JPH04354862A - ステンレス鋼の耐食性改善方法 - Google Patents

ステンレス鋼の耐食性改善方法

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JPH04354862A
JPH04354862A JP15367491A JP15367491A JPH04354862A JP H04354862 A JPH04354862 A JP H04354862A JP 15367491 A JP15367491 A JP 15367491A JP 15367491 A JP15367491 A JP 15367491A JP H04354862 A JPH04354862 A JP H04354862A
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stainless steel
corrosion resistance
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steel
treatment
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JP15367491A
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Yoshinori Nakayama
中山 佳則
Kikuo Takizawa
滝沢 貴久男
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Sanyo Electric Co Ltd
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Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はステンレス鋼の耐食性
を改善するための新規な方法に関し、特に、食品用機器
等に利用されるステンレス鋼の耐食性改善に有効に利用
することが出来るものである。
【0002】
【従来の技術】ステンレス鋼の耐食性を改善する従来の
方法としては、鋼中のMnおよびS量を減少させると共
にMn/S比を小さくしてMnS の生成を抑制したり
、表面処理としてCr拡散被覆処理(一般に、耐摩耗性
あるいは乾食環境下での耐食性が良い)をすることなど
が有効とされている。
【0003】例えば、図5は降伏強さの80%定率応力
下におけるSUS304鋼の応力腐食割れ感受性に及ぼ
すMnおよびS量の影響を示したものであるが、割れ感
受性は何れのSレベルにおいてもMn量が減少するにつ
れて低くなっており、また、S量が0.002%の試料
を除けばSは少ない程割れ感受性が低い。したがって、
ステンレス鋼の応力腐食割れ感受性はMnおよびS量が
少ないほど低く、またMn/S比が小さいほど改善され
る。
【0004】また、図6は図5に用いたSUS304鋼
に従来のCr拡散被覆処理を施した試料と、研磨したま
まの試料の孔食電位Vc′10を示しているが、同水準
のS量で比較すれば、Mn量の少ない試料ほど、すなわ
ちMn/S比の小さい試料ほどVc′10は貴となり、
またCr拡散被覆処理をすると研磨のままより貴となる
傾向にあるが、試料によってバラツキが大きいことが分
かる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来方法によ
っても耐食性を改善することはある程度可能であるが、
厳しい腐食環境に対応するためには、MnおよびS量を
かなり低下させる必要がある。また、図6のようにCr
拡散被覆処理をすると、孔食電位が比較的貴となるが、
試料によっては卑となるものもあり、データのバラツキ
が極めて大きい。このように、単なるCr拡散被覆処理
には耐食性が安定しないと云う問題点があり、湿食環境
下で使用される機器の場合には安易に使用することがで
きない。
【0006】そこで本発明は、Cr拡散被覆処理したス
テンレス鋼の耐食性を従来より大幅に改善でき、湿食環
境下で使用されることの多い食品用機器などにも使用す
ることの出来るステンレス鋼の実用化を目的としてなさ
れたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記従来技術の
課題を解決するためになされたもので、粉末パック法に
より塩素系ガス中でCr拡散被覆処理したステンレス鋼
を、水素ガス中あるいは真空中において1300〜14
20℃で2〜10分間の溶体化処理を行ない、その後急
冷してCr拡散被覆層をフェライトとオーステナイトの
2層組織にすることを特徴とするステンレス鋼の耐食性
改善方法である。
【0008】
【作用】上記した手段、すなわちCr拡散被覆処理後に
1300〜1420℃で2〜10分間の溶体化処理を施
すと、Cr拡散被覆層はフェライトとオーステナイトの
2相組織に変態し、耐食性が改善される。
【0009】
【実施例】表1は、本実施例に用いたSUS304鋼の
化学成分である。このステンレス鋼を所定の寸法に切断
して試料とし、粉末パック法により塩素系ガス雰囲気中
で950℃、10時間のCr拡散被覆処理を施した。続
いて、水素ガス(真空)中で試料を1300℃×10分
間と1080℃×1時間の溶体化処理を行ない急冷させ
た。
【0010】
【表1】
【0011】図1は、1300℃×10分間の溶体化処
理を施した試料の深さ方向へのEPMAによるCrの線
分析結果である。図中、Crピークの高い部分がフェラ
イト(α)で、低い部分がオーステナト(γ)組織であ
るので、表面部に形成したCr拡散被覆層が2相組織に
変態していることは明らかである。
