ101の吐出容量を増減する
容量変更手段102と、エバポレータ103の下流の吸込空気
温度を検出する温度センサ104と、コンプレッサ101の吐
出容量がエバポレータ103の凍結開始可能温度以下の第
5の所定温度に応じた容量となるように容量変更手段10
2を制御する第1の容量制御手段105と、コンプレッサ10
1の吐出容量を、吸込空気温度がエバポレータ103の凍結
開始可能温度となるような容量とすべく容量変更手段10
2を制御するとともに、吸込空気温度が凍結開始可能温
度よりも低く第5の所定温度よりも高い第1の所定温度
未満になるとコンプレッサ101を停止する第2の容量制
御手段106と、第1の容量制御手段105による制御から第
2の容量制御手段106による制御に移行する際、検出さ
れた吸込空気温度が第1の所定温度末端であってもいっ
たん第1の所定温度よりも高い第2の所定温度以上とな
るまではコンプレッサ101の停止を禁止する禁止手段107
とを具備し、これにより上記技術的課題を解決する。
また、クレーム対応図である第1図(b)により説明
すると、請求項2の発明は、少なくとも可変容量コンプ
レッサ101、容量制御手段102、コンデンサ201、膨張弁2
02、およびエバポレータ103を有する車両用空調装置に
適用される。そして、膨張弁202からエバポレータ103入
口の間で冷媒の温度を検出する冷媒温度検出手段203
と、検出された冷媒温度が目標冷媒温度となるように容
量制御手段102を制御する第3の容量制御手段204と、上
述した温度センサ104と、第2の容量制御手段106と、第
3の容量制御手段204による制御から第2の容量制御手
段106による制御に移行する際、吸込み温度が第1の所
定温度未満であってもいったん冷媒温度が第3の所定温
度以上となるまではコンプレッサ101の停止を禁止する
禁止手段205とを具備し、これにより上記技術的課題を
解決する。
さらに、クレーム対応図である第1図(c)により説
明すると、請求項3の発明に係る車両用空調装置は、上
述した可変容量形コンプレッサ101と、容量変更手段102
と、温度設定手段301で設定された設定温度と周囲の熱
負荷とに基づいて、目標吹出温度を演算する目標吹出温
度演算手段302と、温度センサ104と、エバポレータ103
の下流の吸込空気温度の目標値を演算された目標吹出温
度に基づいて演算する目標吸込温度演算手段303と、上
述した第1の容量制御手段105と、コンプレッサ101の吐
出容量を、吸込空気温度が演算された目標吸込空気温度
となるような容量とすべく容量変更手段102を制御する
とともに、吸込空気温度が凍結開始可能温度よりも低く
第5の所定温度よりも高い第1の所定温度未満になると
コンプレッサ101を停止する第4の容量制御手段304と、
第1の容量制御手段105による制御から第4の容量制御
手段304による制御に移行する際、吸込み温度が第1の
所定温度未満であってもいったん目標吸込空気温度が第
4の所定温度以上となるまではコンプレッサ101の停止
を禁止する禁止手段305とを具備し、これにより上記技
術的課題を解決する。
E.作用 (1)請求項1の発明 コンプレッサ101の吐出容量をエバポレータ103の凍結
開始可能温度以下の温度に応じた大きな容量とする第1
の容量制御手段による制御(本明細書ではクールダウン
制御と呼ぶ)から、吸込空気温度と上記凍結開始可能温
度との差に応じてコンプレッサ101の吐出容量を制御す
る第2の容量制御手段による制御(本明細書ではMAX除
湿制御と呼ぶ)に移行する際、吸込空気温度が第2の所
定温度以上となるまではコンプレッサ101を停止させず
に上記MAX除湿制御を行い、吸込空気温度が第2の所定
温度以上になると、この吸込空気温度が第2の所定温度
未満の場合にコンプレッサ101を停止する。したがって
急速クールダウン制御からMAX除湿制御に移行した直後
はコプレッサ101が停止せず、温風が吹出されることが
ない。
(2)請求項2の発明 冷媒温度が目標冷媒温度となるように可変容量形コン
プレッサの吐出容量を制御する第3の容量制御手段によ
る制御(本明細書では低温デミスト制御と呼ぶ)から上
記MAX除湿制御に移行する際、冷媒温度が第3の所定温
度以上となるまではコンプレッサ101を停止せずにMAX除
湿制御を行い、冷媒温度が第3の所定温度以上になる
と、上記吸込空気温度が第1の所定温度未満の場合にコ
ンプレッサ101を停止する。したがって、低温デミスト
制御からMAX除湿制御に移行した直後にコンプレッサ101
が停止することなく窓ガラスがくもるとがない。
(3)請求項3の発明 上記急速クールダウン制御から、目標吸込空気温度と
吸込空気温度との差に応じてコンプレッサ101の容量を
制御する第4の容量制御手段による制御(本明細書では
省燃費、省動制御と呼ぶ)に移行する際、目標吸込空気
温度が第4の所定温度以上となるまではコンプレッサ10
1を停止させずに省燃費、省動力制御を行い、目標吸込
空気温度が第4の所定温度以上となると、吸込空気温度
が第1の所定温度未満の場合にコンプレッサ101を停止
する。したがって、急速クールダウン制御から省燃費、
省動力制御に移行した直後にコンプレッサ2が停止する
とがなく温風の吹出しが防止される。
F.実施例 −第1の実施例− 第2図〜第18図により本発明の第1の実施例を説明す
る。
(I)実施例の構成 <I−1:全体構成> 本発明に係る車両用空調装置は、第2図に示すよう
に、エンジン1により駆動される可変容量形コンプレッ
サ2,コンデンサ3,エバポレータ4,リキッドタンク5,膨張
弁6から成る圧縮冷凍サイクルのクーラーユニット100
を備えている。可変容量形コンプレッサ2は、吸込圧力
Psが設定圧力Prを越えると傾き角を大きくして吐出容量
を大きくするもので、その設定圧力Prは、第5図に示す
制御回路40から供給されるソレノイド電流ISOLによって
制御される。またエバポレータ4は、外気導入口7aおよ
び内気導入口7bを有する空調ダクト7内に配設されてい
る。
各導入口7a,7bには、空調ダクト7内へ導入される空
気流量を制御する内外気切換ドア8が設けられる。更に
空調ダクト7内には、周知のとおりブロアファン9、ヒ
