JPH04348272A - 金属帯の異常部検出装置 - Google Patents

金属帯の異常部検出装置

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JPH04348272A
JPH04348272A JP91175488A JP17548891A JPH04348272A JP H04348272 A JPH04348272 A JP H04348272A JP 91175488 A JP91175488 A JP 91175488A JP 17548891 A JP17548891 A JP 17548891A JP H04348272 A JPH04348272 A JP H04348272A
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metal
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岩永 賢一
Hiroshi Maki
牧 宏
Mamoru Inaba
稲葉 護
Atsuhisa Takekoshi
竹腰 篤尚
Seigo Ando
安藤 静吾
Masaki Takenaka
竹中 正樹
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    • G01N27/72Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating magnetic variables
    • G01N27/82Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating magnetic variables for investigating the presence of flaws

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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、連続的に走行する金属
帯の欠陥や溶接部等の異常部を磁気検出器を用いて検出
する金属帯の異常部検出装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気を利用して、金属帯の内部あるいは
表面に存在する疵,介在物、または溶接部等の異常部を
検出する金属帯の異常部検出装置として、金属帯を静止
した状態で測定するのみならず、例えば工場等の製造ラ
イン等において、走行中の金属帯に存在する異常部を連
続的に検出できる異常部検出装置が提唱されている(実
開昭63−107849号公報,実開昭61−1700
68号公報)。
【0003】図21は実開昭63−107849号公報
に示された走行中の金属帯の欠陥を連続的に検出する異
常部検出装置を示す図であり、同図(a)(b)はそれ
ぞれ異なる方向から見た断面模式図である。
【0004】非磁性材料で形成された中空ロール1の中
心軸に固定軸2の一端が貫通されている。この固定軸2
の他端は図示しない建屋のフレームに固定されている。 そして、固定軸2は中空ロール1の中心軸に位置するよ
うに一対のころがり軸受3a,3bでもって中空ロール
1の両端の内周面に支持されている。したがって、この
中空ロール1は固定軸2を回転中心軸として自由に回転
する。
【0005】中空ロール1内に、略コ字断面形状を有し
た磁化鉄心4cが、その各磁極4a,4bが中空ロール
1の内周面に近接する姿勢で、支持部材5を介して固定
軸2に固定されている。この磁化鉄心4cに磁化コイル
6が巻装されている。したがって、この磁化鉄心4cと
磁化コイル6とで磁化器4を構成している。磁化鉄心4
cの磁極4a,4bの間に複数の磁気感応素子としての
磁気センサ7aを軸方向にリニア状に配列してなる磁気
センサ群7がやはり固定軸2に固定されている。
【0006】磁化コイル6に励磁電流を供給するための
電源ケーブル8および磁気センサ群7の各磁気センサ7
aの出力信号を取出すための信号ケーブル9は固定軸2
内を経由して外部へ導出されている。したがって、磁化
器4および磁気センサ群7の位置は固定され、中空ロー
ル1が磁化器4および磁気センサ群7の外周を微小間隙
を有して回転する。
【0007】このような構成の異常部検出装置の中空ロ
ール1の外周面を例えば矢印a方向に走行状態の金属帯
10の一方面に所定圧力でもって押し当てると、固定軸
2はフレームに固定されているので、中空ロール1が矢
印b方向に回転する。
【0008】このような磁気検出装置において、磁化コ
イル6に励磁電流を供給すると、磁化鉄心4cの各磁極
4a,4bと走行中の金属帯10とで閉じた磁路が形成
される。そして、金属帯10の内部あるいは表面に欠陥
が存在すると、金属帯10内の磁路が乱れ、漏洩磁束が
生じる。この漏洩磁束が磁気センサ群7を構成する該当
欠陥位置に対向する磁気センサ7aで検出され、この磁
気センサ7aから該当欠陥に対応する信号が出力される
【0009】検出された信号はその信号レベルが金属帯
10内部または表面の欠陥の規模(大きさ)と対応する
ので、出力信号の信号レベルを測定することによって金
属帯10の内部または表面に存在する欠陥の幅方向の発
生位置とその規模が把握できる。
【0010】図22は実開昭63−170068号公報
に示された走行中の金属帯の欠陥を連続的に検出する異
常部検出装置を示す図であり、同図(a)(b)はそれ
ぞれ異なる方向から見た断面模式図である。
【0011】この異常部検出装置においては、図21の
異常部検出装置と同様に中空ロール1内に磁気鉄心4c
と磁気コイル6からなる磁化器4を収納し、中空ロール
1に対向して金属帯10の反対側に流体浮上ボード11
を取付け、この流体浮上ボード11に複数の磁気センサ
7aを取付けている。
【0012】このように図21又は図22に示す異常部
検出装置においては、リフトオフと呼ばれる金属帯10
の表面と各磁気センサ7aまでの距離dを常時一定値に
制御できるので、均一した感度で異常部検出を実施でき
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図21
に示す異常部検出装置においてもまだ次のような課題が
あった。
【0014】一般に、磁気センサ7aの検出感度は前述
したリフトオフと呼ばれる金属帯10と磁気センサ7a
との間の距離dによって大きく変化し、距離dが小さい
ほど良いことはいうまでもない。したがって、中空ロー
ル1の厚みを薄くすればするほど、金属帯10と磁化器
4の磁極4a,4bとの間の距離が小さくなり、金属帯
7内に形成される磁界が大きくなり、安定した磁束を得
ることができる。また、厚みtを薄くすれば金属帯10
と各磁気センサ7aとの間の距離dが短くなるので、磁
束検出信号の信号レベルが高くなり、S/Nが上昇して
、異常部検出精度が向上する。したがって、中空ロール
1の厚みtを薄くするのが望ましい。
【0015】また、中空ロール1の厚みtが大きいと、
