JPH04362357A - 車両の自動変速制御装置 - Google Patents

車両の自動変速制御装置

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JPH04362357A
JPH04362357A JP13305091A JP13305091A JPH04362357A JP H04362357 A JPH04362357 A JP H04362357A JP 13305091 A JP13305091 A JP 13305091A JP 13305091 A JP13305091 A JP 13305091A JP H04362357 A JPH04362357 A JP H04362357A
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Hiroki Matsuoka
松岡 広樹
Norihisa Nakagawa
徳久 中川
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両の自動変速制御装置
に係り、特に自動変速機の変速位置を、内燃機関の吸入
空気量と機関回転数との比に対応した値と変速マップに
基づき自動制御する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】スロットル開度TAと車速から変速線の
マップをサーチして変速線を計算し、その変速線と現在
の車速から変速の有無を判断する従来の自動変速制御装
置を、近年の機関トルク向上のために種々の可変機構を
導入した車両に適用すると、その車両では同一スロット
ル開度でも同一の機関トルクが得られるとは限らないた
め、駆動力が一定でない状態で変速が行なわれる場合が
発生する。その結果、短期間内で変速が繰り返されるビ
ジーシフトや変速の際のトルクショックなどが発生して
しまう。
【0003】そこで、空気量センサで検出した内燃機関
の吸入空気量Qを機関回転数Nで除算した値Q/Nが機
関トルクに略対応していることから、この1回転当りの
吸入空気量Q/N(以下、QNとも記す)と車速との相
関関係にて定めたパターンに基づいて、電子制御式自動
変速機の変速制御を行なう自動変速制御装置が従来より
知られている(特開昭60−34563号公報)。かか
る従来の自動変速制御装置では、機関トルクに応じた変
速パターンを持つことで上記のビジーシフトや変速ショ
ックの問題を解決することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、機関1回転
当りの吸入空気量QNと車速により変速線を決定し、変
速制御する上記の従来装置では、スロットル開度TAの
50%〜60%程度で吸入空気量が最大値となり、機関
トルクが90%以上に達するため、それ以上アクセルペ
ダルを踏み込んで加速を要求しても機関トルクが上がら
ず、走行上加速の頭打ち感が生じ、走行が運転者の意図
に沿わないものとなる。
【0005】本発明は上記の点に鑑みなされたもので、
機関トルクに応じて1回転当りの吸入空気量に基づく変
速マップと、アクセルの踏込みに応じた変速マップとを
使い分けることにより、上記の課題を解決した車両の自
動変速制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】図1は請求項1記載の発
明の原理ブロック図を示す。同図中、吸入空気量検出手
段11は内燃機関の吸入空気量を算出する。第1の検出
手段12はアクセルペダルの踏込量を実質的に検出する
。第2の検出手段13は吸入空気量が設定した上限値に
達したか否か検出する。車速検出手段14は車両の速度
を検出する。記憶手段15は吸入空気量と車速に基づく
変速線からなる第1の変速マップと、アクセルペダルの
踏込量と車速に基づく変速線からなる第2の変速マップ
とを予め記憶している。
【0007】マップ切換手段16は第2の検出手段13
により検出吸入空気量が前記上限値以上に達したとの検
出結果が得られたときは、記憶手段15より読み出して
使用するマップを前記第1の変速マップから前記第2の
変速マップへ切換える。また、自動変速手段17は、車
速検出手段14により検出された車速と、吸入空気量検
出手段11又は第1の検出手段12により検出された値
とに基づいて、マップ切換手段16からの変速マップを
サーチして変速線を決定し、ギア段を自動設定する。
【0008】また、請求項2記載の発明では、マップ切
換手段16によるマップ切換を、前記第1及び第2の変