ーターユニット10、エアミックスドア11が設けられると
ともに、空調ダクト7に設けられたベント吹出口7cおよ
び足下吹出口7dからの吹き出し量をそれぞれ調整するベ
ントドア12、フットドア13が設けられる。更に、空調ダ
クト7に設けられたデフロスタ吹出口7eにはデフロスタ
ドア14が設けられる。
<I−2:可変容量形コンプレッサ> 第3図(a)により可変容量形コンプレッサ2につい
て説明する。これはいわゆる斜板形のもので、斜板が配
設されるケーシング内に吸入圧力Psまたは吐出圧力Pdを
導き、これによって斜板の傾き角を変えて吐出容量を変
更するもので、例えば特開昭58−158382号公報に開示さ
れている。
すなわち同図において、コンプレッサ2のケーシング
21内には、エンジン1により駆動されるベルト22によっ
てプーリ23を介して回転する回転軸24が設けられ、この
回転軸24には、これと一体に回転するロータリードライ
ブプレート25がピポット支持されて斜設されている。ロ
ータリードライブプレート25のジャーナル25aには、ノ
ンロータリーワップル26が装着され、このノンロータリ
ーワップル26には、シリンダブロック27内を摺動するピ
ストン28がロッド29を介して連結される。したがって、
ロータリードライブプレート25が回転するとピストン28
が往復動し、吸入側室30sから吸い込まれた冷媒を吐出
側室30dへ送り出し、コンデンサ3に圧送する。周知の
とおり、ピストン28は回転軸24の軸心を中心とする円周
上に等間隔で複数個配設される。
ここで、ノンロータリーワップル26の傾き角は、ケー
シング21内、すなわちケーシング室21R内に吸入圧力Ps
または吐出圧力Pdを導いて各ピストン28の前後の圧力
差、換言するとシリンダ室とケーシング室との圧力差を
調節することによって変更され、第3図(b)のように
吸入圧力Psが導かれると傾き角が大きくなり、第3図
(c)のように吐出圧力Pdが導かれると傾き角が小さく
される。このような傾き角制御のため、このコンプレッ
サ2は、ケーシング室21Rを吸入側室30sまたは吐出側室
30dと択一的に連通する目的で、エンドカバー31内に、
第4図に詳細を示すコントロールバルブ32を有する。
<I−3:コトロールバルブ32> 第4図はコントロールバルブ32の詳細内部構造を示
す。コントロールバルブ32は、先端側開口に弁シート部
材321が嵌合されたバルブボディ322を有し、そのバルブ
ボディ322には、先端にボール323を一体的に取付けたバ
ルブピン324が内挿される。バルブボディ322内には、吐
出側室30dとポート327で連通する高圧室328と、ポート3
29A,329Bを介してケーシング室21Rに連通する室330とが
形成され、ボール323をスプリング325でシート326に押
し付けて両者が遮断される。
また、バルブボディ322の基部側には、内部にベロー
ズ331を備えたエンドキャップ332が装着される。このベ
ローズ331の両端にはスプリングシート333とエンドメン
バ334とが取付けられ、スプリングシート333とエンドメ
ンバ334との間に介装されたスプリング335でベローズ33
1が伸長方向に付勢される。
更に、スプリングシート333の凹部からエンドメンバ3
34を貫通してロッド336が設けられ、このロッド336の先
端がバルブピン324の基部に設けた凹部に当接される。
エンドキャップ332とベローズ331との間には、エンド
キャップ332とエンドカバー31にそれぞれ形成されたポ
ート337,ポート338を介して吸入側室30sに通ずる制御室
339が構成され、この制御室339は、バルブピン324の基
部に設けた弁体340とバルブボディ322のシート343との
間の通路を介して室341に連通可能とされる。この室341
はポート342を介してケーシング室21Rと連通される。
更に、スプリングシート333には可動板343が固着さ
れ、この可動板343には、電磁アクチュエータ344のプラ
ンジャ345が連結される。この電磁アクチュエータ344の
周囲には可動板343をスプリングシート333に押圧するリ
ターンスプリング346が配設される。このリターンスプ
リング346のばね力はスプリング335のばねよりも十分に
大きくされる。電磁アクチュエータ344のソレノイド部
は第5図に示すようにリレー56を介して出力回路49に接
続され、後述の如くソレノイド電流ISOLにより制御され
る。
一般には、コンプレッサ2の吸入圧力Psが予め設定さ
れた圧力Pr(以下、設定圧力)を越えるとコントロール
バルブ32が作動する。すなわち、スプリング335のばね
力に抗してベローズ331が収縮してロッド336が下方に変
位し、スプリング325のばね力でバルブピン324もその下
降動作に追動する(このとき可動板343は不動であ
る)。これにより、ボール323がシート326に着座すると
ともに、弁体340がシート343から離れる。この状態を模
式的に示したのが第3図(b)である。この図からも分
かるように、制御室339から吸入圧力Psが室341,ポート3
42を介してケーシング室21Rに導かれて傾き角が大きく
なり吐出容量が増大する。
吸入圧力Psが設定圧力Pr以下の場合には、スプリング
335のばね力によりロッド336がバルブピン324を上方に
押動し、弁体340がシート343に着座すると共に、ボール
323がシート326から離れる(このとき可動板343は不動
である)。この状態を模式的に示したのが第3図(c)
である。この図からも分かるように、高圧室328,室330
およびポート329Bを経て吐出圧力Pdがケーシング室21R
内に導かれ傾き角が小さくなり、吐出容量が減少する。
ここで、上記設定圧力Prは次のように変更制御され
る。
電磁アクチュエータ344のソレノイド部が消磁されて
いるときは、可動板343はスプリング335と346とがバラ
ンスする位置にあり、ソレノイド電流が増加するのに比
例して可動板343は上方に移動し、スプリング335のばね
力がソレノイド電流に比例して大きくなる。この結果、
コントロールバルブ32の設定圧力Prもソレノイド電流に
比例して大きくなる。
<I−4:制御回路40> 第5図に本発明に係る車両用空調装置の制御回路40の
