JPH04353537A - 生分解性樹脂組成物 - Google Patents

生分解性樹脂組成物

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JPH04353537A
JPH04353537A JP15765691A JP15765691A JPH04353537A JP H04353537 A JPH04353537 A JP H04353537A JP 15765691 A JP15765691 A JP 15765691A JP 15765691 A JP15765691 A JP 15765691A JP H04353537 A JPH04353537 A JP H04353537A
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vinyl acetate
ethylene
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acetate copolymer
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Tomoyoshi Kamimura
上村 知義
Yoshimi Akamatsu
赤松 吉美
Yuichi Yoshida
裕一 吉田
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Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
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Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エチレン−酢酸ビニル
共重合体部分ケン化物とデンプン系高分子とからなる生
分解性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】包装材料としてのプラスチックス製のフ
ィルムや容器、農業用資材としてのプラスチックスフィ
ルムや結束用テープをはじめとするプラスチックス成形
物は、正規の処理ルート以外で廃棄されることがある。 この場合、該成形物は長年その形状を維持するため、深
刻な廃棄物公害を生じている。そこで、野外、田畑、河
川等に廃棄されるおそれのある成形物は、使用目的が達
成された後は土中や水中の微生物によりすみやかに分解
されることが望まれる。
【0003】このような背景から、生分解性成形物を得
るための生分解性組成物の研究開発が盛んに行われてい
る。これらの研究開発のうちエチレン−酢酸ビニル共重
合体ケン化物(つまりエチレン−ビニルアルコール共重
合体)とデンプン系高分子とからなる生分解性ないし崩
壊性組成物については、次のような出願がなされている
【0004】特開平3−31333号公報には、エチレ
ン/ビニルアルコール共重合体および変性澱粉を含んで
なる生分解性プラスチック物品製造用ポリマー組成物で
あって、該エチレン/ビニルアルコール共重合体のエチ
レン含量が10〜90重量%であり、メルトフローイン
デックス(230℃、2.16Kgで測定)が2〜50
であるポリマー組成物が示されている。
【0005】該公報には、エチレン/ビニルアルコール
共重合体のより好ましい性質は以下の通りであるとして
いる。 ・  極限粘度[η](ジメチルスルホキシド中30℃
): 0.5〜0.9 、好ましくは0.65〜0.8
0・  分子量分布MW/Mn (テトラヒドロフラン
中のGPC): 1.3〜4 ・  融点:180℃未満、好ましくは160〜170
℃・  加水分解度:90〜99.9%
【0006】また、この公報には高沸点可塑剤について
の記述があり、特許請求の範囲の請求項4においては高
沸点可塑剤を澱粉成分に対して0.05〜100重量%
の濃度含むこと、請求項5においては高沸点可塑剤を澱
粉成分に対して20〜100重量%の濃度含むことが示
されている。そして実施例1には、エチレン/ビニルア
ルコール共重合体42.5重量部、グリセリン 7.5
重量部、澱粉70重量部、水50重量部および尿素15
重量部を配合して押出成形した例が、実施例2には、含
水率11%の澱粉63重量%、グリセリン25重量%、
尿素7重量%およびエチレン−アクリル酸共重合体5重
量部を押出してペレット化した後、得られたペレット6
0重量%とエチレン/ビニルアルコール共重合体40重
量%とを混合して押出成形した例が、実施例3〜8には
、含水率11%の澱粉39重量%、エチレン/ビニルア
ルコール共重合体37重量%、グリセリン12.8重量
%、水 3.2重量%、エチレン−アクリル酸共重合体
3重量%および尿素5重量%を配合して押出成形した例
がそれぞれ示されている。
【0007】特開平3−24101号公報には、澱粉を
、高沸点可塑剤と尿素、アルカリ土類またはアルカリ金
