JP2751689B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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JP2751689B2
JP2751689B2 JP3261143A JP26114391A JP2751689B2 JP 2751689 B2 JP2751689 B2 JP 2751689B2 JP 3261143 A JP3261143 A JP 3261143A JP 26114391 A JP26114391 A JP 26114391A JP 2751689 B2 JP2751689 B2 JP 2751689B2
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  • Compressors, Vaccum Pumps And Other Relevant Systems (AREA)
  • Control Of Positive-Displacement Pumps (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、斜板型可変容量コンプ
レッサを備えた車両用空調装置に関し、特にコンプレッ
サを構成する摺動部材が常に円滑に動作するよう改良し
たものである。
【0002】
【従来の技術】斜板型可変容量コンプレッサを備えた圧
縮冷凍サイクルのクーラーユニットを搭載し、上記コン
プレッサの吐出容量を変化させて空調制御を行う車両用
空調装置が従来から知られている。この種の空調装置に
は、外気温度が低いときにもコンプレッサを運転して除
湿性能を向上させる制御(以下、低温デミスト制御と呼
ぶ)を行うものがある。この低温デミスト制御では、冷
媒温度に基づいてコンプレッサの吐出容量が制御される
(例えば、日産自動車株式会社発行新型車解説書Y32
−1 1991年6月)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記低温デ
ミスト制御時には、外気温度が低いためにエバポレータ
出口付近の冷媒温度が低く、このため膨張弁の開度が小
さくなって冷媒流量が減少する。このため冷媒中に含ま
れる潤滑油の流量も必然的に減少し、摺動部材が多い斜
板型可変容量コンプレッサにおいては、潤滑油の減少に
よってその摺動部材が円滑に動作しなくなるおそれがあ
る。
【0004】本発明の目的は、低温デミスト制御時でも
コンプレッサ摺動部材が確実に円滑動作するようにした
車両用空調装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】クレーム対応図である図
1により説明すると、本発明は、潤滑油を含む冷媒を圧
送する斜板型可変容量コンプレッサ101と、コンプレ
ッサ101の斜板の傾き角を調節して吐出容量を制御す
る容量制御手段102とを備えた車両用空調装置に適用
される。そして、コンプレッサ101の内部温度を検出
するワブル温度センサ103を備え、この温度センサ1
03にて検出されたコンプレッサの内部温度が所定温度
以上の場合には、コンプレッサ101の吐出容量を通常
よりも増大させるよう容量制御手段102を構成し、こ
れにより上記問題点を解決する。また特に請求項2の発
明は、外気温度を検出する外気温センサと、冷媒温度を
検出する冷媒温度センサを更に備え、上記容量制御手段
102を次のように構成したものである。すなわち容量
制御手段102は、外気温センサにて検出された外気温
度が所定温度未満であり、かつ温度センサ103にて検
出されたコンプレッサ101の内部温度が所定温度未満
の場合には、冷媒温度センサにて検出された冷媒温度に
基づいてコンプレッサ101の吐出容量を制御し、外気
温度が所定温度未満であり、かつコンプレッサ101の
内部温度が所定温度以上の場合には、コンプレッサ10
1の吐出容量を、上記冷媒温度に基づく量よりも増大さ
せる。
【0006】
【作用】潤滑油を含む冷媒の流量が少なくなると斜板型
可変容量コンプレッサ101を構成する摺動部材の摩擦
熱が発生し、これに応じてコンプレッサ101の内部温
度が上昇する。容量制御手段102は、温度センサ10
3にて検出されたコンプレッサ101の内部温度が所定
温度以上になると、コンプレッサ101の吐出容量を通
常よりも増大させる。これにより冷媒流量が増大して潤
滑油の量も増大する。また特に請求項2の発明におい
て、容量制御手段102は、外気温度が所定温度未満で
あり、かつ温度センサ103にて検出されたコンプレッ
