JP3951388B2 - A重油用低温流動性向上剤 - Google Patents

A重油用低温流動性向上剤 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はA重油用低温流動性向上剤に関する。さらに詳しくは、本発明は、A重油の実使用条件下における低温特性と相関性のある修正目詰まり点、及び流動点の改善効果に優れたA重油用低温流動性向上剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
炭化水素系の中質〜重質留出燃料油(軽油〜重油)では、低温時に自動車やトラックなどの燃料系統にワックスが析出し、フィルターの閉塞などのトラブルがしばしば発生する。また、タンカーなどでの輸送時やタンク貯蔵時に、析出したワックスがタンク底部に沈降し、圧密なワックス層を形成するなど、好ましくない事態をしばしば招来する。
特に、温水加熱ボイラー,ビニルハウスの温風暖房機,自家用発電機用ディーゼルエンジン,漁船などの船舶用ディーゼルエンジン等の燃料油として使用されるA重油においては、ボイラーやエンジンへの送油パイプの閉塞あるいは燃料ストレーナーの閉塞などが多発しており、低温流動性の改良が強く望まれているのが実状である。
従来、低温時の燃料油管フィルターの閉塞などの目詰まり性を判断するために、目詰まり点(Cloud Filter Plugging Point 、以下CFPPと略記することがある。)試験法が用いられてきた。この試験法は、試料油を急冷し、温度が1℃下がる毎にフィルターを通過させ、フィルターの目詰まり性を評価する方法である。
【0003】
しかしながら、このCFPP試験法は、主に軽油を対象として開発された試験法であって、A重油などの重質留出燃料油に適用した場合、目詰まり点が低温作動限界温度を示していない例があることが分かってきた。これは、CFPP試験での試料油の冷却速度が急冷(約40℃/時)であり、実際の使用条件下での燃料油タンク中の油温の冷却速度(約1〜2℃/時)と大きくかけはなれていることに原因があると考えられる。一般に、冷却速度が急であれば、析出するワックスの結晶は小さくなり、フィルターを通過しやすくなる。逆にゆるやかであれば、析出するワックスの結晶は大きくなり、フィルターの目詰まりを起こしやすくなる。
すなわち、CFPP試験法で品質管理されたA重油などの重質留出燃料油は、低温作動限界温度よりも高い温度でフィルターの閉塞を起こす可能性が充分にある。その上、残留炭素分を含むA重油などの重質留出燃料油は、残留炭素分中に含まれるアスファルテン分の影響でフィルターの閉塞がさらに起こりやすくなっている。
【0004】
このように、残留炭素分を含むA重油などの重質留出燃料油に、軽油を対象として開発されたCFPP試験を適用した場合、冷却速度が急冷で結晶が小さくなり、さらに残留炭素分中のアスファルテン分がワックスに悪影響を及ぼすため、低温作動限界温度を示さないことがある。つまり、残留炭素分を含むA重油などの重質留出燃料油をCFPP試験で管理するには問題がある。
そこで、実際の低温作動限界温度を推定するために、(社)石油学会 燃料油分科会 A重油専門委員会でシミュレートテストの検討がなされ〔石油製品討論会(平成6年11月10日,11日)〕、その結果、通油限界温度と相関係数の最も良い“修正CFPP”(冷却条件:1℃/時)試験方法が構築されている。
【0005】
しかしながら、同試験方法によれば、従来開発されているワックス析出時の結晶成長を抑制する数多くの燃料油添加剤、すなわち、エチレン−α−オレフィン共重合体(特公昭60−35395号公報,同60−35396号公報)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(米国特許第2048479号明細書,特開昭55−137193号公報)などのエチレン性ポリマー型添加剤、芳香族ジカルボン酸のアミド・アミン塩とエチレン−酢酸ビニル共重合体やエチレン−α−オレフィン共重合体との組み合わせ(特開昭56−92996号公報,同58−1792号公報)、アルケニルコハク酸アミド(特開昭56−43391号公報)、ポリオキシアルキレンエステル(特開昭57