JPH04353597A - 重油の低温安定性向上剤および該低温安定性向上剤を含有する重油組成物 - Google Patents

重油の低温安定性向上剤および該低温安定性向上剤を含有する重油組成物

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JPH04353597A
JPH04353597A JP15517591A JP15517591A JPH04353597A JP H04353597 A JPH04353597 A JP H04353597A JP 15517591 A JP15517591 A JP 15517591A JP 15517591 A JP15517591 A JP 15517591A JP H04353597 A JPH04353597 A JP H04353597A
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Shizuo Kitahara
静夫 北原
Tetsuya Toyoshima
豊島 哲也
Takuji Kishimoto
琢治 岸本
Masaomi Matsuzaki
政臣 松崎
Minoru Matsuzaka
松坂 実
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Zeon Corp
Eneos Corp
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Nippon Oil Corp
Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、残留燃料油、特にA重
油、B重油およびC重油等の石油燃料油の添加剤に関し
、さらに詳しくは、重質油の熱分解油や接触分解油等の
分解系基油、あるいはビスブロークン残渣油等の減圧蒸
留残渣油等の保存安定性の悪い基材を使用した重油の低
温における燃料ストレーナー通油性と長期安定性を改善
するための低温安定性向上剤に関する。また、本発明は
、重油に該低温安定性向上剤を添加した重油組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】重油は、工業用ボイラー、加熱炉、その
他の燃料油として使用される石油であり、一般に、原油
を蒸留して得られる重質の残油を材源として生産されて
いる。重油は、石油蒸留残渣油と石油留出油とを製品規
格に応じて適宜調合して製品化されており、慣用的にA
重油、B重油、C重油に分類されるが、これらはJIS
規格の1種、2種、3種に該当する(JIS  K−2
250)。
【0003】ところで、A重油などの重油を温水加熱ボ
イラー、ビニールハウスの温風暖房機、自家用発電機用
ディーゼルエンジン、漁船等の船舶用ディーゼルエンジ
ン等の燃料油として使用すると、自然条件下に冷却され
低温になった重油からワックスが析出し、その結晶が成
長する。ワックスの結晶が成長すると、ボイラーやエン
ジンの送油パイプ、燃料ストレーナーを閉塞して、燃料
油の供給を妨げたり不能にしたりする。特に、冬季寒冷
地においては、このような通油性の阻害がしばしば起こ
る。
【0004】低温下での通油性のトラブルを防止するこ
とは、当該技術分野において強く求められており、現在
までに数多くの流動性改良剤(フローインプルバー)と
、これらの流動性改良剤を添加した燃料油組成物が開発
され、使用されている。
【0005】現在、流動性改良剤としては、アルキルナ
フタレンポリマー、ポリアルキル(メタ)アクリレート
、分岐ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
アルケニルサクシンアミド、オレフィンと無水マレイン
酸共重合体のポリアミド化合物および、これらの2種以
上の混合物などが知られている。
【0006】これらの流動性改良剤は、一般に、重油が
低温にさらされた時に、該改良剤自身がワックスに吸着
し、もしくはワックスと共晶を形成して、ワックス結晶
の形状、大きさおよび表面状態を制御する作用を有し、
これによって、低温における重油の流動性を改良しよう