中空ロール1の慣性モーメントが大きくなり、金属帯1
0の走行速度が変動した場合に、中空ロール1の慣性力
により、中空ロール1と金属帯10との接触面で揩動現
象が生じて、金属帯10の表面に疵をつけてしまう懸念
がある。したがって、前述したように、中空ロール1の
厚みtを小さくして、前記慣性モーメントを小さくする
必要がある。
【0016】しかし、ただ単に慣性モーメントを小さく
する目的のみでは中空ロール1の外径を小さく設定すれ
ばよいが、内部に収納されている磁化器4や磁気センサ
7aの大きさによってその外径が制約される。
【0017】また、図22の異常部検出装置においては
、前述したように、金属帯10と磁気センサ7aとの距
離dを一定に制御するために、精巧な流体浮上ボード1
1の機構が必要となる。したがって、異常部検出装置全
体の構成が複雑化し、常時最良の動作状態を維持するた
めに頻繁な点検補修作業が必要となる。すなわち、この
異常部検出装置においては製造費が大幅に上昇すると共
に維持管理に多大の時間と費用が必要となる。さらに、
図21,22に示す各異常部検出装置においては次のよ
うな課題もある。
【0018】すなわち、図23は図21の異常部検出装
置の要部を模式的に描いた図である。全く欠陥が存在し
ない金属帯10を静止させた状態で各磁極4a,4bに
対向配置して、磁化コイル6を直流励磁する。すると、
図示するように、各磁極4a,4b位置で最大,最小を
示す垂直磁界分布特性Dを有する浮遊磁束が生じる。し
たがって、この垂直磁界分布特性Dが0レベルラインを
横切る磁極4a,4bの磁極間距離wの中央位置に各磁
気センサ7aを設定すれば、前記浮遊磁束の影響を除去
できる。
【0019】しかし、図23は全く欠陥が存在しない金
属帯10を磁極4a,4bに対して静止させた状態にお
ける垂直磁界分布特性Dである。しかし、実際の異常部
検出装置において、金属帯10は速度Vで一方方向へ走
行している。このとき金属帯10は磁極4aによって磁
化され、この磁化強度と金属帯10の保磁力に対応した
磁束が金属帯10に残留する。その結果、垂直磁界分布
特性Dが0ラインを横切る位置が必ずしも、磁極間距離
wの中央位置とは限らず、図23の垂直磁界分布特性E
に示すように、走行方向側に平行移動する。
【0020】よって、金属帯10が走行状態においては
、磁極4a,4bの磁極間距離wの中央位置(X=0)
が移動後の垂直磁界分布特性Eの0レベルにならない。 したがって、中央位置には浮遊磁束が存在する。
【0021】なお、浮遊磁束とは、被検体に磁気的異常
部が存在せず、そのために磁気的異常部に起因する漏洩
磁束が検出されない場合であっても、検出されてしまう
磁束である。そして、この浮遊磁束は主としてバルクと
しての被検体や、磁化器の時価鉄心部材から周囲に放出
される。
【0022】したがって、この浮遊磁束は当然金属帯1
0の走行速度Vの増加に伴って増大する。図24は、欠
陥が存在しない金属帯10の走行速度Vを0m/分から
1200m/分まで変化させた場合における中心位置(
X=0)に配設された垂直型の磁気センサ7aの出力電
圧の各相対値を示す実測図である。なお、磁化コイル6
の励磁電流Iは 0.2Aの一定値に制御している。こ
の実測図でも理解できるように、励磁電流Iが 0.2
Aの条件下においては、金属帯10の走行速度Vが 6
00m/分程度で出力信号は飽和する。
【0023】一方、各磁気センサ7aには欠陥に起因す
る漏洩磁束に対する高い検出感度が要求されている。例
えば漏洩磁束が数10mm Gauss程度の非常に小
さな規模の欠陥を検出できることが望まれている。した
がって、各磁気センサ7の磁気検出感度を大幅に上昇さ
せる必要がある。
【0024】しかし、小規模欠陥に起因する漏洩磁束は
前記浮遊磁束に比較して格段に小さい。したがって、図
24に示すように、たとえ金属帯10に全く欠陥が存在
していなくても前述した浮遊磁束を検出するので、この
浮遊磁束で飽和しない程度に検出感度を低下しなければ
ならない。その結果、小規模の欠陥を精度良く検出でき
ない問題がある。
【0025】このような問題は実開昭63−10784
9号公報のように中空ロールを使用しているものだけに
見られる特殊な現象ではない。特に浮遊磁束による精度
低下は。磁化器を用いて磁気的異常部を検出するいわゆ
る磁気検出技術において一般に見られる現象である。
【0026】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、走行する金属帯の走行方向を変更するロ
ールの金属帯の接触する部分に対向させて磁気検出器を
配設することにより、金属帯と磁気感応素子との距離を
短くかつ一定に制御でき、簡単な構成でもって異常部の
検出精度を大幅に向上できる金属帯の異常部検出装置を
提供することを目的とする。
【0027】さらに、本発明は上述した目的に加えて、
金属帯の健全部から生じる浮遊磁束を相殺するための補
償コイルを設けることによって、磁気感応素子に交差す
る磁束から浮遊磁束成分を除去でき、磁気感応素子の検
出感度を簡単に上昇でき、もって欠陥等の磁気的異常部
の検出感度およびS/Nを簡単に上昇でき金属帯の異常
部検出装置を提供することを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】上記課題を解消するため
に本発明の金属帯の異常部検出装置は、走行する金属帯
に接し、その走行方向を変更する回転自在に支持された
ロールにおける金属帯が接触する部分に対向配設された
磁気検出器と、この磁気検出器をロールの外周面に金属
帯を介して対向させ、かつこの金属帯に微小間隔を有し
て支持する磁気検出器支持機構とから構成されている。 さらに、磁気検出器を、金属帯に対向する一対の磁極を
有し、金属帯を磁化する磁化器と、この磁化器の磁極間
に金属帯に存在する異常部に起因して生じる漏洩磁束を
検出する磁気感応素子とで構成している。
【0029】また、磁気検出器を構成する磁化器を、一
対の磁極相互間を結ぶ線が金属帯の走行方向に平行する
ように配設し、この磁化器の磁極間に、複数の磁気感応
素子を金属帯の幅方向に配列している。さらに、磁化器
における一対の磁極間の距離を、磁気感応素子から金属
帯までの距離の1.8倍以上でかつ8.2倍以下に設定
している。さらに、磁化器における一対の磁極間の距離
を、磁化器に対向する金属帯のロールとの接触領域の金
属帯走行方向の距離より短く設定している。また、磁化
器をロール内において、金属帯が接触する部分に磁極が
対向する姿勢で配設し、この磁極相互間に磁気感応素子
を配設している。さらに、ロール内に磁化器を前述した
姿勢で配設し、磁気感応素子をロールの外周面に金属帯
を介して対向するように支持機構で固定している。また
、逆にロール内に磁気感応素子を配設し、ロール外に、
磁化器を支持機構で固定している。
【0030】さらに、本発明においては、前述した磁気
感応素子の出力信号に含まれる低周波信号成分を抽出す
るローパスフィルタと、このローパスフィルタにて抽出
された低周波信号成分を増幅する増幅器と、この増幅器