一例を示す。CPU41には入力回路42を介して、外気温度T
AMBを検出する外気温センサ43,車室内温度TINCを検出す
る室内温度センサ44,日射量QSUNを検出する日射センサ4
5,エバポレータ4下流の空気温度(以下、吸込温度とい
う)TINTを検出する吸込温度センサ46,膨張弁6の出口
側管面に設けられて冷媒温度Trefを検出する冷媒温度セ
ンサ47,エンジン冷却水温Twを検出する水温センサ48が
それぞれ接続され、これらのセンサ43〜48から各種温度
情報や熱量情報がCPU41に入力される。また、入力回路4
2には、エアコンスイッチ57、ブロアファンスイッチ5
8、イグニションスイッチ59、デフロスタスイッチ60、
インテークマニホルドの吸気圧力を検出する吸気圧力セ
ンサ61、エンジンの回転数を検出する回転数センサ62、
エアミックスドア11の開度を検出するエアミックスドア
開度センサ63も接続される。
更に、CPU41には、出力回路49を介してインテークド
アクチュエータ50,エアミックスドアアクチュエータ51,
ベントドアアクチュエータ52,フットドアアクチュエー
タ53,デフロスタドアアクチュエータ54およびブロアフ
ァン制御回路55が接続され、ブロアファン制御回路55に
はブロアファンモータ9が接続されている。出力回路49
にはさらに、リレー56を介して、コントロールバルブ32
に付設された電磁アクチュエータ344のソレノイド部が
接続されている。
CPU41は、各センサ43〜48,61〜63、各スイッチ57〜60
から入力された各種情報に基づいて、インテークドアク
チュエータ50,エアミックスドアアクチュエータ51など
の各種アクチュエータを駆動制御して空気の吸込口や吹
出口および吹出し温度あるいはコントロールバルブ32の
設定圧力Prを適切に制御する。さらに、風量制御信号に
よりブロアファン制御回路55を介してブロアファンモー
タ9を駆動制御してブロアファンの風量を適切に制御す
る。
(II)実施例の動作 次に実施例の動作を説明する。
<II−1:基本フローチャート> 第6図はCPU41で実行される空調制御装置の基本制御
を行うフローチャートである。
ステップS10では初期設定を行い、通常のオートエア
コンモードにおいては、例えば設定温度TPTCを25℃に初
期設定する。ステップS20では各センサからの各種情報
を入力する。
これらの各センサのデータ情報を具体的に説明する
と、設定温度TPTCは図示しないコントロールパネルか
ら、車室内温度TINCは室内温度センサ44から、外気温度
TAMBは外気温センサ43から、吸込温度TINTは吸込温度セ
ンサ46から、冷媒温度Trefは冷媒温度センサ47からそれ
ぞれ与えられる。また、エンジン水温Twは水温センサ48
から、日射量QSUNは日射センサ45から与えられる。
次にステップS30では、外気温センサ43から得られる
外気温度TAMBに対して他の熱源からの影響を除き、現実
の外気温度に相当した値TAMに処理する。次にステップS
40では日射センサ45からの光量としての日射量情報を以
降の換算に適した熱量としての値Q′SUNに処理する。
ステップS50ではコントロールパネルで設定された設定
温度TPTCを外気温度に応じて補正した値T′PTCに処理
する。ステップS60ではT′PTC,TINC,TAM,Q′SUNから目
標吹出温度Toを算出すると共に、この目標吹出温度Toと
吸込温度TINTとの偏差に応じてエアミックスドア11の開
度を算出する。ステップS70ではコンプレッサ2を以下
に述べるように制御する。ステップS80では各吹出口を
制御する。ステップS90では吸込口、即ち、外気導入口7
aおよび内気導入口7bの選択切換を制御する。ステップS
100ではブロアファン9を制御することにより、吹出口
からの風量を制御する。
<II−2:コンプレッサ制御> 第7図(a)は第6図のコンプレッサ制御(ステップ
S70)を詳細に説明するフローチャートである。
第7図(a)においてステップS701ではブロアファン
9が作動しているか(オンしているか)否かをブロアフ
ァンスイッチ58からの信号により判定し、非作動ならば
ステップS702でコンプレッサ2を停止(オフ)する。作
動中ならばステップS703において、検出された冷媒温度
Trefに基づいて状態1か2かを読み取りその状態を所定
の格納領域に格納する。なお、ステップS703におけるTr
ef1は熱負荷が小さい状態での冷媒温度であり、Tref2
Tref1よりもある程度高い冷媒温度である。次いで、ス
テップS704で状態2と判定されると、ステップS702にお
いてコンプレッサを停止する。状態1と判定されると、
ステップS705において、回転数センサ62からの信号によ
りエンジン回転数の状態を判定し、低回転領域のとき
(第7図(b)に示すようにエンジン回転数が所定回転
数Rref2に上昇するまでの間)にはステップS706に進
み、高回転領域のとき(同図(b)に示すように回転数
が所定回転数Rref1に低下するまでの間)にはステップS
712のデストローク制御に進む。高低の回転領域は、回
転数の大きさに応じて第7図(b)のように定められ
る。ステップS706では、補正処理された外気温度TAM
基づいて、状態3〜5のいずれかを判定して所定の格納
領域に格納し、ステップS707に進む。なお、ステップS7
06において、TAM1およびTAM2は外気温度が極めて低い状
態を言い、TAM3およびTAM4は外気温度がある程度高い状
態を言う。
ステップS707ではデフロスタスイッチ60がオンしてい
るか否かを判定し、オフならばステップS708において、
ステップS60で演算された目標吹出温度Toが、ヒータユ
ニット10へ流入する空気をエアミックスドア11が全て遮
断するような温度Trcd以下か否かを判定する。Trcd以下
ならばステップS709に進んで急速クールダウン制御を行
う。
なお、このステップS708の判定は、イグニションスイ
ッチ59のオフからオン時に1回だけ行ったり、ブロアフ
ァンスイッチ58のオフからオン時に1回だけ行うように
する。
<II−3:急速クールダウン制御> 第8図(a)は第7図(a)のステップS709における
急速クールダウン制御のフローチャートを示す。ステッ