とするものである。
【0007】一方、ガソリンの需要量の増加に伴い原油
からより多くの中間留分を得るために、近年、石油業界
では、常圧蒸留の深絞りや流動接触分解装置、あるいは
熱分解装置や水素化分解装置等の二次設備を用いること
が一般的となった。
【0008】これに伴い残渣油を利用している重油、特
にA重油は、残渣油の重質化とライトサイクルオイル(
LCO)の混入により、低温での貯蔵安定性や燃料スト
レーナーの通油性などの低下が従来以上に問題となって
きた。この理由は、重油の基材として分解系基材の使用
量が高まり、特にA重油に含まれている残渣油のアスフ
ァルテン分が多くなる一方、軽油中での安定性を高めて
いた樹脂分(マルテン)が減少し、マルテン中にミセル
を形成して分散しているアスファルテンが低温時に析出
してくるためと考えられる。また、流動性改良剤として
の効果を有する残渣油が析出するため、ワックス分によ
る流動性低下作用も大きくなる。
【0009】これらの問題の対策として、エチレン・酢
酸ビニル共重合体とアルキルナフタレンポリマーの混合
物と、石油蒸留残渣油との組み合わせによる重油の低温
における燃料ストレーナー通油性の改善方法が提案され
ているが(特開昭63−234091号)、この方法で
は、低温における残渣油自体の凝集による析出について
の改善効果は充分であるとはいえない。
【0010】また、重油調製時または後処理として、1
70℃の高温で油溶性アルカリ金属もしくはアルカリ土
類金属化合物を添加することにより、残渣油中のアスフ
ァルテンスラッジの発生を防止する方法が提案されてい
るが(特開平1−279995号)、この方法は、低温
における安定性改善効果は満足できるものではなく、さ
らに、エネルギーの損失も多く、汎用性に乏しい。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、重油
の通油性および貯蔵安定性を改善するための低温安定性
向上剤を提供することにある。本発明のより具体的な目
的は、分解系基材を用いた重油における蒸留残渣油中の
アスファルテン分が石油留出油中で凝集して析出するの
を防止し、実用上の低温環境下における燃料ストレーナ
ー通油性および貯蔵(長期)安定性を改善させる重油の
低温安定性向上剤、および該低温安定性向上剤を含有せ
しめた重油組成物を提供することにある。
【0012】本発明者らは、従来技術の有する前記問題
点を克服するために鋭意研究を行なった結果、蒸留残渣
油中のアスファルテン分と一種のコロイド(ゾル)構造
を形成する樹脂質分(マルテン分)と相溶する高分子鎖
と、留出油(軽油成分)に良く溶ける高分子鎖とを分子
鎖中に含む重合体を重油に添加することにより、著しく
優れた低温時の安定性が得られることを見出し、この知
見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0013】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれば
、分子鎖中に、石油蒸留残渣油中の樹脂分と相溶する高
分子鎖(A)と石油留出油に溶解する高分子鎖(B)を
含む共重合体からなることを特徴とする重油の低温安定
性向上剤が提供される。また、本発明によれば、該低温
安定性向上剤を含有せしめてなる重油組成物が提供され
る。
【0014】以下、本発明について詳細に説明する。 (重  油)本発明における重油は、石油蒸留残渣油と
石油留出油とを製品規格に応じて適宜調合したものであ
り、慣用的にA重油、B重油、C重油に分類され、それ
ぞれJIS  K−2205の1種、2種、3種に該当
するものを含む。一般に、A重油は残渣油の量が0.0
5〜2%、B重油は残渣油の量が40〜60%、C重油
は留出油の量が5〜30%である(いずれも重油に対す
る容量%)。なお、留出油として接触分解軽油、間接脱
硫分解軽油、水素化分解軽油等の重質油の分解油が含ま
れている重油は、本発明の低温安定性向上剤の効果が顕
著である。
【0015】石油蒸留残渣油 本発明に使用される石油蒸留残渣油とは、石油精製プロ
セスにおいて、蒸留塔の底部より抜き出される重質油を
