JPH04349882A - 新規アルカリプロテアーゼ及びその製造方法 - Google Patents

新規アルカリプロテアーゼ及びその製造方法

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JPH04349882A
JPH04349882A JP3311791A JP3311791A JPH04349882A JP H04349882 A JPH04349882 A JP H04349882A JP 3311791 A JP3311791 A JP 3311791A JP 3311791 A JP3311791 A JP 3311791A JP H04349882 A JPH04349882 A JP H04349882A
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人見 潤
Shigehito Adachi
足立 重仁
Yoshihiro Hakamata
佳宏 袴田
Mikio Takaiwa
美喜雄 高岩
Toru Kobayashi
徹 小林
Shuji Kawai
川合 修次
Susumu Ito
進 伊藤
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なアルカリプロテア
ーゼK−16及びその製造方法に関し、更に詳細には界
面活性剤に対して極めて優れた安定性を有し、洗浄剤配
合酵素として有用なアルカリプロテアーゼK−16及び
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】洗浄剤へのプロテアーゼの配合は以前よ
り行われており、現在多くのアルカリプロテアーゼが洗
剤用酵素として用いられている。その代表的なものとし
ては、アルカラーゼ、サビナーゼ、エスペラーゼ(ノヴ
ォ・インダストリー社製)等が挙げられるが、これらア
ルカリプロテアーゼの多くのものは、界面活性剤液中で
の安定性が悪いという問題があった。
【0003】一方、界面活性剤に安定なものとしてYa
酵素(特開昭61−280278 号公報)等が報告さ
れているが、これは活性領域が高温度側にあるため、一
般的に室温付近で洗浄を行う日本の洗濯様式には適合し
ないという問題があった。
【0004】また、より低い温度領域において、従来の
プロテアーゼよりも活性発現力の強いプロテアーゼとし
てAPI−21(特公昭60−55118号公報)が開
発されているが、これも界面活性剤液中での安定性は未
だ充分満足のいくものではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、界面活性剤中
で高い安定性を有し、洗浄剤配合酵素として優れた機能
を有するアルカリプロテアーゼを新たに提供することが
望まれていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、上
記課題を解決するため、広く日本の土壌よりアルカリプ
ロテアーゼ生産菌を得るべく、鋭意検索した。その結果
、栃木県芳賀郡の土壌より採取したバチルス属に属する
微生物が洗浄剤配合系において優れた安定性を有する新
規なアルカリプロテアーゼを生産することを見出し、本
発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明は新規なアルカリプロテ
アーゼK−16及びその製造方法を提供するものである
【0008】本発明のアルカリプロテアーゼK−16を
産生する微生物はバチルス(Bacillus)属に属
し、例えば以下に示すような菌学的性質を有するものが
挙げられる。
【0009】(A)形態的性質 (a)細胞の形及び大きさ:桿菌 0.8〜1.0 μ
m × 2.2〜25μm (b)多形性:無し。 (c)運動性:周鞭毛を有し、運動性あり。 (d)胞子〔大きさ、形、位置〕: 1.0〜1.2 
μm ×1.4〜2.2 μm 、楕円形、中央準端、
胞子嚢の膨潤ややあり。 (e)グラム染色:陽性 (f)抗酸性:陰性 (g)肉汁寒天平板上での発育形態:円形、葉状、表面