速マップ中のダウン線について行ない、アップ線は第1
の変速マップのアップ線を用いるようにしたものである
【0009】
【作用】請求項1記載の発明では、第2の検出手段13
により吸入空気量が前記上限値未満と検出されたときに
は、マップ切換手段16から第1の変速マップが出力さ
れ、自動変速手段17は吸入空気量検出手段11の検出
出力と車速検出手段14により検出された車速とに基づ
いて上記第1の変速マップをサーチして変速制御を行な
う。吸入空気量は機関トルクに対応しており、また吸入
空気量が上記上限値未満のときはアクセルペダルの実質
的な踏込量に対応して変化するため、上記の場合はアク
セルペダルの踏込量に対応した変速制御ができる。
【0010】一方、第2の検出手段13により吸入空気
量が前記上限値以上と検出されたときには、マップ切換
手段16は第2の変速マップに切換えるため、自動変速
手段17は第1の検出手段12により検出された値と車
速とに基づいて上記第2の変速マップをサーチして変速
制御を行なう。この場合は吸入空気量が略飽和した状態
であるが、上記第2の変速マップがアクセルペダルの踏
込量に基づいた変速マップであるため、第1の検出手段
12により実質的に検出されたアクセルペダル踏込量に
対応した変速制御ができる。
【0011】また、請求項2記載の発明では、マップ切
換手段16によるマップ切換えは第1及び第2の変速マ
ップ中のダウン線のみであり、アップ線は第1の変速マ
ップのアップ線だけを使用するようにしているため、必
要最小限のマップ切換えで済む。
【0012】
【実施例】図2は本発明装置を搭載した内燃機関の一実
施例の概略構成図を示す。本実施例はターボチャージャ
ー付きの6気筒火花点火式内燃機関で、かつ、自動変速
機20を有した内燃機関に適用した例を示している。
【0013】図2において、エアクリーナ21の下流に
はエアフローメーター22,吸気通路23,スロットル
バルブ24,サージタンク25,インテークマニホルド
26及び吸気弁27を介してエンジン本体28(前記内
燃機関に相当)の燃焼室29に連通されている。
【0014】エンジン本体28はシリンダブロック30
とシリンダヘッド31とからなり、シリンダブロック3
0内にはピストン32が収容されており、またシリンダ
ヘッド29には燃焼室29にプラグギャップが突出する
ように各気筒毎に点火プラグ32が設けられている。イ
ンテークマニホルド26には先端部がインテークマニホ
ルド26内に突出するように各気筒毎に燃料噴射弁33
が設けられている。
【0015】また、イグナイタ34はマイクロコンピュ
ータにより構成されているエンジンコントロールコンピ
ュータ53からの点火指示信号に基づき高電圧を発生し
、この高電圧をディストリビュータ36を介して点火プ
ラグ32へ供給する。また、エンジン本体28の燃焼室
29は排気弁36,エキゾーストマニホルド37を介し
て排気通路38に連通されている。
【0016】前記したスロットルバルブ24の上流側の
吸気通路23内にはコンプレッサ39が設けられており
、かつ、排気通路38にはタービン40が、コンプレッ
サ39と同軸上に取り付けられている。また、タービン
40の上流側と下流側とを連通し、タービン40を迂回
するバイパス通路41のエキゾーストマニホルド37側
の吸入口には、ウェイストゲートバルブ42が設けられ
、該吸入口を閉塞又は開口するようリンク機構43を介
してアクチュエータ44により制御される構成とされて
いる。アクチュエータ44は、吸気通路23と連通する
通路45を介して導入される空気圧によって動作制御さ
れる。
【0017】ここで、エキゾーストマニホルド37を流
れる排気ガスをタービン40に流入しタービン40を回
転させると、それに応じてコンプレッサ39も回転し、
エアフローメータ22を通過した吸入空気がコンプレッ
サ39により圧縮され、その密度の高い空気がサージタ
ンク25及びインテークマニホルド26を介して燃焼室
29に送り込まれて出力を増大させる。このとき、過給
圧が設定値以下の場合にはアクチュエータ44は作動せ
ず、ウェイストゲートバルブ42は閉じているため、排
気ガスは全量タービン40へ流入する。しかし、エンジ
ン高回転によって過給圧が上昇し、設定値以上になると
通路45を介して入力される所定値以上の空気圧によっ
てアクチュエータ44が作動し、リンク機構43を介し
てウェイストゲートバルブ42を図中、左方向へ移動さ
せ、エキゾーストマニホルド37の吸入口を開放する。 これにより、タービン40に流入する排気ガスの一部が