プS7091において、エバポレータを通過する空気の出口
側の目標温度(以下、目標吸込温度という)T′INT
エバポレータの凍結開始可能温度以下の温度T1とすると
ともに、タイマの時計時間Time1としてt1を設定する。
ここで、目標吸込温度T′INTをかかる温度T1とした
のは、夏季日中のように周囲温度が高い場合には、エバ
ポレータ下流の実際の空気温度TINTを凍結開始可能温度
よりも更に低い温度T1にしても所定時間内ならば凍結し
ないことを本発明者が確認したことによるものであり、
また、このように目標吸込温度T′INTを温度T1のよう
に低くすることにより、コンプレッサ2の吐出容量を調
節するコントロールバルブ32の設定圧力Prを低くでき、
もって、より低い吸入圧力Psの領域でコンプレッサ2の
吐出容量を大きく保持でき、冷却能力を十分に発揮でき
るからである。
次にステップS7092において、ソレノイド通電電流I
SOL1を演算する。
この演算は第9図のフローチャートに示されるよう
に、まず吸込温度TINTと目標吸込温度T′INTの差(T
INT−T′INT)を演算し(ステップS941)、この差から
比例項電流IPおよび積分項電流IIをそれぞれ第10図およ
び第11図に従ってステップS942で求める。ここで、比例
項電流IPはステップS941で演算された差に基づいて第11
図から求められ、積分項電流IIは、同様の差に基づいて
第10図からΔIIを求め、このΔIIに前回までのIIを加え
た値II(=II+ΔII)として求められる。そしてステッ
プS943において、比例項電流IPと積分項電流IIとの差に
相当する電流をソレノイド通電電流ISOL1として求め
る。すなわちソレノイド通電電流ISOL1は、 ISOL=IP−II ・・・(1) で求められる。
ただし、IPはアンペア、IIはミリアンペアである。
また、第8図(a)のステップS7093においては、吸
込温度TINTが凍結開始可能温度T4か否かを判定し、肯定
するまで繰り返しステップS7092とステップS7093とを実
行し、TINT=T4になると、ステップS7094においてタイ
マTime1の計時を開始してステップS7095に進む。ステッ
プS7095においては、ステップS7092と同様にソレノイド
通電電流ISOL1を演算する。次いでステップS7096におい
て、目標吹出温度Toが温度T5以上か否かを判定する。こ
こで、温度T5は、エアミックスドア11がヒータユニット
10への空気の流入を開始するような温度である。ステッ
プS7096が肯定されるとステップS7097′でフラグQCFを
1に設定してステップS7098に進む。ステップS7098で
は、エバポレータ目標吸込温度T′INTを1度/秒づつ
増加する。ステップS7096が否定されると、ステップS70
97においてタイマTime1がt1の計時を完了したか否かを
判定する。このステップS7097が否定されるとステップS
7095に戻り、肯定されるとステップS7097′に進む。
以上の手順によれば、第10図、第11図および第1式か
らわかるように、急速クールダウン時においては、I
SOL1はエバポレータ4の吸込温度TINTが温度T1になるま
で急減する。ソレノイド電流ISOL1が小さくなると、第
4図に示した電磁アクチュエータ344の可動板343が下方
に変位して、弁体340を開放する設定圧力Prが低くな
る。この結果、コンプレッサ吸込圧力Psが小さい値でも
弁体340が開いてケーシング室21Rには吸込圧力Psが導か
れ、傾き角が大きくすなわちコンプレッサ吐出容量が大
きく(冷却能力が大きく)される。
このような制御は、第8図(b)の特性図に示すとお
り、吸込温度TINTが温度T4まで低下してからt1分間、ま
たは目標吹出温度Toが温度T5を超えるまで続行される。
すなわち、吸込温度TINTが温度T1に設定されたまま所定
時間だけコンプレッサ2がオーバストローク運転され急
速クールダウン制御が実行され、夏季日中など急速に車
室内を冷却することができる。
一方、第7図のステップS708において、目標吹出温度
Toが温度Trcd以下でないときには、ステップS710におい
て、吸気圧力センサ61で検出されたインテークマニホル
ドの吸気圧力に基づいて加速状態か否かを判定し、加速
状態であれば、ステップS711において、吸込温度TINT
TINT1度以下か否かを判定する。肯定されるとステップS
712においてデストローク制御を実行する。
<II−4:デストローク制御> 第12図(a)はデストローク制御のフローチャートを
示す。ステップS7121において、 TINT>T′INT+1 か否かを判定し、否定されるとステップS7122に進み、
肯定されるとステップS7123に進む。ステップS7122で
は、目標吹出温度T′INTをT10度だけ増加させ、次のス
テップS7124において、上述の第10図及び第11図のグラ
フから第1式に基づいて電磁アクチュエータ344のソレ
ノイド部に供給する電流値ISOL1を制御する。一方、ス
テップS7123では、目標吹出温度T′INTをT11度(>
T10)として、ステップS7124で同様に第1式から求めた
電流値ISOL1により電磁アクチュエータ344を制御する。
すなわち、ステップS7121において、目標吸込温度
T′INTと吸込温度TINTとの相対比較により、現在のエ
バポレータの冷却状態を判定する。否定されることはあ
る程度エバポレータが目標値に近づいて運転されている
ことを意味し、ステップS7122において、目標吸込温度
T′INTを比較的小さい数値であるT10度だけ高くして電
流値ISOL1を決定する。この結果、第4図の可動板343が
上方に移動してスプリング335のばね力が大きくなり、
コントロールバルブ32の設定圧力Prが高めに設定され、
コンプレッサ2の吸入圧力Psが従前よりも高めの状態で
もケーシング室21R内にはコンプレッサ吐出圧力Pdが導
かれて傾き角が小さめに保持される。この場合、目標吸
い込み温度T′INTが高くなると、実際に検出される吸
込温度TINTが高くなり目標吹出温度Toとの偏差が変わり
エアミックスドア11が閉じ側に駆動されるから、冷媒流
量が減っても吹き出し温度は上昇しない。