円滑、淡黄色、半透明のコロニー。 (h)肉汁寒天斜面上での生育:不規則な葉状、表面少
しだけ粗な円滑、淡黄色、半透明のコロニー。 (i)肉汁液体培養:生育良好で混濁あり菌膜無し。 (j)肉汁ゼラチン穿刺培養:生育良好で液化する。 (k)リトマスミルク:ペプトン化するが、ミルクの凝
固なし、リトマスの変化なし。
【0010】(B)生理的性質 (a)硝酸塩の還元:陽性 (b)脱膣反応:陰性 (c)MRテスト:陰性 (d)VPテスト:陽性 (e)インドール生成:陰性 (f)硫化水素生成:陰性 (g)澱粉加水分解:陽性 (h)クエン酸の利用:陽性 (i)無機窒素源の利用:硝酸塩を利用するが、アンモ
ニウム塩は利用しない。 (j)色素の生成:陰性 (k)ウレアーゼ:陰性 (l)オキシダーゼ:陽性 (m)カタラーゼ:陽性 (n)生育の温度範囲:55℃以下 (o)生育のpH範囲:pH 6.6〜10.3で生育
可能。 (p)酸素に対する態度:好気的 (q)OFテスト:酸化型(O型) (r)塩化ナトリウムに対する耐性:10%塩化ナトリ
ウム存在下で生育する。 (s)糖からの酸生成及びガス生成
【0011】
【表1】
【0012】以上の菌学的性質について「バージェーズ
  マニュアル  オブ  システマティック  バク
テリオロジー(Williams & Wilkins
社,1984年)」(Bergey’s Manual
 of Systematic Bacteriolo
gy) の記載に準じ検討したところ、本菌株は、バチ
ルス  ズブチルス(Bacillus subtil
is)に属させることが妥当である。しかし、バチルス
  ズブチルスがpH10の培地には全く生育しないの
に対し、本菌株はpH10でも良好に生育する。 また、バチルス  ズブチルスが55℃では生育できな
いのに対し、本菌株は55℃においても生育が可能であ
ること等の相違点が認められる。
【0013】以上の結果から明らかなように、本菌株は
バチルス  ズブチルスに属させることが妥当であるが
、いくつかの点においてこれと相違し、また他の公知の
菌株とも異なるので、本菌株をバチルス・エスピー(B
acillus sp.)KSM−K16と命名し、工
業技術院微生物工業技術研究所に微工研菌寄第1141
8 号として寄託した。
【0014】この菌株を用いて、界面活性剤に対して極
めて安定な本発明のアルカリプロテアーゼK−16を生
産するには、当該菌体を適当な培地に接種し、常法に従
って培養すればよい。
【0015】使用される培地としては、通常の微生物の
培養に用いられ本菌株に利用可能なものであれば何れを
も使用することができるが、該培地中には資化しうる炭
素源及び窒素源を適当量含有せしめておくことが好まし
い。
【0016】この炭素源及び窒素源については特に制限
はないが、その例としては、窒素源としてはコーングル
テンミール、大豆粉、コーンスチープリカー、カザミノ
酸、酵母エキス、ファーマメディア、イワシミール、肉
エキス、ペプトン、ハイプロ、アジパワー、コーンミー
ル、ソイビーンミール、コーヒー粕、綿実油粕、カルチ
ベーター、アミフレックス及びアジプロン、ゼスト、ア
ジックス等が挙げられる。また、炭素源としては、資化
しうる炭素源、例えばアラビノース、キシロース、グル
コース、マンノース、フラクトース、ガラクトース、蔗
糖、麦芽糖、乳糖、ソルビトール、マンニトール、イノ
シトール、グリセリン、可溶性澱粉や廉価な廃糖蜜、転
化糖等、また資化しうる有機酸、例えば酢酸等が挙げら
れる。また、その他、リン酸、Mg2+、Ca2+、M
n2+、Zn2+、Co2+、Na+ 、K+ 等の無
機塩や、必要であれば、無機、有機微量栄養源を培地中
に適宜添加することもできる。
【0017】斯くして得られた培養物中からの目的物質
であるアルカリプロテアーゼK−16の採取及び精製は
、一般の酵素の採取及び精製の手段に準じて行うことが
出来る。
【0018】すなわち、培養物を遠心分離、又は濾過等
することによって菌体を分離し、その菌体及び培養濾液
から通常の分離手段、例えば、塩析法、等電点沈澱法、