バイパス通路41を介してバイパスされるため、タービ
ン40の回転数が低下せしめられる。このようにして、
過給圧が一定になるように制御される。
【0018】本実施例では、また各種のセンサ群が設け
られている。すなわち、エアクリーナ21から取り出さ
れてエアフローメータ22へ吸入される空気の温度を計
測する吸気温センサ47,エンジンブロック30を貫通
して一部がウォータジャケット内に突出するよう設けら
れ、エンジン冷却水温を検出する水温センサ48,アク
セルペダル49により開閉制御されるスロットルバルブ
24の開度を検出するスロットルポジションセンサ50
などが設けられている。また、ディストリビュータ35
はそのシャフトの回転に同期して所定のクランク角度毎
にパルスを出力する回転角センサとクランク位置検出信
号を出力する気筒判別センサとを内蔵している。更に排
気通路38に一部が突出されて設けられ、触媒装置46
に入力される前の排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素
濃度検出センサ(O2 センサ)52などが設けられて
いる。
【0019】上記の各種センサの出力検出信号はエンジ
ンコントロールコンピュータ53に入力され、ここで空
燃比を目標空燃比(例えば理論空燃比)に制御する燃料
噴射時間の計算やその他の必要な各種演算が実行される
。エンジンコントロールコンピュータ53の出力信号は
燃料噴射弁33やイグナイタ34に入力される一方、E
CTコンピュータ54にも必要なデータが転送される。
【0020】ECTコンピュータ54はトランスミッシ
ョンコントロールコンピュータで、マイクロコンピュー
タで構成されており、例えばアウトプットシャフトの回
転により車速を検出する車速センサ55からの車速信号
、自動変速機20のシフトポジション(ギア段)の位置
を検出するシフトポジションスイッチ56からのギア段
検出信号、及びアクセル開度センサ57からのアクセル
開度検出信号が、エンジンコントロールコンピュータ5
3からのデータと共に入力され、変速線の計算を行ない
、それに基づいて自動変速機20によるギア段の設定制
御(シフト制御)を行なう。
【0021】ここで、アクセル開度センサ57はアクセ
ルペダル49の踏込量(ストローク量)であるアクセル
開度を直接に検出するセンサで、アクセル開度センサ5
7はスロットルバルブ50とワイヤで接続されている場
合には、周知のようにアクセルペダル49の操作に応じ
て両者は1対1に機械的に連動して差動する。従って、
この場合はアクセル開度センサ57で検出されるアクセ
ル開度PAと、スロットルポジションセンサ50により
検出されるスロットルバルブ50の開度(すなわち、ス
ロットル開度TA)とは夫々等しい。
【0022】上記のスロットルポジションセンサ50と
アクセル開度センサ57は夫々前記第1の検出手段12
を構成している。また、前記したエアフローメータ22
、ディストリビュータ35及びエンジンコントロールコ
ンピュータ53は吸入空気量(1回転当り)検出手段1
1を構成しており、車速センサ55は前記車速検出手段
14を構成している。また、前記した第2の検出手段1
3、記憶手段15、マップ切換手段16はECTコンピ
ュータ54のソフトウェア処理によって実現される。 更に、ECTコンピュータ54と自動変速機20により
前記自動変速手段17が構成されている。
【0023】エンジンコントロールコンピュータ53は
例えば図3に示す如き公知のハードウェア構成とされて
いる。同図中、図2と同一構成部分には同一符号を付し
、その説明を省略する。図3において、エンジンコント
ロールコンピュータ53は中央処理装置(CPU)60
,処理プログラムやマップを格納したリード・オンリ・
メモリ(ROM)61,演算結果などが書き込まれ、ま
た読み出されるランダム・アクセス・メモリ(RAM)
62,入力インタフェース回路63,65マルチプレク
サ付のA/Dコンバータ64,出力インタフェース回路
66からなる。CPU60は燃料噴射量などを算出する
。ROM61は後述の変速制御の計算に必要な各種のマ
ップを予め格納している。入力インタフェース回路63
はエアフローメータ22,吸気温センサ47,水温セン
サ48,O2 センサ52,スロットルポジションセン
サ50からの検出信号をA/Dコンバータ64に供給す
る。A/Dコンバータ64はこれらの入力検出信号を順
次切換えて取り込み、それをアナログ・ディジタル変換
した後、バス67を介してCPU60に入力する。入力
インタフェース回路65はディストリビュータ35から
