JPH0435340Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は昇降路の側面に機械室が設置される、
いわゆるベースメント式エレベータの防音装置の
改良に関するものである。

〔従来の技術〕

従来の防音装置を使用したベースメント式エレ
ベータを第４図〜第６図により説明する。第４図
は全体説明図、第５図は第４図の要部横断面図、
第６図は第４図の防音装置を昇降路側から見た図
である。

図において、１は昇降路、２は昇降路１に連通
するピツト、３は昇降路１の上方に設けられた返
し車、４は昇降路１の側面に設けられ昇降路１側
に開口部４Ａを有する機械室、５は巻胴５Ａを備
えた巻胴式巻上機、６は該巻上機５が載置された
機械台、７はエレベータのかご、８は一端に該か
ご７が連結され中間部が上記返し車３に掛け渡さ
れて他端は巻胴５Ａに巻掛けられている主ロー
プ、９は機械室４の開口部４Ａを遮蔽する防音カ
バーであり、内側（機械室４側）には吸音材９Ａ
が貼付されている。この防音カバー９は、第１〜
第４部材９Ｂ〜９Ｅよりなつている。

第１部材９Ｂは、一片が開口部４Ａの一側方の
昇降路側壁１Ａに固定され、他片が昇降路１内に
突出した断面Ｌ字型をなしている。第２部材９Ｃ
は、一片が開口部４Ａの下方のピツト２の側壁２
Ａに固定され、他片が昇降路１内に突出した断面
Ｌ字型をなしている。第３部材９Ｄは、一片が開
口部４Ａの他側方の昇降路側壁１Ａに固定される
とともに下端部に後述のダクト１０の挿通部９Ｆ
が設けられ、他片が昇降路１内に突出した断面Ｌ
字型をなしている。第４部材９Ｅは、一片が開口
部４Ａの上方の昇降路側壁１Ａに固定され、三方
が上記第１〜第３部材９Ｂ〜９Ｄの昇降路１内へ
の突出片にそれぞれ固定されて開口部４Ａの大部
分を覆うとともに、上端に主ロープ８の貫通穴９
Ｇを有している。５Ｂは電動機、５Ｃは巻上機５
の減速機箱、５Ｄはブレーキ装置である。また、
１０は制御盤（図示省略）と塔内配管を繋ぐダク
ト、１１は一側がピツト側壁２Ａに固定され、他
側が機械台６の昇降路一側の端部に固定された、
機械台６の浮上り防止固定板である。

〔考案が解決しようとする課題〕 上記のように、機械室４内の機器の騒音が昇降
路１内へ響くことを防止するために、防音カバー
９が設けられているが、従来はピツト側壁２Ａを
基準にし、このピツト側壁２Ａと昇降路側壁１Ａ
とに防音カバー９を固定していた。しかしなが
ら、エレベータを設置する建物には寸法誤差が存
在し、機械室４の上方に位置する昇降路側壁１Ａ
と機械室４の下方に位置するピツト側壁２Ａとの
位置は必ずしも一致しない、即ち、段差が生じる
場合が多い。この場合には、工場で所定寸法の防
音カバー９を製作しても、そのままでは取付けが
できないため、建物側への取付穴の変更や、防音
カバーの再製作が必要となる場合も生じるという
問題があつた。

また、主ロープ８と昇降路側壁１Ａとの干渉を
避けるために、巻上機５は機械室４の上方の昇降
路側壁１Ａを基準にして設置されるが、巻上機５
を載置している機械台６は、浮上り防止固定板１
１によつてピツト側壁２Ａに固定されていた。そ
のため、昇降路側壁１Ａとピツト側壁２Ａとの間
に段差があると、浮上り防止固定板１１の機械台
６への固定位置が変わつてくる。従つて、機械台
６への浮上り防止固定板１１の固定位置を調整可
能にしておかなければならず、構成が複雑になる
という問題があつた。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、浮上り防止固定板によつて機械台を
ピツト側壁に固定するという従来構造に代え、浮
上り防止ステーによつて機械台を機械室上方の昇
降路側壁に固定する構造にしたものであり、更
に、この浮上り防止ステーに防音カバーを取付け
たものである。

