JPH0341691Y2

JPH0341691Y2 -

Info

Publication number: JPH0341691Y2
Application number: JP1986084642U
Authority: JP
Priority date: 1986-06-02
Filing date: 1986-06-02
Publication date: 1991-09-02
Also published as: JPS62194314U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、歯科医療等の医療施術に用いられる
接触形レーザメスチツプの改良に関するものであ
る。

（従来の技術）従来からレーザメスは、光導体等を介してレー
ザ光線を内部に導入するとともに、レンズで集束
し細いビームにして生体疾患組織等に照射させ、
該組織等の治療を行なう医療関係の用途などで広
く使用されている。

そして、このレーザメスは、強力なエネルギー
をもつレーザ光を極めて短時間で対象部位に照射
させるものであるので、通常はレーザメスの先端
部に位置するチツプと治療対象となる生体組織等
とは非接触の状態でレーザ光を照射し医術者によ
る施術が行なわれていた。

しかし、施術時患部の感触を得ることができ
ず、施術が非常にやりにくいという問題があり、
このため、例えば「実開昭60−190310号公報」に
は上記患部とチツプとを接触させて治療を行なう
接触形レーザメスチツプが開示されている。

（考案が解決しようとする問題点）ところが、上記従来のチツプは、先端部を細径
とした直進方向或は先端部から放射状にしかレー
ザ光を照射できない形状で構成されていることか
ら、例えば屈曲しているのが一般的な歯牙の根管
治療や歯周等の疾病である盲嚢の治療時において
は、先細のチツプ先端からレーザ光を被対象部位
に点接触としてしか照射できなく、従つて、例え
ば歯牙の根管部や歯牙の側面に位置する盲嚢など
の治療に際しては、治療が局部的に制限され的確
な治療が行えないといつた問題点を有していた。

又、チツプの先端が細いため、硬組織を対象と
した接触治療時には、レーザ光の集中エネルギー
によりチツプ先端が溶融するといつた重大な欠点
を露呈する。

（問題点を解決するための手段）そこで本考案は、上記従来のレーザメスチツプ
の欠点の解消のため、円柱体もしくは略円錐体の
レーザメスチツプの周体途中より先側にかけて先
向漸薄状とした傾斜部を設けて、その前端を弧状
に形成したチツプ前端部からレーザ光を線接触と
して広範囲にわたり照射可能とさせるとともに、
レーザ光のエネルギーを分散させることにより、
治療部位に対する効果的な施術と治療を実施でき
るようにした接触形レーザメスチツプを提供する
ものである。

本考案の構成を、実施例に対応する第１図〜５
図を用いて説明すると、本考案は、光導体から伝
送されるレーザ光Ｌを受光し、その前端部１から
レーザ光Ｌを治療部位等に適宜照射させる接触形
レーザメスチツプＣにおいて、該チツプＣを第１
図イ，ロ，ハのように円柱体として形成させると
ともに、その周体途中より先側にかけて求心方向
に向う傾斜部すなわち、チツプ後側部の周体の直
径方向に相対向する二つの部分について例えば図
示のようにテーパ状とされて形成された傾斜部４
を設けて厚みを先向漸薄状となし、同図ハに示す
ように、その前端部１を弧状体として形成させた
こと、又は第２図イ，ロ，ハのように、チツプＣ
を略円錐体として形成させ、上記同様該周体に傾
斜部４を設け、且つ前端部１を弧状体となしたこ
と、更には第３図イ，ロ，ハのように、チツプＣ
を円柱体とするとともに、上記傾斜部４をチツプ
Ｃ周体の一部に形成させ、その前端部１を内側に
湾曲させた形状となしたこと、或は第４図イ，
ロ，ハのように、チツプＣを略截頭円錐体とする
とともに、上記傾斜部４をチツプＣ周体の一部に
形成させ、その前端部１を内側に湾曲させた形状
となしたこと、に存する。

（作用）本考案の作用を実施例に対応する第５図及び第
７図を用いて説明すると、図示のような円柱体又
は円錐体に形成され、その周体途中より先側にか
けて求心方向に向う傾斜部４を設けて厚みを先向
漸薄状となし、その前端部１を薄い厚みの弧状に
形成して構成されたレーザメスチツプＣを、第７
図にて示すハンドピース本体１０等の装置に着脱
自在に取付けて、該装置１０内の光導体２０、例
えばフアイバからなる光導体２０により供給され
るレーザＬを上記ハンドピース本体ヘツド部３０
内の反射体４０下面に位置する円柱部、すなわち
チツプ後端部２とそれに続く円錐状の前端部１を
有するチツプＣ内に導入する。

このチツプ内に受光されたレーザ光Ｌは、該チ
ツプＣ内壁面で反射され、次第にチツプＣの前端
方向の傾斜面によりとの反射角を大きくさせて前
進し、治療対象部位に接触するチツプの傾斜部４
を基点として適度な広がりをもつて分散され、生
体組織等の治療対象部位へ的確に照射される。

この際、チツプは可撓性材料よりなるチツプを
使用し、このチツプの前端部１を弧状に形成すれ
ば、その前端部１の屈曲や変形操作によりレーザ
光Ｌの熱エネルギー密度を比較的広い範囲の治療
対象各部位に均等化して照射できるので、屈曲形
状が一般的な歯牙の根管治療や歯牙周面等に位置
する歯肉Ｅの盲嚢、歯根膜、歯槽骨等の疾患治療
部位の形状に沿つてその治療を効果的に実行させ
得るものとなる。