にて増幅された低周波信号成分により励磁されることに
よって、金属帯から生じる磁気感応素子に交差する浮遊
磁束を相殺する磁束を生起する補償コイルとを備えてい
る。
【0031】さらに、磁気感応素子を金属帯の異常部に
起因して生じる漏洩磁束のうちの金属帯の表面に垂直な
成分を検出する垂直型磁気感応素子で構成し、かつ補償
コイルを磁気感応素子の外周面を覆うように巻装するの
が望ましい。
【0032】さらに、磁気感応素子の出力信号に含まれ
る金属帯の異常部に起因して生じる信号をハイパスフィ
ルタで抽出し、速度検出器で金属帯の移動速度を検出し
、この速度検出器にて検出された移動速度に応じてハイ
パスフィルタの遮断周波数を変更している。
【0033】
【作用】このように構成された金属帯の異常部検出装置
によれば、走行する金属帯は回転自在に支持されたロー
ルでその走行方向が変更される。一般に、ロールによっ
て走行方向が変更される金属帯はロールの外周面に接し
ながらこのロールの半径に等しい曲率でもって走行方向
が変更される。なお、走行方向が変更されない場合は、
金属帯はただ単にロールに例えば線接触または非常に狭
い面積で接触しているにすぎない。したがって、金属帯
に存在する反りや振動等が生じると金属帯がロールの外
周面から離れる場合が考えられる。しかし、走行方向を
変更するためのロールにおいては、金属板のロールの外
周面に接する面積が飛躍的に大きくなる。また、走行方
向が強制的にロールに接触されて曲げられるので、たと
え反りや振動が発生したとしても金属帯は必ずロールの
外周面に密着した状態で曲げられる。
【0034】そして、図6に示すように、ロールの金属
帯が接触する接触領域のロール中心から見た角度αが磁
気検出器の磁化器における磁極間距離の前記ロール中心
から見た角度βより大きければ(α>β)、十分に高い
S/Nが得られることが実験的に確認されている。
【0035】また、磁化器を一対の磁極相互間を結ぶ線
が金属帯の走行方向に平行するように配設し、この磁化
器の磁極間に、複数の磁気感応素子を金属帯の幅方向に
配列しているので、金属帯の幅方向の複数位置に生じる
異常部を検出できる。次に、磁気感応素子から金属帯ま
での距離(リフトオフ)dと磁極間距離wとの関係を説
明する。
【0036】周知のように、一対の磁極を有する磁化器
においては、一方の磁極から出力される磁束はこの一対
の磁極相互間の空間(磁気ギャップ)を経由して他方の
磁極へ入力される。この場合、磁気ギャップに近接して
磁性材料である金属帯が存在すれば、一方の磁極から出
力された磁束の一部は磁気ギャップを通過せずに金属帯
内を通過して他方の磁極に入力する。
【0037】この場合、磁気ギャップを通過する磁束と
金属帯内を通過する磁束との割合は、磁極感距離(ギャ
ップ間隔)wと各磁極から金属帯までの距離Lとに大き
く左右される。すなわち、磁極間距離wが過度に広くな
ると、前述した磁束の総数が減少する。また、磁極間距
離wが過度に狭くなると、前記磁束の総数は増大するが
、金属帯を通過する磁束の割合が小さくなる。
【0038】したがって、磁極間距離wには一定の最適
範囲が存在する。そして、この最適範囲は、各磁極から
金属帯までの距離Lによって左右される。すなわち、距
離Lが大きい場合、前記最適範囲は磁極間距離wの寄与
が大きい。磁気感応素子と金属帯との間の距離dは前述
した距離Lと近似的に置換えてもよいので、磁極間距離
wと距離dとの間に一定関係を満たせば、最も効率よく
金属帯に磁束が通る。
【0039】発明者は上記磁極間距離wと、磁気感応素
子と金属帯との間の距離dとの関係を実験的に求めて、
磁極間距離wが距離dに対して1.8倍から8.2倍の
範囲で金属帯を通る磁束の磁束密度が高く十分実用に耐
えるレベルとなることを確認した。次に、補償コイルを
設けることによる作用および効果を説明する。
【0040】例えば磁気的異常部が全く存在しない金属
帯が図23の矢印方向に移動すると、磁気感応素子の設
置位置(X=0)における磁束は0ではなく、垂直磁界
分布特性Eに示すように、移動(走行)速度Vに対応し
た浮遊磁束を示す。したがって、磁気感応素子の出力信
号はこの浮遊磁束に起因する移動速度に対応したほぼ一
定レベルの低周波信号となる。そして、移動状態の金属
帯に例えば欠陥等の磁気的異常部が存在すると、この磁
気的異常部に起因する漏洩磁束が磁気感応素子によって
検出される。この漏洩磁束による欠陥信号は前記浮遊磁
束による低周波信号に比較して格段に高い周波数成分を
有している。よって、磁気感応素子の出力信号は浮遊磁
束に起因する低周波信号成分に高周波の欠陥信号が重畳
した信号波形となる。
【0041】ローパスフィルタでこの低周波信号成分が
抽出され、増幅器で所定のレベルに増幅された後、補償
コイルに印加される。この補償コイルは励磁されると前
記浮遊磁束を打ち消す方向の磁束を発生する。その結果
、磁気感応素子に交差する合成された磁束は打ち消され
て零に近ずく。よって、磁気感応素子の出力信号に含ま
れる低周波信号成分は低減される。
【0042】すなわち、補償コイル,磁気感応素子,ロ
ーパスフィルタ.増幅器は一種の閉帰還閉ループを構成
し、たとえ金属帯の移動速度Vが変化して、出力信号に
含まれる低周波信号成分の信号レベルが変化したとして
も、この低周波信号成分を打ち消す方向に動作する。
【0043】なお、出力信号に含まれる磁気的異常部に
起因する欠陥信号は低周波信号成分に比較して格段に高
い。よって、欠陥信号は、ローパスフィルタで除外され
、閉帰還ループに負帰還されることはない。それ故、た
とえ磁気感応素子の感度を上昇させたとしても、出力信
号が飽和することはなく、欠陥信号のみを有効に検出す
ることが可能となる。
【0044】さらに、別の発明においては、磁気感応素
子の出力信号からハイパスフィルタを用いて欠陥信号を
抽出しているので、欠陥信号に含まれる浮遊磁束の影響
をさらに徹底して除去できる。また、金属帯の移動速度
Vが変化すると、同一規模の磁気的異常部であっても磁
気感応素子の出力信号に含まれる欠陥信号の周波数成分
が変化するので、ハイパスフィルタの遮断周波数fc 
を移動速度Vに応じて変化させれば、より正確に欠陥等
の磁気的異常部の規模を検出できる。
【0045】
【実施例】以下本発明の一実施例を図面を用いて説明す
る。
【0046】図3は実施例の金属帯の異常部検出装置が
組込まれた製鉄工場における圧延ラインを示す模式図で
ある。供給リール11a,11bから交互に供給される
金属帯12はその終端位置を次の金属帯12の先端に溶
接する溶接装置13を通過して、ロール14a,14b
でもって走行方向を180度変換されて、ルーパーロー
ル15で走行方向を再度180度変換されて、ロール1
4c,14dで走行方向が90度づづ変換される。そし
て、複数の圧延ロールからなる圧延工程16を経由して
、巻取リール17a,17bに交互に巻取られる。前記
ルーパーロール15は図中矢印方向に移動可能であり、
溶接装置13にて溶接作業を行ってる期間に右方向に移
動して、圧延工程16に常時一定速度で金属帯12を供