の機関回転数NE検出信号などを入力信号として受け、
それをバス67を介してCPU60へ送出する。出力イ
ンタフェース回路66はCPU60からバス67を介し
て供給されたデータを燃料噴射弁33,イグナイタ34
,ECTコンピュータ54などへ選択出力する。なお、
ECTコンピュータ54もエンジンコントロールコンピ
ュータ53と同様のハードウェア構成とされている。
【0024】次に本発明の変速制御の概略について説明
する。図4は本発明の一実施例の変速制御ルーチンを示
す。この変速制御ルーチンはECTコンピュータ54に
より実行される。まず、エンジンコントロールコンピュ
ータ53で演算された1回転当りの吸入空気量QNと、
スロットル開度TA又はアクセル開度PAとがエンジン
コントロールコンピュータ53から転送されてくるので
、これを取り込む(ステップ101)。
【0025】続いて、車速センサ55からのアウトプッ
トペラシャフトの回転検出信号に基づき、その回転数を
計算し車速を算出する(ステップ102)。次にステッ
プ101で取り込んだ1回転当りの吸入空気量QN及び
スロットル開度TA(又はアクセル開度PA)と、ステ
ップ102で算出した車速とから変速線のマップをサー
チして、要求変速線を計算する(ステップ103)。
【0026】しかる後に、ステップ103で計算された
要求変速線と現在の車速やギヤ段とから変速するかしな
いかの判断をし(ステップ104)、変速をしない場合
はこのルーチンを終了し、変速する場合はタイミング等
の計算を経て変速を実行する指示を出す(ステップ10
5)。
【0027】次に上記ステップ103の変速線の計算方
法について更に詳細に説明する。図5及び図6は本発明
の要部をなす変速線計算ルーチンの第1実施例のフロー
チャートを示す。図5中、まず1回転当りの吸入空気量
QNの値を取り込んだ後(ステップ201)、スロット
ル開度TAの値を取り込む(ステップ202)。
【0028】次に、上記のスロットル開度TAと車速セ
ンサ55で検出された車速とから図7に示す如きマップ
をサーチし、QN−TA切り換えフラグXTAのセット
/リセットを行なう(ステップ203)。図7に示すよ
うに、上記フラグXTAはスロットル開度TAが大なる
高負荷の場合は“1”にセットされ、TAが小さな低負
荷の場合には“0”にリセットされる。
【0029】すなわち、図7に示す上記のQN−TA切
り換えフラグXTAの値は、スロットル開度TAが1回
転当りの吸入空気量QNが上限値付近となるときのスロ
ットル開度TAより大なるとき“1”とされ、小なると
き“0”とされるように、各車速毎に設定されている。 従って、QN−TA切り換えフラグXTAが“1”であ
る領域は、アクセルペダル49を踏み込んで更に加速を
要求しても、1回転当りの吸入空気量QNが略最大値に
達し、機関トルクが90%以上で緩慢にしか増加しない
領域である。
【0030】続いて、シフトポジションスイッチ56か
らの信号に基づいて自動変速機20のギア段(シフトポ
ジション)がチェックされた後(ステップ204)、車
速センサ55で検出された車速と吸入空気量QNに基づ
いて第1の変速マップをサーチして現在のギア段のアッ
プ線が計算される(ステップ205)。しかる後に、こ
のアップ線が現時点の車速よりも高速側にあるか否か判
定され(ステップ206)、高速側にあるときは吸入空
気量QNに基づくダウン線QNSPDを吸入空気量QN
と車速との二次元マップである上記第1の変速マップを
サーチして計算する(ステップ207)。他方、アップ
線が現時点の車速以下の低速側にあるときは、現在のギ
ア段から1つ上のギア段へのアップシフトが行なわれた
後(ステップ208)、このルーチンを終了する(ステ
ップ215)。
【0031】図8は図5及び図6により計算される変速
線の一例を示す。同図中、細い実線が前記ステップ20
5で計算されるアップ線を示し、太い破線が前記ステッ
プ207で計算されるQNダウン線QNSPDを示す。 これらは、前記第1の変速マップを構成している。
【0032】前記ステップ207でQNSPDの計算が
終了すると、次に図6のステップ209へ進み、QN−
TA切り換えフラグXTAの値が“1”か否か判定され
る。フラグXTAが“1”と判定されるときは、サーチ
する変速マップをスロットル開度TAと車速との二次元
マップである第2の変速マップに切り換えて、この第2
の変速マップをサーチしてTAダウン線TASPDを計
算した後(ステップ210)、前記QNSPDと上記の
TASPDとを比較して高車速側のダウン線をダウン線
