JPH04358792A - ロータリ圧縮機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はロータリ圧縮機に係り、
特に、空気調和機、冷蔵庫等の冷凍機器および空調機器
に用いられ、運転騒音を静粛にするのに好敵なロータリ
圧縮機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のロータリ圧縮機について図２、図
５を参照して説明する。

【０００３】図２は従来のロータリ圧縮機のポンプ分解
斜視図であり、図５は従来のロータリ圧縮機の縦断面図
である。

【０００４】従来のロータリ圧縮機は、図５に示すよう
に、密閉容器を構成するケース１６内に電動機Ｍと、電
動機Ｍにクランクシャフト２を介して連結される圧縮機
構Ｃとが収納され、ケース１６内の下部は潤滑油を貯留
している。

【０００５】電動機Ｍは回転子１ａおよび固定子１ｂよ
りなり、回転子１ａにはクランクシャフト２の一端部が
連結され他端部が圧縮機構Ｃへ延びている。

【０００６】圧縮機構Ｃはシリンダ３と、このシリンダ
３内のシリンダアボア３ａの両端を密閉する主軸受４お
よび副軸受５ともつている。この主軸受４および副軸受
５はクランクシャフト２を支持している。主軸受４と副
軸受５との間に位置するクランクシャフト２の部分が偏
心部２ａを構成しており、この偏心部２ａに嵌合されて
いる。ベーン６は、シリンダ３内のベーン溝６ａ内に摺
動自在に配置され、その上端縁がローラ７の外周面に摺
接している。ローラ７はシリンダボア３ａの内周面にほ
とんど接触した状態で配置されてシリンダボア３ａと協
力して三日月形の空間を形成する。ベーン６はこの空間
を吸入室と圧縮室とに仕切り、かつ、ローラ７の偏心回
転に追従して往復動を行う。すなわち、ローラ７の偏心
回転によって吸入室、圧縮室の容積が変化し、この容積
変化により、ガスがシリンダボア３ａ内に吸入され、圧
縮される。

【０００７】副軸受５の外周部のリブ９によって内側に
凹所が形成され、この凹所が消音室カバー板１０により
覆われて消音室１１を形成し、消音室１１は、下部に吐
出弁８を装備した吐出弁室１５を、また、拡張室として
１１ａ、１１ｂ、絞り部として５ｂ、５ｃで構成されて
いる。そして、締め付けボルト１７は、圧縮機の組立用
に用いられている。

【０００８】副軸受５には、シリンダボア３ａと吐出弁
室１５とを連通する吐出孔５ａが構成されており、シリ
ンダボア３ａ内で圧縮されたガスは吐出孔５ａを経て吐
出弁室１５内に吐き出され、第一絞り部５ｂ、拡張室１
１ａ、第二絞り部５ｃ、拡張室１１ｂをとおり、連通孔
１８を通って、電動機Ｍが収納されているケース内空間
１６ａからケース外へ図示しない吐出ポートを介して排
出される。

【０００９】シリンダ３の下部にはベーン６の下端部（
背部）を可動に装備するポンプ室１２が設けられている
。ポンプ室１２の容積はベーン６の往復動によって変化
し、これに伴い、ケース１６下部に貯溜されている潤滑
油がポンプ室１２から押しだされる。この押し出された
油は、消音室カバー板１０と、この消音室カバー板１０
に取り付けられた給油路１４を経てクランクシャフト２
の偏心部２ａに供給され摺動部分を潤滑する。

【００１０】なお、この種のロータリ圧縮機として関連
するものに、例えば、３−２３０９７４号公報に記載の
技術が知られている。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術では、
圧縮機の停止中に、シリンダボア３ａ内のガス圧力とケ
ース１６内のガス圧力の差圧によりシリンダボア３ａ内
に潤滑油が侵入し、シリンダボア３ａ内に油が充満する
。

【００１２】この油は圧縮機の始動時に消音室１１内に
噴出し、吐出弁室１５に貯溜する。この貯溜した油中に
、その後の定常運転中に圧縮ガスが吐出弁８を経て吐き
出され油叩き音（干渉音）が発生する。

【００１３】この騒音の発生を防止する目的をもって、
吐出弁室１５内に油が貯溜しないようにするための油吹
き出し孔１０ａを消音室のカバー板１０に設けることが
従来行われていた。