〔作用〕

本考案によれば、浮上り防止ステー及び防音カ
バーを、機械台と機械室上方の昇降路側壁との間
に設置し、ピツト側壁から完全に独立させること
ができる。

〔実施例〕

第１図〜第３図により本考案の実施例を説明す
る。第１図は機械室の要部側面図、第２図は第１
図の防音装置を昇降路側から見た図、第３図は浮
上り防止ステー及び防音カバーの斜視図である。

図において、２０は防音装置であり、浮上り防
止ステー２１，２２及び防音カバー２３，２４，
２５により構成されている。浮上り防止ステー２
１，２２は下端部を機械台６の昇降路１側の端部
に固定し、上端部を機械室４の上方の昇降路側壁
１Ａに固定することにより、機械台６の浮上りを
防止している。また、第３図に示すように、浮上
り防止ステー２１，２２は断面Ｌ字型をなし、防
音カバー２３，２４が固定されており、防音カバ
ー２４にはダクト１０の挿通部２４Ａが切り欠か
れている。また、防音カバー２５は浮上り防止ス
テー２１，２２にボルト締めされて固定されてい
る。

上記のように、本実施例は防音装置２０が昇降
路側壁１Ａと機械台６との間に固定され、ピツト
側壁２Ａからは完全に独立しているため、昇降路
側壁１Ａとピツト側壁２Ａの間に段差があつて
も、防音装置２０の取付けには全く支障はない。
尚、図示省略しているが、防音装置２０の内側
（機械室４側）には防音材が貼付されている。

上記実施例では防音カバー２３，２４は浮上り
防止ステー２１，２２に固定されているのみであ
るが、必要に応じて昇降路側壁１Ａにも固定して
も良い。この場合、防音カバー２３，２４の荷重
は浮上り防止ステー２１，２２によつて支持され
ているため、コンクリート用釘のように簡単な係
止具で固定するのみで良い。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案のよれば、浮上り
防止ステーによつて、機械室の上方の昇降路側壁
に機械台を固定する構造にしているため、昇降路
側壁とピツト側壁との間に段差があつても、全く
影響されることなく、防音装置の取付けを行うこ
とができる。そのため、機械台の構造も複雑にな
ることはなく、且つ、一定仕様の防音カバーで対
処することができる。更に、防音カバーを水平方
向に少なくとも３分割して浮上り防止ステーに取
付ける構成のため、従来に比べ防音カバーの形状
がシンプルになり、また、建物への取付穴工事も
減少し、据付作業が容易で安全に行えるようにな
る。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図は本考案の実施例を示す図であ
り、第１図は機械室の要部側面図、第２図は第１
図の防音装置を昇降路側から見た図、第３図は浮
上り防止ステー及び防音カバーの斜視図、第４図
は従来の防音装置を使用したエレベータの全体説
明図、第５図は第４図の要部横断面図、第６図は
第４図の防音装置を昇降路側から見た図である。 １……昇降路、１Ａ……昇降路側壁、２……ピ
ツト、２Ａ……ピツト側壁、４……機械室、５…
…巻上機、６……機械台、９……従来の防音カバ
ー、２０……防音装置、２１，２２……浮上り防
止ステー、２３，２４，２５……防音カバー。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 昇降路の側面に設けられた機械室と、この機械
   室の上方の昇降路側壁を基準にして上記機械室内
   に設置された巻上機とを備えるとともに、上記機
   械室の昇降路への開口部が防音装置によつて遮蔽
   されたものにおいて、 上記防音装置は、上記機械室の上方の昇降路側
   壁と上記巻上機の機械台との間に設置された機械
   台浮上り防止ステーと、水平方向に少なくとも３
   分割され、上記浮上り防止ステーに固定されて上
   記開口部を覆う防音カバーとを備えた構成である
   ことを特徴とするエレベータの防音装置。