なお、エアミックスドア11の開度は第12図(b)に示
すように制御される。
第12図(b)において、ステップS601で定数A〜Gを
初期化し、ステップS602で、エアミックスドア開度セン
サ63の信号により現在のエアミックスドア開度Xを入力
する。次いでステップS603において、図示の式に基づい
て目標吹出温度Toと実際の吹出温度との偏差Sを求め
る。そしてステップS604においてこの偏差Sを所定値So
と比較する。S<−Soの場合、ステップS605でエアミッ
クスドア開度をコールド側、すなわちヒータユニット10
を通過する空気流量が少なくなるように閉じ側になる。
S>+Soの場合、エアミックスドア開度をホット側、す
なわちヒータユニット10を通過する空気流量が多くなる
ように開き側にする。|S|≦+Soの場合、現状の開度を
そのまま維持する。
一方、デストローク制御のステップS7121が肯定され
ることは、エバポレータを通って吸い込まれる空気温度
TINTがT10度以下でありエバポレータの冷却能力はかな
り発揮されているが、目標吸込温度T′INTとはまだ隔
たりがあることを意味し、冷却性能はある程度無視して
加速性能を重視するため、エバポレータ目標吸込温度
T′INTをT11度に変更してソレノイド通電電流ISOL1
大きくする。ここで、この所定温度T11はコンプレッサ
を停止させずに吐出量を最小にした状態でのエバポレー
タ下流の空気温度に相当する温度で実験的に求められ
る。したがって、可動板343がステップS7122の場合より
も更に上方に移動してコントロールバルブ32の設定圧力
Prが上述の場合よりも更に高めに設定され、コンプレッ
サ2の吸入圧力Psがかなり高くなってもケーシング室21
R内にはコンプレッサ吐出圧力Pdが導かれて傾き角が小
さめに保持される。
以上の各ステップS7121〜S7123は、第7図(a)のス
テップS705でエンジン回転数が高いと判定されたときに
も実行される。
以上のようにデストローク制御は加速時あるいはエン
ジン高回転域運転時に実行され、それぞれのデストロー
ク制御によって次のような作用効果がある。
加速時のデストローク制御 このデストローク制御は、加速時であってエバポレー
タ吸込温度TINTがTINT1度以下のときに実行されるが、
エバポレータ吸込温度TINTがTINT1度以下の場合はエバ
ポレータの冷却能力がかなり発揮されているので、冷却
性能を多少犠牲にして加速性能を向上させるものであ
る。すなわち、デストローク条件が判定されると、コン
トロールバルブ32の設定圧力Prを上げてコンプレッサ2
の吸入圧力Psが比較的大きくなってもケーシング室21R
にコンプレッサ吐出圧力Pdを導き、これにより、コンプ
レッサの吐出容量を小さめにする。この結果、コンプレ
ッサの吸収馬力を低減して加速性能を向上させる。
この場合、現在の冷却がほぼ十分であれば、具体的に
は、吸込温度TINTが目標吸込温度T′INTにほぼ達して
いれば、コントロールバルブ32の設定圧力Prを多少高め
に設定し、冷却性能をある程度維持しつつ加速性能を向
上させる。一方、吸込温度TINTが目標吸込温度T′INT
とはまだ隔たりがあれば、コントロールバルブ32の設定
圧力Prをより高めに設定し、冷却性能を無視して加速性
能を前者よりも重視する。
高回転領域でのデストローク制御 エンジン回転数が高回転領域においては、可変容量コ
ンプレッサも高速回転しその耐久性に悪影響を及ぼす。
また、高速回転であれば、コンプレッサの傾きが小さく
ても必要な冷媒流量を得られる。このため、高速回転領
域では、可変容量形コンプレッサの傾き角を小さくして
ピストンの往復動速度を遅くして、耐久性の向上を図
る。
また、第7図(a)のステップS711が否定されると、
ステップS713において、エアコンスイッチ57がオンか否
かを判定する。オンならばステップS716にジャンプし、
オフならばステップS714でそれぞれ上述の状態3〜5の
いずれであるかを判定する。状態3ならばステップS715
において省燃費,省動力制御を行い、状態4又は5のと
きはステップS702に進み、コンプレッサ2をオフする。
<II−5:省燃費,省動力制御> 第13図(a)は省燃費,省動力制御のフローチャート
を示す。ステップS7151において、吹出口がバイレベル
(B/L)モードか否かを判定する。B/Lモードならばステ
ップS7152に進み、B/LモードでなければステップS7153
に進む。ステップS7152およびS7153においては、第13図
(b)のグラフに従って、目標吹出温度Toから目標吸込
温度T′INTを求める。すなわち、B/Lモードでは特性線
図IIにしたがって目標吸込温度T′INTを設定し、B/Lモ
ード以外のモードでは特性線図Iにしたがって目標吸込
温度T′INTを設定する。
次いでステップS153aに進み、フラグQCFが1か否かを
判定する。ステップS153aが否定されるとステップS7154
に進み、肯定されるとステップS153bで目標吸込温度
T′INTが所定温度(第4の所定温度)TAA1以上である
か否かを判定する。ステップS153bが否定されるとステ
ップS7156に進み、上述したと同様にしてソレノイド電
流値ISOL1を制御して所定の処理に戻る。ステップS153b
が肯定されるとステップS153cでフラグQCFを零に設定し
てステップS7154に進む。
ステップS7154では、吸込温度TINTが、凍結開始可能
温度T4およびそれよりも若干低い温度である温度T6によ
って定められる温度範囲のいずれにあるかによって、状
態6か7かを判定する。ステップS7155では、状態7か
否かを判定し、肯定されると、すなわち状態7ならばス
テップS7157でコンプレッサをオフして所定の処理に戻
る。一方、状態6と判定されると、ステップS7156に進
む。
以上の手順によれば、目標吹出温度Toに応じた吸込温
度TINTとなるようにコンプレッサが極め細かく制御さ
れ、以下の理由により、省燃費,省動力が図られる。
従来のように、現在の吸込温度TINTと目標吹出温度To
との偏差によりエアミックスドア11の開度を調節して所
望の吹出温度を得る場合には、運転状態によって吸込温
度TINTが不所望に低くなりすぎることがあり、この場
