JPH0434816Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、歯科医療等の医療施術に用いられる
非接触形レーザ案内具の改良に関するものであ
る。

（従来の技術） 一般にハンドピース等のレーザ形治療装置は、
その内部からレーザ光を装置先端に取付けた案内
具に伝送させ、該案内具内のレンズを通して該レ
ーザ光を生体疾患組織等に照射させることにより
該組織等の治療を行なうもので、歯科等の医療関
係の用途などで広く使用されている。

そして上記レーザ案内具は、その内部に導入し
た強力なエネルギーをもつレーザ光を医術者によ
つて操作されながら短時間で上記対象部位に照射
させるものであるので、該治療対象となる生体組
織等とレーザ案内具とは、通常の治療形態におい
ては、非接触の状態とされるのが多い。

（考案が解決しようとする問題点） ところで、上記従来の案内具においては、上述
のようにレーザ光を治療対象となる患部と非接触
の状態で照射させるものであるので、臨床時など
において患部と一定の距離に離間させて照射する
レーザ光の焦点がどの位置にあるのか、又どの位
置で何mm位のスポツト径があるのか等を医術者が
視認することが難かしく、治療上不都合なものと
なるなどの問題点を有していた。

このため、例えば「実開昭57−136309号公報」
として、レーザハンドピースに焦点位置案内器具
を取付けた構成が開示された。

しかしながら、上記器具のレーザ光の照射によ
る治療時において、該焦点案内器具が医術者の視
線方向に位置する場合には、医術者の視野を妨害
することになるので的確な治療が行い難くなると
いつた問題がある。

このため、医術者が患部の状況を把握するため
には、上記焦点案内器具を回動させねばならない
が、この場合には、上記器具におけるハンドピー
ス本体との接触部をゆるめて該器具を回動させる
ことになるので、これから該器具のハンドピース
本体に対する固定性が悪くなり、例えば歯科治療
時に口腔内で歯牙に当つて回動し、医術者の視野
を再び妨げるといつた問題や、上記ゆるめ操作に
よりハンドピースと上記器具との長手方向の距離
が大きくなる為、正確な焦点案内が出来なくなる
といつた問題や、経時器具自体がハンドピース本
体から逸脱して患者の身体や、特に上記歯科治療
の際には患者の口腔内に落下するといつた重大な
障害を招くので、この解決が強く望まれる状況に
あった。

そこで本考案は、上記従来の非接触形レーザ案
内具の問題点の解消のため、レーザ案内具本体の
長手方向に、該本体の周方向に回動・停止自在と
させる指示体を設けることにより、レーザ光の焦
点位置やスポツト径などを指示させて医術者によ
る施術を的確に行なえるようにするとともに、治
療患部を視認するに当り医術者の視線に上記位置
決め用の指示体が存在する場合には、該指示体を
医術者が指で動かすことにより適宜回動・停止可
能となし、更に、適度のフリクシヨンをもたせ
て、例えば歯牙治療時等において、該歯牙に上記
案内具が当接した場合には簡単に回動しないよう
に構成させた非接触形レーザ案内具を提供するこ
とを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 上記目的を達成するための本考案の構成を、実
施例に対応する第１図イ、ロ、ハ、第２図及び第
３図を用いて説明すると、本考案は、第３図に示
すようなレーザハンドピース本体２０の先側に着
脱自在に結合された中空状レーザ案内具本体１、
２と、このレーザ案内具本体１，２に軸心方向に
一体的に結合可能とされた中空状保持具３，４
と、前記レーザ案内具本体１，２と該保持具３，
４との間に弾性的に挟持されて該レーザ案内具本
体１，２の周方向に回動・停止自在とされた中空
状基環部５１，６１に該案内具本体１，２の軸心
方向に向けて突設された一対の対向する突片５
ｄ，５ｄ，６ｄ，６ｄから成る指示体５，６と、
から構成されており、該レーザハンドピース本体
２０の先側から該レーザ案内具本体１，２及び該
保持具３，４の中空部を通過したレーザ光を上記
一対の突片５ｄ，５ｄ，６ｄ，６ｄの間から照射
させるようにしたレーザ案内具である。