【００１４】あるいは、吐出弁室１５を小さくすること
により、冷媒の流路の一部とし、油を冷媒の動圧で流す
構造とすることが従来行われていた。

【００１５】しかし、消音室のカバー板１０に油吹き出
し孔１０ａを設けることは、吐出弁室８から油が流出し
た後の圧縮機の定常運転中に発生する吐出ガス音が、油
逃し孔を通してケース１６内の空間に放射され、このケ
ース１６内の空間における共鳴、ケース１６との共鳴、
及びケースの薄い肉厚による音の透過性大などにより、
圧縮機の騒音をより大きくするものであった。

【００１６】また、吐出弁室１５を小さくすることは、
通路抵抗を大きくすることとなり、圧縮機の効率を低下
させるものであった。

【００１７】従来技術はこれら点について考慮されてい
なかった。

【００１８】本発明の目的は、吐出弁室の空間を大きく
したままで、この空間における油により発生する干渉音
を防止し、定常時の運転騒音を低減した静粛、かつ、効
率の良いロータリ圧縮機を提供することにある。

【００１９】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のロータリ圧縮機は、下部に潤滑油を貯溜し
ている密閉容器内に、電動機と、この電動機に連結され
た圧縮機構部とを収納し、その圧縮機構部は、シリンダ
ボア内を偏心回転するローリングピストンを回転自在に
支持し、かつ駆動するクランクシャフトと、このローリ
ングピストンの回転に追従して往復運動し、吸入室、圧
縮室を形成するベーンと、前記シリンダボア内の両端を
密閉するとともに前記クランクシャフトを支持する主軸
受および副軸受とからなり、前記シリンダボアから吐出
される圧縮ガスの吐出音を低減する消音室は、下部に吐
出弁を備え、かつ、排油通路をもち、前記排油通路は、
片側を吐出弁室の下端に、もう一方を消音室の絞り部に
連通するように形成されているものである。

【００２０】より詳しくは，排油通路は、消音室のカバ
ーに設けられ、かつ、排油通路の径は、消音室の通路断
面より小さくしたことを特徴とする。

【００２１】

【作用】上記構成により、ガスが主通路である消音室を
通る際、絞り部でガスは、速度を増すため、一時的に圧
力が下がる。この絞り部におけるガス圧と吐出弁室のガ
ス圧との差圧により、吐出弁室１５内に滞留する油は、
圧力の低い絞り部に吸上げられ、さらに、ガスの流れと
ともに圧縮機構外に排出される。これにより、油が消音
室内に溜ることが防止される。

【００２２】従って、圧縮ガスが吐出弁を通って消音室
内の油中に吐き出されることによって生じていた干渉音
の発生を防ぐことができる。また、油の排出を効率低下
につながる吐出弁室を小さくすることなく行える。

【００２３】

【実施例】以下、本発明の各実施例を図１、図３、図４
を参照して説明する。

【００２４】図１は、本発明の一実施例である横形ロー
タリ圧縮機の断面図を、図３は、本発明の圧縮機構の分
解斜視図、図４は、消音室をモデル化した図、表１は、
消音室内のガス状態を示す。

【００２５】図１に示す横形ロータリ圧縮機の実施例は
，図５に示した従来例の圧縮機の構成要素と同じ構成要
素を多く含んでいる。

【００２６】消音室カバー１０には、油逃し孔１０ａと
、油排出孔１０ｃと、連通する通路１０ｂを設け、かつ
、油逃し孔１０ａは、副軸受５に設けた吐出弁室１５の
下端に相対するように、また、油排出孔１０ｃは、副軸
受５に設けた消音室１１の絞り部５ｂに相対するように
設けている。

【００２７】このような圧縮機構をもつ横形ロータリ圧
縮機のガス圧縮作動は従来のものと変わらない。すなわ
ち、電動機Ｍが作動すると、シリンダ３内の吸入室と圧
縮室との容積がローラ７の偏心回転に伴うベーン６の往
復動によって変化し、ガス（例えば冷媒ガス）の吸入と
圧縮とが行われる。

【００２８】そして、圧縮されたガスは、吐出孔５ａを
通り、吐出弁室１５、第一絞り部５ｂ、消音室１１ａ、
第二絞り部５ｃ、消音室１１ｂを通過して、連通孔１８
を通ってケース内空間１６ａに吐き出されている。