合、エアミックスドア11を開き気味にして吹出温度を目
標値に制御している。このため、コンプレッサが無駄に
動力を使い燃費にも悪影響を与える。
この実施例によれば、ある目標吹出温度Toに対して、
その温度を得るためにはエバポレータ4下流の空気温
度、すなわち、吸込温度TINTをどの程度にすればよいか
を実験値として決定しておき、第13図(b)のグラフに
従って演算される目標吹出温度Toから目標吸込温度T′
INTを決定し、この目標吸込温度T′INTによりコンプレ
ッサの吐出容量を制御して、吸込温度TINTがむやみに低
下し過ぎないようにしている。このことは、コンプレッ
サが必要最低限の吐出容量(傾き角)で運転されている
ことを意味し、したがって、その吸収馬力も小さくな
り、省動力,省燃費に寄与する。
ところで、この実施例のように、コンプレッサを必要
最低限の能力で運転することは、吸込温度TINTが目標吹
出温度Toと極めて接近することを意味し、両者の偏差が
大きいほど開度が大きく制御されるエアミックスドア11
は、ほば全閉状態となる。このため、吹き出し口をB/L
モードにするとき、例えば足下吹出口7dから吹き出され
る空気温度と、ベント吹出口7cから吹き出される空気温
度とほぼ等しくなり、いわゆる頭寒足熱の効果が得られ
なくなる。そこで、B/Lモード時には、上述した意味で
の省動力,省燃費の効果は若干低下するが、吸込温度T
INTを低めに設定してエアミックスドア11を開き気味に
し、例えば、足下吹出口7dから吹き出される空気温度を
高めにし、これにより頭寒足熱の効果を得る。
すなわち、同一の目標吹出温度Toに対して、B/Lモー
ドにおける目標吸込温度T′INTがそれ以外のモードに
おける目標吸込温度T′INTより低く設定され、B/Lモー
ドではそれ以外のモードに比べて第1式によるソレノイ
ド電流ISOL1が小さくなり、同一の目標吹出温度Toに対
する吸込温度TINTが小さくなり、上述したようにエアミ
ックスドア11が開き側に設定されて頭感足熱の効果が得
られる。
ここで、上述したフラグQCFは、第8図(a)のステ
ップS7097′で設定されるものである。したがって、上
述の急速クールダウン制御からこの省燃費、省動力制御
に移行した直後は、QCF=1であり、この時点からT′
INT≧TAA1が満たされるまで、つまり目標吸込温度が第
4の所定値以上になるまでは、ソレノイド電流値ISOL1
の制御によりコンプレッサ2の吐出容量が制御される。
すなわち、急速クールダウン制御からこの制御に移行し
た直後はコンプレッサ2の停止が禁止され、したがって
吹出口から急に温風が吹出すことがない。
その後、目標吸込温度が徐々に上昇し、T′INT≧T
AA1が満たされると状態6か7かの判定を行い状態7が
判定されると、すなわち吸込温度が所定温度T6(第1の
所定温度)未満の場合にはコンプレッサ2が停止する。
このときには、目標吸込温度T′INTすなわち吸込温度T
INTがある程度高くなっているのでコンプレッサが停止
しても温風により不快感を感じることはない。
また第7図(a)において、ステップS707が肯定され
ると、すなわち、デフロスタスイッチ60がオンしている
ときには、ステップS706で格納された状態3〜5をステ
ップS716で判定しその結果に応じて、各種の制御が行わ
れる。
すなわち、状態4の場合には、ステップS718において
低温デミスト制御を行う。
<II−6:低温デミスト制御> 第15図(a)は低温デミスト制御のフローチャートで
ある。この制御においては、電磁アクチュエータ344の
電流ISOL2は、冷媒温度Trefと目標冷媒温度T′refとに
基づいて第17図および第18図のグラフから求められるIP
とΔIIとにより、第1式に基づき算出される。
すなわち、ステップS7181において、目標冷媒温度
T′ref2として外気温度TAM+T8を、目標冷媒温度T′r
ef3として外気温度TAM−T9をそれぞれ設定する。また、
タイマTime2にt2分を、タイマTime3にt3分をそれぞれ設
定する。次いでステップS7182でフラグ1が0か否かを
判定し、肯定されると、ステップS7183でフラグ2が0
か否かを判定する。肯定判定されると、ステップS7184
において、Time2の計時を開始し、ステップS7185におい
て、T′refとしてまず目標冷媒温度T′ref3を選択
し、ステップS7186において、ソレノイド電流ISOL2を第
16図の手順により求める。これは、第17図と第18図のグ
ラフに示すように、比例項電流IPと積分項電流IIを目標
冷媒温度T′refで求める点以外は第9図のソレノイド
電流ISOL1の手順と同様であり、説明を省略する。
次に、ステップS7187において、Time2の計時が完了し
たか否かを判定する。計時完了前では否定されてステッ
プS7194に進み、フラグ1に1を設定して、所定の手順
にリターンする。一方、Time2の計時が完了すると、ス
テップS7188において、フラグ1を0とし、ステップS71
89でTime3の計時を開始する。次いでステップS7190にお
いて、T′refとして目標冷媒温度T′ref2を選択して
ステップS7191に進み、上述と同様にしてソレノイド電
流ISOL2を制御する。更にステップS7192において、Time
3の計時が完了したか否かを判定し、計時完了前ならば
ステップS7195に進んでフラグ2に1を設定して所定の
手順に戻る。計時が完了すると、ステップS7193におい
てフラグ2に0を設定して所定の手順に戻る。
以上の手順によれば、時間経過と共に、目標冷媒温度
T′ref3とT′ref2とが第15図(b)のように選択され
てISOL2が調節される。この結果、T′ref3でISOL2を調
節するときは冷媒温度を外気温度よりも4度低くして除
湿が行われる。なお、T′ref3とT′ref2とを交互に選
択してコンプレッサを脈動運転するのは、冷媒の流量が
少ない運転時のオイル潤滑性を向上させコンプレッサの
焼き付きを防止するためである。
一方、第7図のステップS716において状態3が判定さ
れるとステップS716aに進み、現時点が状態4から状態
3に切換わった直後か否かを判定する。ステップS716a