給する機能を有する。
【0047】このような圧延ラインにおいて、例えば金
属帯12の走行方向を水平方向から下向きに90度変更
するロール14cに実施例の異常部検出装置18が組込
まれている。
【0048】図1は異常部検出装置18の概略構成を示
す側面図である。建屋のベースに固定されたフレーム1
9に軸受20を介して回転軸21が回転自在に枢支され
ている。その回転軸21に前記ロール14cが取付けら
れている。そして左方から一定速度で搬入された金属帯
12がロール14cの外周面22をほぼ1/4 周だけ
接触して下方へ搬出される。すなわち、金属帯12のロ
ール14cに対する接触角度θは約90度である。
【0049】前記フレーム19には磁気検出器23を所
定位置に支持する磁気検出器支持機構としての支持フレ
ーム24が取付けられている。磁気検出器23はロール
14cの非磁性体で形成された外周面22における金属
帯12が接触している部分に対向する姿勢でもって前記
支持フレーム24に取付けられている。
【0050】なお、金属帯12の振動や反りに起因する
リフトオフdの変動が最も少ない場所はロール14cに
接触している部分の中央位置である。しかし、図1に示
す実施例装置においては、据付空間や支持フレーム24
等の制約で磁気検出器23を金属帯12の接触している
部分の下部に対向させて配設している。この位置におけ
るリフトオフdの変動は、金属帯12がロール14cに
全く接触していない場所や、接触長さが極端に短い場合
に比較して格段に小さい。したがって、この場所におい
ても十分高いS/Nを確保できる。特に、金属帯12の
溶接部を検出する場合には磁気検出器23の設置場所は
金属帯12がロール14cの接触している領域に入って
いれば十分である。
【0051】磁気検出器23は、例えば図2に示すよう
に、略コ文字形断面形状を有した磁化鉄心25aに磁化
コイル25bを巻装してなる磁化器25と、磁化鉄心2
5aの両端の自由端に形成された一対の磁極26a,2
6bの間に配設された複数個の磁気感応素子としての磁
気センサ27とで構成されている。磁化鉄心25aの幅
は金属帯12の幅より広く設定されている。各磁気セン
サ27は金属帯12の幅方向に、金属帯12の幅より広
い範囲に亘って所定の間隔で配列されている。そして、
各磁気センサ27の先端位置は各磁極26a,26bの
先端位置と一致させている。図1に示すように、各磁気
センサ27が微小間隙(距離d)を有して、走行する金
属帯12に対向している。
【0052】なお、この各磁気センサ27は特開平1−
308982号公報に記載された過飽和型の磁気センサ
である。すなわち、磁気センサ27は断面が0.1 m
m×2.0 mmを有するコアに検出コイルを巻装した
構造を有する。実施例においては、この磁気センサ27
を10mm間隔で配設することによって、金属帯12の
幅方向に均一な合成感度を実現している。
【0053】磁気検出器23における異常部検出動作は
、図21において説明したように、磁化器25の磁化コ
イル25bに励磁電流を通電して、磁化鉄心25aを磁
化する。すると、磁極26a,金属帯12,磁極26b
との間に磁路が形成され、金属帯12内に磁束が形成さ
れる。そして、金属帯12の内部または表面に、小孔,
欠陥,異物混入,変形,溶接部等の正常部分とは異なる
異常部が存在すると、この異常部によって磁路が乱され
、漏洩磁束が大きく変化する。この漏洩磁束の変化が該
当位置に対向する磁気センサ27で検出される。よって
この磁気センサ27の出力信号の信号レベル等を解析す
ることによって、異常部の存在とその規模を検出できる
【0054】図4はこの磁気検出器23の出力信号を用
いた異常部検出回路を示すブロック図である。各磁気セ
ンサ27からの出力信号は増幅器28でもって信号増幅
された後、各比較器29の(+)側入力端子に入力され
る。各比較器29の(−)側入力端子には基準電圧発生
回路30からしきい値電圧が入力される。そして、各比
較器29は増幅器28で増幅された出力信号aがしきい
値電圧より高い場合のみ、ハイ(H)レベルの異常検出
信号を出力する。出力信号aがしきい値に満たなかった
場合はロー(L)レベルの正常信号を出力する。
【0055】各比較器29から出力された各異常検出信
号または正常信号はマルチプレクサ回路31でもって時
分割多重信号bに変換されて次の信号処理回路32へ入
力される。信号処理回路32は入力された時分割多重信
号bを元の各磁気センサ27毎の異常検出信号または正
常信号に復調して、各磁気センサ27位置毎に例えばC
RT表示装置に表示したり、警報出力装置33を介して
警報出力する。
【0056】また、各比較器29から出力される異常検
出信号または正常信号はアンドゲート34へ入力される
。したがって、全部の検出信号または一定割合以上がハ
イ(H)レベルの異常検出信号であった場合のみ、この
アンドゲート34は成立する。すなわち、この成立条件
は金属帯12の幅方向に配列された全部の磁気センサ2
7位置に異常部が検出されたので、図3の溶接装置13
による溶接部を検出したと判断できる。よって、アンド
ゲート34から溶接部検出信号cを出力する。
【0057】このように図4の異常部検出回路において
は、圧延ラインにおいて、走行中の金属帯12の幅方向
の各位置に発生する基準規模を越える異常部を確実に検
出できる。また、各位置における異常検出に加えて、溶
接部が到来するとその溶接部を別に溶接部検出信号cと
して検出できる。
【0058】図5は、磁気検出器23からの各出力信号
を用いた溶接部専用検出回路を示すブロック図である。 i=1〜i=N番までのN個の各磁気センサ27から出
力された各出力信号を各増幅器28でもって信号増幅す
る。その後、加算器51でもってN個の出力信号の信号
値を全て加算する。そして、その加算値を次の除算器5
2で1/Nに除算する。すなわち、加算器51と除算器
52でもって各出力信号aの平均値を算出する。そして
、その平均された1個の出力信号を比較器53によって
基準電圧発生回路30からのしきい値電圧と比較する。 比較器53は検出信号がしきい値電圧より高い場合のみ
、ハイ(H)レベルの溶接部検出信号cを出力する。
【0059】次に、ロール14cの外周面22に金属帯
12が接触しているロール14c中心から見た接触角度
αと磁化器25の磁極間隔距離wの金属帯12上におけ
る投影距離(=w)をロール14c中心から見た角度β
との比(α/β)を変化させた場合における各磁気セン
サ27から出力される出力信号aを専用の試験装置で測
定して、各出力信号aのS/Nを求めた。
【0060】そして、図6の一点鎖線でもって、各比(
α/β)におけるS/Nを統計的に処理して標準偏差と
共に相対比で表示している。なお、磁化器25の磁極間
距離wは24mmの固定値である。すなわち角度βは固
定である。そして、接触角度αを変化させることによっ
て、比(α/β)を変化させている。また、予め欠陥規
模が既知(円穴径0.8mm)である標準欠陥が形成さ
れた金属帯12を試験材料として使用している。また、