サ101の内部温度が所定温度未満の場合には、冷媒温
度センサにて検出された冷媒温度に基づいてコンプレッ
サ101の吐出容量を制御する(低温デミスト制御)。
また、この状態でコンプレッサ101の内部温度が所定
温度以上になると、冷媒温度をより増大させる。
【0007】
【実施例】図2〜図16により本発明の一実施例を説明
する。本発明に係る車両用空調装置は、図2に示すよう
に、エンジン1により駆動される斜板型可変容量コンプ
レッサ2,コンデンサ3,エバポレータ4,リキッドタ
ンク5,膨張弁6から成る圧縮冷凍サイクルのク−ラ−
ユニット100を備えている。可変容量コンプレッサ2
は、吸入圧力Psが設定圧力Prを越えると傾き角を大
きくして吐出容量を大きくするもので、その設定圧力P
rは、図6に示す制御回路40から供給されるソレノイ
ド電流Isolによって制御される。またエバポレータ4
は、外気導入口7aおよび内気導入口7bを有する空調
ダクト7内に配設されている。
【0008】各導入口7a,7bには、空調ダクト7内
へ導入される空気流量を制御する内外気切換ドア8が設
けられる。更に空調ダクト7内には、周知のとおりブロ
アファン9、ヒ−タ−ユニット10、エアミックスドア
11が設けられるとともに、空調ダクト7に設けられた
ベント吹出口7cおよび足下吹出口7dからの吹き出し
量をそれぞれ調整するベントドア12、フットドア13
が設けられる。更に、空調ダクト7に設けられたデフロ
スタ吹出口7eにはデフロスタドア14が設けられる。
【0009】図3により可変容量コンプレッサ2につい
て説明する。これはいわゆる斜板形のもので、斜板が配
設されるケ−シング内に吸入圧力Psまたは吐出圧力P
dを導き、これによって斜板の傾き角を変えて吐出容量
を変更するもので、例えば特開昭58−158382号
公報に開示されている。
【0010】すなわち同図において、コンプレッサ2の
ケ−シング21内には、エンジン1により駆動されるベ
ルト22によってプ−リ23を介して回転する回転軸2
4が設けられ、この回転軸24には、これと一体に回転
するロ−タリ−ドライブプレ−ト25がピポット支持さ
れて斜設されている。ロ−タリ−ドライブプレ−ト25
のジャ−ナル25aには、ノンロ−タリ−ワップル26
が装着され、このノンロ−タリ−ワップル26には、シ
リンダブロック27内を摺動するピストン28がロッド
29を介して連結される。したがって、ロ−タリ−ドラ
イブプレ−ト25が回転するとピストン28が往復動
し、吸入側室30sから吸い込まれた冷媒を吐出側室3
0dへ送り出し、コンデンサ3に圧送する。周知のとお
り、ピストン28は回転軸24の軸心を中心とする円周
上に等間隔で複数個配設される。
【0011】ここで、ノンロ−タリ−ワップル26の傾
き角は、ケ−シング21内、すなわちケーシング室21
R内に吸入圧力Psまたは吐出圧力Pdを導いて各ピスト
ン28の前後の圧力差、換言するとシリンダ室とケーシ
ング室21Rとの圧力差を調節することによって変更さ
れ、図4(a)のように吸入圧力Psが導かれると傾き
角が大きくなり、図4(b)のように吐出圧力Pdが導
かれると傾き角が小さくされる。このような傾き角制御
のため、このコンプレッサ2は、ケ−シング室21Rを
吸入側室30sまたは吐出側室30dと択一的に連通す
る目的で、エンドカバー31内に、図5に詳細を示すコ
ントロールバルブ32を有する。
【0012】図5はコントロールバルブ32の詳細内部
構造を示す。コントロールバルブ32は、先端側開口に
弁シート部材321が嵌合されたバルブボディ322を
有し、そのバルブボディ322には、先端にボール32
3を一体的に取付けたバルブピン324が内挿される。
バルブボディ322内には、吐出側室30dとポート3
27で連通する高圧室328と、ポート329A,32
9Bを介してケーシング室21Rに連通する室330と
が形成され、ボール323をスプリング325でシート
326に押し付けて両者が遮断される。
【0013】また、バルブボディ322の基部側には、
内部にベローズ331を備えたエンドキャップ332が
装着される。このベローズ331の両端にはスプリング
シート333とエンドメンバ334とが取付けられ、ス
プリングシート333とエンドメンバ334との間に介
装されたスプリング335でベローズ331が伸長方向
に付勢される。更に、スプリングシート333の凹部か
らエンドメンバ334を貫通してロッド336が設けら
れ、このロッド336の先端がバルブピン324の基部
に設けた凹部に当接される。
【0014】エンドキャップ332とベローズ331と