属水酸化物およびこれらの混合物から選ばれた変性剤と
共に、可塑剤の沸点以下で120〜170℃の温度にお
いて澱粉を変性するのに十分な時間混合することからな
る生分解性プラスチック物品製造用変性澱粉組成物の製
法が示されており、該公報の実施例の直前の個所には、
この変性澱粉組成物はエチレン/ビニルアルコール共重
合体と混合するのに適しているとの記載がある。
【0008】この公報の特許請求の範囲の請求項2には
高沸点可塑剤を澱粉重量に対して0.05〜100重量
%加えること、請求項4には高沸点可塑剤を澱粉重量に
対して20〜100重量%加えることが示されている。 そして実施例1〜4には含水率11%の澱粉63重量%
にグリセリン25重量%を配合して押出成形して変性澱
粉を得ること、実施例5にはこの変性澱粉ペレット60
重量%とエチレン/ビニルアルコール共重合体40重量
%とを混合して押出成形した例が示されている。
【0009】特開平2−14228号公報には、水を含
む分解澱粉および少なくとも1種の実質的に水不溶性の
合成熱可塑性ポリマーを含む溶融体から得られる配合ポ
リマー材料が示されている。この公報の出願の特許請求
の範囲の請求項4には、熱可塑性ポリマーとして、エチ
レン/酢酸ビニル−コポリマー、エチレン/ビニルアル
コール−コポリマー、エチレン/アクリル酸−コポリマ
ー、エチレン/アクリル酸エチル−コポリマー、エチレ
ン/アクリル酸メチル−コポリマー、ABS−コポリマ
ー、スチレン/アクリロニトリル−コポリマー、ポリア
セタールが用いられるとしてあり、このようにエチレン
/ビニルアルコール−コポリマーについても言及がなさ
れているが、エチレン/ビニルアルコール−コポリマー
を用いた実施例はあげられていない。
【0010】この公報には可塑化剤についても記述があ
り、特許請求の範囲の請求項14には全成分の約 0.
5〜15重量%可塑化剤が加えられること、請求項16
には可塑化剤および水の含有量の合計が全成分の25重
量%以下であることが示されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】エチレン−ビニルアル
コール共重合体とデンプン系高分子とからなる生分解性
組成物は、溶融成形時に熱分解しやすいデンプン系高分
子を多量に含む上、エチレン−ビニルアルコール共重合
体自身が汎用の熱可塑性樹脂の中でも比較的溶融成形が
難しい樹脂の一つであるので、両者の併用系においては
成形トラブルを生じたり成形物に欠陥を生じやすいとい
う問題点がある。そこで工業的な生産に際しては、多価
アルコールや尿素などの高沸点可塑剤を相当量配合して
溶融成形に供することが不可欠となるが、このような高
沸点可塑剤の配合は成形物の性質(たとえば可塑剤の成
形物表面への移行によるべたつきの発生)にとってマイ
ナスとなる上、生分解性ないし崩壊性を阻害する傾向が
ある。このようなトラブルを防ぐためには可塑剤の使用
量を抑えなければならないが、その場合は先に述べたよ
うに溶融成形性が悪くなる。
【0012】特開平3−31333号公報や特開平3−
24101号公報において、広い範囲の高沸点可塑剤の
使用が示されているにかかわらずその実施例では相当量
の高沸点可塑剤を配合しているのは、高沸点可塑剤の配
合量を多くしないと成形性そのものが損なわれるという
事情があるからである。なお特開平2−14228号公
報においては、実際にエチレン−ビニルアルコール共重
合体を用いた実施例がなく、該共重合体とデンプン系高
分子との配合系における検討がなされていない。
【0013】結局、上に引用した特開平3−31333
号公報、特開平3−24101号公報および特開平2−
14228号公報は、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケ
ン化物(エチレン−ビニルアルコール共重合体)とデン
プン系高分子とからなる生分解性ないし崩壊性組成物に
関するバックグラウンドとしての技術を示しているにと
どまり、工業的に採用しうるに足る良好な成形性を保ち
ながら、成形物に要求される性質(可塑剤の移行防止性
や好ましい生分解性)を確保することは未解決事項とな
っている。
【0014】本発明は、このような背景下において、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物とデンプン系高分
子との併用系でありながらも、工業的に採用しうる良好
な成形性を有すると同時に、可塑剤の移行防止性と所期
の生分解性ないし崩壊性とを有する成形物を与えること
のできる生分解性樹脂組成物を提供することを目的とす
るものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の生分解性樹脂組
成物は、エチレン含量が20〜60モル%、酢酸ビニル
単位のケン化度が90モル%以下の組成を有しかつ融点
が150℃以下であるエチレン−酢酸ビニル共重合体部