【0012】一方、水素ガス雰囲気中で1080℃×1
時間の溶体化処理を行った試料は、図2の線分析結果か
ら明らかなように、Crレベルはほぼ一定であり、表面
部のCr拡散被覆層は2相組織に変態していない。
【0013】2相ステンレス鋼(25Cr−6Ni−2
Mo)は、耐応力腐食割れ性および機械的性質に優れて
いることが知られている。例えば、その一例として沸騰
42%MgCl2 溶液中での定荷重法による耐応力腐
食割れ試験の結果を図3に示す。同図には製鋼時に2相
ステンレス鋼とされた試料、上記方法によってSUS3
04鋼の表面部にフェライト(α)とオーステナト(γ
)を交互に形成して2相組織化した試料、およびSUS
304鋼、18%CrのSUS430鋼それぞれについ
ての結果を示す。なお、負荷応力は25kg/mm2 
で行った。
【0014】図から明らかなように2相ステンレス鋼は
、加工率0%ではSUS430鋼と同等の破断時間を示
し、伸線加工率の増加と共に破断時間が短くなるが、S
US304鋼のそれよりは全体的に可なり長く、耐応力
腐食割れ性に優れていることが分かる。そして、SUS
304鋼の表面部のCr拡散被覆層を本発明により2相
組織化した試料は、2相ステンレス鋼およびSUS43
0鋼と同等の耐応力腐食割れ性を示した。したがって、
本発明に基づいて表面部を2相組織に変態させることに
より、耐応力腐食割れ性が顕著に改善されることが分か
る。
【0015】一方、図4は鋼の機械的性能を、伸線加工
率と降伏強さおよび引張強さとの関係で表したものであ
る。2相ステンレス鋼は、伸線加工率の増加と共に降伏
強さおよび引張強さが増大しており、SUS304鋼の
それらより相当に優れている。そして、SUS304鋼
の表面部のCr拡散被覆層を本発明により2相組織に変
態した試料は、SUS304鋼より優れており、2相ス
テンレス鋼に近い高い降伏強さと引張強さを示した。し
たがって、本発明に基づいて表面部のCr拡散被覆層を
2相組織化するこにより、機械的性質の向上に寄与する
ことが可能となる。
【0016】なお、容態化処理する温度の上限を142
0℃としたのは、これ以上に温度を上げても耐食性およ
び機械的性能の向上に特段の効果が得られない上に、熱
処理費用が著しく増大すると云う理由による。すなわち
、熱処理炉の耐火性を一段と強化しなければならないた
めに設備費が高くつくことと、ランニングコストよび維
持費も嵩むと云う理由による。
【0017】
【発明の効果】以上の説明から分かるように、本発明の
方法により処理したステンレス鋼は、従来より著しく耐
食性に優れたものとなり、特に厳しい湿食環境下で使用
されることの多い食品用機器などの構成材料として好ま
しく使用することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】Cr拡散被覆処理後、1300℃で10分間溶
体化処理した試料の断面をバフ研磨し、EPMAでCr
を線分析した結果を示す説明図である。
【図2】Cr拡散被覆処理後、1080℃で1時間溶体
化処理した試料の断面をバフ研磨し、EPMAでCrを
線分析した結果を示す説明図である。
【図3】定荷重法による耐応力腐食割れ試験の結果を示
す説明図である。
【図4】各試料の伸線加工率と降伏強さ及び引張強さと
の関係を示す説明図である。
【図5】SUS304鋼の沸騰42%MgCl2 溶液
中での破断時間とS、Mn量との関係を示す説明図であ
る。
【図6】Cr拡散被覆処理した試料と研磨のままの試料
の、3%NaCl溶液中での孔食電位とS、Mn量との
関係を示す説明図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  粉末パック法により塩素系ガス中でC
    r拡散被覆処理したステンレス鋼を、水素ガス中あるい
    は真空中において1300〜1420℃で2〜10分間
    の溶体化処理を行ない、その後急冷してCr拡散被覆層
    をフェライトとオーステナイトの2層組織にすることを
    特徴とするステンレス鋼の耐食性改善方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005095916A (ja) * 2003-09-24 2005-04-14 Senju Metal Ind Co Ltd 噴流はんだ槽
JP2014214319A (ja) * 2013-04-22 2014-11-17 オムロン株式会社 磁性部品、および当該磁性部品を備えた電子部品
JP2014216354A (ja) * 2013-04-22 2014-11-17 オムロン株式会社 磁性部品、当該磁性部品を用いた電子部品、および、当該磁性部品の製造方法
CN105063495A (zh) * 2015-08-31 2015-11-18 北京科技大学 一种耐氯离子腐蚀的不锈钢钢筋的制备方法

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CN105063495B (zh) * 2015-08-31 2017-07-04 北京科技大学 一种耐氯离子腐蚀的不锈钢钢筋的制备方法
US10041164B2 (en) 2015-08-31 2018-08-07 University Of Science And Technology Beijing Method for preparing stainless reinforcing steel bar resistant to corrosion of chloride ions

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