の間には、エンドキャップ332とエンドカバー31に
それぞれ形成されたポート337,ポート338を介し
て吸入側室30sに通ずる制御室339が構成され、こ
の制御室339は、バルブピン324の基部に設けた弁
体340とバルブボディ322のシート343との間の
通路を介して室341に連通可能とされる。この室34
1はポート342を介してケーシング室21Rと連通さ
れる。
【0015】更に、スプリングシート333には可動板
343が固着され、この可動板343には、電磁アクチ
ュエータ344のプランジャ345が連結される。この
電磁アクチュエータ344の周囲には可動板343をス
プリングシート333に押圧するリターンスプリング3
46が配設される。このリターンスプリング346のば
ね力はスプリング335のばねよりも十分に大きくされ
る。電磁アクチュエータ344のソレノイド部は図6に
示すようにリレー56を介して出力回路49に接続さ
れ、後述の如くソレノイド電流Isolにより制御され
る。
【0016】一般には、コンプレッサ2の吸入圧力Ps
が予め設定された圧力Pr(以下、設定圧力)を越える
とコントロールバルブ32が作動する。すなわち、スプ
リング335のばね力に抗してベローズ331が収縮し
てロッド336が下方に変位し、スプリング325のば
ね力でバルブピン324もその下降動作に追動する(こ
のとき可動板343は不動である)。これにより、ボー
ル323がシート326に着座するとともに、弁体34
0がシート343から離れる。この状態を模式的に示し
たのが図4(a)である。この図からも分かるように、
制御室339から吸入圧力Psが室341,ポート34
2を介してケーシング室21Rに導かれて傾き角が大き
くなり吐出容量が増大する。
【0017】吸入圧力Psが設定圧力Pr以下の場合に
は、スプリング335のばね力によりロッド336がバ
ルブピン324を上方に押動し、弁体340がシート3
43に着座すると共に、ボール323がシート326か
ら離れる(このとき可動板343は不動である)。この
状態を模式的に示したのが図4(b)である。この図か
らも分かるように、高圧室328,室330およびポー
ト329Bを経て吐出圧力Pdがケーシング室21R内
に導かれ傾き角が小さくなり、吐出容量が減少する。
【0018】ここで、上記設定圧力Prは次のように変
更制御される。電磁アクチュエータ344のソレノイド
部が消磁されているときは、可動板343はスプリング
335と346とがバランスする位置にあり、ソレノイ
ド電流が増加するのに比例して可動板343は上方に移
動し、スプリング335のばね力がソレノイド電流に比
例して大きくなる。この結果、コントロールバルブ32
の設定圧力Prもソレノイド電流に比例して大きくな
る。
【0019】また図3において、47は上記ケーシング
室21R内の温度(ワブル温度)Tcを検出するワブル
温度センサである。ここで、上述したような斜板型可変
容量コンプレッサ2は、複数の摺動部材を有しており、
これらの摺動部材の動きを円滑にするために上記冷媒中
には潤滑油が含まれている。しかし、冷媒の流量が少な
くなるとその潤滑油も減少して各摺動部材間の摩擦熱が
発生し、これに応じて上記ワブル温度センサ47の検出
温度が上昇する。
【0020】図6に本発明に係る車両用空調装置の制御
回路40の一例を示す。容量制御手段を構成するCPU
41には入力回路42を介して、外気温度Tambを検出
する外気温センサ43,車室内温度Tincを検出する室
内温度センサ44,日射量Qsunを検出する日射センサ
45,膨張弁6の出口側管面に設けられて冷媒温度Tre
fを検出する冷媒温度センサ46,および上述したワブ
ル温度センサ47がそれぞれ接続され、これらのセンサ
43〜47から各種温度情報や熱量情報がCPU41に
入力される。また入力回路42には、コンプレッサ2の
作動/非作動を指令するエアコンスイッチ48も接続さ
れる。
【0021】さらにCPU41には、出力回路49を介
してインテークドアクチュエータ50,エアミックスド
アアクチュエータ51,ベントドアアクチュエータ5
2,フットドアアクチュエータ53,デフロスタドアア
クチュエータ54およびブロアファン制御回路55が接
続され、ブロアファン制御回路55にはブロアファンモ
ータ9が接続されている。出力回路49にはさらに、リ
レー56を介して、コントロールバルブ32に付設され
た電磁アクチュエータ344のソレノイド部が接続され
ている。
【0022】CPU41は、各センサ43〜47から入
力される各種情報に基づいて、インテークドアクチュエ