本考案の指示体５，６を構成する突片６ｄ，６
ｄとしては、例えば第１図のようなレーザ拡散形
となした突片５ｄ，５ｄや、又第２図のようにレ
ーザ光焦点絞り形となした突片６ｄ，６ｄが利用
される。

（作用） 本考案の作用を第１〜３図に用いて説明する
と、図示したように、指示体５，６を案内具本体
１，２に対して各々その周方向に回動・停止自在
とさせたレーザ案内具Ａ，Ｂを、着脱自在として
先端に取付けたレーザハンドピース本体２０にお
いて該本体２０内に配設した例えば光フアイバか
らなる光導体３０により供給されるレーザ光をハ
ンドピース本体ヘツド部４０内の反射体で反射さ
せて上記レーザ案内具Ａ，Ｂの開口１ａから案内
具本体１，２に伝送する。そして該案内具本体
１，２内に収納させたレンズ７の特性により該レ
ーザ光の焦点距離を定めるとともに、案内具本体
１，２先端部に進行させることにより離間した位
置の治療対象部位に照射させる。

この際、進行するレーザ光は案内具本体１，２
内のレンズの特性により各々治療態様に対応する
焦点絞り形、拡散形ないしは平行形とされ、又該
案内具本体１，２に連設させた上記指示体５，６
の一対の対向する当該突片５ｄ，５ｄの間〓を目
視することにより、その照射に伴う例えば焦点位
置等を明確に指示される。

又、上記指示体５，６の当該突片５ｄ，５ｄが
患部を視認する医術者の視線に位置するときに
は、該指示体５，６を適宜、案内具本体１，２周
方向に回動させることにより位置移動が容易にで
き、且つ停止させることができるのでこの状態下
で継続して的確な治療が実施できる。

なお、上述したレーザハンドピース本体２０
が、ストレート形の場合には上記反射体は不要な
ので、上記レーザ光は光導体３０等から直接的に
案内具本体１，２に伝送される。

（実施例） 以下、図面に基づいて本考案の実施例を説明す
る。

第１図イ，ロ，ハは、本考案に係るレーザ光拡
散形の非接触形レーザ案内具の構成及びその組立
て手順を示す分解斜視図であり、図示のように案
内具本体１は上記ハンドピース本体２０に対して
着脱自在とされた接続部Ｊ１を備え、その内部基
端側に上記ハンドピース本体２０から伝送される
レーザ光を導入するための開口１ａを有し、基端
内にレンズ７をエアー通路８を介して収容しその
先端部を径大とされ、該外周には第１図ロ，ハで
示すように螺着部材を介装させる嵌装部１Ｃを形
成されて該先端部内周面にはねじ溝Ｊ２を備える
とともに、該ねじ溝Ｊ２と連なる内周先端方向に
後述する指示体５の基環部５１の一端を嵌入させ
る嵌着部１ｄを形成してなる。

そして、上記案内具本体１の長手方向にはレー
ザ光の進路を指示する指示体５の基環部５１を該
本体１に取付けるための保持具３が上記本体側の
ねじ溝Ｊ２と螺合されて連設され、その先端に位
置する係止部３ａで上記指示体５の基環部５１を
係止させてなる。

すなわち、上記保持具３は、基端外周に上記案
内具本体１内周のねじ溝Ｊ２に螺合されるねじ溝
Ｊ３を有し、その内周に求心方向に突部３ｃを突
設させてなるとともに、その先端に内周を拡開状
３ｂとなした段状の係止部３ａを形成して上記案
内具本体１の先端部に内嵌されるように構成され
ている。また、その係止段部３ａには適宜な間隔
をもつてスリツト３ｄが形成され、螺着操作を容
易とさせている。

次に上述したレーザ光の進路を指示する指示体
５の基環部５１は、上記案内具本体１と該保持具
３との間に挟持されるとともに、回動促進或は停
止部材や弾性部材Ｒ、すなわち案内具本体１、又
は保持具３に塗布された耐熱性樹脂系などの部
材、例えば塗料材のコーテイング層や同系樹脂の
円環状の板体、或はリング状のウエーブワツシヤ
やＯリング、パツキン、スプリング等を介在させ
て、基環部５１の先細とされた基端５ａを挿着さ
れ、そして該基端５ａと隣接させて設けた段部５
ｂの内周５ｃを上記係止部３ａにより係止され、
且つ該段部５ｂと先開状に連設された例えば図示
のように内部側にわん曲した形状の一対の対向す
る突片５ｄを設けて構成されている。