−177092号公報,米国特許第4464182号明細書)などの界面活性剤型の燃料油添加剤、また、既存の流動性向上剤と組み合せた、エチレン−酢酸ビニル共重合体とアルケニルコハク酸アルキルエステルとの組み合わせなどの併用タイプの添加剤(英国特許2129012号明細書)、あるいはA重油中に含まれるアスファルテン分の分散性を向上させることを目的とした芳香族ビニルモノマーとジエンモノマーとのジブロック共重合体(特開平4−353597号公報)などでは修正目詰まり点の改善効果が充分になされていないのが実状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような状況下で、A重油の実使用条件下における低温特性と相関性のある修正目詰まり点、及び流動点(Pour Point、以下PPと略記することがある。)の改善効果に優れたA重油用低温流動性向上剤を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記の好ましい性質を有するA重油用低温流動性向上剤を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、特定のブロック共重合体やその水素化物、あるいは所定の割合の上記ブロック共重合体やその水素化物とポリオキシアルキレングリコール部を有する特定の化合物とからなるものが、A重油用低温流動性向上剤として、その目的に適合しうることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は
(1)(A)芳香族ビニル化合物単位からなるブロックと(B)ジエン化合物単位からなるブロックとから構成されたA−(B−A)n 型又は(A−B)n+1 型(nは1以上の整数)ブロック共重合体及び/又はその水素化物からなるA重油用低温流動性向上剤(以下、A重油用低温流動性向上剤Iと称する。)、及び
(2)(a)(A)芳香族ビニル化合物単位からなるブロックと(B)ジエン化合物単位からなるブロックとから構成されたA−(B−A)n 型又は(A−B)n+1 型(nは1以上の整数)ブロック共重合体及び/又はその水素化物1〜99重量%と、(b)ポリオキシアルキレングリコール部と鎖状アルキル部を必須構成成分とする化合物99〜1重量%とからなるA重油用低温流動性向上剤(以下、A重油用低温流動性向上剤IIと称する。)、
を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のA重油用低温流動性向上剤Iとして、あるいはA重油用低温流動性向上剤IIにおける(a)成分としては、ブロック共重合体及び/又はその水素化物が用いられる。
上記ブロック共重合体は、(A)芳香族ビニル化合物単位からなるブロックと(B)ジエン化合物単位からなるブロックとから構成されたものであって、該(A)ブロックの形成に用いられる単量体の芳香族ビニル化合物としては、例えばスチレン,α−メチルスチレン,ビニルナフタレン,3−メチルスチレン,4−プロピルスチレン,4−シクロヘキシルスチレン,4−ドデシルスチレン,2−エチル−4−ベンジルスチレン,アセナフチレン,ビニルオクチルベンゼンなどが挙げられるが、これらの中で特にスチレンが好ましい。
【0009】
一方、(B)ブロックの形成に用いられる単量体のジエン化合物としては、例えばブタジエン;2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン);1,3−ペンタジエン;2−メチル−1,3−ペンタジエンなどが挙げられるが、これらの中でブタジエン及びイソプレンが好ましく、特にブタジエンとイソプレンとの混合物を必須単量体とするものが好ましい。
このブロック共重合体としては、前記の芳香族ビニル化合物単位からなる(A)ブロックとジエン化合物単位からなる(B)ブロックが、A−(B−A)n 型又は(A−B)n+1 型(nは1以上の整数、好ましくは10以下である。)を形成しているブロック共重合体が用いられ、特にA−B−A型のブロック共重合体が好適である。