各磁気センサ27と金属帯12との間の距離(リフトオ
フ)dは9mmである。また、上記標準欠陥の試験材料
とは別に全幅に亘った溶接部が存在する金属帯12を同
一条件で測定した結果を実線で表示する。
【0061】S/Nの相対比が3以上を実用レベルと見
なすと、通常の欠陥検出においては比(α/β)は少な
くとも1.0以上必要である。なお、溶接部は標準的な
欠陥に比較して、格段に大規模な欠陥と見なせるので、
0.8以上で十分検出できる。すなわち、磁極間の角度
β(距離w)は金属帯21のロール14cに対する接触
角度αより小さくなる必要がある。
【0062】次に、磁気検出器23における磁極間の角
度β(距離w)とリフトオフdとの比(β/d)を変化
させた場合において、各磁気センサ27と金属帯12と
の間の距離dを徐々に変化させていった場合における、
各磁気センサ27の出力信号aのS/Nを求めた。そし
て、図7に示すように、磁極間の角度β(距離w)と距
離dとの比(β/d)を横軸にして、縦軸に各S/Nの
統計的な相対比を示した。なお、磁極間の角度β(距離
w)は固定(距離20mm)であり、リフトオフdを変
化させることによって比(β/d)を変化させた。さら
に、図6で示す比(α/β)が1以上である条件を満足
させている。図7に示するように、磁極間の角度β(距
離w)と距離dとの比(β/d)が1.8から8.2ま
での範囲で3以上の良好なS/Nの相対比が得られた。
【0063】なお、オンラインでもって欠陥探傷を実施
する場合はS/Nは上述したように3以上が望ましいが
、例えば溶接部検出等の場合においては、S/Nは2以
上で十分実用に対処できる。この場合、比(β/d)は
1.0から9.6までの範囲に拡大できる。
【0064】図8は本発明の他の実施例に係わる異常部
検出装置における磁気検出器23から出力される各検出
信号を用いた異常部検出回路を示すブロック図である。 図4と同一部分には同一符号を付してある。なお、この
実施例においては磁気センサ27は金属帯12の幅方向
に8個配設されている。
【0065】各磁気センサ27から出力された検出信号
は各比較器29でもって基準電圧発生回路30からのし
きい値電圧と比較されて、異常検出信号または正常信号
に2値化される。各比較器29から出力された各異常検
出信号又は正常信号はマルチプレクサ回路31でもって
時分割多重信号bに変換されて次の信号処理回路32へ
入力される。信号処理回路32は入力された時分割多重
信号bを元の各磁気センサ27毎の異常検出信号また正
常信号に復調して、各磁気センサ27位置毎に例えばC
RT表示装置に表示したり、警報出力装置33を介して
警報出力する。
【0066】なお、金属帯12に存在する通常の異常部
を検出する場合は、基準電圧発生器30から出力される
しきい値電圧を前述した基準欠陥を検出する信号レベル
に設定する。
【0067】一方、この異常部検出回路を用いて金属帯
12の幅Aを測定する場合は、基準電圧発生器30から
出力されるしきい値電圧を、前述した基準欠陥を検出す
る信号レベルより遥かに小さい値に設定する。すなわち
、金属帯12においては全く異常部が存在していなくて
も一定レベルの漏洩磁束が存在する。しかし、金属帯1
2そのものが存在しなければ漏洩磁束は金属帯12が存
在する場合に比較して格段に小さく、かつその漏洩磁束
による信号レベルはほぼ一定値である。よって、しきい
値電圧を低く設定して、金属帯12の有無を検出する。
【0068】すなわち、互いに隣接する各比較器29か
ら出力される一対の異常または正常信号は排他的論理和
ゲート35へ入力される。そして、最外側に配設された
各比較器29から出力される各信号と各排他的論理和ゲ
ート35の各出力信号は次の入力回路36におけるX1
〜X8の合計8個の各端子へ入力される。各端子X1〜
X8に入力された各信号は板幅演算回路37へ入力され
る。この板幅演算回路37は入力された8個の信号値か
ら金属帯12の幅Aを算出する。そして、算出された金
属帯12の幅Aが許容範囲に入っているか否かを次の判
定回路38で判定する。そして、判定結果と前記算出さ
れた幅Aとを表示器40へ表示する。
【0069】金属帯12の幅Aの演算は次の手順で行う
。すなわち、各磁気センサ27相互間の距離をBとする
と、8個の磁気センサ27の図8における1番目の磁気
センサ27と8番目の磁気センサ27との距離は7Bと
なる。各比較器29の出力信号が[0]の場合は金属帯
12が存在しなく、[1]の場合し金属帯12が存在す
る。したがって、一つの排他的論理和ゲート35の出力
信号が[1]になると、その排他的論理和ゲート35に
入力されている2個の比較器29に対応する各磁気セン
サ27位置相互間に金属帯12の縁が存在する。よって
、出力信号が[1]である2個の排他的論理和ゲート3
5を特定すれば、その間に存在する排他的論理和ゲート
35の数に距離Bを乗算すれば、金属帯12の幅Aが得
られる。
【0070】なお、両端に位置する1番と8番の磁気セ
ンサ27の比較器29から[0]の信号が出力されてい
ることを確認する必要がある。いずれかの信号が[1]
の場合は、金属帯12の幅Aが磁気センサ27の設置幅
を越えていることを示す。このように、金属帯12の異
常部を精度よく検出できると共に、必要に応じて、金属
帯12の幅Aを測定することが可能である。
【0071】図9は、本発明の他の実施例に係わる異常
部検出装置の概略構成を示す側面図である。図1の実施
例と同一部分には同一符号が付してある。したがって、
重複する部分の詳細説明を省略する。
【0072】この実施例においては、金属帯12を磁化
する磁化器25および金属帯12の異常部に起因いて生
じる漏洩磁束を検出する磁気センサ27がロール14c
内に収納されている。具体的には、磁化器25の磁極2
6a,26bがロール14cの金属帯12が接触してい
る外周面22に対応する内周面に対して微小間隔を介し
て対向するように支持部材でもって両端の軸受20に固
定されている。したがって、磁化器25は回転せずに、
ロール14cのみが回転する。そして、この磁化器25
の磁極26a,26bの間に各磁気センサ27が配設さ
れている。
【0073】このように構成された異常部検出装置であ
っても、各磁気センサ27は非磁性材料で形成されたロ
ール14bを介して金属帯12の異常部に起因する漏洩
磁束を検出できるので、上述した実施例とほぼ同様の効
果を得ることができる。
【0074】さらに、この実施例においては、磁化器2
5および各磁気センサ27がロール14c内に収納され
ているので、製造現場等の狭い場所においてもこの異常
部検出装置を取付けることが可能である。
【0075】また、図10はさらに別の実施例の異常部
検出装置を示す概略構成図である。この実施例において
は、磁化器25のみがロール14c内へ図9と同様な手
法で収納されている。そして、各磁気センサ27が、金
属帯12およびロール14cを介して、内部に収納され
た磁化器25の磁極26a,26bに対向するように支
持フレーム24によって固定されている。このように構
成された異常部検出装置においても先の実施例とほぼ同