が否定されるとステップS717に進み、肯定されるとステ
ップS716bでフラグLDFを1に設定してステップS717に進
む。ステップS717ではMAX除湿制御が行われる。
<II−7:MAX除湿制御> 第14図はMAX除湿制御のフローチャートを示す。ステ
ップS7171において、目標吸込温度T′INTを上述した凍
結開始可能温度T4度に設定する。次いでステップS71aに
おいてフラグLDFが1か否かを判定し、肯定されるとス
テップS71cに進み。否定されるとステップS71bで上述の
フラグQCFが1か否かを判定する。ステップS71bが肯定
されるとステップS71cに進み、否定されるとステップS7
172に進む。ステップ71cでは以下のような判定を行う。
すなわち、ステップS71aが肯定されてこのステップに
移行した場合には、上述の冷媒温度Trefが所定温度(第
3の所定温度)TAA2以上か否かを判定する。これが否定
されるとステップS7175に進み、肯定されるとステップS
71dに進む。一方、ステップS71bが肯定されてこの処理
に移行した場合には、吸込温度TINTが所定温度(第2の
所定温度)TAA3以上か否かを判定する。ここで、この第
2の所定温度TAA3は、例えば上述の凍結開始可能温度
T4、あるいは温度T4とT6との間の温度が設定される。こ
れが否定されるとステップS7175に進み、肯定されると
ステップS71dに進む。ステップS71dでは、フラグQCF,LD
Fに零を設定してステップS7172に進む。
ステップS7172では、吸込温度TINTに基づいて、状態
6か7かを判定する。そしてステップS7173において状
態7と判定されると、ステップS7174においてコンプレ
ッサ2をオフする。状態6と判定されると、ステップS7
175において、第9図に示したとおり上述の第1式,第1
0図および第11図に基づいて電磁アクチュエータ344のソ
レノイド電流ISOL1を制御する。
以上の手順において、第8図(a)の急速クールダウ
ン制御からこのMAX除湿制御に移行した直後は、フラグQ
CFが1に設定されている。したがってこの時点からTINT
≧TAA3が満たされるまでは、つまり吸込温度が第2所定
温度以上になるまでは、ソレノイド電流値ISOL1の制御
によりエバポレータ下流の空気温度が凍結開始可能温度
となるようにコンプレッサ2の吐出容量が制御される。
すなわち、急速クールダウン制御からこの制御に移行し
た直後は、上述と同様にコンプレッサ2の停止が禁止さ
れ、したがって吹出口から急に温風が吹出すことがな
い。
その後、吸込温度TINTが徐々に上昇し、TINT≧TAA3
満たされると通常の処理が行われ、このとき状態7が判
定されると、すなわち吸込温度が所定温度T6(第1の所
定温度)以下の場合にはコンプレッサ2が停止する。こ
のときには、吸込温度TINTがある程度高くなっているの
で、コンプレッサ2が停止しても温風により不快感を感
じることはない。
また、上述したフラグLDFは、第7図(a)のステッ
プS716bで設定されるものである。したがって、上述の
低温デミスト制御からこのMAX除湿制御に移行した直後
は、LDF=1であり、この時点からTref≧TAA3が満たさ
れるまでは、つまり冷媒温度が第3の所定温度以上にな
るまでは、ソレノイド電流値ISOL1の制御によりコンプ
レッサ2の吐出容量が制御される。すなわち、低温デミ
スト制御からこの制御に移行した直後は、コンプレッサ
2の停止が禁止され、窓ガラスが急にくもることがな
い。その後、冷媒温度Trefは徐々に上昇し、Tref≧TAA2
となったときに吸込み温度TINTが第1の所定温度T6以下
になって状態7が判定されるとコンプレッサ2が停止す
る。このときは、冷媒温度がある程度高くなっているの
でコンプレッサが停止しても窓ガラスが急にくもること
がない。
以上の実施例の構成において、コントロールバルブ32
や吸込圧力Ps,吐出圧力Pdをケーシング室21Rに導くため
の構造等が容量変更手段102を、冷媒温度検出センサ47
が冷媒温度検出手段203を、CPU41、特に第6図のステッ
プS60が目標吹出温度演算手段302を、CPU41、特に第13
図(a)のステップS7151〜S7153が目標吸込温度演算手
段303を、CPU41、特に第8図(a)の各ステップが第1
の容量制御手段105を、CPU41、特に第14図のステップS7
175が第2の容量制御手段106を、CPU41、特に第15図
(a)の各ステップが第3の容量制御手段204を、CPU4
1、特に第13図(a)のステップS7156が第4の容量制御
手段304を、CPU41、特に第14図のステップS71cが禁止手
段107,205を、CPU41、特に第13図(a)のステップS153
bが禁止手段305をそれぞれ構成する。
(III)変形例 コンプレッサの吐出容量は斜板の傾き角によって制御
したが、斜軸式でも良い。また、吸込圧力または吐出圧
力をケーシング室内に導いて傾き角を制御したが、その
他の方式でも良い。更に、加速度の検出についても、イ
ンテークマニホルドの吸気圧力によらず種々の手法にて
行うことができる。
G.発明の効果 請求項1の発明によれば、急速クールダウン制御から
MAX除湿制御に移行した場合、エバポレータ下流の吸込
空気温度が所定値以上になるまでは、コンプレッサの停
止を禁止してその吐出容量を所定の方式で制御するよう
にしたので、吹出口から急に温風が吹出すことが防止さ
れ、乗員に不快感を与えることがない。
また請求項2の発明によれば、低温デミスト制御から
MAX除湿制御に移行した場合、冷媒の温度が所定値以上
になるまでは、コンプレッサの停止を禁止してその吐出
容量を所定の方式で制御するようにしたので、吹出口か
ら除湿されない空気が吹出すことがなく窓ガラスの急な
くもりが防止される。
さらに請求項3の発明によれば、急速クールダウン制
御から省燃費、省動力制御に移行した場合、エバポレー
タ下流の吸込空気温度の目標値が所定値以上になるまで
は、コンプレッサの停止を禁止してその吐出容量を所定
の方式で制御するようにしたので、吹出口から急に温風
が吹出すことが防止され、乗員に不快感を与えることが
ない。
【図面の簡単な説明】
