JPH0435164Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、例えば、ビルの屋上等のコンクリー
ト平面に形成される塗装ウレタン樹脂床の中間材
に関するものである。

［従来の技術］ 近年、ビルの屋上等にコンクリート平面にウレ
タン樹脂を直接塗装して塗装ウレタン樹脂床を形
成するとにより、ビルの屋上の防水機能を兼ねた
テニスコートや運動場等の利用がなされている。

［考案が解決しようとする課題］ この塗装ウレタン樹脂床は、床にクツシヨン性
を付与するために、ウレタン樹脂の塗装を３〜４
回に亙つて繰り返して行なわなければならなく、
施工に多大の時間を要する。また、コンクリート
の平面に直接ウレタン樹脂層を形成するものであ
るため、外気温での加熱によつてコンクリート内
の水分が膨張して水蒸気になつたときに、この水
蒸気の逃げ場が無く、これが塗装ウレタン樹脂層
がコンクリート平面から剥離する原因となり、塗
装ウレタン樹脂床面に凹凸が発生する等の欠点を
有する。

これに対して本考案は、クツシヨン性に富み、
また、表面に凹凸の発生の無い塗装ウレタン樹脂
床を、容易に施工し得る塗装ウレタン樹脂床の中
間材を提供する。

［課題を解決するための手段］ 本考案のコンクリート平面に敷設される塗装ウ
レタン樹脂床の中間材は、ポリプロピレン、ポリ
エステルまたはナオロンよりなる合成繊維製のニ
ードルパンチ布と、該合成繊維製のニードルパン
チ布の片側表面に形成されている二液硬化型ウレ
タン樹脂による水蒸気非浸透性の連続皮膜層との
積層シートからなり、該積層シートからなる中間
材における合成繊維製のニードルパンチ布面がコ
ンクリート平面に貼着されるものである。

そして、前記中間材における二液硬化型ウレタ
ン樹脂による水蒸気非浸透性の連続皮膜層面に対
して塗装ウレタン樹脂層が形成されることによ
り、塗装ウレタン樹脂床の施工がなされる。

［実施例］ 以下、本考案のコンクリートの平面に敷設され
る塗装ウレタン樹脂床の中間材の具体的な構成
を、図面を参照して製造方法例に基づいて説明
し、併せて、該中間材を使用して施工した塗装ウ
レタン樹脂床の構成について説明する。

実施例 １ 第１図において符号１で表示される部分は、ポ
リプロピレン、ポリエステルまたはナイロンより
なる合成繊維製のニードルパンチ布２と、該合成
繊維製のニードルパンチ布２の片側表面に形成さ
れている二液硬化型ウレタン樹脂による水蒸気非
浸透性の連続皮膜層３との積層シートからなる中
間材であり、ニードルパンチ布２が比較的厚手に
形成されている。

本考案の１実施例品であるコンクリートの平面
に敷設される塗装ウレタン樹脂床の中間床１にお
けるニードルパンチ布２は、本考案の塗装ウレタ
ン樹脂床の中間材に適度のクツシヨン性を備えさ
せると共に、コンクリート床面から発生する水蒸
気の通り道の作用を果たすものであることから、
コンクリートのアルカリに対して安定性を有する
ポリプロピレン、ポリエステルまたはナイロンか
らなる合成繊維により、厚さ２〜10mm程度に形成
されている。なお、ニードルパンチ布２に利用さ
れる合成繊維の太さや目付量等は、所望に応じて
適宜のものが選択される。

ニードルパンチ布２の片側表面に、該ニードル
パンチ布２の表面部分に食い込むようにして積層
されている二液硬化型ウレタン樹脂による水蒸気
非浸透性の連続皮膜層３は、該水蒸気非浸透性の
連続皮膜層３の上に塗装ウレタン樹脂層を形成す
る際に、塗装ウレタン樹脂層形成用のウレタン樹
脂塗料がニードルパンチ布２内に浸透するのを防
止する目止め作用を果たし、かつ、ニードルパン
チ布２と塗装ウレタン樹脂層との間の良好な接着
作用を果たすものである。したがつて、中間材１
における水蒸気非浸透性の連続皮膜層３の上に形
成される塗装ウレタン樹脂層は、中間材１におけ
る水蒸気非浸透性の連続皮膜層３と同一の二液硬
化型ウレタン樹脂で形成されるのが最も望まし
い。

なお、中間材１は、例えば、第２図に示される
ように、ポリエチレンやポリプロピレン等の合成
樹脂製のフイルム基材４の裏面に、二液硬化型ウ
レタン樹脂を20〜400g／m²程度に塗布すること
によつて塗工層を形成し、該塗工層が湿潤状態に
ある間に、別製のポリプロピレン、ポリエステル
またはナイロンよりなる合成繊維製のニードルパ
ンチ布５を、該塗工層面に貼り合わせて積層体７
を形成し、これを巻き取つた後に放置してウレタ
ン樹脂を硬化させることにより、二液硬化型ウレ
タン樹脂による水蒸気非浸透性の連続皮膜層６を
形成し、しかる後に、合成樹脂製のフイルム基材
４を剥離させる等して容易に得られる。