総称し、留出油と対比される。残渣油は、具体的には、
常圧蒸留残渣油、減圧蒸留残渣油、分解残渣油等に区別
できる。
【0016】常圧蒸留残渣油は、原油を常圧蒸留装置で
蒸留し、装置底部に残った沸点400℃以上の重質ボト
ム油であり、通称ロングレシデューと呼ばれている。
【0017】減圧残渣油は、この常圧残渣油を減圧下、
例えば、圧力5〜50mmHgの減圧蒸留装置で蒸留し
て得られる装置底部に残った超重質ボトム油であり、通
称ショートレシデューと呼ばれている。
【0018】常圧蒸留残渣油あるいは減圧蒸留残渣油を
触媒存在下で水素と反応させて得られる直接脱硫常圧残
渣油または直接脱硫減圧残渣油も使用できる。
【0019】分解残渣油としては、常圧蒸留残渣油また
は減圧蒸留残渣油を反応温度400〜500℃、圧力5
〜30kgf/cm2条件下で熱分解して得られる熱分
解油の蒸留残渣油;モリブデン、ニッケル、タングステ
ン、バナジウム、コバルトなどの触媒の存在下、反応温
度400〜500℃、圧力約60〜200kgf/cm
2条件下で水素化分解して得られる水素化分解油の蒸留
残渣油;活性白土、シリカアルミナ、ゼオライトなどの
触媒の存在下反応温度約400〜600℃で接触分解し
て得られる接触分解油の蒸留残渣油;などが挙げられる
【0020】その他、プロパン、灯油(ケロセン)、フ
ルフラール等の溶剤によって減圧蒸留残渣油から抽出し
た残渣油も使用される。これらの残渣油は、2種以上を
組み合わせて使用してもよい。
【0021】石油蒸留残渣油は、アスファルテン分が1
.0重量%以上、好ましくは1.0〜20重量%、ある
いは残留炭素分が4.0重量%以上、好ましくは5.0
〜30重量%含有するものが望ましい。
【0022】これらの残渣油の組成は、原油の種類や蒸
留塔の操作条件などにより一定ではないが、大別すると
アスファルテン分、樹脂分(マルテン分)、および油分
より構成されている。アスファルテン分は、通常、マル
テン層と呼ばれる樹脂分中に分散し、これらは一種のコ
ロイド(ゾル)状の構造を形成している。
【0023】本発明において、石油蒸留残渣油中の樹脂
分と相溶する高分子鎖とは、コロイド構造を形成してい
るマルテン層の樹脂分と相溶することを意味する。一般
に、樹脂分は、直鎖・分岐状および多環状炭化水素系の
重合体(分子量:数百〜数千)を含んでいる。
【0024】南方系原油からの残渣油中に含まれる樹脂
分は、主として直鎖・分岐状炭化水素系重合体を主とし
て含み、中東系原油からの樹脂分は、多環状炭化水素系
重合体が主体になっている。
【0025】樹脂分と相溶する高分子鎖は、樹脂分と溶
解度パラメーター(SP値)が近い値を持つ構造のもの
が好ましく、特に両者のSP値の差が±1.5程度のS
P値を有する高分子鎖が好適である。具体的には、エチ
レン系炭化水素鎖またはポリスチレン鎖等の芳香族炭化
水素鎖が好ましい。
【0026】石油留出油 本発明でいう石油留出油とは、常圧蒸留装置あるいは減
圧蒸留装置から得られる留分、あるいはこれを分解また
は改質して得られる沸点が常圧で150℃〜450℃の
炭化水素である。具体的には、例えば、灯油、軽油、重
質軽油などの直留系留分、接触分解軽油、間接脱硫分解
軽油、水素化分解軽油などの沸点200℃以上の重質油
の分解油、その他、接触脱ろう重質軽油、接触脱ろう減
圧軽油などが挙げられる。
【0027】本発明において、石油留出油に溶解する高
分子鎖とは、−10〜160℃の温度域で、石油留出油
に溶解するものを指す。実験的には、該高分子鎖のみを
有する重合体を留出油に溶解させた場合、金網浸漬法に
よりゲルが生成しないことで確認できる。
【0028】特に、留出油のSP値と高分子鎖のSP値
の差が±1.5程度の値を有する高分子鎖であることが
好ましい。直留系留出油では、主として直鎖・分岐状の
炭化水素系高分子鎖が好ましく、分解系留出油では芳香
族成分が多くなるため脂環族・芳香族炭化水素系高分子
鎖が好ましい。
【0029】(低温安定性向上剤)本発明の低温安定性
向上剤は、分子鎖中に、石油蒸留残渣油中の樹脂分と相
溶する高分子鎖(A)と石油留出油に溶解する高分子鎖