として採用する(ステップ211)。図8において、太
い一点鎖線が上記の第2の変速マップのTAダウン線T
ASPDを示す。一方、ステップ209でXTA=0と
判定されたときは、前記変速マップの切り換えは行なわ
ず、前記第1の変速マップ中のQNダウン線QNSPD
をそのままダウン線として採用する(ステップ212)
【0033】ここで、第1及び第2の変速マップ(ダウ
ン線)を前記フラグXTAの値に応じて切り換えるのは
次の理由による。機関1回転当りの吸入空気量QNと車
速により変速線を決定し、変速制御する装置では、スロ
ットル開度TAの50%〜60%程度で機関トルクが9
0%以上に達するため、それ以上アクセルペダルを踏み
込んで加速を要求しても機関トルクが上がらず、走行上
加速の頭打ち感が生ずる。そこで、機関トルクの代表と
なる機関1回転当りの吸入空気量QNと車速に基づいて
基本変速線を決定し、1回転当りの吸入空気量QNが略
飽和した高負荷時に前記フラグXTAを“1”とし、変
速線をスロットル開度TAと車速に基づいて決定する。
【0034】ただし、高負荷時にスロットル開度TAと
車速に基づいて決定される変速線はダウン線(前記TA
SPD)のみとし、アップ線は1回転当りの吸入空気量
QNと車速のみにより決定し、上記切り換えは行なわな
い。これは、スロットル開度TAを半分程度以上開いた
状態では、すでに機関トルクが90%以上発生して頭打
ちになってしまっているので、スロットル開度TAと車
速によりアップ線を切り換えても機関トルクが殆ど変化
しないし、またスロットル開度TAによるものに切り換
える場合は変速の引き方が難しくなるからである。
【0035】また、ステップ211でQNSPDとTA
SPDとを比較して高車速側の方をダウン線に採用する
のは、1回転当りの吸入空気量QNとスロットル開度T
Aとの関係が必ずしも一定ではないので、多少関係がず
れても変速制御に問題がないように自由度をもたせるた
めである。
【0036】このようにして、ダウン線を前記フラグX
TAの値に応じて切り換えるわけであるが、例えば図8
に示す如くスロットル開度TAが50%以上のときXT
A=1とすると、QNで決まるダウン線QNSPDとT
Aで決まるダウン線TASPDとの交点を境にしてダウ
ン線が切り換わることとなり、またスロットル開度TA
が50%以上のときは、現在のギア段が2速及び3速の
ときはTASPDがダウン線として用いられ、4速のと
きはTAが50%〜52%程度まではQNSPDがダウ
ン線として用いられ、TAが53%程度以上ではTAS
PDがダウン線として用いられる。
【0037】図6のステップ211又は212の処理が
終ると、採用したダウン線が現在の車速以上の高車速側
にあるかどうか判定され(ステップ213)、高車速側
にあるときはダウンシフトが行なわれた後(ステップ2
14)このルーチンを終了し(ステップ215)、高車
速側にないときはダウンシフトを行なわず、このルーチ
ンを終了する(ステップ215)。従って、例えば現在
のギア段が4速で、また図8にaで示す如く車速が10
0km/hr,QNが1.5L/revとすると、フラ
グXTAが“0”であるから、同図に太い破線で示す4
速→3速のQNSPDがダウン線とされ、ステップ21
3でこのダウン線が車速100km/hrより低車速側
にあると判定されるのでダウンシフトは行なわれない。
【0038】しかし、車速が図8にbで示す如く100
km/hrであるが、スロットル開度TAを80%程度
として加速が要求されたときは、フラグXTAが“1”
であるから、ステップ210で図8の太い一点鎖線で示
す4速→3速のダウン線TASPDが算出され、これが
4速→3速のQNSPDより高車速側にあるのでTAS
PDがダウン線として決定される(ステップ211)。 そして、このTASPDが現在の車速100km/hr
より高車速側にあるので(ステップ213)、4速から
3速へのダウンシフトが行なわれる(ステップ214)
。これにより、運転者の意志に合った変速が実行できる
【0039】次に変速線計算ルーチンの第1実施例の変
形例について説明する。図9及び図10は夫々変速線計
算ルーチンの第1実施例の変形例のフローチャートを示
す。両図中、図5及び図6と同一の処理ステップには同
一符号を付し、その説明を省略する。図9において、ス
テップ202でスロットル開度TAの値を取り込んだ後
、前回のQN−TA切り換えフラグXTAi−1 の値
が“1”か否か判定される(ステップ2561)。なお
、QN−TA切り換えフラグXTAはイニシャルルーチ
ンによって機関始動時に予め“0”にリセットされてい
