JPH0435514Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、内部に複数の収納空間を有し、その
前面に横開き式シヤツター扉又は扉を有するキヤ
ビネツトの改良に係わり、更に詳しくはキヤビネ
ツト側位に配した横開き式シヤツター扉を無端環
状ベルトからなる案内手段により案内して、キヤ
ビネツト前面の扉の開閉を容易となした横開き式
シヤツター扉付キヤビネツトに関する。

〔従来の技術〕

従来、内部に複数の収納空間を形成したキヤビ
ネツトは各種存在し、これらのキヤビネツトの前
面には横開き式扉又は場合により横開き式シヤツ
ター扉が用いられており、収納空間の前面を開放
し収納物の出し入れを行い易いシヤツター扉が多
用されるに至り、該シヤツター扉の開放に際して
キヤビネツトの内側部に該シヤツター扉を格納案
内する案内手段も各種提供されていて、例えばキ
ヤビネツトの上下に曲線状と直線状の案内溝やレ
ールを組合わせたものが提供されているが、いず
れもシヤツター扉の開閉時に案内溝やレールの曲
線部分でシヤツター扉がダブついたり、摺動摩擦
が大きくなつたりして円滑なシヤツター扉の開閉
ができないといつた問題があつた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

本考案が前述の状況に鑑み、解決しようとする
ところは、横開き式シヤツター扉の開閉時に該シ
ヤツター扉の摺動摩擦を極力抑え、シヤツター扉
格納部での曲線状の案内部においてもダブつき、
ガタつなく円滑なスライド移動が可能な横開き式
シヤツター扉付キヤビネツトを提供する点にあ
る。

〔問題点を解決する為の手段〕

本考案は、前述の問題解決の為に、一つのキヤ
ビネツト内部を区画して又は小型単位キヤビネツ
トを組み立てて横方向に複数の収納空間を形成
し、キヤビネツトの開口前面の上下には横開き式
シヤツター扉及び扉を支持する案内部を設け、少
なくとも一側位の収納空間の内部外側にはシヤツ
ター扉格納部を設けるとともに、該収納空間前面
を閉鎖し得る横開き式シヤツター扉を配し、他の
収納空間のそれぞれの前面には上下の案内部で支
持されたシヤツター扉又は扉を配してなる横開き
式シヤツター扉付キヤビネツトにおいて、前記シ
ヤツター扉の格納部を設けた収納空間の上下であ
つて少なくとも格納部の前後部及び収納空間の前
端内側部に軸着した回動輪に無端環状ベルトを張
設し、該無端環状ベルトの外側には横開き式シヤ
ツター扉の裏面両端を固定してなり、前記回動輪
と無端環状ベルトで形成される収納空間前縁から
格納部後方へ連続した平面視略Ｌ字形の定軌道に
沿つて該シヤツター扉を格納部に出し入れしてキ
ヤビネツト前面を開閉可能となした横開き式シヤ
ツター扉付キヤビネツトを構成した。

〔作用〕

以上の如き内容からなる本考案の横開き式シヤ
ツター扉付キヤビネツトは、シヤツター扉格納部
を設けた収納空間の上下であつて少なくとも格納
部の前後部及び収納空間の前端内側部に軸着した
回動輪に無端環状ベルトを張設し、該無端環状ベ
ルトの外側には横開き式シヤツター扉の裏面両端
を固定してなるので、該シヤツター扉の開閉時の
スライド移動操作に伴い、無端環状ベルトが複数
の回動輪を連動回転させ、該回動輪と無端環状ベ
ルトで形成される収納空間前縁から格納部後方へ
連続した平面視略Ｌ字形の定軌道に沿つて前記シ
ヤツター扉は案内されるものであり、シヤツター
扉の開放端側を持つて格納部方向に押し込み移動
させれば、その動きに従つて無端環状ベルトは回
転を行い、該シヤツター扉の格納端側を格納部内
に引き込み移動させようとする応力を伝達し、シ
ヤツター扉自体に生じる押し込み応力と相合わさ
つて、該シヤツター扉は格納部内へ円滑にスライ
ド移動するのであり、一方、シヤツター扉の開放
端側を持つて引き出す場合も同様に、格納端側に
押し出し応力を伝達してスライド移動するのであ
る。