すなわち、上記指示体５は、上記回動促進或は
停止部材や弾性部材Ｒにより案内具本体１の周方
向に対して医術者の指で回動・停止自在とされ、
且つ例えば突片５ｄが歯牙に当つても簡単に回動
しない程度にフリクシヨンをもたせて該案内具本
体１の長さ方向に連設される。

そして、実使用時には、第１図イ，ハで示すよ
うに、案内具本体１内に凸レンズ、凹レンズ、平
板レンズなどのレンズ７を収容させるとともに、
該レンズ７端部と上記保持具の突部３ｃ間に介装
させたスプリングＳにて該レンズ７を案内具本体
基端開口１ａ側に弾力付勢させることにより位置
固定させ、案内具本体１内に導入されるレーザ光
を損失させることなく集束させるようにする。次
に回動・停止部材或はリング状の弾性部材Ｒ、例
えば図示したようなウエーブワツシヤなどを本体
１と該指示体間に介在させて上記指示体５を案内
具本体１の周方向に回動・停止できるようにし
て、上記指示体基端５ａを案内具本体嵌着部１ｄ
に嵌着させるとともに、上記保持具３を該基環部
５１内に挿通させて該ねじ溝Ｊ３を本体側のねじ
溝Ｊ２に螺合させて一体的に非接触形のレーザ案
内具Ａを構成させる。

しかして、上記ハンドピース本体２０等のレー
ザ形治療装置本体内から伝送されるレーザ光は、
案内具本体１内のレンズ７の特性、すなわち、凸
レンズの場合においては焦点絞り形、凹レンズや
平板レンズの場合には拡散形として案内具本体１
内を進行し、上記指示体５の突片５ｄ，５ｄの指
示により各々、的確に治療対象となる患部に照射
されて目的とするレーザ光による治療を効果的に
実行させ得るものとなる。

第２図は、別の構成からなるレーザ案内具Ｂを
示すもので、図示のように案内具本体２は、その
基端内にエアー通路８を介してレンズ７を固定す
るとともに先端側上周面に内方に向けて形成させ
た凹部２ｂを有する切欠状の保持具嵌着部２ａを
設けて構成され、そして該保持具嵌着部２ａに、
保持具４、すなわち基端下周面に凸部４ｂを有し
て該凸部４ｂを上記案内具本体２の凹部２ｂに嵌
合させるとともに、上記嵌着部２ａに嵌着され、
しかもその先端に位置する屈曲部４ａで後述する
指示体６の基環部６１の段部６ａを係止可能とす
る保持具４を外嵌させてなる。

すなわち、上記保持具４を例えば弾性体となし
たときには、上記本体１側の凹部２ｂと、該保持
具側の凸部４ｂとがその弾力により嵌合され、両
者が係合されるとともに、該保持具４と、更に指
示体６とが、互いの係止部となる上記屈曲部４ａ
と、指示体６の基環部６１の基端に位置する段部
６ａとを係合保持させることによつて案内具Ｂを
一体的に構成させるのである。

なお、上記指示体６は、その基環部６１の基端
周面に外方に向つて凹設させた凹部６ｂと上記段
部６ａとを有し、且つ上記案内具本体の軸心方向
にその先端側を順次狭小とされた一対の突片６ｄ
を設けてなるものである。

更に図例に基づき具体的に説明すると、上記案
内具本体１の軸心方向に上記指示体６の基環部６
１の基端６ｃを連設させるとともに、図示のよう
に先端部が内周方向に屈曲した屈曲部４ａで上記
指示体の段部６ａを係止する保持具４を、上記指
示体６の基環部６１の基端側に形成した凹部６ｂ
に例えばリング状弾性部材ＲとしてＯリングを採
用して嵌着させた状態において上記本体側嵌着部
２ａに外嵌させて、該保持具の屈曲部４ａにより
上記指示体６の基環部６１を案内具本体１と保持
具４との間に挟持させるとともに、該本体１周方
向に指示体６を回動・停止自在とさせるものであ
つて、この構成は、いわゆるレーザ光焦点絞り形
のレーザ案内具Ｂとされる。