本発明におけるブロック共重合体としては、例えばスチレン/ブタジエンブロック共重合体,スチレン/イソプレンブロック共重合体,スチレン/(イソプレン/ブタジエン)ブロック共重合体,スチレン/ペンタジエンブロック共重合体,ビニルナフタレン/ブタジエンブロック共重合体,アセナフチレン/ブタジエンブロック共重合体,ビニルオクチルベンゼン/ブタジエンブロック共重合体など、及びそれらの水素化物が挙げられるが、これらの中で、特にスチレン/(イソプレン/ブタジエン)ブロック共重合体の水素化物が好ましい。
【0010】
水素化前の前記ブロック共重合体の製造方法としては、特に制限はなく、アニオン重合法などの従来公知の方法によることができる。例えば、アルキルリチウム触媒の存在下、まず芳香族ビニル化合物を重合させた後、ジエン化合物をブロックに重合させる方法、あるいは芳香族ビニル化合物の重合体とジエン化合物の重合体を別々に製造した後、これらの重合体ブロックを適当な方法で結合させる方法などにより、所望のブロック共重合体を製造することができる。それぞれの重合体ブロックにおいて、二種以上の単量体を用いた場合には、各単量体単位の結合様式としては特に制限はなく、ブロック状,ランダム状のいずれであってもよい。
ジエン化合物単位からなる(B)ブロックとしては、前記したように、単量体としてブタジエンとイソプレンとの混合物を用いるのが好ましく、この場合には、ブタジエン単位とイソプレン単位の結合様式はランダム状となる。
また、このようにして得られたブロック共重合体の水素化物の製造方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法によることができる。例えば不活性溶媒中において、水素化触媒の存在下、上記ブロック共重合体を分子状水素で水素化する方法などにより、該ブロック共重合体の水素化物を容易に製造することができる。
【0011】
上記ブロック共重合体やその水素化物の数平均分子量については、特に制限はないが、1000〜300000の範囲にあるものが好ましく、特に3000〜100000の範囲にあるものが好適である。なお、この数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレン換算で測定した値である。
本発明の低温流動性向上剤Iにおいて、又は低温流動性向上剤IIの(a)成分においては、このブロック共重合体やその水素化物は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0012】
本発明のA重油用低温流動性向上剤IIにおいては、(b)成分として、ポリオキシアルキレングリコール部と鎖状アルキル部を必須構成成分とする化合物が用いられる。このような化合物としては、例えば(1)ポリオキシアルキレングリコール部を含有する含窒素化合物と飽和,不飽和の直鎖状及び/又は分岐状脂肪酸とから得られた部分エステル化物,完全エステル化物又はその塩、(2)ポリオキシアルキレングリコール部を含有する含窒素化合物と飽和,不飽和の直鎖状及び/又は分岐状脂肪酸と架橋剤とから得られた部分架橋エステル化物又は完全架橋エステル化物、(3)ポリオキシアルキレングリコールと飽和,不飽和の直鎖状及び/又は分岐状脂肪酸とから得られたエステル化物、(4)ポリオキシアルキレングリコール部を含有する多価アルコールと飽和,不飽和の直鎖状及び/又は分岐状脂肪酸とから得られた部分エステル化物又は完全エステル化物、(5)ポリオキシアルキレングリコール部を含有する多価アルコールと飽和,不飽和の直鎖状又は分岐状脂肪酸と架橋剤とから得られた部分架橋エステル化物又は完全架橋エステル化物、(6)ポリアルキレンポリアミンと飽和,不飽和の直鎖状及び/又は分岐状脂肪酸のアミド化合物のアルキレンオキシド付加物、(7)ポリアルキレンポリアミンと飽和,不飽和の直鎖状及び/又は分岐状脂肪酸のアミド化物のアルキレンオキシド付加物と架橋剤とから得られた部分架橋エステル化物又は完全架橋エステル化物、(8)ポリオキシアルキレングリコール部を含有する含硫黄化合物と飽和,不飽和の直鎖状又は分岐状脂肪酸とから得られた部分エステル化物又は完全エステル化物、(9)リン酸又は亜リン酸のアルキレンオキシド付加物と飽和,不飽和の直鎖状及び/又は分岐状脂肪酸とから得られたエステル化物などが挙げられる。これらの化合物は一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0013】