分ケン化物(A) と、デンプン系高分子(B) とか
らなるものである。
【0016】以下本発明を詳細に説明する。
【0017】本発明においては、従来のエチレン−酢酸
ビニル共重合体ケン化物(つまりエチレン−ビニルアル
コール共重合体)に代えて、ケン化度を90モル%以下
、好ましくは85モル%以下にとどめたエチレン−酢酸
ビニル共重合体部分ケン化物(A) (つまりエチレン
−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体)を用いる。 ケン化度が90モル%を越える場合には、デンプン系高
分子(B) との相溶性が不足する上、成形性が必ずし
も良好ではないので、円滑な成形のためには従来と同様
に高沸点可塑剤の併用量を多くしなければならず、その
結果、可塑剤の移行の問題が無視しえなくなり、また生
分解性ないし崩壊性の点でもマイナスとなる。なお極端
にケン化度を低くすると機械的強度やガスバリア性が損
なわれるので、ケン化度の下限は70モル%程度とする
。またエチレン−酢酸ビニル共重合体部分ケン化物(A
) のエチレン含量は20〜60モル%に設定され、エ
チレン含量がこの範囲からはずれるときは実用物性が不
足する。
【0018】エチレン−酢酸ビニル共重合体部分ケン化
物(A) は、その融点が150℃以下であることが必
要であり、融点が150℃を越える場合には成形性の点
で不利となる。従って、上述の組成の範囲内で重合度に
も留意すべきである。
【0019】上記共重合組成および融点を有するエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体部分ケン化物(A) は、本発
明の趣旨を損なわない限りにおいて、他の共重合可能な
モノマー(他のα−オレフィン、エチレン性不飽和カル
ボン酸系化合物、ビニルエーテル、酢酸ビニル以外のビ
ニルエステル、エチレン性不飽和スルホン酸系化合物、
オキシアルキレン基含有モノマーなど)で共重合変性さ
れていてもよく、またオキシアルキレンエーテル化、シ
アノエチル化、アセタール化、ウレタン化などの「後変
性」されたものであってもよい。
【0020】エチレン−酢酸ビニル共重合体部分ケン化
物(A) は、エチレン−酢酸ビニル共重合体をアルカ
リ触媒の存在下に部分的にケン化し、ついで得られた部
分ケン化物の粉末、粒子またはペレットを、酸、特に弱
酸の水溶液または稀薄な強酸(またはその塩)の水溶液
で充分に洗浄し、さらに必要に応じ水洗によって樹脂に
付着した酸を除去した後、乾燥することにより製造され
る。
【0021】ここで弱酸としては、酢酸、プロピオン酸
、グリコール酸、乳酸、アジピン酸、アゼライン酸、グ
ルタール酸、コハク酸、安息香酸、イソフタル酸、テレ
フタル酸をはじめ通常pKa(25℃)が 3.5以上
のものが用いられる。強酸としては、シュウ酸、マレイ
ン酸などpKa(25℃)が 2.5以下の有機酸や、
リン酸、硫酸、硝酸、塩酸などの無機酸があげられ、こ
れらの強酸の塩も用いることができる。強酸(またはそ
の塩)による処理は、弱酸による処理を行った後、水洗
の前または後に行うのが通常である。
【0022】デンプン系高分子(B) としては、生デ
ンプン(トウモロコシデンプン、馬鈴薯デンプン、甘藷
デンプン、コムギデンプン、キッサバデンプン、サゴデ
ンプン、タピオカデンプン、モロコシデンプン、コメデ
ンプン、マメデンプン、クズデンプン、ワラビデンプン
、ハスデンプン、ヒシデンプン等);物理的変性デンプ
ン(α−デンプン、分別アミロース、湿熱処理デンプン
等);酵素変性デンプン(加水分解デキストリン、酵素
分解デキストリン、アミロース等);化学分解変性デン
プン(酸処理デンプン、次亜塩素酸酸化デンプン、ジア
ルデヒドデンプン等);化学変性デンプン誘導体(エス
テル化デンプン、エーテル化デンプン、カチオン化デン
プン、架橋デンプン等)などが用いられる。なお、化学
変性デンプン誘導体のうちエステル化デンプンとしては
、酢酸エステル化デンプン、コハク酸エステル化デンプ
ン、硝酸エステル化デンプン、リン酸エステル化デンプ
ン、尿素リン酸エステル化デンプン、キサントゲン酸エ
ステル化デンプン、アセト酢酸エステル化デンプンなど
、エーテル化デンプンとしては、アリルエーテル化デン
プン、メチルエーテル化デンプン、カルボキシメチルエ
ーテル化デンプン、ヒドロキシエチルエーテル化デンプ
ン、ヒドロキシプロピルエーテル化デンプンなど、カチ
オン化デンプンとしては、デンプンと2−ジエチルアミ
ノエチルクロライドの反応物、デンプンと2,3−エポ
キシプロピルトリメチルアンモニウムクロライドの反応
物など、架橋デンプンとしては、ホルムアルデヒド架橋
デンプン、エピクロルヒドリン架橋デンプン、リン酸架
橋デンプン、アクロレイン架橋デンプンなどがあげられ
る。
【0023】本発明のデンプン系高分子(B) は含水
物として用いることもでき、この場合における含水率は
30重量%以下とするのが適当である。