溶媒沈澱法(メタノール、エタノール、イソプロピルア
ルコール、アセトン等)によって蛋白質を沈澱させたり
、また、限外濾過(例えばダイアフローメンブレンYC
、アミコン社製)により濃縮させて本発明のアルカリプ
ロテアーゼK−16を得る。塩析法では、例えば硫安(
30〜70%飽和画分)、溶媒沈澱では、例えば75%
エタノール中で酵素を沈澱させた後、濾過或いは遠心分
離、脱塩することによってこれを凍結乾燥粉末とするこ
とも可能である。ここで脱塩の方法としては、透析又は
、セファデックスG−25等を用いるゲル濾過法等の一
般的方法が用いられる。
【0019】このようにして得られる酵素液は、そのま
ま使用することもできるが、更に公知の方法により精製
結晶化して用いることも出来る。更に酵素を精製するに
は、例えばヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー等
の吸着クロマトグラフィー、DEAE−セファデックス
、DEAE−セルロース、CM−セルロースやCM−バ
イオゲル等のイオン交換クロマトグラフィー及びセファ
デックスやバイオゲルのような分子篩ゲルクロマトグラ
フィーを適宜組み合わせて分別精製すればよい。
【0020】斯くして得られた本発明のアルカリプロテ
アーゼK−16は、以下に示すような酵素学的性質を有
する。尚、以下において、酵素活性の測定は次の如くし
て行った。
【0021】カゼイン1%を含む50mMホウ酸−Na
OH緩衝液(pH10)1mlを 0.1mlの酵素溶
液と混合し、40℃、10分間反応させた後、反応停止
液(0.123Mトリクロロ酢酸−0.246M酢酸ナ
トリウム− 0.369M 酢酸)2mlを加え、30
℃、20分間放置した。次に濾紙(ワットマン社製、N
o.2)で濾過し、濾液中の蛋白分解物をフォーリン・
ローリー法の改良法によって測定した。
【0022】また1P.U.は、上記反応条件下におい
て1分間に1mmole のチロシンを遊離する酵素量
とした。
【0023】(1)作用 高アルカリ性条件下で各種蛋白質に対して作用する。
【0024】(2)基質特異性 アルカリプロテアーゼK−16の各種基質に対する特異
性を、他の市販プロテアーゼと比較した。用いた基質は
、カゼイン、尿素変性ヘモグロビン、獣毛ケラチン、エ
ラスチンでこれらに対する分解活性を測定した。50m
Mホウ酸−NaOH緩衝液(pH10.0)に各基質を
1%(尿素変性ヘモグロビンは 2.2%)加え、各酵
素液 0.5×10−4P.U.(エラスチンは 3.
5×10−4P.U.)を添加し、40℃、10分間反
応を行った。各々の基質におけるアルカリプロテアーゼ
K−16の活性を100とした時の各酵素の活性を表2
に示す。
【0025】
【表2】
【0026】この結果からも明らかなように、本発明の
アルカリプロテアーゼK−16は水可溶性及び水不溶性
の蛋白質を良好に分解し、現在洗剤用酵素として良く用
いられている市販酵素A、市販酵素Bと比較して、特に
エラスチンに対して優れた作用を示す。
【0027】(3)至適pH 各種pH緩衝液(50mM)中に最終濃度0.91%と
なるようにカゼインを加え、アルカリプロテアーゼK−
16を 5.2×10−5P.U.加えて40℃、10
分間反応して活性を測定した。最適pHでの活性を10
0とし、各pHでの活性を相対的に表した。結果を図1
に示す。図1からも明らかなように本発明アルカリプロ
テアーゼK−16の至適pHは11.0〜12.3であ
る。尚、使用した各種緩衝液、及びそのpH範囲は次の
とおりである。 酢酸緩衝液                   p
H3.9〜5.7リン酸緩衝液           
      pH6.6〜8.3炭酸緩衝液     
              pH9.2〜10.9リ
ン酸−NaOH緩衝液           pH10
.9〜12.7KCl−NaOH緩衝液       
       pH10.9 〜12.6
【0028】
(4)pH安定性 (3)で用いたのと同じ緩衝液(20mM)中に 7.