る。
【0040】前回のQN−TA切り換えフラグXTAi
−1 の値が“0”のときは前記ステップ203へ進ん
で図7に示したマップをサーチしてQN−TA切り換え
フラグXTAのセット/リセットを行なった後、前記第
1実施例と同じ処理が行なわれる。一方、前回のQN−
TA切り換えフラグXTAi−1 の値が“1”のとき
はステップ252へ進んでスロットル開度TAの値を前
回のスロットル開度TAi−1 から所定値Aを差し引
いた値に変更し、その後前記ステップ203へ進む。
【0041】従って、本変形例によれば、前回のQN−
TA切り換えフラグXTAi−1 の値が“1”で、前
記第2の変速マップ(ダウン線TASPD)が採用され
ていた場合には、今回のスロットル開度TAをAだけ小
なる値に変更してから図7のマップをサーチするのに対
し、フラグXTAi−1 の値が“0”で、前記第1の
変速マップ(ダウン線QNSPD)が採用されていた場
合には、今回のスロットル開度TAは前回の値を変更す
ることなくそのまま用いて図7のマップをサーチする。 このため、図11に示す如く、ダウン線QNSPDから
ダウン線TASPDに切り換わるのは破線Iの値のとき
であるのに対し、ダウン線TASPDからダウン線QN
SPDに切り換わるのは破線Iより小なる破線IIの値
のときであり、変速マップ切り換えにヒステリシスが設
けられることとなる。これにより、スロットル開度TA
と1回転当りの吸入空気量QNとの関係が多少ずれても
問題ないように自由度を持たせることができる。
【0042】次に本発明の他の実施例について説明する
。本実施例は図2のアクセルペダル49のアクセル開度
PAと機関回転数NEとの2次元マップでスロットル開
度TAを決定することにより、全運転域においてアクセ
ル開度PAと機関トルクのリニア制御を可能にした内燃
機関に適用したものである。すなわち、図2のエンジン
コントロールコンピュータ53は、図12に示すスロッ
トル開度制御ルーチンにおいて、まず機関回転数NEを
取り込み(ステップ301)、次いでアクセル開度セン
サ57の出力検出信号に基づいてアクセル開度PAを取
り込む(ステップ302)。
【0043】続いて、上記の機関回転数NEとアクセル
開度PAとから図13に示す如き2次元マップをサーチ
してスロットル開度TAを算出する(ステップ303)
。この2次元マップは、全回転数でアクセル開度PAに
対する発生軸トルクTRQが一定となるように、予め各
回転数毎にスロットル開度TAを設定したマップである
【0044】この2次元マップをサーチして算出したス
ロットル開度TAの値となるように、エンジンコントロ
ールコンピュータ53はスロットルバルブ24の開度調
整用モータを制御する(ステップ304)。なお、図2
ではスロットルバルブ24の開度調整用モータの図示は
省略してある。これにより、スロットル開度TAとアク
セル開度PAとは図14に示す如く、低負荷領域ではス
ロットル開度TAとアクセル開度PAとは同一開度で制
御され、高負荷領域ではPAに比べてTAがより開き側
になるように制御される。
【0045】すなわち、図15に示すようにスロットル
開度TAの50%〜60%程度で、吸入空気量QNは最
大値QNmax となり、それ以上スロットル開度を大
にしても機関トルクがあまり上がらない。このため、吸
入空気量QNが最大値QNmax となるまではスロッ
トル開度TAとアクセル開度PAを1対1に対応させ、
吸入空気量QNが最大値QNmax を示すスロットル
開度TA以上では、図14に示すようにスロットル開度
TAの方をアクセル開度PAよりも大とすることで、ア
クセル開度PAと機関トルクとのリニア制御が可能とな
る。
【0046】本実施例では図14のTA対PA特性のT
AとPAが1対1に対応して変化する低負荷領域及び図
16のスロットル開度TA対機関回転数NE特性の吸入
空気量QNが最大値QNmax 未満の低負荷領域では
、後述する如くQNに基づく第1の変速マップによる変
速制御を行ない、図14の特性中、PAに比べてTAが
開き側に制御される高負荷領域及び図16の特性中、吸
入空気量の最大値QNmax 以上の高負荷領域では後
述する如くアクセル開度PAに基づく第2の変速マップ
による変速制御を行なう。
【0047】図17及び図18は夫々本発明の要部をな
す変速線計算ルーチンの第2実施例のフローチャートを
示す。図17中、ECTコンピュータ54はまず1回転
当りの吸入空気量QNの値を取り込んだ後(ステップ4
01)、アクセル開度PAの値を取り込む(ステップ4