【0024】エチレン−酢酸ビニル共重合体部分ケン化
物(A) とデンプン系高分子(B) との配合割合は
、重量比で80:20〜20:80、殊に70:30〜
30:70とすることが望ましく、デンプン系高分子(
B) の割合が余りに少ないときは生分解性ないしは崩
壊性が損なわれ、一方その割合が余りに多いときは成形
物の機械的物性が不足するようになる。ただし用途によ
っては、上記配合割合から若干はずれても差し支えない
こともある。
【0025】本発明の樹脂組成物には、さらに多価アル
コール(グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタ
エリスルトール、エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、マンニトール、ソルビトール等)や尿素などの可塑
剤を配合することもできるが、その配合量はエチレン−
酢酸ビニル共重合体部分ケン化物(A) およびデンプ
ン系高分子(B) の合計量100重量部に対し10重
量部程度以下、さらには7重量部程度以下で充分である
【0026】そのほか、必要に応じ上記以外の樹脂成分
(エチレン共重合体やその他のポリオレフィン、水素添
加スチレン−ブタジエンゴム、ポリウレタン、ポリアミ
ド、ポリヒドロキシブチレート等)、デンプン系高分子
以外の天然高分子(多糖類系高分子、セルロース系高分
子、タンパク質系高分子等)、熱安定剤、充填剤、着色
剤、耐水化剤、自動酸化剤などを配合することもできる
【0027】溶融成形法としては、主として押出成形法
(ブロー成形法を含む)が採用されるが、カレンダー成
形法、射出成形法などを採用することもできる。押出成
形に際しては、エチレン−酢酸ビニル共重合体部分ケン
化物(A) およびデンプン系高分子(B) を別々に
あるいは同時に押出機に供給して溶融混練を行って一旦
ペレット化し、ついでこのペレットを押出機に供給して
所定の形状に成形する方法が好適に採用される。溶融成
形温度は、デンプン系高分子(B) の分解を抑えるた
め、160℃程度かそれ以下に設定することが望ましい
。デンプン系高分子(B) が含水物である場合には、
ベント付き押出機を用いて押出物中の含水率を5重量%
程度以下にしてから後段の溶融成形に供することが望ま
しい。
【0028】本発明の生分解性樹脂組成物により得られ
る成形物は、包装用資材(フィルム、シート、ボトル、
カップ、トレイ等);農業用資材(農業用フィルム、結
束テープ等);民生用資材(おむつのバックシート、買
物袋、ゴミ袋等)をはじめ種々の用途に用いることがで
きる。
【0029】
【作用】本発明においては、エチレン−酢酸ビニル共重
合体部分ケン化物(A) としてケン化度が90モル%
以下の部分ケン化物を用いているため、成形物の特性お
よび生分解性の点で不利となる可塑剤の配合量を大幅に
減少しても良好な成形性が確保される。
【0030】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに説明する
【0031】〈エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物
の製造〉エチレン−酢酸ビニル共重合体のメタノール溶
液をニーダー中に投入して加温下に混練し、加水分解触
媒としての水酸化ナトリウムのメタノール溶液を加えて
ケン化反応を行った。ケン化反応の停止は酢酸を添加し
て系を中和することにより行った。ついで系に酢酸メチ
ルあるいは水を加えて部分ケン化物を析出させ、析出し
た部分ケン化物を分離後、水洗によりポリマー中に含ま
れる酢酸ナトリウムを除去し、さらに酢酸の稀薄水溶液
による洗浄、ついでリン酸の稀薄水溶液による洗浄を行
った後、乾燥した。なお高ケン化度のものを得るときは
、上記のケン化反応後の反応物にメタノールを吹き込ん
で副生酢酸メチルを追い出しながら、再度触媒の追加仕
込みを行って2次ケン化を行った。ついで、酢酸を添加
して系を中和することによりケン化反応を停止し、酢酸
メチルあるいは水を添加して高ケン化物を析出させ、該
高ケン化物を分離後、水洗によりポリマー中に含まれる
酢酸ナトリウムを除去し、さらに酢酸の稀薄水溶液によ
る洗浄、ついでリン酸の稀薄水溶液による洗浄を行った
後、乾燥した。
【0032】原料エチレン−酢酸ビニル共重合体のエチ
レン含量、ケン化反応条件、および得られたエチレン−
酢酸ビニル共重合体ケン化物の組成、融点、メルトフロ
ーインデックスを表1に示す。なおメルトフローインデ
ックスは、メルトインデクサーを用い、ノズル1mmφ
×10mm、荷重2160g、温度210℃の条件で測
定したものである。
【0033】     表1                   
                         
                         
         No.1  No.2  No.3
  No.4  No.5  No.6  No.7 