なお、上述した第１の実施例においては、案内
具本体１に保持具３が螺合により一体的に固定さ
れ、この案内具本体１と保持具３との間で指示体
５の基環部５１を挟持し、案内具本体１の周方向
に指示体５を回動・停止自在としており、又、第
２の実施例においては、案内具本体２の保持具４
が嵌合により一体的に固定され、この案内具本体
２と保持具４との間で指示体６の基環部６１を挟
持し、案内具本体２の周方向に指示体６を回動・
停止自在としている。

そして、指示体５，６を案内具本体１，２に対
して適度なフリクシヨンで回動・停止自在となる
ように各々、上記第１実施例では案内具本体１と
指示体５との間に、第２実施例では保持具４と指
示体６との間に回動促進、或は停止部材、又はリ
ング状の弾性部材Ｒを介在させている。

本考案は、上記実施例に限られることなく、案
内具本体１，２と保持具３，４を螺合などにより
一体的に結合固定し、この案内具本体１，２と保
持具３，４との間で指示体５，６を挟持し、指示
体５，６を案内具本体１，２の周方向に適当なフ
リクシヨンで回動・停止自在となるように寸法的
に仕上ればよく、上記回動促進、或は停止部材又
はリング状弾性部材Ｒは、、本考案の効果を増す
ための付加的要件であつて、これらの部材Ｒは使
用目的等に応じて適宜本体１，２と保持具３，４
間に介在させて指示体５，６を本体１，２の周方
向に回動・停止自在とさせるようにすることや、
又、指示体５，６自体に組込ませて上記同様に回
動・停止自在とさせるようにすることもでき、こ
のような構成上の変更は本考案の趣旨の範囲内に
おいて可能である。

（考案の効果） 以上のように、本考案の非接触形レーザ案内具
は、案内具本体に該本体の周方向に回動自在とさ
れた指示体を連設させているので、その内部に供
給されるレーザ光を治療態様に応じて焦点絞り形
もしくは拡散形ないし平行形とさせるとともに、
該指示体により照射されるレーザ光の焦点位置や
スポツト径がどの位置にあるかを明確に指示し、
的確なレーザ光により治療を実施させると同時
に、該指示体の当該一対の対向突片が患部を視認
する医術者の視線に位置する場合には、単にこの
指示体を案内具本体の周方向に回動・停止させる
だけの操作で位置移動でき、医術者はこの移動に
より治療状況等を的確に把握できるようになる。

従つて、従来のこの種の案内具のように、ハン
ドピース本体と案内具との接続部をゆるめて案内
具に固定した指示体を移動させるといつた煩雑且
つ治療上支障となる動作を行なう必要もなく、又
予め位置調整の必要もなくなるので、その治療時
の操作性の大幅な向上と、レーザ光による歯科治
療等の効率を著しく高める効果を発揮するものと
なる。

【図面の簡単な説明】

第１図イは本考案に係る非接触形レーザ案内具
の構成を示す縦断説明図、同図ロは同側面図、同
図ハは同分解斜視図、第２図は同別の構成を示す
縦断説明図、第３図は本考案に係るハンドピース
本体と、レーザ案内具との連結状態を示す縦断説
明図である。 符号の説明、１，２……レーザ案内具本体、
３，４……保持具、５，６……指示体、７……レ
ンズ、２０……ハンドピース本体、Ｒ……回動促
進、或は停止部材もしくはリング状弾性部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 レーザハンドピース本体の先側に着脱自在に結
   合された中空状レーザ案内具本体と、このレーザ
   案内具本体に軸心方向に一体的に結合可能とされ
   た中空状保持具と、前記レーザ案内具本体と該保
   持具との間に弾性的に挟持されて該レーザ案内具
   本体の周方向に回動・停止自在とされた中空状基
   環部と当該基環部に該案内具本体の軸心方向に向
   けて突設された一対の対向する突片とから成る指
   示体と、から構成され、 該レーザハンドピース本体の先側から該レーザ
   案内具本体及び該保持具の中空部を通過したレー
   ザ光を上記一対の突片の間から照射させるように
   した非接触型レーザ案内具。