〔実施例〕

次に添付図面に示した実施例に基づき更に本考
案の詳細を説明する。

第１図は本考案の横開き式シヤツター扉付キヤ
ビネツトの代表的実施例を示し、Ａはキヤビネツ
ト、Ｂは横開き式扉、Ｃは案内手段である。

キヤビネツトＡは、本実施例においては小型単
位キヤビネツトを側方に複数個連設して内部に複
数の収納空間１を形成し、該収納空間１の前面上
下には扉を支持する案内部２を設け、前記収納空
間１の開口前面の該案内部２，２間にはそれぞれ
略開口巾のシヤツター扉３又は一枚物の扉４を配
するとともに、両側端の扉をシヤツター扉３とし
てあり、更に両側端に位置する収納空間１，１の
内部外側には前記シヤツター扉３を収容する為の
格納部５を設けて構成したが、これに限るもので
はなく一つの庫体の内部を区画して横方向に複数
の収納空間１を形成したものでも良く、格納部５
もキヤビネツトと一体物又は別体物で構成しても
よい。

横開き式扉Ｂは、前記上下の案内部２，２間に
支持されるもので、両側又は一側に横方向に隣接
する扉相互を連結する為の連結具６を取付けた引
手部７を設けてあり、その構造において、シヤツ
ター扉３は多数の構成杆８の裏面をナイロン等の
合成樹脂あるいは布からなる基布９に貼着して構
成したものであるが、その他に嵌合回動可能な構
成杆８を連結したものを使用することも可能であ
る。

案内手段Ｃは、第１図、第２図及び第３図の如
く、前記収納空間１前面から格納部５の内奥にわ
たつて形成し、側位に配したシヤツター扉３の上
下を支持するもので、複数の回動輪１０を天板及
び底板であつて少なくとも格納部５の前後部及び
収納空間１の前端内側部に軸着するとともに、該
回動輪１０に無端環状ベルト１１を張設して収納
空間１前縁から格納部５後方へ連続した平面視略
Ｌ字形の定軌道を形成し、前記シヤツター扉３の
裏面の少なくとも両端に該無端環状ベルト１１の
外側を固定して構成した。第３図に示したもの
は、収納空間１の前面開口から内奥へ連続した軌
道を形成し、張設輪１２を用いることによつて前
記軌道に沿つて復路を形成した案内手段Ｃの代表
的なもので、第４図に示したものは、他の実施例
で側位に位置する収納空間１の内部の四隅に回動
縁１０，……を配して、該収納空間１内の周囲に
沿つた軌道を形成したものである。両実施例と
も、シヤツター扉３は平面視略Ｌ字形の定軌道に
沿つて収納空間１の前面から格納部５の内奥へ案
内される。

また、前記案内部２として、第２図の如く上部
の前記無端環状ベルト１１の軌道下方に凹溝１３
を設け、該凹溝１３内に前記シヤツター扉３の上
部裏面に軸着した転子１４を載置して、シヤツタ
ー扉３の重量を支持するようになし、円滑な横方
向移動を実現してあり、更に横開き式扉Ｂの重量
を支持して円滑な案内をするものとして、第５図
ａ及びｂの如く下方の案内部２に凸条１５を形成
し、前記横開き式扉Ｂの補強杆１６の下端にはａ
のように凹溝輪１７を設け、又はｂのようにスラ
イダー１８を設けたものでもよい。

尚、前記シヤツター扉３として、第６図に示す
ような構造、即ち基布９の表面に狭巾の化粧板１
９を接着剤２０で固着し且つ裏面には板材２１か
らなる前記化粧板１９巾と略一致した補強杆１６
を同様に接着剤２０で固着して形成し、連設した
前記化粧板１９，……及び補強杆１６，……のそ
れぞれの間には、該シヤツター扉３を表裏両面方
向へ折曲可能となすべく谷部２２を形成してあ
り、また前記基布９には、第７図の如く多数の孔
２３を形成してあり、前記化粧板１９及び補強杆
１６の該基布９への接着剤２０による固着性をよ
り一層増強させてある。