9×10−3P.U.のアルカリプロテアーゼK−16
を加え、25℃で48時間放置した。この処理液を50
mMホウ酸−NaOH緩衝液(pH10.0)で40倍
に希釈後、活性を測定した。処理前の酵素活性を100
%として各pHでの相対活性を求めた。結果を図2に示
す。図2から明らかなように本発明アルカリプロテアー
ゼK−16は、Ca2+非存在下ではその安定領域がp
H 6.0〜12.0であり、2mM Ca2+存在下
ではその安定域はpH 5.0〜12.0であった。
【0029】(5)至適温度 基質として0.91%のカゼインを含む50mMホウ酸
−NaOH緩衝液(pH10.0)に3.1 ×10−
5P.U.のアルカリプロテアーゼK−16を加え、1
0分間各温度で反応を行った。40℃での活性を100
%として各温度での相対活性を求めた。結果は図3に示
す。図3からも明らかなように、本発明アルカリプロテ
アーゼK−16の至適温度は、Ca2+非存在下では5
5℃であり、5mM Ca2+存在下では70℃であっ
た。
【0030】(6)耐熱性 20mMホウ酸−NaOH緩衝液(pH9.5 )に 
1.6×10−3P.U.のアルカリプロテアーゼK−
16を加え、各温度で10分間熱処理し、氷冷後、50
mMホウ酸−NaOH緩衝液(pH10.0)で5倍希
釈した。そして0.91%カゼインを基質として活性を
測定した。未処理時の活性を100%として各処理温度
での相対活性を求めた。結果を図4に示す。図4からも
明らかなように、Ca2+非存在下で50℃、5mMC
a2+存在下では60℃まで上記熱処理条件下で、90
%以上の活性が維持された。
【0031】(7)分子量 アルカリプロテアーゼK−16の分子量をドデシル硫酸
ナトリウム(SDS)−ポリアクリルアミドゲル電気泳
動法により調べた。分子量マーカーには低分子量用マー
カーキット(バイオラッド)すなわち、ホスホリラーゼ
b(分子量:97,400)、牛血清アルブミン(分子
量:66,200)、卵白アルブミン(分子量:42,
700)、カルボニックアンヒドラーゼ(分子量:31
,000)、大豆トリプシンインヒビター(分子量:2
1,500)、リゾチーム(分子量:14,400)を
用いた。この方法により本発明のアルカリプロテアーゼ
K−16の分子量は28,000±1,000 と決定
した。
【0032】(8)等電点 アルカリプロテアーゼK−16の等電点を等電点電気泳
動法により調べた。カラム用の両性担体にはサーバライ
ト9−11を用いた。この方法により本発明アルカリプ
ロテアーゼK−16の等電点は10.5以上であること
がわかった。
【0033】(9)金属イオンの影響 各種金属イオンについて、本発明のアルカリプロテアー
ゼK−16に対して与える影響を調べた。まず、20m
Mホウ酸−NaOH緩衝液(pH9.5 )に各種金属
塩を1mMの濃度で添加し、そこに 3.9×10−3
P.U.の酵素を加えて30℃、20分間放置した。そ
の後、50mMホウ酸−NaOH緩衝液(pH10.0
)で5倍に希釈して残存活性を測定した。残存活性は、
金属塩無添加で同様に処理した酵素活性に対する相対値
で表した。結果を表3に示した。この結果から明らかな
ように、本発明のアルカリプロテアーゼK−16は、H
g2+及びCu2+により活性が阻害されることがわか
る。また、前記(5)及び(6)の結果よりCa2+に
より熱安定性が向上することがわかる。
【0034】
【表3】
【0035】(10)阻害剤の影響 一般的な酵素阻害剤について、本発明のアルカリプロテ
アーゼK−16に対して与える影響を調べた。10mM
リン酸緩衝液(pH7.0 )に各種阻害剤を所定濃度
になるように加え、そこにアルカリプロテアーゼK−1
6 7.9×10−3P.U.を添加し、30℃で20
分間放置した。その後、該処理液をイオン交換水にて2
0倍希釈し、残存活性を測定した。残存活性は、阻害剤
無添加で同様に処理した酵素活性に対する相対値で表し
た。結果を表4に示した。この結果から明らかなように
、本発明のアルカリプロテアーゼK−16は、セリンプ
ロテアーゼの阻害剤であるジイソプロピルフルオロリン
酸(DFP)、フェニルメタンスルホニルフルオリド(
PMSF)、キモスタチンで活性が阻害されることから
、活性中心にセリン残基を有するプロテアーゼであるこ
とがわかる。
【0036】
【表4】
【0037】(11)界面活性剤の影響6.6 ×10
−2P.U.の酵素液を、所定濃度の各種界面活性剤を
溶かした5mlの0.1Mトリス−塩酸緩衝液(pH9
.0 、エタノールを10%含む)に加え40℃で4時
間放置し、その後50mMホウ酸−NaOH緩衝液(p
H10.0)で20倍希釈後、残存活性を測定した。処
理時間0分での活性を100%とし残存活性を相対値で