この(b)成分の化合物として、上記(1),(2),(6)及び(7)などの含窒素化合物を使用すると、(a)成分との併用による低温特性、特にA重油の修正目詰まり点の改善効果がより大きく、一層好ましい。
本発明のA重油用低温流動性向上剤IIにおいては、前記(a)成分と(b)成分の割合は、重量比で99:1〜1:99であるが、低温特性の改善効果がより大きく発揮される点から、10:1〜1:5の範囲が好ましい。
本発明のA重油用低温流動性向上剤I,IIが添加されるA重油としては、石油を直接に常圧又は減圧によって蒸留した中〜重質留出燃料油、水素化脱硫や接触改質処理を行った中〜重質留出燃料油、熱分解,触媒分解(接触分解),水素化分解などの分解処理を行った中〜重質留出燃料油、オイルシェール,オイルサンド,石炭などの分解油の中〜重質留出燃料油などの燃料油の一種又は二種以上の混合物であり、あるいは、更に油脂,脂肪酸,アルコール,エーテル,ケトンなどの酸素を含有する炭化水素系化合物を中〜重質留出燃料油に混合したもの、残留炭素分が生ずる残油、例えば石油を常圧又は減圧によって蒸留する際の蒸留残油、水素化脱硫や接触改質処理を行った処理油の蒸留残油、熱分解,触媒分解(接触分解),水素化分解などによる分解処理の蒸留残油、潤滑油製造工程から発生する重質エクストラクト、各種石油精製工程から発生するアスファルト質〜樹脂質の副生物、不飽和性が高いオレフィン,ポリオレフィン,オイルシェール,オイルサンドなど、又はこれらの分解油の蒸留残油、その他の高分子量及び/又は重合性の炭化水素系物質などの重質留出燃料油などの燃料油の一又は二種以上の混合物である。
【0014】
前記A重油に対し、本発明のA重油用低温流動性向上剤I又はII及び所望により従来燃料油の添加剤として慣用されている各種添加剤を配合することにより、A重油組成物が得られる。
この場合、本発明の低温流動性向上剤の配合量は、A重油組成物全量に基づき、通常1〜10000重量ppmの範囲で選定される。この量が1重量ppm未満では低温特性の改善効果が充分に発揮されず、また10000重量ppmを超えるとその量の割には効果の向上が認められず、むしろ経済的に不利となる。低温特性の改善効果及び経済性などを考慮すると、この低温流動性向上剤の好ましい配合量は、組成物全量に基づき、10〜500重量ppmの範囲である。
【0015】
A重油組成物の調製方法については、特に制限はなく、前記低温流動性向上剤I又はIIを単にA重油に添加することにより調製することができるが、A重油と相溶性のある有機溶剤に溶かした濃厚溶液の形態で添加することにより、調製が容易となる。このような有機溶剤としては、例えばナフサ,灯油,軽油などの石油留分、芳香族炭化水素、パラフィン系炭化水素などが挙げられる。有機溶剤で希釈して用いる場合には、低温流動性向上剤を好ましくは20〜80重量%、より好ましくは35〜75重量%の割合で含有する溶液を用いるのが有利である。また、このA重油組成物に、所望により配合される各種添加剤としては、例えば、曇点降下剤,流動性向上剤,防錆剤,酸化防止剤,セタン価向上剤,金属不活性化剤,清浄分散剤,燃焼性向上剤,黒煙減少剤,消泡剤,色相安定剤,氷結防止剤,スラッジ分散剤,マーカーなどを挙げることができる。
【0016】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例で用いたA重油及び得られたA重油組成物の性能は、下記の要領に従って求め、評価した。
(1)目詰まり点
JIS K−2288に準拠して測定した。
(2)流動点
JIS K−2269に準拠して測定した。
(3)簡易シミュレーション試験での修正目詰まり点
JIS K−2288に準拠し、金網,冷却速度及び吸引時間を、それぞれ149μm,1℃/時及び30秒に変更して、エアバス中にて測定した。
【0017】
製造例1 ブロック共重合体水素化物(AB−1)の製造
攪拌装置及び滴下ロートを備えた耐圧反応容器に、シクロヘキサン500重量部及びsec−ブチルリチウム11重量部を仕込み、50℃に昇温した。これに、滴下ロートよりスチレン60重量部を連続的に仕込み、次いで、イソプレン280重量部を連続的に仕込み、その後スチレン60重量部を仕込んで8時間重合を行った。