【００２９】一方、図４で示す、副軸受５に設けてある
ガス通路のモデル図より、経路でガスが流れる際、吐出
弁室１５と第一絞り部５ｂは、表１に示す状態にある。

【００３０】

【表１】

【００３１】ガス流速は音速よりかなり小さいので、状
態式は、式（１）で示す非圧縮性のベルヌーイの状態方
程式で表わすことができる。Ｐ＋０，５ρｖ２＝一定…
…（１）これよりガス圧力Ｐ１、Ｐ２は　　Ｐ１＞Ｐ２
　　の関係にある。この差圧により圧縮機の始動時に、
シリンダボア３ａから吐出弁８を経て吐出される油は、
油逃し孔１０ａから油通路１０ｂを経て、油排出孔１０
ｃよりガス主通路である５ｂに戻され、ガスの流れと共
にケース外に放出される。また、油逃し孔１０ａを塞い
だことにより、従来、定常運転時に逃し孔１０ａを通し
てでていたシリンダボア３ａからガスが吐出される際に
発生する吐出ガス音を大幅に低減することができる。

【００３２】また、この排油通路は細長い孔にすること
により、圧縮機通常運転中の、冷媒の流れをさまたげ、
主通路の冷媒の流れに支障をきたすことはない。

【００３３】このように、本実施例の横形ロータリ圧縮
機では、停止時にシリンダボア３ａに充満した油が始動
時に吐出されても、ガスの流れとともに油を吸い上げ、
圧縮機構部Ｃ外に放出され、吐出弁室１５内に油が滞留
するのを防ぐことができる。

【００３４】従って、吐出ガスと吐出弁室１５内の油と
によって発生する干渉音が防止されるので、静粛な運転
が行われる。

【００３５】また、吐出弁室１５と第一絞り部５ａとの
差圧により、油を吸い上げるので、吐出弁室１５を小さ
くすることなく、圧縮機構部Ｃ外に放出できる。

【００３６】次に、図５は、本発明品と従来品との騒音
比較に関する試験結果の線図であり、横軸に周波数（Ｈ
ｚ）、縦軸に騒音の音圧レベル（ｄＢ）をとり、図６の
構成による従来のロータリ圧縮機の騒音を破線で、図１
の構成によるロ−タリ圧縮機の騒音を実線で示している
。

【００３７】図５から明らかなように、冷媒の流れによ
り発生する騒音の主な周波数帯域である８００〜６３０
０Ｈｚにおいて特に効果があることがわかる。

【００３８】

【発明の効果】本発明によれば、吐出弁室における潤滑
油の滞留が排油通路により防止されるため、滞留潤滑油
と吐出ガスとの干渉によって発生する騒音が防止され、
しかも、吐出弁室を大きくできるので、効率を向上する
ことができる。これにより、運転騒音を低減した静粛、
かつ、高効率なロータリ圧縮機を提供することができる
。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の密閉形ロータリ圧縮機の縦
断面図、

【図２】図１の圧縮機構の分解斜視図、

【図３】本発明
の実施例の圧縮機構の分解斜視図、

【図４】冷媒通路の
説明図、

【図５】本発明品と従来品との騒音比較説明図、

【図６
】従来の密閉形ロータリー圧縮機の縦断面図

【符号の説明】

Ｍ…電動機、 Ｃ…圧縮機構、 ２…クランクシャフト、 ３…シリンダ、 ４…主軸受、 ５…副軸受、 ６…ベーン、 ７…ローラ、 １１…消音室、 １５…吐出弁室。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】下部に潤滑油を貯溜している密閉容器内に
   、電動機と、前記電動機に連結された圧縮機構とを収納
   し、前記圧縮機構は，シリンダボア内を偏心回転するロ
   ーリングピストンを回転自在に支持し、駆動するクラン
   クシャフトと、前記ローリングピストンの回転に追従し
   て往復運動して吸い込み、圧縮室を形成するベーンと、
   前記シリンダボアの両端を密閉し前記クランクシャフト
   を支持する主軸受および副軸受とからなり、前記シリン
   ダボアから吐出される圧縮ガスの吐出音を低減する消音
   室には、下部に吐出弁をそなえた吐出弁室があり、かつ
   、絞り部を備えたロータリ圧縮機において、前記消音室
   は、ガスの流れる主通路と、前記主通路に平行した排油
   通路をもち、前記排油通路は、前記吐出弁室と前記消音
   室の前記絞り部を連通したことを特徴とするロータリ圧
   縮機。
2. 【請求項２】請求項１において前記排油通路は、前記主
   通路に対してガスの通路抵抗を大きくしたロータリ圧縮
   機。
3. 【請求項３】請求項１において、前記排油通路を前記消
   音室のカバー板に設けたロータリ圧縮機