ータ50,エアミックスドアアクチュエータ51などの
各種アクチュエータを駆動制御して空気の吸込口や吹出
口および吹出し温度あるいはコントロールバルブ32の
設定圧力Prを適切に制御する。さらに、風量制御信号
によりブロアファン制御回路55を介してブロアファン
モータ9を駆動制御してブロアファンの風量を適切に制
御する。
【0023】次に実施例の動作を説明する。図7はCP
U41で実行される空調制御を示すメインのフローチャ
ートである。ステップS10では初期設定を行い、通常
のオートエアコンモードにおいては、例えば設定温度T
ptcを25℃に初期設定する。ステップS20では各セ
ンサからの各種情報を入力する。
【0024】これらの各センサのデータ情報を具体的に
説明すると、設定温度Tptcは図示しないコントロール
パネルから、車室内温度Tincは室内温度センサ44か
ら、外気温度Tambは外気温センサ43から、冷媒温度
Trefは冷媒温度センサ46からそれぞれ与えられる。
また、ワブル温度Tcはワブル温度センサ47から、日
射量Qsunは日射センサ45から与えられる。
【0025】次にステップS30では、外気温センサ4
3から得られる外気温度Tambに対して他の熱源からの
影響を除き、現実の外気温度に相当した値Tamに処理す
る。次にステップS40では日射センサ45からの光量
としての日射量情報を以降の換算に適した熱量としての
値Q'sunに処理する。ステップS50ではコントロール
パネルで設定された設定温度Tptcを外気温度に応じて
補正した値T'ptcに処理する。ステップS60ではT'p
tc,Tinc,Tam,Q'sunから目標吹出温度Toを算出
すると共に、この目標吹出温度Toと実際の吹出温度と
の偏差に応じてエアミックスドア11の開度を制御す
る。
【0026】ステップS70ではコンプレッサ2を後述
するように制御する。ステップS80では各吹出口を制
御する。ステップS90では吸込口、即ち、外気導入口
7aおよび内気導入口7bの選択切換を制御する。ステ
ップS100ではブロアファン9を制御することによ
り、吹出口からの風量を制御する。
【0027】図8は図7のコンプレッサ制御(ステップ
S70)を詳細に説明するフローチャートである。図8
においてステップS71ではエアコンスイッチ48がオ
ンしているか否かを判定し、オフならばステップS72
でコンプレッサ2を停止(オフ)する。エアコンスイッ
チ48がオンならばステップS73に進み、補正処理さ
れた外気温度Tamに基づいて、状態3〜5のいずれかを
判定して所定の格納領域に格納し、ステップS74に進
む。なおステップS73において、Tam1およびTam2
外気温度が極めて低い状態を言い、Tam3およびTam4
外気温度がある程度高い状態を言う。
【0028】ステップS74で上記状態5であると判定
されると、上記ステップS72に進んでコンプレッサ2
を停止し、状態3と判定されると所定の制御に進む。こ
の処理については説明を省略する。一方、状態4と判定
された場合にはステップS75に進み、低温デミスト制
御を行う。
【0029】図9はこの低温デミスト制御の詳細を示し
ている。まずステップS7501において、目標冷媒温
度T'ref1として外気温度Tam+T1を、目標冷媒温度
T'ref2として外気温度Tam−T2をそれぞれ設定す
る。また、タイマTime2にt2分を、タイマTime3に
t3分をそれぞれ設定する。次いでステップS7502
でフラグ1が0か否かを判定し、肯定されると、ステッ
プS7503でフラグ2が0か否かを判定する。肯定判
定されると、ステップS7504において、Time2の
計時を開始し、ステップS7505において、T'refと
してまず目標冷媒温度T'ref2を選択し、ステップS7
506において、ソレノイド電流Isolを図10の手順
により求める。
【0030】図10において、まずステップS201で
上記ワブル温度センサ47で検出されたワブル温度Tc
が90℃以上か否かを判定し、90℃未満であればステ
ップS202に進む。ステップS202では、冷媒温度
Trefと目標冷媒温度T’refの差(Tref−T’ref)を
演算し、次いでステップS203で、この差から比例項
電流Ipおよび積分項電流Iiをそれぞれ図11(a),
(b)に従って求める。ここで、比例項電流Ipはステ
ップS202で演算された差に基づいて図11(a)か
ら求められ、積分項電流Iiは、同様の差に基づいて図
11(b)からΔIiを求め、このΔIiに前回までのI
iを加えた値Ii(=Ii+ΔIi)として求められる。そ