   原料EVA     Et含量(モル%)    29.0  29
.0  38.0  38.0  38.0  44.
0  44.0    ケン化条件     温度(℃)         40    4
0    40    40    40    40
    40     時間 (hr)       
   1.5   1.5   1.5   1.5 
  1.5   1.5   1.5    NaOH
添加量          3    10     
8    40    50    15    50
       (m−mol/VAc)   2次ケン
化     NaOH追加量          −   
30     −    −   50     − 
 100       (m−mol/VAc)   
                         
                     EVOH     ケン化度(モル%)  70.0  99.4
  75.0  90.0  99.5  80.0 
 99.5    Et含量(モル%)    29.
0  29.0  38.0  38.0  38.0
  44.0  44.0    VA含量(モル%)
    49.7  70.6  46.5  55.
8  61.7  44.8  55.7    VA
c 含量(モル%)  21.3   0.4  18
.6   6.2   0.3  11.2   0.
3    融点(℃)        120   1
88   110   145   174   10
5   164     MFI (g/10min)
      8.4   8.0  29    26
    25    13    12    (注)
EVA:エチレン−酢酸ビニル共重合体、EVOH:エ
チレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、Et:エチレン
、NaOH:水酸化ナトリウム、VAc :酢酸ビニル
、 VA:ビニルアルコール、MFI :メルトフローイン
デックス。
【0034】〈コンパウンドのペレット化〉上記のよう
にして製造したエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物
、生デンプン(コーンスターチ)および可塑剤(グリセ
リン)を後述の表2に示す割合でヘンシェルミキサーに
投入して混合し、ついでベント付き二軸押出機に供給し
て溶融押出すると共にペレタイザーでペレット化した。 二軸押出条件は下記の通りとした。 スクリュー径        30mmL/D    
          30スクリュー回転数    1
50rpm押出温度            160℃
【0035】〈フィルム加工〉得られたコンパウンドペ
レットをTダイを備えた単軸押出機に供給し、厚さ50
μのフィルムに成形した。単軸押出機による製膜条件は
下記の通りとした。 スクリュー径        40mmL/D    
          28Tダイ          
    コートハンガータイプダイ巾        
      450mmダイリップ開度      0
.5 mm押出温度            150℃
【0036】〈結  果〉以上の条件および結果を表2
に示す。
【0037】   表2                     
                         
                         
                     実   
 施    例                比 
 較  例                    
       1     2     3     
4     5     1     2     3
     4  配合割合(重量部)   EVOH          35    40 
   40    40    45    50  
  50    50    50    生デンプン
        65    60    60   
 60    55    50    50    
50    50    グリセリン        
 5     5     5     5     
5    20     5    15     5
  使用EVOH   種類              No.1  N
o.3  No.4  No.6  No.6  No
.2  No.5  No.7  No.7  ケン化
度(モル%)  70.0  75.0  90.0 
 80.0  80.0  99.4  99.5  
99.5  99.5  Et含量(モル%)    
29.0  38.0  38.0  44.0  4
4.0  29.0  38.0  44.0  44
.0  VA含量(モル%)    49.7  46
.5  55.8  44.8  44.8  70.