第1図はクレーム対応図である。 第2図〜第18図は本発明に係る車両用空調装置の一実施
例を説明するもので、第2図が全体の構成図、第3図
(a)が可変容量コンプレッサの内部構造図、第3図
(b),(c)がその動作を説明する図、第4図がその
コントロールバルブの詳細内部構造図、第5図が制御回
路のブロック図、第6図が基本フローチャート、第7図
(a)がコンプレッサ制御のフローチャート、第7図
(b)が回転数領域を示す線図、第8図(a)が急速ク
ールダウン制御のフローチャート、第8図(b)がその
ときの吸込温度TINTの時間変化を示す特性図、第9図が
ソレノイド電流ISOL1を制御するためのフローチャー
ト、第10図および第11図がソレノイド電流ISOL1を演算
するためのグラフ、第12図(a)がデストローク制御の
フローチャート、第12図(b)がエアミックスドア開度
制御のフローチャート、第13図(a)が省燃費,省動力
制御のフローチャート、第13図(b)がその時の2つの
特性を選択するためのグラフ、第14図がMAX除湿制御の
フローチャート、第15図(a)が低温デミスト制御のフ
ローチャート、第15図(b)が低温デミスト制御時の目
標冷媒温度Tref2およびTref3の時間変化を示す特性図、
第16図がソレノイド電流ISOL2を制御するためのフロー
チャート、第17図および第18図が低温デミスト制御時の
ソレノイド電流ISOL2を演算するためのグラフである。 1:エンジン、2:コンプレッサ 4:エバポレータ、9:ブロアファン 10:ヒータユニット 32:コントロールバルブ 40:制御回路 101:コンプレッサ、102:容量変更手段 103:エバポレータ、104:温度センサ 105:第1の容量制御手段 106:第2の容量制御手段 107,205,305:禁止手段 201:コンデンサ、202:膨張弁 203:冷媒温度検出手段 204:第3の容量制御手段 301:温度設定手段 302:目標吹出温度演算手段 303:目標吹出温度演算手段 304:第4の容量制御手段

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】冷媒を圧送しその吐出容量が可変制御され
    る可変容量形コンプレッサと、 このコンプレッサの吐出容量を増減する容量変更手段
    と、 エバポレータの下流の吸込空気温度を検出する温度セン
    サと、 前記コンプレッサの吐出容量が前記エバポレータの凍結
    開始可能温度以下の第5の所定温度に応じた容量となる
    ように前記容量変更手段を制御する第1の容量制御手段
    と、 前記コンプレッサの吐出容量を、前記吸込空気温度が前
    記エバポレータの凍結開始可能温度となるような容量と
    すべく前記容量変更手段を制御するとともに、該吸込空
    気温度が前記凍結開始可能温度よりも低く前記第5の所
    定温度よりも高い第1の所定温度未満になると前記コン
    プレッサを停止する第2の容量制御手段と、 前記第1の容量制御手段による制御から前記第2の容量
    制御手段による制御に移行する際、前記吸込み温度が前
    記第1の所定温度未満であってもいったん前記第1の所
    定温度よりも高い第2の所定温度以上となるまでは前記
    コンプレッサの停止を禁止する禁止手段とを具備するこ
    とを特徴とする車両用空調装置。
  2. 【請求項2】少なくとも可変容量コンプレッサ、このコ
    ンプレッサの吐出容量を増減する容量変更手段、コンデ
    ンサ、膨張弁、およびエバポレータを有する車両用空調
    装置において、 前記膨張弁からエバポレータ入口の間で冷媒の温度を検
    出する冷媒温度検出手段と、 前記検出された冷媒温度が目標冷媒温度となるように前
    記容量変更手段を制御する第3の容量制御手段と、 エバポレータの下流の吸込空気温度を検出する温度セン
    サと、 前記コンプレッサの吐出容量を、前記吸込空気温度が前
    記エバポレータの凍結開始可能温度となるような容量と
    すべく前記容量変更手段を制御するとともに、該吸込空
    気温度が第1の所定温度未満になると前記コンプレッサ
    を停止する第2の容量制御手段と、 前記第3の容量制御手段による制御から前記第2の容量
    制御手段による制御に移行する際、前記吸込み温度が前
    記第1の所定温度未満であってもいったん前記冷媒温度
    が第3の所定温度以上となるまでは前記コンプレッサの
    停止を禁止する禁止手段とを具備することを特徴とする
    車両用空調装置。
  3. 【請求項3】冷媒を圧送しその吐出容量が可変制御され
    る可変容量形コンプレッサと、 このコンプレッサの吐出容量を増減する容量変更手段
    と、 温度設定手段で設定された設定温度と周囲の熱負荷とに
    基づいて、目標吹出温度を演算する目標吹出温度演算手
    段と、 エバポレータの下流の吸込空気温度を検出する温度セン
    サと、 前記エバポレータの下流の吸込空気温度の目標値を前記
    演算された目標吹出温度に基づいて演算する目標吸込温
    度演算手段と、 前記コンプレッサの吐出容量がエバポレータの凍結開始
    可能温度以下の第5の所定温度に応じた容量となるよう
    に前記容量変更手段を制御する第1の容量制御手段と、 前記コンプレッサの吐出容量を、前記吸込空気温度が前
    記演算された目標吸込空気温度となるような容量とすべ
    く前記容量変更手段を制御するとともに、該吸込空気温
    度が前記第5の所定温度よりも高く前記凍結開始可能温
    度よりも低い第1の所定温度未満になると前記コンプレ
    ッサを停止する第4の容量制御手段と、 前記第1の容量制御手段による制御から前記第4の容量
    制御手段による制御に移行する際、前記吸込み温度が前
    記第1の所定温度未満であってもいったん前記目標吸込
    空気温度が第4の所定温度以上となるまでは前記コンプ
    レッサの停止を禁止する禁止手段とを具備することを特
    徴とする車両用空調装置。
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