（実施例）以下図面に基づいて本考案の実施例を説明す
る。

図中Ｃは、上述したように本考案に係るレーザ
メスチツプで、図示のようにチツプは、可撓性材
料、例えばポリメチルアクリレートなどの合成樹
脂等からなるものであつて、円柱体又は略円錐体
から形成されるとともに、該チツプ周体途中より
先側にかけて求心方向に向う傾斜部４を設けて厚
みを先向漸薄状となし、その前端部１に例えば第
１図イ，ロ，ハ及び第２図イ，ロ，ハで示すよう
な、弧状体を設けたり、第３図イ，ロ，ハ及び第
４図イ，ロ，ハで示すように、その前端部１を内
側に湾曲した形状として上記光導体２０から供給
されるレーザ光Ｌを損失させることなく連続的に
その内部に導入させて、上記傾斜部４の大きさ等
に対応させた適度な広がりをもたせて上記前端部
１から生体組織等に照射させるように構成されて
いる。

なお、該チツプＣの材質としては、レーザ光Ｌ
を好適に伝送するセラミツクスや石英ガラスなど
とともに、柔軟性や可撓性のある上記ポリメチル
アクリレートなどの合成樹脂をはじめ、合成ゴム
系材料などをも対象としている。そして、第５図
にて示したようなチツプ固定具３により該チツプ
後端部２を装置本体に嵌着できるように固定させ
るとともに、該固定具３を、例えば第７図に示し
たハンドピース１０のヘツド部３０に螺合して固
定させる。ハンドピース１０の光導体２０から供
給されるレーザ光Ｌは、先端の反射鏡により集束
されて、当該固定具に固定されているチツプの後
端部の開口３ａからチツプ内に導入され、当該チ
ツプ前端部１から図中矢印方向に照射させるもの
である。

この際、レーザ光Ｌは、第５図として示す説明
図のように、チツプＣ内壁面で反射されながらチ
ツプ先端部１に強力な熱エネルギーを集束させる
ようになるが、上記のように本考案においては、
チツプ周体に傾斜部４を設けているので、従来の
チツプのように先細の先端部のみ局部的にレーザ
エネルギーを負荷されトラブルを誘起するといつ
た問題もなく、例えば第６図に示すように、上述
した前端部１が湾曲した形状のチツプを用いて該
チツ前端部１を歯牙Ｄ周面の歯肉Ｅに図示のよう
に接触させ、盲嚢等の疾患部の範囲に対応した治
療を効果的に実施することができるのである。

（考案の効果）以上のように、本考案の接触形レーザメスチツ
プは、可撓性材料もしくはセラミツクや石英ガラ
スなどの非可撓性材料からなるとともに、円柱体
又は略円錐体の形状からなり、それらの周体途中
より先側にかけて求心方向に向う傾斜部を形成し
ているので、光導体から放出されるレーザ光を該
傾斜部により適度な広がりをもつて分散可能とさ
せ、例えば屈曲形状の歯根膜位置や歯周面の盲嚢
疾患部位等全体にレーザ光を的確に照射させ得る
ものとなる。

更に、上記チツプ前端部が薄い厚みの弧状に形
成されているため、歯牙或はその周面の治療対象
部位の形状等に拘束されることなく該部位等にチ
ツプ前端部を容易に接触させることができ、且つ
この態においてレーザ光を比較的広範囲な疾患部
位等へ均等化させて照射できるので、その治療効
果を著しく高めることが可能となるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図イは本考案のチツプの正面形状を示す説
明図、第１図ロは第１図イの縦断面図、第１図ハ
は第１図イの前端部近傍の横断面図、第２図イは
本考案の第２実施例のチツプ正面図、第２図ロは
第１図イの縦断面図、第２図ハは第１図イの前端
部近傍の横断面図、第３図イは本考案の第３実施
例のチツプ正面図、第３図ロは第３図イの−
断面図、第３図ハは第３図イの−断面図、第
４図イは本考案の第４実施例のチツプ正面図、第
４図ロは第４図イの−断面図、第４図ハは第
４図イの−断面図、第５図は、本考案のチツ
プ内におけるレーザ光の進行状態を示す説明図、
第６図は、本考案に係る治療部位に対する施術の
一態様を示す説明図、第７図は、本考案に係る装
置本体とチツプの連結状態における作動を示す縦
断説明図である。符号の説明、１……レーザメスチツプ前端部、
２……レーザメスチツプ後端部、３……固定具、
４……傾斜部、Ｃ……レーザメスチツプ、Ｄ……
歯牙、Ｅ……歯肉、Ｌ……レーザ光。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】 (1) 光導体から伝送されるレーザ光を受光し、そ
の先端からレーザ光を治療対象部位等に照射さ
せる接触形レーザメスチツプにおいて、前記チツプは、円柱体もしくは略円錐体から
形成されるとともに、該周体途中より先側にか
けて求心方向に向かう傾斜部を設けて厚みを先
向漸薄状となし、その前端部が弧状に形成され
てなることを特徴とする接触形レーザメスチツ
プ。 (2) 前記傾斜部がチツプ後側部の周体の直径方向
に相対向する二つの部分について形成されてい
る実用新案登録請求の範囲第１項記載の接触形
レーザメスチツプ。 (3) 前記傾斜部がテーパ状とされている実用新案
登録請求の範囲第２項記載の接触形レーザメス
チツプ。 (4) 前記傾斜部がチツプ周体の一部に形成され、
その先端形状が内側に湾曲状とされている実用
新案登録請求の範囲第１項記載の接触形レーザ
メスチツプ。