6  61.7  55.7  55.7  VAc 
含量(モル%)  21.3  18.6   6.2
  11.2  11.2   0.4   0.3 
  0.3   0.3  融点(℃)       
 120   110   145   105   
105   188   174   164   1
64   MFI (g/10min)      8
.4  29    26    13    13 
    8.0  25    12    12  
成形性   ペレット加工性    良好  良好  良好  
良好  良好  不良  不良  良好  不良  フ
ィルム加工性    良好  良好  良好  良好 
 良好  不良  不良  良好  不良可塑剤の移行
        なし  なし  なし  なし  な
し  −    −    あり  −  生分解性(
崩壊性)   a     a    a−b    
a     b    −    −     c  
  −  (注)ペレット加工性の項において、「不良
」はストランドの引き取りが困難。 フィルム加工性の項において、「不良」はフィルム化困
難。 表中の略号は表1の説明と同じ。
【0038】なお生分解性(崩壊性)については、上記
で得られたフィルムをB5サイズ(25.8mm×18
.2mm)の大きさに裁断した後、堆肥混合土中に埋め
立て、6ケ月後に掘り出してフィルムの状態を目視観察
し、次の3段階で評価した。なお比較例1および3につ
いては、成形性が劣るので評価を行っていない。 a: 破片の残存が確認できる程度で、ほとんどフィル
ム形状が維持されていない。 b: 形は残っているが、全面に多数の亀裂および穴が
認められる。 c: 亀裂および穴が多少認められる程度。
【0039】表2から、実施例の組成物は比較例の組成
物に比し生デンプンの配合量を多くかつグリセリンの配
合量を少なくしているにもかかわらず、良好な成形性を
有していることがわかる。また実施例の成形物は可塑剤
の移行がなく、生分解性ないし崩壊性もすぐれているこ
とがわかる。
【0040】
【発明の効果】本発明の生分解性樹脂組成物は、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体ケン化物とデンプン系高分子と
の併用系でありながらも、工業的に採用しうる良好な成
形性を有する。しかも、成形物の特性および生分解性な
いし崩壊性の点で不利となる可塑剤の配合量を大幅に減
少することができるので、可塑剤の移行防止が図られる
と共に、所期の生分解性ないし崩壊性を有する成形物を
得ることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレン含量が20〜60モル%、酢酸ビ
    ニル単位のケン化度が90モル%以下の組成を有しかつ
    融点が150℃以下であるエチレン−酢酸ビニル共重合
    体部分ケン化物(A) と、デンプン系高分子(B) 
    とからなる生分解性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】エチレン−酢酸ビニル共重合体部分ケン化
    物(A) の酢酸ビニル単位のケン化度が70〜90モ
    ル%である請求項1記載の生分解性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】エチレン−酢酸ビニル共重合体部分ケン化
    物(A) とデンプン系高分子(B) との配合割合が
    重量比で80:20〜20:80である請求項1または
    2記載の生分解性樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH108364A (ja) * 1996-06-21 1998-01-13 Chisso Corp 水崩壊性複合繊維及び不織布、吸収性物品

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