(B)を含む共重合体である。
【0030】本発明の低温安定性向上剤として使用され
る共重合体としては、例えば、1,3−ブタジエン、イ
ソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−
1,3−ブタジエン、1,3−ヘキサジエン等の共役ジ
エン化合物と、スチレン、α−メチルスチレン、ビニル
トルエン、ビニルナフタレン、ビニルアルキルベンゼン
、アセナフチレン等の芳香族ビニル化合物との共重合体
、これらの共重合体の部分水素化物が挙げられる。
【0031】具体的には、例えば、スチレン−ブタジエ
ン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン
−ピペリレン共重合体、スチレン−イソブチレン共重合
体、ビニルナフタレン−ブタジエン共重合体、アセナフ
チレン−ブタジエン共重合体、ビニルオクチルベンゼン
−ブタジエン共重合体、およびそれらの部分水素化物が
挙げられる。
【0032】これらの共重合体の中でも、各分子鎖がA
−B型のブロック共重合体を形成しているもの、あるい
は、一方の分子鎖を有する重合体に他方の分子鎖がグラ
フト重合しているものが、特に効果的である。
【0033】石油蒸留残渣油中の樹脂分と相溶する高分
子鎖(A)と石油留出油に溶解する高分子鎖(B)の各
鎖長は、それぞれ使用するモノマーの繰り返し単位を通
常、10〜200個(連鎖長)、好ましくは20〜10
0個(連鎖長)有するものが望ましい。
【0034】本発明においては、重油に溶解する共重合
体の中から、低温安定性向上剤としての機能が最大限に
発揮される共重合体、または2種以上の共重合体の組み
合わせを選択すればよく、特に制限されない。分子量に
ついても制限はなく、オリゴマーから高分子量の共重合
体まで含まれる。
【0035】本発明の低温安定性向上剤の添加量は、重
油(総量)に対して、通常100ppm〜5.0重量%
、好ましくは300ppm〜2.0重量%の範囲である
【0036】本発明の低温安定性向上剤は、例えば、酸
化防止剤、燃料改良剤、曇り防止剤、アンチノック剤、
灰分改良剤、着色剤、流動性改良剤、界面活性剤型添加
剤等と併用することができる。
【0037】本発明の低温安定性向上剤を重油に添加す
る際には、予め希釈溶剤、例えば、キシレン、ケロセン
、軽質潤滑基材、重質芳香族ナフサ等に溶解させてから
、該重油に混合することができる。また、重合体製造時
の溶剤を含む反応混合物を濃縮もしくは希釈して重油に
混合することもできる。
【0038】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げて、本発明
をさらに詳しく説明するが、本発明は、以下の実施例に
よって限定されるものではない。なお、実施例中の部お
よび%は、特に断りのない限り重量基準である。
【0039】物性の測定方法は、以下の通りである。 <重油の初期安定性>重油の初期安定性は、ASTMス
ポットテスト(D−2781)に準拠した日本石油(株
)製FS−TESTERを用いて評価した。すなわち、
試料油を80℃に加熱した後、ガラス棒で試料油の一部
をすくい、一滴を80℃の濾紙上に滴下する。30分保
持し、その後、試験紙上のスポットと標準スポットを比
較し重油の初期安定性を評価する。すなわち、濾紙上に
広がった試料のはん点(試料スポット)を標準スポット
と比較し、一致するものを選んで、そのスポット番号を
記録する。スポット番号の小さい方が優れている。
【0040】<重油の長期安定性>内容積15mlの試
験管に重油を10ml加え、添加剤を300ppm添加
しよく振り混ぜた後、0℃または−5℃の低温恒温槽に
中に静置する。その後、24時間毎、最高5日間まで相
分離の有無を観察し、相分離するまでの日数を記録した
。○は、5日間後に相分離のなかったことを示す。
【0041】<低温流動性>試料油の低温流動性は、J
IS  K−2204の流動点、およびJIS  K−
2288の目詰まり点(CFPP)を用いて評価した。
【0042】[合成実験例1](共重合体の合成例1)
内容積2リットルのステンレス製重合反応器を洗浄、乾