様の効果を得ることができる。
【0076】図11はさらに別の実施例の異常部検出装
置を示す概略構成図である。この実施例においては、図
11の実施例とは逆に、各磁気センサ27がロール14
c内に収納され、磁化器25が支持フレーム24にてロ
ール14cの外部に固定されている。次に補償コイルを
用いた実施例を説明する。図12はの補償コイルが組込
まれた異常部検出装置の要部を拡大して示す断面模式図
である。
【0077】この実施例の異常部検出装置は、図10で
示した装置と同様に、磁化器25がロール14c内に収
納され、各磁気センサ27がロール14cの外部にロー
ル14cの軸方向に配列されている。各磁気センサ27
は、図10に示すように、支持フレーム24にて支持さ
れている。さらに、金属帯12の走行方向にこの金属帯
12の走行速度Vを検出するための例えば回転計からな
る速度検出器61が取付けられている。
【0078】図12において、ロール14cの軸方向に
配列された各磁気センサ27は強磁性体材料で形成され
た棒状コアに検出コイルを巻装してなる過飽和型の磁気
センサである。そして、図示するように、この各磁気セ
ンサ27はロール14c内に配設された磁化器25の磁
極25a,26b間を結ぶ線に平行する線の中心(X=
0)に、金属帯12に直交する姿勢で配設されている。 したがって、この磁気センサ27は欠陥に起因する漏洩
磁束のうちの金属帯12の表面に直交する垂直成分を検
出する垂直型の磁気センサである。
【0079】このライン状に配列された多数の磁気セン
サ27全体を囲むように例えばパーマロイで形成された
シールド筒62の外周面に補償コイル63が巻装されて
いる。そして、この補償コイル63の高さHは、多数の
磁気センサ27全体を覆うように、各磁気センサ27の
長さhより長く設定されている。なお、シールド筒62
は、各磁気センサ27がこの磁気センサ27の直下の磁
束のみを効率よく検出するために、磁気検出における指
向性を向上させる目的で設けられている。図13は各磁
気センサから出力される出力信号を信号処理する異常部
検出回路の概略構成を示すブロック図である。
【0080】金属帯12の幅方向にn個の磁気センサ2
7が配列されており、このn個の磁気センサ27を囲む
ように補償コイル63が巻装されている。補償コイル6
3の一端は接地されており、他端はスイッチ64を介し
て増幅器65の出力端子に接続されている。
【0081】各磁気センサ27は各磁気検出回路66に
接続され、この各磁気検出回路66からそれぞれ各磁気
センサ27に交差する磁束に比例する出力信号eが出力
される。各磁気検出回路66から出力されたn個の出力
信号eはそれぞれハイパスフィルタ67へ入力される。 各ハイパスフィルタ67は、それぞれ、例えば20Hz
から3kHzまでの間に含まれる複数の遮断周波数fc
を有しており、遮断周波数切換制御回路68からの切換
制御信号に応じて一つの遮断周波数fc を選択する。
【0082】遮断周波数制御回路68には前記速度検出
器61からの走行速度Vが入力されており、入力された
走行速度Vに対応した切換制御信号を出力する。その結
果、金属帯12の走行速度Vが増加すると、各ハイパス
フィルタ67の遮断周波数fc が上昇する。したがっ
て、各ハイパスフィルタ67は走行速度Vに対応した遮
断周波数fc でもって各出力信号eに含まれる欠陥に
起因する漏洩磁束に対応する欠陥信号gを抽出する。
【0083】各ハイパスフィルタ67にて抽出された欠
陥信号gはマルチプレクサ回路69へ入力される。マル
チプレクサ回路69は一定周期で各欠陥信号gを順番に
選択して、例えばCRT表示装置からなる表示器70に
表示する。
【0084】また、各磁気検出回路66から出力された
n個の出力信号eは平均化回路71へ入力される。この
平均化回路71はn個の出力信号eを平均して、平均出
力信号e1 として出力する。平均化回路71から出力
された平均出力信号e1 は次のローパスフィルタ72
へ入力される。ローパスフィルタ72の遮断周波数fc
 は例えば1Hz等の非常に低い値に設定されている。 そしてローパスフィルタ72は平均出力信号e1 に含
まれる金属帯12が走行することによって生じる浮遊磁
束強度に対応する低周波信号成分iを抽出する。
【0085】ローパスフィルタ72で抽出された低周波
信号成分iは増幅器65へ入力される。増幅器65は入
力された低周波信号成分iを一定の増幅率でもって増幅
して、スイッチ64を介して補償コイル63へ印加する
【0086】補償コイル63は、前記浮遊磁束の磁界方
向と逆方方向の磁界を発生するようにコイルの巻回方向
が設定されている。したがって、補償コイル63に増幅
器65から励磁電流を印加すると、浮遊磁束を打消す方
向の磁束が発生する。その結果、各磁気センサ27に交
差する垂直方向の磁束は相殺されて大幅に低減する。そ
して、相殺しきれなかった磁束は磁気センサ27にて検
出されるが、その出力信号eに含まれる低周波信号成分
iは再度ローパスフィルタ72にて抽出される。そして
、再度補償コイル63に印加される。したがって、最終
的に出力信号eに含まれる浮遊磁束に起因する低周波信
号成分iはほとんど無視できる値となる。
【0087】このように構成された異常部検出装置によ
れば、欠陥が全く発生していない金属帯12を走行させ
ることに起因する浮遊磁束が結果的に各磁気センサ27
に交差しないので、各磁気センサ27の出力信号eに低
周波信号成分iが含まれない。よって、たとえ各磁気セ
ンサ27の検出感度を上昇させたとしても出力信号eが
飽和することはない。その結果、各磁気センサ27の検
出感度を容易に上昇できる。
【0088】次に、発明者は上述した効果を確認するた
めに図13の回路において、スイッチ64を投入して補
償コイル63に低周波信号成分iを帰還させた場合と、
スイッチ64を開放した従来装置の場合とで、実際の金
属帯12を用いて種々の比較試験を行った。試験結果を
図14乃至図17に示す。
【0089】図14は、欠陥が全く存在しない金属帯1
2を静止した状態で(V=0)、磁化器25の磁化コイ
ル25bの磁化電流Iを 0.4Aに設定した条件で、
各磁気センサ27の水平方向の位置Xを磁極26a,2
6bの中心位置(X=0)から±3mmまで移動させた
場合におけるハイパスフィルタ67に入力する手前の出
力信号eの信号レベルを測定して、相対出力として表示
した実測図である。
【0090】この実測結果でも理解できるように、スイ
ッチ64を投入して、補償コイル63に図23の垂直磁
界成分特性Dを打消す方向の磁束を発生させると、各磁
気センサ27の出力は各磁気センサ27の設置位置変化
に係わらず、0のほぼ一定値に制御できた。すなわち、
従来装置においては各磁気センサ27を正確に磁極26
a,26bの中心位置に設定する必要があるが、実施例
装置においては、磁気センサ27の設置位置を正確に中
心位置(X=0)に設定していなくても、出力信号eに
含まれる垂直磁界分布特性Dに起因する浮遊磁界の影響
を除去できる。
【0091】図15(a)は、予め基準となる直径0.