してステップS204において、比例項電流Ipと積分
項電流Iiとの差に相当する電流をソレノイド通電電流
Isolとして求める。すなわちソレノイド通電電流Isol
は、 Isol=Ip−Ii ・・・(1) で求められる。ただし、Ipはアンペア、Iiはミリアン
ペアである。
【0031】一方、上記ステップS201でワブル温度
Tcが90℃以上と判定された場合には、ステップS2
05に進む。ステップS205では、上記ワブル温度T
cから比例項電流Ipおよび積分項電流Iiをそれぞれ図
12(a),(b)の特性に従って求める。ここで、こ
れらの特性によれば、比例項電流Ipおよび積分項電流
Iiは、Tcが90℃以上の場合には、共にTcが高い
ほど小さくなるようになっている。次いでステップS2
06では、 Ii(t)=Ii(t−Δt)+ΔIi ただし、Δt=0.5秒 によりIiを求める。すなわち、ΔIiに0.5秒前のI
iを加えた値を今回のIiとする。そしてステップS20
7において、 Isol=Ip+Ii によりソレノイド通電電流Isolを求める。
【0032】次に、図9のステップS7507では、T
ime2の計時が完了したか否かを判定する。計時完了前
では否定されてステップS7514に進み、フラグ1に
1を設定して、図8の処理にリターンする。一方、Tim
e2の計時が完了すると、ステップS7508におい
て、フラグ1を0とし、ステップS7509でTime3
の計時を開始する。次いでステップS7510におい
て、T'refとして目標冷媒温度T'ref1を選択してステ
ップS7511に進み、上述と同様にしてソレノイド電
流Isolを制御する。更にステップS7512におい
て、Time3の計時が完了したか否かを判定し、計時完
了前ならばステップS7515に進んでフラグ2に1を
設定して所定の手順に戻る。計時が完了すると、ステッ
プS7513においてフラグ2に0を設定して図8の処
理にリタ−ンする。
【0033】以上の手順によれば、ワブル温度Tcが9
0℃未満の場合には、時間経過と共に、目標冷媒温度
T'ref2とT'ref1とが図13のように選択されてソレ
ノイド通電電流Isolが調節される。この結果、T'ref
2でIsolを調節するときは冷媒温度を外気温度よりも
4度低くして除湿が行われる。
【0034】また、冷媒流量が少ないためにコンプレッ
サ2を構成する摺動部材間で摩擦熱が発生し、これによ
り図14(a)に示すように、ワブル温度Tcが時点T
1で90℃以上になると、図14(b)に示すように9
0℃未満の場合の場合と比べてIsolは小さくなる。Is
olが小さくなると、図5に示した電磁アクチュエータ3
44の可動板343が下方に変位して、弁体340を開
放する設定圧力Prが低くなる。この結果、コンプレッ
サ吸込圧力Psが小さい値でも弁体340が開いてケー
シング室21Rには吸込圧力Psが導かれ、傾き角が大
きく、すなわちコンプレッサ吐出容量が大きくされる。
これにより冷媒の流量が増加して潤滑油の流量も増加す
るので、コンプレッサ2を構成する摺動部材の動きが円
滑になる。
【0035】摺動部材が円滑に作動するようになると、
上記摩擦熱が発生しなくなるので、ワブル温度Tcは減
少する。因みに図15は、コンプレッサ2の吐出容量変
化に対する冷媒流量およびワブル温度の変化を示す図で
あり、この図によれば、吐出容量の増加に伴ってワブル
温度Tcが減少しているのがわかる。そして、ワブル温
度Tcが90℃未満になると、Isolが再び上昇して通
常の制御に戻る。
【0036】また図16は図7のエアミックスドアドア
制御(ステップS60)の詳細を示している。図16に
おいて、ステップS601で定数A〜Gを初期化し、ス
テップS602で、エアミックスドア開度センサ(不図
示)の信号により現在のエアミックスドア開度Xを入力
する。次いでステップS603において、 Xm=(A+D)T'ptc+B・Tam+C・Q'sun−D・T
inc+E−(FX+G)(82−Tint)−Tint に基づいて目標吹出温度Toと実際の吹出温度との偏差
Sを求める。ここで、Tintは、不図示の吸込温度セン
サにて得られた吸込温度(エバポレータ4下流の空気温
度)である。
【0037】そしてステップS604においてこの偏差
Sを所定値Soと比較する。S<−Soの場合、ステッ
プS605でエアミックスドア開度をコールド側、すな
わちヒータユニット10を通過する空気流量が少なくな
るように閉じ側にする。S>−Soの場合、エアミック
スドア開度をホット側、すなわちヒータユニット10を
通過する空気流量が多くなるように開き側にする。|S