02)。
【0048】次に、上記のアクセル開度PAと車速セン
サ55で検出された車速とから図19に示す如きマップ
をサーチし、QN−PA切り換えフラグXPAのセット
/リセットを行なう(ステップ403)。図19に示す
ように、上記フラグXPAは前記した図14及び図16
の各特性図中、低負荷領域に相当する領域では“0”と
され、また上記各特性図中、高負荷領域に相当する領域
では“1”とされるように各車速毎に設定されている。
【0049】続いて、シフトポジションスイッチ56か
らの信号に基づいて自動変速機20のギヤ段(シフトポ
ジション)がチェックされた後(ステップ404)、車
速センサ55で検出された車速と吸入空気量QNに基づ
いて第1の変速マップをサーチして現在のギア段のアッ
プ線が計算される(ステップ405)。しかる後に、こ
のアップ線が現時点の車速よりも高速側にあるか否か判
定され(ステップ406)、高速側にあるときは吸入空
気量QNに基づくダウン線QNSPDを、吸入空気量Q
Nと車速との二次元マップである上記第1の変速マップ
をサーチして計算する(ステップ407)。他方、アッ
プ線が現時点の車速以下の低速側にあるときは、現在の
ギア段から1つ上のギア段へのアップシフトが行なわれ
た後(ステップ408)、このルーチンを終了する(ス
テップ415)。
【0050】前記ステップ407でQNSPDの計算が
終了すると、次に図18のステップ409へ進み、QN
−PA切り換えフラグXPAの値が“1”か否か判定さ
れる。フラグXPAの値が“1”と判定されたときは、
サーチする変速マップを第2の変速マップに切り換えて
、この第2の変速マップをサーチしてPAダウン線PA
SPDを計算する(ステップ410)。このステップ4
10でサーチされる変速マップは前記図6のステップ2
10でサーチされる変速マップと同様に、車速とアクセ
ルペダル49の踏み込み量を示すパラメータとの二次元
マップであるが、ステップ210でサーチされる変速マ
ップの上記パラメータはスロットル開度TAであるのに
対し、本実施例のステップ410でサーチされる変速マ
ップの上記パラメータはアクセル開度PAである点が異
なる。
【0051】上記のダウン線PASPD計算後は、前記
第1の変速マップ中のダウン線QNSPDと上記第2の
変速マップ中のダウン線PASPDとを比較して高車速
側ダウン線をダウン線として採用する(ステップ411
)。これは前記ステップ211と同様、アクセル開度P
Aと1回転当りの吸入空気量QNとの回転が多少ずれて
も変速制御に問題がないように自由度を持たせるためで
ある。
【0052】一方、ステップ409でXPA=0と判定
されたときは、前記変速マップの切り換えは行なわず、
前記第1の変速マップ中のQNダウン線QNSPDをそ
のままダウン線として採用する(ステップ412)。ス
テップ411又は412の処理が終ると、次に採用した
ダウン線が現在の車速より高車速側にあるか否かの判定
が行なわれ(ステップ413)、ダウン線が高車速側に
あるときはダウンシフトを行なってこのルーチンを終了
し(ステップ414,415)、ダウン線が低車速側に
あるときはダウンシフトをすることなく、このルーチン
を終了する(ステップ415)。
【0053】このように、本実施例によれば、1回転当
りの吸入空気量の最大値QNmax に相当するアクセ
ル開度PAから、更にアクセルペダルを踏み込んで加速
を要求した場合は、アクセル開度PAと車速に基づく第
2の変速マップに切換えて変速制御を行なうようにした
ため、加速フィーリングを従来より向上することができ
る。
【0054】また、図20に示すように、機関トルクの
代表となる、機関1回転当りの吸入空気量QNでアクセ
ル開度PAを等分に開弁するようマップを設定すること
により、常にアクセル開度PAが機関出力に対応するた
め、加速感を損ねない変速が可能となる。
【0055】なお、上記の実施例では吸入空気量QNと
車速に基づいて変速線を決定しているが、吸気管圧力と
車速から変速線を決定するように構成することができる
ことは勿論である。また、吸入空気量又は吸気管圧力か
ら求められる基本燃料噴射量TPを用いてもよい。TP
は吸入空気量又は吸気管圧力と1対1に対応するからで
ある。
【0056】
【発明の効果】上述の如く、請求項1記載の発明によれ
ば、吸入空気量が略飽和状態に達したときは、アクセル
ペダルの踏込量と車速に基づく変速マップに切換えて、
運転者の意思を反映するアクセルペダルの踏込量に対応
した変速制御を行なうようにしたため、全運転域で運転