3 mm及び0.2mm の2種類の標準欠陥を設けた
金属帯12を一定速度(V=200 m/分)で走行さ
せた状態において、スイッチ64を投入した条件で、各
磁気センサ27を走行方向に5mmまで順番に移動させ
た場合における各磁気センサ27の出力信号eの信号レ
ベルを測定して、相対出力として表示した実測図である
。また、図15(b)は同一条件で、スイッチ64を開
放した従来装置における実測図である。
【0092】金属帯12を走行させると前述したように
浮遊磁束が生じる。そして、図15(b)の従来装置の
測定結果によると、この浮遊磁束の影響を大きく受けて
、各磁気センサ27の位置を変化させると標準欠陥の信
号レベルは大きく変動する。しかし、図15(a)の実
施例装置の測定結果によると、磁気センサ27の位置X
が中心位置から多少ずれたとしても、検出された標準欠
陥の信号レベルはほとんと変化しないことが確認できた
【0093】図16は、前述した直径0.3 mm及び
0.2mm の2種類の標準欠陥を有する金属帯12の
走行速度Vを 200m/分から1200m/分まで変
化させた場合におけるスイッチ64を投入した場合と開
放した場合における各出力信号eの信号レベルの相対出
力を示す実測図である。
【0094】この実測図でも理解できるように、実施例
装置によれば、たとえ走行速度Vが大きく変化したとし
てもほぼ一定した高い信号レベルでもって各欠陥を検出
できる。すなわち、走行速度Vが変化したとしても検出
された欠陥の規模を示す信号レベルはほとんど変化しな
い。よって、欠陥の規模をより定量的に測定できる。ま
た、走行速度Vを上昇させることによって、例えば工場
の検査ラインにおける金属帯12の探傷作業能率を大幅
に向上できる。
【0095】図17は、磁気センサ27を中心位置(X
=0)に設定し、ハイパスフィルタ67の遮断周波数f
c を1500Hzに設定し、さらに直径0.6mm 
の標準欠陥を有する金属帯12を走行速度V;1200
m/分で走行させた条件において、磁化器25の励磁電
流Iを0Aから0.6Aまで変化させた場合におけるハ
イパスフィルタ67を通った欠陥信号gの信号レベルの
相対値を示す実測図である。
【0096】励磁電流Iの増加に伴って欠陥信号eの信
号レベルも上昇するが、スイッチ25を開放した従来装
置においては、 0.2A程度の励磁電流Iで飽和して
、それ以上励磁電流Iを増加すると、出力信号eの信号
レベルは逆に減少する。しかし、スイッチ64を投入し
た実施例装置においては、欠陥信号gは 0.5A程度
の励磁電流Iまで上昇を続ける。すなわち、磁化器25
の磁化コイル25bに印加する励磁電流値を増大するこ
とによって簡単に検出感度を上昇できる。
【0097】図18はさらに別の実施例に係わる異常部
検出装置の要部を取出して示すブロック図である。図1
3と同一部分には同一符号が付してある。よって重複す
る部分の詳細説明を省略する。
【0098】この実施例装置においては、金属帯12の
幅方向に例えば100〜200 個の磁気センサ27を
配設する場合に、各磁気センサ27を例えば10個づづ
ブロック化し、m個のブロック73に分割し、各ブロッ
ク73毎に先頭の磁気センサ27の磁気検出回路66の
出力信号e1 を順番に抽出して平均化回路71aへ入
力している。よって、平均化回路71aはm個の出力信
号e1 を平均して、ローパスフィルタ72へ送出する
。このような構成であれば、平均化回路71aは図13
の実施例における平均化回路71に比較して、回路構成
が簡素化される。
【0099】図19はさらに別の実施例に係わる異常部
検出装置の概略構成を示す側面図である。図9の実施例
と同一部分には同一符号が付してある。したがって、重
複する部分の詳細説明を省略する。
【0100】この実施例においては、金属帯12を磁化
する磁化器25および金属帯12の異常部に起因して生
じる漏洩磁束を検出する磁気センサ27がロール14c
内に収納されている。そして、磁化器25の磁極26a
,26bの間に配設された各磁気センサ27全体の外周
を覆うように補償コイル63が設けられている。なお、
各磁気センサ27の異常部検出回路は図13と同じであ
る。このように構成された異常部検出装置においても、
前述した図12,図13に示す実施例とほぼ同様の効果
を得ることができる。
【0101】なお、本発明は上述した各実施例に限定さ
れるものではない。実施例装置においては、図3に示す
ように、圧延ラインに配設された金属帯12の走行方向
を約90度変更するロール14cの近傍に異常部検出装
置18を取付けたが、例えば、ルーパーロール15や、
図示しないハースロール,ブライドルロール,デフレク
ターロール等の金属帯12の走行方向を変更するロール
であってもよい。
【0102】また、本願発明の主旨としては、走行する
金属帯12が振動や反り等によって、金属帯12の表面
と磁気センサ27との間の距離dが変動することが抑制
されている装置においては、磁気検出器18をあえて金
属帯12の走行方向を変更するロールに取付ける必要は
ない。したがって、本願発明を応用することによって、
図20(a)に示すように、テンションレベラー装置7
4の出口近傍に磁気検出器75を設置することも可能で
ある。さらに、図20(b)に示すように、一対のピン
チローラ76a,76bでもって金属帯12に強い張力
を付与している場合は、ピンチローラ76a,76b相
互間に磁気検出器77を設置することも可能である。
【0103】
【発明の効果】以上説明したように本発明の金属帯の異
常部検出装置によれば、走行する金属帯の走行方向を変
更するロールにおける金属帯の接触する部分に対向する
ように磁化器と磁気感応素子からなる磁気検出器を配設
している。したがって、金属帯はロールの外周面に強制
的に接触された状態で走行方向がロールの曲率でもって
変更されるので、金属帯と磁気感応素子との距離を短く
設定しても、振動や反り等に起因して磁気感応素子が走
行する金属帯の表面に接触することはない。その結果、
磁気感応素子との距離を短くかつ一定に制御できる。よ
って、簡単な構成でもって異常部の検出精度を大幅に向
上できる。
【0104】また、複数の磁気感応素子を走行する金属
帯の幅方向に配列することによって、例えば金属帯の溶
接部を検出したり、金属帯の幅を検出することが可能と
なる。
【0105】さらに、ロールに対する金属帯の接触長さ
、リフトオフと磁極菅距離との関係を所定の関係に維持
することによって、異常部に対する最良の検出精度を維
持できる。
【0106】また、例えば磁気感応素子の近傍に浮遊磁
束を相殺するための補償コイルを設け、磁気感応素子の
出力信号に含まれる浮遊磁束に起因する低周波信号成分
をローパスフィルタで抽出して補償コイルに印加してい
る。したがって、磁気感応素子に交差する浮遊磁束を補
償コイルにて生起する磁束で相殺することができ、磁気
感応素子に交差する磁束を例えば欠陥等の磁気的異常部
に起因する漏洩磁束のみに限定できる。その結果、磁化
電流を大きな値に設定することによって、磁気感応素子
の検出感度を簡単に上昇でき、磁気的異常部の検出感度
およびS/Nを上昇できる。また、高い磁気的異常部検
出精度を維持したままで金属帯の移動速度を上昇でき、
例えば探傷作業能率を向上できる。さらに、磁気感応素
子の取付け位置が多少ずれていたとしても高い検出精度
を維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】  本発明の一実施例に係わる金属帯の異常部
検出装置の概略構成を示す側面図、
【図2】  同装置の磁気検出器の概略構成を示す斜視
図、
【図3】  同装置が組込まれた圧延ラインを示す模式
図、