表した。結果を表5に示した。この結果から明らかなよ
うに本発明のアルカリプロテアーゼK−16は、各種界
面活性剤が高濃度(1〜10%)存在しても高い安定性
を示すものであった。
【0038】
【表5】
【0039】
【発明の効果】上述の如く、本発明のアルカリプロテア
ーゼK−16は不溶性蛋白質に対し優れた作用を示し、
広範な温度域で充分な活性を発揮するのに加え、界面活
性剤中で極めて高い安定性を有するため、洗浄剤の添加
用酵素として有用なものである。
【0040】
【実施例】次に実施例を挙げて、本発明を更に詳しく説
明する。
【0041】実施例1 プロテアーゼ産生菌株の分離、採取: (1)土壌のサンプルの約1gを滅菌生理食塩水10m
lに懸濁し、80℃にて2 0分間放置し熱処理した。熱処理上清液 0.1mlを
ケラチンハロー寒天培地へ接種し、30℃で48時間静
置培養した。用いたケラチンハロー寒天培地の組成は以
下に示す通りである。 グルコース                    
         1%酵母エキス         
                    0.2%獣
毛ケラチン                    
       1%カルボキシメチルセルロース   
          1%リン酸第一カリウム    
                 0.1%硫酸マグ
ネシウム・7水塩               0.
02%寒天                    
               1.5%
【0042】
(2)上記培地組成物に、別滅菌を施した10%炭酸ナ
トリウムを1%添加し、最終pHを10.5に調整後、
平板培地を作製した。培養後、生育したコロニーの周囲
にハローを生じたものを選抜し、同培地で2〜3回純化
し、均一のプロテアーゼ生産菌を得た。
【0043】(3)上記(2)で得たこれらの菌株を以
下に示す液体培地へ接種し、30℃で好気的に48時間
振盪培養を行った。 グルコース                    
         2.0%ポリペプトンS     
                    1.0%酵
母エキス                     
        0.05%リン酸第一カリウム   
                  0.1%硫酸マ
グネシウム・7水塩               0
.02%炭酸ナトリウム(別滅菌)         
      1.0%pH             
                    10.5培
養終了後、得られた培養物を遠心分離(3000rpm
;10分間)して菌を除去し、得られた培養上清を酵素
液とした。
【0044】(4)上記(3)で得られた酵素液から凍
結乾燥により粗酵素サンプルを調製し、市販液体洗剤中
における40℃での保存安定性評価を行った。そのなか
から、最も安定性に優れる酵素を生産するものの一菌株
としてバチルス・エスピー  KSM−K16株を得た
【0045】実施例2 菌体の培養、アルカリプロテアーゼK−16の精製:(
1)実施例1で得られた好アルカリ性細菌、バチルス・
エスピー  KSM−K16を以下の液体培地(3.0
l) に接種し、30℃で好気的に48時間振盪培養を
行い、アルカリプロテアーゼK−16を生産させた。 グルコース                    
         2.0%魚肉エキス       
                      1.0
%大豆粉                     
            1.0%硫酸マグネシウム 
                      0.0
2%リン酸第一カリウム              
       0.1%pH            
                     10.0
【0046】(2)培養終了後、得られた培養物3l 
を遠心分離(10,000rpm;5分間)して菌を除
去し、その上清液を凍結乾燥した。凍結乾燥粉末2gを
イオン交換水10mlに溶解(粗酵素液)した後、同溶
液を透析膜を用いて10mMトリス−塩酸緩衝液(2m
M Ca2+添加、pH7.5 )に対して一晩透析し
、26mlの透析処理液(活性3.15P.U./ml
、比活性1.97P.U./mg蛋白)を得た。次に、
10mMトリス−塩酸緩衝液(2mM Ca2+添加、
pH7.5 )で平衡化したCM−52セルロース担体
を充填したカラムにかけ、同緩衝液でカラム内を洗浄し
た後、0〜0.15M 塩化ナトリウムを含む同緩衝液
でアルカリプロテアーゼK−16を溶出させた。この活
性画分を集めたところ全量は15ml、活性は1.12
P.U./ml、比活性は5.75P.U./mg蛋白
であった。そして、当溶液を50mMトリス−塩酸緩衝