|≦+Soの場合、現状の開度をそのまま維持する。
【0038】このようにエアミックスドア開度は、外気
温度Tam,車室内温度Tinc,日射量Q'sun,設定温度
T'ptcおよび吸込温度Tintに基づいて決定され、これ
により車室内への吹出温度が制御される。ここで、上述
したようにワブル温度Tcが90℃以上になると通常よ
りもコンプレッサ2の吐出容量が増大するので、エバポ
レータ4下流の空気温度、すなわち吸込温度Tintが一
時的に高くなるが、上式によれば、Tintが高くなる分
だけエアミックスドア開度が図14(c)に示すように
ホット側となるので、吹出温度の変化はない。
【0039】なお吐出容量を増大させるか否かを決定す
る上記ワブル温度Tcの閾値は90℃に限定されない。
また以上では、低温デミスト制御時にのみ上記吐出容量
を増大させる制御を行うようにしたが、その他の処理で
も上述と同様の問題が発生する場合には、上記制御を行
うようにしてもよい。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、斜板型可変容量コンプ
レッサの内部温度が所定温度以上の場合には、コンプレ
ッサの吐出容量を通常よりも増大させるようにしたの
で、これに伴って冷媒流量が増大して潤滑油の量も増大
し、特に低温デミスト制御時であっても常にコンプレッ
サの摺動部材を円滑に作動させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】クレーム対応図である。
【図2】本発明に係る空調装置の一実施例を示す構成図
である。
【図3】斜板型可変容量コンプレッサの内部構成を示す
図である。
【図4】上記斜板型可変容量コンプレッサの動作を説明
する図である。
【図5】コントロールバルブの詳細内部構成図である。
【図6】上記空調装置の制御系の構成を示すブロック図
である。
【図7】メインのフローチャートである。
【図8】コンプレッサ制御の詳細を示すフローチャート
である。
【図9】低温デミスト制御の詳細を示すフローチャート
である。
【図10】ソレノイド通電電流決定制御の詳細を示すフ
ローチャートである。
【図11】通電電流を求めるための特性図である。
【図12】通電電流を求めるための特性図である。
【図13】低温デミスト制御の内容を説明する図であ
る。
【図14】ワブル温度の変化に対する通電電流およびエ
アミックスドア開度の変化を示すタイムチャートであ
る。
【図15】コンプレッサ吐出容量の変化に対するワブル
温度の変化を示す図である。
【図16】エアミックスドア開度制御の詳細を示すフロ
ーチャートである。
【符号の説明】
2,101 斜板型可変容量コンプレッサ 4 エバポレータ 11 エアミックスドア 32 コントロールバルブ 41 CPU 43 外気温センサ 44 室内温度センサ 45 日射センサ 46 冷媒温度センサ 47,103 ワブル温度センサ 102 容量制御手段 344 電磁アクチュエータ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 潤滑油を含む冷媒を圧送する斜板型可変
    容量コンプレッサと、 前記コンプレッサの斜板の傾き角を調節して吐出容量を
    制御する容量制御手段とを備えた車両用空調装置におい
    て、 前記コンプレッサの内部温度を検出する温度センサを備
    え、 前記容量制御手段は、この温度センサにて検出されたコ
    ンプレッサの内部温度が所定温度以上の場合には、前記
    コンプレッサの吐出容量を通常よりも増大させることを
    特徴とする車両用空調装置。
  2. 【請求項2】 外気温度を検出する外気温センサと、 冷媒温度を検出する冷媒温度センサを更に備え、 前記容量制御手段は、前記外気温センサにて検出された
    外気温度が所定温度未満であり、かつ前記温度センサに
    て検出されたコンプレッサの内部温度が所定温度未満の
    場合には、前記冷媒温度センサにて検出された冷媒温度
    に基づいて前記コンプレッサの吐出容量を制御し、前記
    外気温度が所定温度未満であり、かつ前記コンプレッサ
    の内部温度が所定温度以上の場合には、前記コンプレッ
    サの吐出容量を、前記冷媒温度に基づく量よりも増大さ
    せることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装
    置。
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