次に、反応系を水素で置換し、ケイソウ土担持ニッケル触媒25重量部を加えて15kg/cm2 の水素圧を保ちながら、150℃で10時間反応させた。次いで、反応生成物をシクロヘキサンで希釈し、触媒を濾別した後、濾液を減圧下で濃縮乾燥してブロック共重合体水素化物(AB−1)を得た。
このものは、核磁気共鳴(NMR)分析により、スチレン/イソプレン/スチレン三元ブロック共重合体の水素化物であり、スチレン単位の含有量は30重量%であることが確認された。また、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)分析により、ポリスチレン換算の数平均分子量(以下、Mnという)は50000であり、ヨウ素価分析により求めた水素化率は96モル%であった。
【0018】
製造例2〜8
製造例1の方法に準じて、ブロック共重合体又はその水素化物AB−2〜AB−8を製造した。その性状を第1表に示す。なお、AB−7及びAB−8は比較製造例である。
【0019】
【表1】
Figure 0003951388
【0020】
【表2】
Figure 0003951388
【0021】
(注)水素化前共重合体の化学構造
S:スチレン重合体ブロック
I:イソプレン重合体ブロック
B:ブタジエン重合体ブロック
IB:イソプレン/ブタジエン共重合体ブロック
IBP:イソプレン/ブタジエン/ペンタジエン共重合体ブロック
【0022】
実施例1〜14及び比較例1〜8
第2表に示す性状を有する重油A又はBに対し、第4表に示す種類と量(組成物全量に対する重量ppmである。)のブロック共重合体又はその水素化物(製造例で得られたもの)及び第4表に示す種類と量(組成物全量に対する重量ppmである。)の燃料油添加剤(第3表に性状を示す。)を添加して、A重油組成物を調製した。その性能の評価結果を第4表に示す。
【0023】
【表3】
Figure 0003951388
【0024】
注1)JIS K−2254に準拠して測定した。
2)JIS K−2270に準拠して測定した。
3)JIS K−2541に準拠して測定した。
【0025】
【表4】
Figure 0003951388
【0026】
(注)
(1)( )内の数値は仕込みモル数を表す。
(2)エステル化度は、水酸基価(mgKOH/g)測定により、下記の式に従い求めた。
エステル化度(%)=〔1−(反応終了後の水酸基価/反応開始前の水酸基価)〕×100
(3)C−1〜C−4は、本発明に係る(b)成分の化合物であり、D−1は既知の燃料油添加剤である。
【0027】
【表5】
Figure 0003951388
【0028】
【表6】
Figure 0003951388
【0029】
【発明の効果】
本発明のA重油用低温流動性向上剤は、A重油の実使用条件下における低温特性と相関性のある修正目詰まり点、及び流動点の改善効果に優れている。

Claims (4)

  1. (A)芳香族ビニル化合物単位からなるブロックと(B)ジエン化合物単位からなるブロックとから構成されたA−(B−A)n 型又は(A−B)n+1 型(nは1以上の整数)ブロック共重合体及び/又はその水素化物からなるA重油用低温流動性向上剤。
  2. (a)(A)芳香族ビニル化合物単位からなるブロックと(B)ジエン化合物単位からなるブロックとから構成されたA−(B−A)n 型又は(A−B)n+1 型(nは1以上の整数)ブロック共重合体及び/又はその水素化物1〜99重量%と、(b)ポリオキシアルキレングリコール部と鎖状アルキル部を必須構成成分とする化合物99〜1重量%とからなるA重油用低温流動性向上剤。
  3. (B)ブロックがランダムに結合したイソプレン単位とブタジエン単位とを必須構成単位とする請求項1又は2記載のA重油用低温流動性向上剤。
  4. ブロック共重合体及びその水素化合物の数平均分子量が、1000〜300000である請求項1又は2記載のA重用低温流動性向上剤。
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