燥し、乾燥窒素で置換した後、1,3−ブタジエン85
.2g、ベンゼン820g、n−ブチルリチウム(n−
ヘキサン溶液)2.50ミリモルを添加し、内容物を撹
拌しながら40℃で1時間重合反応した。実質上ブタジ
エンの重合が終了したことを確認した後、反応系にスチ
レン34.8gを添加した。30分後、2,6−ジ−t
−ブチル−p−クレゾール2%を含んだメタノール溶液
中に反応容器内の内容物を注ぎ、生成した共重合体を凝
固せしめた。
【0043】真空乾燥器にて一昼夜乾燥してスチレン−
ブタジエンブロック共重合体(重合体A)を得た。重合
体Aの結合スチレン量は29%、GPCで測定したポリ
スチレン換算の重量平均分子量は76,000であった
【0044】[合成実験例2](共重合体の合成例2)
合成実験例1で得た重合体A30gをトルエン3000
mlに溶解し、撹拌機、内部加熱装置、蒸気コンデンサ
ーおよび液体−固体供給入り口を備えたガラス製反応器
に入れ、p−トルエンスルホニルヒドラジド366gを
添加して窒素気流下で還流反応した。6時間後、2,6
−ジ−t−ブチル−p−クレゾール2%を含んだメタノ
ール溶液中に反応容器内の内容物を注ぎ、生成した重合
体を凝固せしめた。再度トルエンに溶解してメタノール
で凝固・洗浄を行なった。真空乾燥器にて一昼夜乾燥し
て重合体Aの水素化物重合体(重合体B)を得た。重合
体Bのヨウ素価は20であった。
【0045】[合成実験例3](共重合体の合成例3)
内容積2リットルのステンレス製重合反応器を洗浄、乾
燥し、乾燥窒素で置換した後、1,3−ブタジエン85
.2g、ベンゼン820g、n−ブチルリチウム(n−
ヘキサン溶液)2.50ミリモルを添加し内容物を撹拌
しながら40℃で1時間重合反応した。実質上ブタジエ
ンの重合が終了したことを確認した後、反応系にアセナ
フチレン51.5gを添加した。30分後、2,6−ジ
−t−ブチル−p−クレゾール2%を含んだメタノール
溶液中に反応容器内の内容物を注ぎ、生成した重合体を
凝固せしめた。
【0046】真空乾燥器にて一昼夜乾燥してアセナフチ
レン−ブタジエンブロック共重合体(重合体C)を得た
。重合体Cの結合ナフチレン量は38%、GPCで測定
したポリスチレン換算の重量平均分子量は82,000
であった。
【0047】[合成実験例4](共重合体の合成例4)
内容積2リットルのステンレス製重合反応器を洗浄、乾
燥し、乾燥窒素で置換した後、イソプレン85.2g、
ベンゼン820g、n−ブチルリチウム(n−ヘキサン
溶液)2.50ミリモルを添加し内容物を撹拌しながら
40℃で1時間重合反応した。実質上ブタジエンの重合
が終了したことを確認した後、反応系にビニルオクチル
ベンゼン71.9gを添加した。30分後、2,6−ジ
−t−ブチル−p−クレゾール2%を含んだメタノール
溶液中に反応容器内の内容物を注ぎ、生成した重合体を
凝固せしめた。
【0048】真空乾燥器にて一昼夜乾燥してビニルオク
チルベンゼン−ブタジエンブロック共重合体(重合体D
)を得た。重合体Dの結合ビニルオクチルベンゼン量は
45%、GPCで測定したポリスチレン換算の重量平均
分子量は98,000であった。
【0049】[試料重油の調製]表1に示す性状を有す
る常圧蒸留軽油(LGO)、分解系軽油(ライトサイク
ルオイルLCO)および四種の残渣油A、B、C、Dを
用いて、表2に示す配合処方により試料重油A〜重油H
を調製した。
【0050】
【表1】 *1:測定温度75℃
【0051】
【表2】 *配合割合は、体積基準で表示した。 [実施例1]表2に示す試料重油B〜重油Fを用い、表
3に示すように合成実験例で調製した重合体A〜重合体
Dを添加して、各試料重油の初期安定性をスポットテス
トにより評価した。比較のために、無添加の試料重油に
ついても評価した。結果を表3に示す。
【0052】
【表3】 表3の結果から明らかなように、本発明の低温安定性向
上剤は、スラッジ可溶化性能を有するものである。
【0053】[実施例2]内容積15mlの各試験管に
表4〜表5に示す試料重油を各10ml加え、合成実験
例で調製した重合体A〜重合体Dをそれぞれ300pp