しかして、通常の収納状態において、前記収納
空間１の前面は一体連結状態の前記横開き式扉Ｂ
で閉鎖されており、収納物の出し入れを行いたい
場合は該当する横開き式扉Ｂであつて、該扉側端
部の前記引手部７に取付けた連結具６を外し、格
納部５を有する方向へ分離した扉体を移動させる
と、側端に位置する前記シヤツター扉３は裏面に
張設された前記無端環状ベルト１１に支持されな
がら収納空間１の略前面巾に相当する長さだけ格
納部５へ収容され、もつて収納物の出し入れを行
いたい収納空間１の前面は開放されることとな
り、閉止する場合は前記と逆の操作を行えば容易
に収納空間１前面を閉鎖できるものである。

〔考案の効果〕

以上にしてなる本考案の横開き式シヤツター扉
付キヤビネツトによれば、シヤツター扉の格納部
を設けた収納空間の上下であつて少なくとも格納
部の前後部及び収納空間の前端内側部に軸着した
回動輪に無端環状ベルトを張設し、該無端環状ベ
ルトの外側には横開き式シヤツター扉の裏面両端
を固定してなるので、シヤツター扉開閉時のスラ
イド移動操作に伴い、無端環状ベルトが複数の回
動輪を連動回転させ、該回動輪と無端環状ベルト
で形成される収納空間前縁から格納部後方へ連続
した平面視略Ｌ字形の定軌道に沿つて前記シヤツ
ター扉は案内される。即ち、シヤツター扉の開放
端側を持つて格納部方向に押し込み移動させれ
ば、その動きに従つて無端環状ベルトは回転を行
い、該無端環状ベルトを介してシヤツター扉の格
納端側を格納部内に引き込み移動させようとする
応力を伝達し、シヤツター扉自体に生じる押し込
み応力と相合わさつて、該シヤツター扉を格納部
内へ円滑にスライド案内することができ、一方、
シヤツター扉の開放端側を持つて引き出す場合も
同様に、格納端側に押し出し応力を伝達してスラ
イド案内することができ、シヤツター扉の両端が
無端環状ベルトに固定され、その両端間の距離が
該無端環状ベルトによつて規定されているので、
曲線部分でも該シヤツター扉のダフつき及びガタ
つきがなく、シヤツター扉を格納部へ円滑に収容
できまた引出すことができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す一部切欠した説
明用斜視図、第２図は第１図の案内手段部分の縦
断面図、第３図は案内手段部分の第１図の省略横
断面図、第４図は案内手段の他の実施例を示す省
略横断面図、第５図はシヤツター扉の下端と下方
の案内部の組合わせ例を示した説明用部分断面
図、第６図はシヤツター扉の省略横断面図、第７
図はシヤツター扉を構成する基布の省略平面図で
ある。 Ａ……キヤビネツト、Ｂ……横開き式扉、Ｃ…
…案内手段、１……収納空間、２……案内部、３
……シヤツター扉、４……扉、５……格納部、６
……連結具、７……引手部、８……構成杆、９…
…基布、１０……回動輪、１１……無端環状ベル
ト、１２……張設輪、１３……凹溝、１４……転
子、１５……凸条、１６……補強杆、１７……凹
溝輪、１８……スライダー、１９……化粧板、２
０……接着剤、２１……板材、２２……谷部、２
３……孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 一つのキヤビネツト内部を区画して又は小型単
   位キヤビネツトを組み立てて横方向に複数の収納
   空間を形成し、キヤビネツトの開口前面の上下に
   は横開き式シヤツター扉及び扉を支持する案内部
   を設け、少なくとも一側位の収納空間の内部外側
   にはシヤツター扉の格納部を設けるとともに、該
   収納空間前面を閉鎖し得る横開き式シヤツター扉
   を配し、他の収納空間のそれぞれの前面には上下
   の案内部で支持されたシヤツター扉又は扉を配し
   てなる横開き式シヤツター扉付キヤビネツトにお
   いて、 前記シヤツター扉の格納部を設けた収納空間の
   上下であつて少なくとも格納部の前後部及び収納
   空間の前端内側部に軸着した回動輪に無端環状ベ
   ルトを張設し、該無端環状ベルトの外側には横開
   き式シヤツター扉の裏面両端を固定してなり、前
   記回動輪と無端環状ベルトで形成される収納空間
   前縁から格納部後方へ連続した平面視略Ｌ字形の
   定軌道に沿つて該シヤツター扉を格納部に出し入
   れしてキヤビネツト前面を開閉可能となしたこと
   を特徴とする横開き式シヤツター扉付キヤビネツ
   ト。