者の意思に合った変速が実行でき、また請求項2記載の
発明によれば、マップ切換えをダウン線についてのみ行
なうようにしたため、必要最小限のマップ切換えで加速
フィーリングを向上させることができる等の特長を有す
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1記載の発明の原理ブロック図である。
【図2】本発明装置を搭載した内燃機関の一実施例の概
略構成図である。
【図3】図2中のエンジンコントロールコンピュータの
ハードウェア構成図である。
【図4】本発明の一実施例の変速制御ルーチンを示すフ
ローチャートである。
【図5】本発明の要部をなす変速線計算ルーチンの第1
実施例を示すフローチャート(その1)である。
【図6】本発明の要部をなす変速線計算ルーチンの第1
実施例を示すフローチャート(その2)である。
【図7】図5及び図6の変速線計算ルーチンで用いるQ
N−TA切り換えフラグの説明図である。
【図8】図5及び図6の変速線計算ルーチンで用いる変
速線の説明図である。
【図9】変速線計算ルーチンの第1実施例の変形例を示
すフローチャート(その1)である。
【図10】変速線計算ルーチンの第1実施例の変形例を
示すフローチャート(その2)である。
【図11】図9及び図10のフローチャートによる変速
線切り換えの様子を説明する図である。
【図12】本発明の他の実施例におけるエンジンコント
ロールコンピュータのスロットル開度制御ルーチンを説
明するフローチャートである。
【図13】図12の制御ルーチンで用いられるマップを
示す図である。
【図14】本発明の他の実施例におけるスロットル開度
対アクセル開度特性を示す図である。
【図15】スロットル開度が約半分の開度で1回転当り
の吸入空気量の最大値が得られることを示す図である。
【図16】本発明の他の実施例におけるスロットル開度
対機関回転数の特性図である。
【図17】本発明における変速線計算ルーチンの第2実
施例を示すフローチャート(その1)である。
【図18】本発明における変速線計算ルーチンの第2実
施例を示すフローチャート(その2)である。
【図19】図17及び図18の変速線計算ルーチンで用
いるQN−PA切り換えフラグの説明図である。
【図20】本発明の他の実施例におけるアクセル開度と
吸入空気量との関係を説明する図である。
【符号の説明】
11  吸入空気量検出手段 12  第1の検出手段 13  第2の検出手段 14  車速検出手段 15  記憶手段 16  マップ切換手段 17  自動変速手段 20  自動変速機 24  スロットルバルブ 49  アクセルペダル 50  スロットルポジションセンサ 53  エンジンコントロールコンピュータ54  E
CTコンピュータ 55  車速センサ 56  シフトポジションスイッチ 57  アクセル開度センサ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  内燃機関の吸入空気量を算出する吸入
    空気量算出手段と、アクセルペダルの踏込量を実質的に
    検出する第1の検出手段と、前記吸入空気量が予め設定
    した上限値に達したか否か検出する第2の検出手段と、
    前記内燃機関を搭載した車両の速度を検出する車速検出
    手段と、吸入空気量と車速に基づく変速線からなる第1
    の変速マップと、前記アクセルペダルの踏込量と車速に
    基づく変速線からなる第2の変速マップとを予め記憶し
    ている記憶手段と、前記第2の検出手段により前記検出
    吸入空気量が前記上限値以上に達したとの検出結果が得
    られたときは、前記記憶手段より読み出して使用するマ
    ップを前記第1の変速マップから前記第2の変速マップ
    へ切換えるマップ切換手段と、前記車速検出手段により
    検出された車速と前記吸入空気量検出手段又は前記第1
    の検出手段により検出された値とに基づいて、前記マッ
    プ切換手段からの変速マップをサーチして変速線を決定
    し、ギア段を自動設定する自動変速手段とを有すること
    を特徴とする車両の自動変速制御装置。
  2. 【請求項2】  前記マップ切換手段によるマップ切換
    えは、前記第1及び第2の変速マップ中のダウン線につ
    いて行ない、アップ線は該第1の変速マップのアップ線
    のみを用いることを特徴とする請求項1記載の車両の自
    動変速制御装置。
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