かかる方法によつて中間材１を得る際には、二
液硬化型ウレタン樹脂による水蒸気非浸透性の連
続皮膜層６を硬化させるために積層体７を巻き取
りロールのままにして置き、この状態で積層体７
を所定の場所のコンクリートの平面迄運搬した
後、中間材１における二液硬化型ウレタン樹脂に
よる水蒸気非浸透性の連続皮膜層６面に塗装ウレ
タン樹脂層を形成する直前に、積層体７から合成
樹脂製のフイルム基材４を剥離、除去するように
すれば、フイルム基材４に中間材１の保護フイル
ムとしての機能を果たさせることができる。

第３図は、第１図にて符号１で表示される中間
材を利用した場合のコンクリートの平面に敷設さ
れた塗装ウレタン樹脂床の１実施例品を示すもの
である。すなわち、既設のコンクリート８の平面
上に、ポリプロピレン、ポリエステルまたはナイ
ロンよりなる合成繊維製のニードルパンチ布２
と、該合成繊維製のニードルパンチ布２の片側表
面に形成されている二液硬化型ウレタン樹脂によ
る水蒸気非浸透性の連続皮膜層３との積層シート
からなる中間材１が、該中間材１の合成繊維製の
ニードルパンチ布２面がコンクリート８の平面に
対して接着剤層９により貼着され、また、該中間
材１の二液硬化型ウレタン樹脂による水蒸気非浸
透性の連続皮膜層３面の上に、塗装ウレタン樹脂
層１０が形成されてなるものである。

なお、この塗装ウレタン樹脂床には、塗装ウレ
タン樹脂床の施工の際に、該塗装ウレタン樹脂層
１０と中間材１とを貫通する小穴（図示省略）を
端部に穿設するようにすれば、コンクリート内か
ら発生する水蒸気が中間材１中の合成繊維製のニ
ードルパンチ布２を通して大気中に良好に散逸す
るため、コンクリート内から発生する水蒸気に起
因する塗装ウレタン樹脂床面の凹凸をより硬化的
に防止し得る。

［考案の作用及び効果］ 本考案のコンクリートの平面に敷設される塗装
ウレタン樹脂床の中間材は、ポリプロピレン、ポ
リエステルまたはナイロンよりなる合成繊維製の
ニードルパンチ布と、該合成繊維製のニードルパ
ンチ布の片側表面に形成されている二液硬化型ウ
レタン樹脂による水蒸気非浸透性の連続皮膜層と
の積層シートからなり、該中間材における合成繊
維製のニードルパンチ布面がコンクリートの平面
に貼着され、また、該中間材における二液硬化型
ウレタン樹脂による水蒸気非浸透性の連続皮膜層
面に塗装ウレタン樹脂層が形成されて塗装ウレタ
ン樹脂床が施工される。

したがつて、中間材の上に形成される塗装ウレ
タン樹脂層の厚さに関係無く高度のクツシヨン性
を恒久的に具備するウレタン樹脂床が、簡単な施
工工程で得られる。

また、本考案のコンクリートの平面に敷設され
る塗装ウレタン樹脂床の中間材１は、コンクリー
ト内から発生する水蒸気が中間材１中の合成繊維
製のニードルパンチ布２内を平面方向走行するこ
とによつて塗装ウレタン樹脂床の外部に散逸する
ため、コンクリート内から発生する水蒸気による
塗装ウレタン樹脂層の剥離が抑制される。このた
め、コンクリート内から発生する水蒸気に起因す
る塗装ウレタン樹脂床面の凹凸の発生が無く、塗
装ウレタン樹脂床の保守、管理が容易である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案のコンクリートの平面に敷設
される塗装ウレタン樹脂床の中間材の１の実施例
品を示す模型断面図、第２図は、本考案のコンク
リートの平面に敷設される塗装ウレタン樹脂床の
中間材の製造例の途中工程を示す模型断面図、第
３図は、本考案のコンクリートの平面に敷設され
る塗装ウレタン樹脂床の中間材を利用して得られ
る塗装ウレタン樹脂床の１実施例品の模型断面図
である。 １……合成繊維製のニードルパンチ布と、二液
硬化型ウレタン樹脂による水蒸気非浸透性の連続
皮膜層との積層シートからなる中間材、２……合
成繊維製のニードルパンチ布、３……二液硬化型
ウレタン樹脂による水蒸気非浸透性の連続皮膜
層、８……コンクリート、９……接着剤層、１０
……塗装ウレタン樹脂層。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ポリプロピレン、ポリエステルまたはナイロン
   よりなる合成繊維製のニードルパンチ布と、該合
   成繊維製のニードルパンチ布の片側表面に形成さ
   れている二液硬化型ウレタン樹脂による水蒸気非
   浸透性の連続皮膜層との積層シートからなり、該
   積層シートにおける合成繊維製のニードルパンチ
   布面がコンクリートの平面に貼着されることを特
   徴とするコンクリートの平面に敷設される塗装ウ
   レタン樹脂床の中間材。