液(10mMCa2+、0.2M塩化ナトリウム添加、
pH8.0 )に対して一晩透析した後、限外濾過(ア
ミコン社製、分画分子量 5,000)により濃縮し、
50mMトリス−塩酸緩衝液(10mM Ca2+、0
.2M塩化ナトリウム添加、pH8.0 )で平衡化し
たセファデックスG−50(ファルマシア社製)のゲル
濾過クロマトグラフィーにかけ同緩衝液にて展開させた
。ここで得られた活性画分は全量11.5ml、活性は
 0.9P.U./ml、比活性は6.03P.U./
mg蛋白であった。当溶液を、イオン交換水に対して一
晩透析後、活性0.56P.U./ml、比活性5.6
0P.U./mg蛋白の溶液を得た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアルカリプロテアーゼK−16の活性
に及ぼすpHの影響を示す図面である。
【図2】本発明のアルカリプロテアーゼK−16の安定
性に及ぼすpHの影響を示す図面である。
【図3】本発明のアルカリプロテアーゼK−16の活性
に及ぼす温度の影響を示す図面である。
【図4】本発明のアルカリプロテアーゼK−16の安定
性に及ぼす温度の影響を示す図面である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  下記の酵素学的性質を有するアルカリ
    プロテアーゼK−16。 (1)作用 高アルカリ性条件下で各種蛋白質に対して作用する。 (2)基質特異性 カゼイン、牛血清アルブミン等の水可溶性蛋白質ならび
    にケラチン、ヘモグロビン、エラスチン等の水不溶性蛋
    白質に対して良好な活性を有する。 (3)至適pH カゼインを基質とし、40℃にて10分間反応を行った
    場合、至適pHは11.0〜12.3である。 (4)pH安定性 カゼインを基質とし、25℃で処理した場合、Ca2+
    存在下、pH 5.0〜12.0の範囲で極めて安定で
    ある。 (5)至適温度 カゼインを基質とし、pH10.0で反応を行った場合
    、至適温度は55℃である。 (6)耐熱性 pH 9.5、50℃にて10分間熱処理した場合、9
    0%以上の残存活性を有する。 (7)分子量 28,000±1,000 (ドデシル硫酸ナトリウム
    (SDS)−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法による
    )(8)等電点 10.5以上(等電点電気泳動法による)(9)金属イ
    オンの影響 カゼインを基質とした場合、Hg2+及びCu2+で活
    性が阻害される。また、Ca2+で熱安定性が増大する
    。 (10)阻害剤の影響 エチレンジアミン四酢酸、p−クロロマーキュリー安息
    香酸、アンチパインで活性が阻害されない。ジイソプロ
    ピルフルオロリン酸、フェニルメタンスルホニルフルオ
    リド、キモスタチンによって活性が阻害される。 (11)界面活性剤の影響 直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキ
    シエチレンアルキル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナト
    リウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム、アルカ
    ンスルホン酸ナトリウム、α−スルホ脂肪酸エステル等
    の界面活性剤が高濃度に存在しても、酵素は極めて安定
    である。
  2. 【請求項2】  バチルス属に属し、アルカリプロテア
    ーゼK−16を生産する微生物を培養し、得られた培養
    物より該酵素を採取することを特徴とする請求項1記載
    のアルカリプロテアーゼK−16の製造方法。
  3. 【請求項3】  バチルス属に属し、アルカリプロテア
    ーゼK−16を生産する微生物がバチルス・エスピー(
    Bacillus sp.)KSM−K16である請求
    項2記載のアルカリプロテアーゼK−16の製造方法。
JP3-33117A 1991-01-17 1991-02-27 新規アルカリプロテアーゼ及びその製造方法 Expired - Lifetime JP3026111B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP4905351B2 (ja) * 2005-08-30 2012-03-28 味の素株式会社 プロテアーゼ活性が低減されているトランスグルタミナーゼ含有物の製造方法

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