【図4】  同装置の異常部検出回路を示すブロック図
【図5】  同装置の溶接部専用検出回路を示すブロ
ック図、
【図6】  同装置の効果を説明するための角度比(α
/β)で示した接触長と磁極間距離との比とS/N相対
比との関係を示す特性図、
【図7】  同装置の効果を説明するためのリフトオフ
と角度βで記した磁極間距離との比(β/d)とS/N
相対比との関係を示す特性図、
【図8】  本発明の他の実施例に係わる金属帯の異常
部検出装置における異常検出回路を示すブロック図、

図9】  本発明の別の実施例に係わる金属帯の異常部
検出装置の概略構成を示す側面図、
【図10】  本発明のさらに別の実施例に係わる金属
帯の異常部検出装置の概略構成を示す側面図、
【図11
】  本発明のさらに別の実施例に係わる金属帯の異常
部検出装置の概略構成を示す側面図、
【図12】  本
発明のさらに別の実施例に係わる金属帯の異常部検出装
置の要部を取出して示す断面模式図、
【図13】  同
装置の異常検出回路を示すブロック図、
【図14】  
同装置におけるセンサ位置と浮遊磁束の出力信号レベル
との関係を示す実測図、
【図15】  同装置におけるセンサ位置と出力信号レ
ベルとの関係を示す実測図、
【図16】  同装置における金属帯の走行速度と出力
信号レベルとの関係を示す実測図、
【図17】  同装置における励磁電流と出力信号レベ
ルとの関係を示す実測図、
【図18】  本発明のさらに別の実施例に係わる磁気
検出装置の要部を取出して示すブロック図、
【図19】
  本発明のさらに別の実施例に係わる金属帯の異常部
検出装置の概略構成を示す側面図、
【図20】  本発
明を応用した異常部検出装置における磁気検出器の設置
位置を示す図、
【図21】  従来の金属帯の異常部検出装置を概略構
成を示す模式図、
【図22】  従来の他の金属帯の異常部検出装置を概
略構成を示す模式図、
【図23】  同装置の問題点を説明するための模式図
【図24】  同装置における金属帯の走行速度と磁
気センサ出力との関係を示す図。
【符号の説明】
12…金属帯、14c…ロール、19…フレーム、22
…外周面、23…磁気検出器、24…支持フレーム、2
5…磁化器、25a…磁化鉄心、25b…磁化コイル、
26a,26b…磁極、27…磁気センサ、28,65
…増幅器、29…比較器、30…基準電圧発生器、31
,69…マルチプレクサ回路、34…アンドゲート、3
5…排他的論理和ゲート、61…速度検出器、63…補
償コイル、64…スイッチ、66…磁気検出回路、67
…ハイパスフィルタ、68…遮断周波数切換制御回路、
70…表示器、72…ローパスフィルタ。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  走行する金属帯に接し、その走行方向
    を変更する回転自在に支持されたロールにおける前記金
    属帯が接触する部分に対向配設された磁気検出器と、こ
    の磁気検出器を前記ロールの外周面に前記金属帯を介し
    て対向させ、かつこの金属帯に微小間隔を有して支持す
    る磁気検出器支持機構とから構成され、前記磁気検出器
    は、前記金属帯に対向する一対の磁極を有し、前記金属
    帯を磁化する磁化器と、この磁化器の磁極間に前記金属
    帯に存在する異常部に起因して生じる漏洩磁束を検出す
    る磁気感応素子とで構成されたことを特徴とする金属帯
    の異常部検出装置。
  2. 【請求項2】  前記磁気検出器は、前記一対の磁極相
    互間を結ぶ線が前記金属帯の走行方向に平行するように
    配設された磁化器と、この磁化器の磁極間に、前記金属
    帯の幅方向に配列された複数の磁気感応素子とで構成さ
    れたことを特徴とする請求項1記載の金属帯の異常部検
    出装置。
  3. 【請求項3】  前記磁化器における前記一対の磁極間
    の距離を、前記磁気感応素子から前記金属帯までの距離
    の1.8倍以上でかつ8.2倍以下に設定したことを特
    徴とする請求項1及び請求項2のいずれか一項に記載さ
    れた金属帯の異常部検出装置。
  4. 【請求項4】  前記磁化器における前記一対の磁極間
    の距離が、前記磁化器に対向する金属帯の前記ロールと
    の接触領域の金属帯走行方向の距離より短いことを特徴
    とする請求項1及び請求項3のいずれか一項に記載され
    た金属帯の異常部検出装置。
  5. 【請求項5】  走行する金属帯に接し、その走行方向
    を変更する回転自在に支持されたロール内における前記
    金属帯が接触する部分に対向配設され、前記金属帯に対
    向する一対の磁極を有し、前記金属帯を磁化する磁化器
    と、この磁化器の磁極間に配設され前記金属帯に存在す
    る異常部に起因して生じる漏洩磁束を検出する磁気感応
    素子とを備えた金属帯の異常部検出装置。
  6. 【請求項6】  走行する金属帯に接し、その走行方向
    を変更する回転自在に支持されたロール内における前記
    金属帯が接触する部分に対向配設され、前記金属帯に対
    向する一対の磁極を有し、前記金属帯を磁化する磁化器
    と、前記金属帯に存在する異常部に起因して生じる漏洩
    磁束を検出する磁気感応素子と、この磁気感応素子を前
    記ロールの外周面に前記金属帯を介して対向させ、かつ
    この金属帯に微小間隔を有して支持する磁気感応素子支
    持機構とを備えた金属帯の異常部検出装置。
  7. 【請求項7】  走行する金属帯に接し、その走行方向
    を変更する回転自在に支持されたロールにおける前記金
    属帯に対向する一対の磁極を有し、前記金属帯を磁化す
    る磁化器と、この磁化器を前記ロールの外周面に前記金
    属帯を介して対向させ、かつこの金属帯に微小間隔を有
    して支持する磁化器支持機構と、前記ロール内の前記磁
    化器の磁極に対向する位置に配設され、前記金属帯に存
    在する異常部に起因して生じる漏洩磁束を検出する磁気
    感応素子とを備えた金属帯の異常部検出装置。
  8. 【請求項8】  前記磁気感応素子の出力信号に含まれ
    る低周波信号成分を抽出するローパスフィルタと、この
    ローパスフィルタにて抽出された低周波信号成分を増幅
    する増幅器と、この増幅器にて増幅された低周波信号成
    分により励磁されることによって、前記金属帯から生じ
    る前記磁気感応素子に交差する浮遊磁束を相殺する磁束
    を生起する補償コイルとを備えた請求項1と請求項5と
    請求項7のいずれか一項に記載された金属帯の異常部検
    出装置。
  9. 【請求項9】  前記磁気感応素子は、前記金属帯の異
    常部に起因して生じる漏洩磁束のうちの前記金属帯の表
    面に垂直な成分を検出する垂直型磁気感応素子であり、
    かつ前記補償コイルは、前記磁気感応素子の外周面を覆
    うように巻装されていることを特徴とする請求項8記載
    の金属帯の異常部検出装置。
  10. 【請求項10】  前記磁気感応素子の出力信号に含ま
    れる前記金属帯の異常部に起因して生じる信号を抽出す
    るためのハイパスフィルタと、前記磁気感応素子に対す
    る前記金属帯の移動速度を検出する速度検出器と、この
    速度検出器にて検出された移動速度に応じて前記ハイパ
    スフィルタの遮断周波数を変更する遮断周波数制御手段
    とを備えた請求項8記載の金属帯の異常部検出装置。
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