m添加し、よく振り混ぜた後、0℃または−5℃の低温
恒温槽に中に静置した。その後、24時間毎、最高5日
間まで相分離の有無を観察し、相分離するまでの日数を
記録した。結果を表4(0℃の場合)および表5(−5
℃の場合)に示す。なお、表中、○は、5日間後に相分
離のなかったことを示す。
【0054】
【表4】
【0055】
【表5】 表4〜表5から、本発明の低温安定性向上剤を使用する
ことにより、重油の低温時における安定性が著しく改善
されることが分かる。
【0056】
【発明の効果】本発明の重油の低温安定性向上剤は、重
油の通油性および貯蔵安定性を顕著に改善するものであ
る。そして、本発明の低温安定性向上剤は、従来困難で
あった含ろう分の多い直留基油、あるいは重質油の熱分
解油や接触分解油等の分解油系基油と、基油に対する相
溶性の低下したビスブークン残渣油等の減圧蒸留残渣油
とを含有する重油に対して、減圧蒸留残渣油の基油から
の析出を防止し、低温流動性と長期安定性を向上させる
ことができる。
【0057】すなわち、公知のエチレン・酢酸ビニル系
共重合体や炭素数3以上の長い側鎖を持つα−オレフィ
ン系共重合体等の添加剤が0℃以下の低温においてセジ
メントの発生と凝集沈殿を防止できないようなA重油に
対しても、本発明の低温安定性向上剤を添加することに
より、優れた長期安定性と低温流動性を実現することが
できる。
【0058】したがって、A重油、B重油、C重油等の
重油に本発明の低温安定性向上剤を添加しておくだけで
、輸送あるいは低温下で保存中の配管閉塞等のトラブル
を防止することができる。また、重油を発電用、船舶や
車両用燃料として寒冷地で使用中の通油性のトラブルも
防止することができる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  分子鎖中に、石油蒸留残渣油中の樹脂
    分と相溶する高分子鎖(A)と石油留出油に溶解する高
    分子鎖(B)を含む共重合体からなることを特徴とする
    重油の低温安定性向上剤。
  2. 【請求項2】  前記共重合体が、高分子鎖(A)ブロ
    ックと高分子鎖(B)ブロックを含むA−B型のブロッ
    ク共重合体である請求項1記載の重油の低温安定性向上
    剤。
  3. 【請求項3】  高分子鎖(A)ブロックが芳香族ビニ
    ル系モノマーからなる重合体ブロックである請求項2記
    載の重油の低温安定性向上剤。
  4. 【請求項4】  高分子鎖(B)ブロックがオレフィン
    系モノマーおよびジエン系モノマーからなる群から選ば
    れる少なくとも一種のモノマーからなる重合体ブロック
    である請求項2または3項記載の重油の低温安定性向上
    剤。
  5. 【請求項5】  重油に、請求項1ないし4のいずれか
    1項記載の低温安定性向上剤を含有せしめてなる重油組
    成物。
  6. 【請求項6】  低温安定性向上剤の含有量が組成物全
    量に対し100ppm〜5重量%の範囲である請求項5
    記載の重油組成物。
  7. 【請求項7】  重油中に含まれている石油蒸留残渣油
    が、アスファルテン分を1.0重量%以上あるいは残留
    炭素分を4.0%重量%以上含有するものである請求項
    5または6記載の重油組成物。
  8. 【請求項8】  石油蒸留残渣油が、常圧蒸留残渣油ま
    たは減圧蒸留残渣油を直接脱硫、水素化分解、熱分解、
    接触分解または溶剤抽出して得られる少なくとも1種の
    残渣油である請求項7記載の重油組成物。
  9. 【請求項9】  重油中に含まれている石油留出油が、
    重質油の分解油を含むものである請求項5ないし8のい
    ずれか1項記載の重油組成物。
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JP2014189619A (ja) * 2013-03-27 2014-10-06 Cosmo Oil Co Ltd 燃料油組成物

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